平成 26 年度 カルガリー大学教育事情短期研修 プログラム報告書

平成 26 年度
カルガリー大学教育事情短期研修
プログラム報告書
函館校
地域協働専攻 国際協働グループ
24016 傳法悦子
1
はじめに
私は、大学 1 年生の春休み中(2015 年 2 月 21 日~3 月 25 日までの約 4 週間)に、カナ
ダのカルガリー市へカルガリー大学教育事情短期研修プログラムの留学生として留学しま
した。今回のプログラムに参加した理由は、カナダの文学や教育制度について興味があった
こと、幼少期から習っていた英語教室の先生の出身国だったからです。初めての留学だった
ので不安でしたが、共に留学した仲間をはじめとし大学の先生方、現地の方々のおかげで充
実した一か月を過ごすことができました。
1.
カナダでの日常生活
私のホームステイ先は両親と子供が三人、犬が一匹そしてもう一人の留学生がいる、にぎ
やかな家庭でした。頻繁に留学生を受け入れているため、パンや米・豆料理など食事のバリ
エーションが豊富でどれもおいしかったです。子どもたちはお土産として渡した折り紙や
万華鏡に興味を持ってくれたので、渡した甲斐がありました。お箸の使い方も教えてあげた
ほかに私たちが考えた漢字の名前もプレゼントしたところ、とても喜んでくれました。
休日や暇な時間には子どもた
ちとかくれんぼうやパズル、映画
鑑賞、天気の良い日にはトランポ
リンをして遊びました。時にはホ
ストファザーも遊びに参加し、家
族との有意義な時間を過ごすこ
とができました。子どもたちの英
語が少し速くて聞き取るのが難
しかったですが、過ごすうちにリ
スニング力がついたと感じます。
ファミリーはキリスト教徒で
あったので、日曜学校に何度か通
わせてもらい、キリスト教につい
ホストファミリーと一緒
ても学ぶことができました。二つ
のクラスに参加させていただき信者の方々のキリスト教に対する考えや思いを直に聞くこ
とができたほか、実際に行われている儀式を間近で見ることができました。平日には日曜学
校で知り合ったシスターの方々が家に来てくださり、学校の教科書だけでは知ることので
きないキリスト教について知識を深める貴重な機会でした。
2.
カルガリー大学での経験
カルガリー大学では主に EFP(English Foundation Program)クラス、単語、発音のクラ
スを受けました。EFP クラスではほかの留学生の方々と一緒に授業を受けることができま
した。授業では人と相談できるほか、教室の後ろで教科書のトピックについて話し合う時間
が設けられていて、コミュニケーションやアクティビティが日本に比べ多かったと思いま
す。単語の授業は毎週一つずつ歌を覚えながらその歌に込められた思いや映像について考
えを話し合い、発音の授業では「th」の発音から日本人の苦手な「r」と「l」の発音の仕方
2
について絵を描きながら丁寧に教えていただきました。先生方は話しやすい方ばかりでど
の授業も楽しく受けることができました。
大学の授業をいくつか見学した際に、3つの日本語クラスに参加することができました。
中でも文法についてのクラスでは、母語話者側からは気づかない日本語の特徴や難しさを
知ることができました。クラスでは音階の違いで説明をしていたほか、動詞を「u verb(u
動詞)
」と「ru verb(ru動詞)
」の二種類に分けて教えていました。動詞や形容詞を活用
ごとに分類わけをすることは日本でも国語の授業でならいますが、このように「u 動詞」
「ru
動詞」と分けて教えていることはとても新鮮でした。会社面接体験では面接官は私たちが担
当して学生とやり取りをしました。社会面接体験のクラスは生徒の方々のレベルがとても
高く、日本人じゃないかと思うくらいに話すのが上手でした。
Mitsui Lecture Series2015 という日本の文化についての講義・体験レクチャーに二回参
加しました。一回目は日本の絵巻と漫画のつながりについての講義で、様々な時代・地域の
絵の表現の仕方から現代の漫画・
アニメまでを解説するというもの
でした。私は日本の文学について
学んでいるので、日本の文化を日
本人以外の目線で学ぶよい経験に
なりました。第二回目は習字体験
のボランティアとして参加しまし
た。習字を教える際に「はらい」を
どのように説明するかがとても難
しかったです。習字体験に興味を
持ってくれた学生が多く、予想し
ていた参加人数を上回っていたそ
うです。
3.
「春風」という字を書いて記念撮影
学校訪問を通して
第二週目からは学校訪問が始まり、小学校から高校まで計 5 つの学校を訪問させていた
だきました。カナダの学校では、教室や廊下に座り込むことも教室内での飲食も許され、日
本では絶対にない光景を見ることが出来ました。
小学校のクラス構成は一・二年生というように二学年混合が多かったです。教室内で全生
徒が同じことをするのではなく内容ごとに分かれて作業している授業もありました。また、
校内・教室内に生徒を落ち着かせるための場所や照明等の工夫があるなど、子どもたちが学
校生活を心地よく過ごせる環境が備わっていました。Willow Park School や Connect
Charter School では教室内にプロジェクタの完備がされていたほか生徒一人一人がパソコ
ンや iPad を持っているというように、最先端の授業形態であると感じました。さらにはオ
プションとして選べる授業が数多くあり、将来に向け専門的な知識や実践を学べる環境で
した。今回訪れた高校の生徒数は 1000 人を超えるほど大きく、遠く別教室などの施設も充
実していました。オプションのレベルも本物の車を使うというように本格的な技術や知識
が増えて、様々な専門学校が合わさった学校という印象を受けました。しかしながら、教養
3
の授業は生徒が理解するまで次の内容に進まないことから、大学への進学率は低いほうで
あると聞きました。
訪問全体を通して感じたことは、どの学校も教育制度や授業が生徒を中心に考えられて
いるということです。ある程度の決まりや禁止事項はあるものの日本ほど厳しくなくのび
のびと生徒が学べるような工夫がされていました。
4.
観光
毎週水曜日はエクスカ―ションディという市内の動物園や科学館、近郊の都市へ行くな
ど観光をする日でした。恐竜の化石発掘で有名なドラムヘラーでは至る所に恐竜の大きな
像があったほか、バンフに行く途中では凍った湖の上や滝を歩いて登りました。週に一回の
エクスカーションデイでしたが、日常離れした体験をすることができました。案内はすべて
大学の先生方がしてくださり、有名な建物や背景など丁寧な説明をしてくださりました。
放課後や休日にはダウンタウンや近郊へ観光に行きました。お店により同じ品物でも値
段が違うので、いくつか回ることをお勧めします。サニーサイドにはカップケーキやチョコ
レートの専門店や古着屋、雑貨店などがあました。街並は落ち着いた雰囲気で、レンガ造り
の建物が綺麗でした。シヌックモールは市内一の大きさで、モール内にはメリーゴーランド
や映画館があり、家族で楽しめると感じました。カナダ発のブランド店 ROOTS の商品は
高値ですが、洋服や財布、鞄など小
物の種類も多いことに加え、買い物
袋のデザインもとても可愛いのでお
土産に最適だと思います。
このほかにも大学のサークル主催
のパンケーキ作りやスケート鑑賞、
スノーボードに行きました。イベン
トの開催は大学側やホストファミリ
ーから聞いてしりました。アイスホ
ッケーの試合も何度かあったような
ので、イベントは参加して損はない
と思います。
パンケーキ完成
おわりに
一ヶ月間お世話になった友達、先輩、先生そしてホストファミリーの皆さんに本当に感謝
しています。ありがとうございました。
今回の研修では英語力だけでなく人としても成長することができました。留学は勇気が
いることですが、自分が成長し視野を広げることができる素晴らしい機会だと思います。
「話せないから」
「書けないから」というように臆するのではなく、自ら飛び込むことが大
切です。経験値アップだけでなく人間関係の輪も広がる絶好の機会なので、留学に少しでも
興味がある方はぜひ参加してみてください。
4