製造技術系エンジニアの早期育成と 技術力の向上に向けた 教育研修と今後の課題 2015年7月14日 第17回 ARC東京フォーラム 出光興産株式会社 製造技術部技術研修センター 高 橋 正 幸 1.各所製油所・工場と技術研修センター 1 技術研修センター 北海道製油所 千葉県市原市 1992年 設立 北海道苫小牧市 1973年 操業開始 千葉製油所・工場 徳山事業所 愛知製油所 千葉県市原市 石油精製 (1963年操業開始) 石油化学 (1975年 操業開始) 山口県周南市 石油精製 (1957年 操業開始) 石油化学 (1964年 操業開始) 愛知県知多市 1975年 操業開始 2 (1)技術研修センターの組織 出 光 興 産 本 社 製 造 技 術 部 技術研修センター (19名) 所 長 研修ク ゙ループ 人事部 3製油所・1事業所・1工場 所 長 人事課 製油一課 千葉研修センター 徳山訓練プラント 製油二課 潤滑油一課 3 (2)技術研修センターの所在地 技術研修センター 1992年設立 市原市 ●JR東京駅より約80分 ●羽田空港より アクアライン経由約50分 山口県 千葉県 訓練プラント (徳山事業所) 4 (3)設立の背景 年代 ⇒ 運転形式 計装システム ‘70 ‘80 パネル運転 アナログ ‘90 ‘00 CRT運転 DCS(デジタル) 単一ループ制御 アドバンスト制御(最適化制御) 設備 制御・運転 支援 システム ・加熱炉O2制御 ・性状制御 ・コンストレイン制御 ・運転支援 ・多変数制御 ・高度監視 ・ニューロ/ファジー 制御 シミュレータ 主要プラント (OTS) 計器室 (カスタムモデル) 統合化 2.プロダクションエンジニア(PE)とは 出光の製油所・工場では全てのオペレーター 課長 を「プロダクションエンジニア」と呼び、 以下の姿を目指した段階的に育成 係長 プロダクションエンジニア(PE)とは 「運転の対象となるプロセス、設備及び 直長 システムを論理的に理解し、またそれら の相互関連を把握して総合的な判断を行 い、安全且つ高効率な製油所・工場操業 直長補佐 の最適運転を実行できる運転部門の技術 者」を言う ●将来型製油所 ●ジェット機のパイロットをイメージ ボードマン フィールドマン 5 6 3.代表的な研修プログラム 育成過程 職種 係長 全 社 共 通 育 成 過 程 実務能力 発揮段階 技術研修センターでの代表的な研修 ■マネージメント ● 新任係長研修 ■リーダーシップ 直長 ■異常時の指揮力 専門研修 ● 直長研修 ● 直長級研修 ● 設備管理講座 ■異常時の措置 実務習熟 段階 基礎能力 修得段階 ● 用役電気講座 必須研修 ■設備管理 ● ボードマン研修 ボードマン フィールド マン ■運転管理 ● 運転支援ツール講座 ● 終了研修 ■計測・制御 ● DCS研修 ■異常時の措置 ■化学工学の基礎 新入社員 ■仕事の基本 ● 新入社員2次 教育 ● 新入社員導入 教育 7 4.PEの世代交代(1) PEの年齢分布 技術研修センター設立当時(1992) 人 数 ★建設経験 ★事故・トラブル対応 ★各種検討業務 ★自主管理活動推進 実務より得た 保有技術 直長(補佐)の世代交代 (後継)が必要だった 伝承育成 OffJ・OJTを中心 とした 技術修得 (後継) ベテラン世代 若者世代 PEの年齢分布 4.PEの世代交代(1) (2015年現在) 直長(補佐)任命人数 昭和入社⇒平成入社に 人 数 7割移行 昭和入社 平成入社 (後継) ベテランの世代 若い世代 PEの年齢分布 8 9 5.PEの世代交代(2) ぼ世代交代に向けた大量採用 ◇ボードマンの早期育成が課題 人 数 ボードマンの育成 直長(補佐) ベテランの世代 平成入社 PEの年齢分布 若い世代 6.教育用シミュレータ、OTS、実機訓練プラントの活用 活用 対象者 目的 実習・訓練の内容 10 特徴 ボードマン OTS 早 期 育 成 フィールドマン ボードマン 教育用機器・ シミュレータ □PCソフトを利用することで流動や ・一人ひとりが理解・ 伝熱の原理原則を理解する 納得するまで繰り返 □計装キットを使用し実物で確認す ることで制御ループを理解する し学習、実習ができ る □実験・実習設備を使った研修 技術力の向上 直長補佐 実機訓練 プラント □訓練シミュレーターを活用し運転 異常・トラブルを入力しトラブル時 の対応力及び系統的な原因追究 力を向上させる訓練 ・異常原因の特定手順 の修得が目的 ⇒ 汎用的な装置 □訓練プラントを使用 した 緊急時の指揮及び対応力を向上 させる訓練 ・緊急自動停止、インタ ーロックシステム、ガス漏 洩検知システムを駆使 することで臨場感の ある訓練ができる 7.ボードマン早期育成上の問題点と取組み 問題点 OJT機会の減少 ◆長期連続運転 トラブルの減少等 ◆指導者の確保が難しい ・育成専任者の確保が困難 ・育成対象者の増加 (大量入社・・) 従来の研修では対応不可 ◆育成対象者の増加 ◆ボードマン成熟レベルに 合った研修になっていない 11 取組み 集合教育の充実 ◆訓練用のプラントを活用した研修 (訓練)の充実 ◆訓練シミュレーターの充実 ◆成熟(育成)レベルに合った研修 の実施 ○新米(見習い)ボードマン 訓練用プラントを使用して基本的 な行動力を訓練を通じ修得 ステップアップ ○熟練ボードマン 訓練シミュレーターによる訓練で 異常時の対応力向上を図る 7.ボードマン早期育成上の問題点と取組み 問題点 個人学習がしづらい環境 ◆専用PCによる学習環境の ため、場所と時間に制限 ◆納得が得られるまで繰り返 した学習が出来ない 従来の研修では対応不可 ◆個人個人で理解が不足し ている箇所と理解度が異 なる ◆個人の理解度を研修の中 で把握することに限界 12 取組み 自学習の推進 ◆eラーニングを活用した段階的な 知識の習得 ◆個人学習の充実 ◆場所、時間を問わず自由に学べ る環境を提供 ○eラーニングによる自学習を研 修受講の必要要件とする 双方向による研修 ◆個人別、理解度をタイムリーに 把握 ⇒ 協働による理解度向上 6.今後の課題(総括) 13 ボードマンの早期育成 ◆流動 ◆伝熱 ●化学工学分野の知識 ・自ら学べる(学ぶ)工夫と継続 ・実験・実習を通じ修得知識を 実証できる設備への改善 ◆温度 ◆圧力 ◆蒸留 ◆圧縮 ◆流量 ●運転調整の知識 ・OTSの活用による疑似体験 ・原理原則で考えることを習慣化 ◆反応 〈基盤〉 ●安全安定運転のための知識・技術 ・基本的な行動力の修得 ・異常時の対応力の向上 ・原理原則で事例が理解できる工夫 ◆液面 ◆活性 ご清聴 有難うございました ほっと安心、もっと活力、きっと満足。出光の約束
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