2015年12月10日号 [vol.3]

診療報酬・薬価から臨床・創薬まで 高度情報化医療の明日を伝える
医療
NEWS FILE
vol.
2015.12.10
003
株式会社じほう 〒101-8421 東京都千代田区猿楽町1-5-15 猿楽町SSビル TEL 03-3233-6351
2 「代理機関」
は“匿名加工情報”
提供できる仕組みに
IT 利活用検討会
3 医療 ID 利用の保険証は「過渡的なものではない」
日医・石川常任理事
8 医療連携システム構築で「病病連携」後押し
東京都医
INFRASTRUCTURE
4
「ゲノム情報の取り扱い」で議論 実用化推進TF
4
ICT活用、次回に論点・課題を整理へ 厚労省懇談会
5
1億総活躍社会の実現へ緊急提言 自民が取りまとめ
5
電子お薬手帳、どの事業者のデータも閲覧可能に 厚労省が標準仕様を通知、調剤報酬との関係は不明
6
実名データを診断補助に活用する仕組み構築へ 経産省ら、日医も協力
7
医療従事者の将来需給見通しなどで検討開始 厚労省、地域医療構想の実現で
CONTENTS
8
医療費適正化の「優良事例」、横展開に向けて中間報告 諮問会議PF
9
病床機能報告の改善案は継続審議へ 地域医療構想GL検討会
10
41都道府県が16年度半ばまでに策定予定 地域医療構想
11
安全性症例管理の新サービス提供へ シミック
11
ライブラリー約21万個を交換 英AZと仏サノフィ
12
データ共有が「最重要」 AMED・末松理事長
12
「アジア・アフリカで社名が知れ渡る形に」 アステラス野木森会長
EVENT & SEMINER
13
イノベーター・オブ・ザ・イヤーに鉄祐会・武藤理事長 MSDなど主催
禁無断複写
医療
<<<
INFRASTRUCTURE
「代理機関」は“匿名加工情報”
提供できる仕組みに
I T 利活用検討会
内閣官房の「情報通信技術(IT)の利活用に関する制度整備検討会」
(主査=安念潤司・中央
大大学院教授)は 1 日、医療や健康などの情報(医療等情報)を収集・管理する制度として創
設を検討している「代理機関(仮称)」について、関係者から意見聴取した。医療関係の施策
立案などに関わる発表者からは、代理機関について、医療機関だけでなく複数の組織が持つ
匿名化した医療等情報を収集し、時系列などで連結して“匿名加工情報”を生成し、情報提
供できる仕組みにすべきとの意見が主だった。
同検討会は、急速な少子高齢化の進展などが
原因で日本が直面する課題解決に向けて情報通
信技術(IT)を利活用する制度整備を検討して
おり、今月中に中間報告の取りまとめを目指し
ている。
代理機関については、政府が 6 月に閣議決定
した「
『日本再興戦略』改訂 2015」
(成長戦略)で、
「医療・健康等の分野において、各機関等から個
人の情報を収集・管理する『代理機関(仮称)』制
医療情報を扱う『代理機関』について意見聴取した=1日、合同庁
舎4号館
度を創設し、民間事業者による新サービスの創
出のためのインフラとして活用する」との方針
を明記。その上で、次期通常国会から順次関係
策として実行する必要性を指摘。医療等分野の
法案の提出を目指すとの方針も示している。
番号制度については、健康保険証を活用する仕
同日の会合では、内閣官房健康・医療戦略室
組みを重視すべきだと訴えた。
の藤本康二次長、日本医師会の石川広己常任理
吉原氏は、「匿名加工情報をさまざまな研究
事、宮崎大医学部付属病院の吉原博幸病院長ら
などに提供することで、対価が得られる仕組み
が意見発表した。藤本氏は、次世代医療 ICT 基
が必要」と主張。自身が携わっている「全国共同
盤協議会での検討状況や、9 月に成立し 2 年以
利用型国際標準化健康・医療情報の収集及び利
内の施行が控える改正個人情報保護法で「匿名
活用に関する研究」の内容も紹介した。同研究
化した医療等情報は、本人同意なしで外部に提
は日本医療研究開発機構(AMED)が 2015 年
供可能なルールになっている」ことなどを説
度の「臨床研究等 ICT 基盤構築研究事業」とし
明。石川氏は、健診など保健事業に関する情報
て採択し、進行中。
をライフサイクルに応じた「生涯保健事業」と
2015 年 12 月1日【MEDIFAX】 規制・GL
して一元的に管理し、健康資本を増大させる施
医療 ICT
NEWS FILE
2015.12.10
2
INFRASTRUCTURE
<<<
次世代医療 ICT 基盤イメージ
国
PMDA等 自治体
製薬/
医療機器
企業研究開発
...
ヘルスケアサービス企業
(含む個人医療・
ヘルスケア情報の
管理サービス)
データ利活用事業者A
(代理機関等)
レセプトデータ
DPCデータ
データ利活用事業者B
(PHR 事業)
...
制度整備
事 業 上の 判 断
によ る 連 携
国等によるデータの
利活用事業
︵医療情報取り扱いルール等︶
司令塔
機能
健診データ
アウトカムデータ
検査
センター
ベンダー
N
病院
B-1
病院
B-2
ベンダー
F
病院
C
病院
D
...
ベンダー
T
ベンダー
N
歯科
薬局
診療所
診療所 診療所
A
B
正確で効率的な
医療情報の突合
病院
A
ベンダー
N
...
医療ID制度の整備
ベンダー F
医療データ提供の合理的対価や臨床評価情報の提供等、
医療機関のインセンティブ確保
保険者
研究機関
/大学
個人/患者
=医療データ(含アウトカム)
=標準形式で検査データ等のアウトカムデータ等を出力できるデータベース
データ利活用事業者 =改正された個人情報保護法のもとで大学、医師会、NPO、企業等をイメージ
(内閣官房提出資料より)
医療 ICT
NEWS FILE
2015.12.10
3
<<<
INFRASTRUCTURE
医療 ID 利用の保険証は「過渡的なものではない」
日医・石川常任理事
日本医師会の石川広己常任理事はこのほど本紙の取材に応じ、健康・医療・介護分野で専用
の識別子を活用して情報連携を推進する仕組み(医療等 ID)の導入に向け、積極的に取り組む
姿勢を示した。
2015 年 12 月3日【MEDIFAX】 規制・GL
一方、医療等 ID の
証のシステムを利用する方針を示した。保険証の活
具体的な制度設計を
用は「個人番号カードが普及するまでの間の過渡的
まとめる厚生労働省
な対応も検討する必要がある」としており、被保険
の「医療等分野にお
者証に保険者が変わっても同じ番号「資格確認用番
ける番号制度の活用
号(仮称)」を記載して利用する仕組みの必要性を指
等に関する研究会」
摘している。
の報告書案で、医療
医療 IDの利用
「保険証を用いて進めるのが現実的」
等 ID を 実 際 に 利 用
する場面が個人番号
カード(マイナンバー
カード)を基本とし
ている点について、
石川常任理事は「個人番号カードは任意取得であ
取材に応じる石川常任理事
り全国民が持つわけでなく、今後どこまで普及するか
完成版の公表に向け修正を求めていく方針を明らか
もまだ不透明だ。医療機関で保険証を提示する形は
にした。特に、医療等 ID を健康保険証で利用するこ
残る。医療等 ID を活用した情報連携は、ほとんど全
とについて「過渡的」と位置付けた点に言及し「保険
ての国民が持つ保険証を用いて進めていくのが現実
証がなくなることは考えておらず、個人番号カード
的」と述べ、報告書公表に向け誤解が生じないよう
と保険証は共存する」と訴えた。
記載の変更を求める考えを強調した。
同研究会は 11 月 18 日、厚労省が示した報告書案
また「目標通り 18 年度から個人番号カード利用
の内容に大筋で合意。文言修正・加筆を座長一任と
の仕組みが段階的に導入できたとしても、読み取り
し、今月上旬にも公表することを了承した。医療等
機や関連システムなどへの設備投資を考えれば、大
ID については、医療機関を受診した患者の被保険者
病院など一部医療機関でしか対応できないこともあ
資格を確認するために政府が 2018 年度から段階的
り得る」と指摘。対応できない「診療所や小規模・中
な導入を目指している、電磁的な「オンライン資格
規模の病院に個人番号カードを持ってきたのに資格
確認」の仕組みを活用すると記載。
確認には使えないという状況が発生しかねない。日
その上で、情報インフラを安全かつ効率的に活用
医としては、日常的な医療の現場が混乱しないよう
する観点から、個人番号カードを用いる公的個人認
取り組みたい」とも語った。
医療 ICT
NEWS FILE
2015.12.10
4
<<<
INFRASTRUCTURE
「ゲノム情報の取り扱い」で議論
実用化推進 TF
2015 年 12 月2日【MEDIFAX】 規制・GL
厚生労働省や関係府省が連携して進める「ゲノム
過去に取得された遺伝情報を含め、必要な同意取得
情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォース」
の具体的な方法を示す―とした。また、要配慮個人
(座長=福井次矢・聖路加国際病院長)の 2 回目の会
情報の政令指定の考え方についても、
「医療・研究等
合が 2 日、厚労省で開かれた。この日は「改正個人情
の現場で不都合が生じないよう、具体的な事例を踏
報保護法におけるゲノム情報の取り扱い」につい
まえて別途、対応を検討する」ことを示した。
て、事務局が作成した「個人識別符号」と「要配慮個
構成員からは、▽「情報」と「データ」を分けて考え
人情報」に関する論点整理案を基に議論した。
るべき▽ゲノム情報で新しい法律をつくるべき▽準
改正個人情報保護法は今年 9 月に成立し、2 年以
備期間が必要なため、政令は早く示すべき―といっ
内に施行される。遺伝情報は個人識別符号との観点
た意見が出された。
から、事務局では政令に指定する際に生じる課題に
次回は 25 日に開催し、「ゲノム情報の取り扱い」
ついて、▽遺伝情報の個人の識別性は変化し得ると
の議論をまとめる。来年 1 月からは、
「遺伝子関連検
考えられることから、海外の動向や科学的観点を踏
査の品質・精度の確保」に向けた議論に入る。
まえて継続的に精査し、政令指定の考え方を示す▽
ICT 活用、次回に論点・課題を整理へ
厚労省懇談会
2015 年 11月26日【MEDIFAX】 規制・GL
厚生労働省は 26 日、非公開で催した第 2 回「保健
にパッケージ化した ICT 活用のシステムを提供して
医療分野における ICT 活用推進懇談会」
(座長=森田
いくべきだと主張した。
朗・社会保障・人口問題研究所長)後に記者会見し、
欠席した伏見清秀構成員(東京医科歯科大教授)
12 月に開催予定の第 3 回会合で、これまでに構成員
については、同氏が DPC データ分析の現状や今後を
から出た意見を仕分けして論点や課題を整理した資
まとめた資料を厚労省が代理で説明した。
料を提示し、議論を求める方針を明らかにした。
また内閣官房健康・医療戦略室の藤本康二次長が、
厚労省によると、同日の会合では小黒一正構成員
「次世代医療 ICT 基盤協議会」の議論の状況を説明。
(法政大教授)、工藤卓哉構成員(アクセンチュア
同協議会に、▽既存事業間のデジタルデータ収集・
Data Science Center of Excellence 兼アクセンチュ
交換の標準化▽医療情報の取扱制度の調整▽デジタ
ア アナリティクス日本統括マネジング・ディレク
ルデータを収集・利活用する新規事業の組成▽医療
ター)、武藤真祐構成員(医療法人社団鉄祐会理事
現場への次世代 ICT 導入促進▽次世代医療 ICT 環境
長)、矢作尚久構成員(成育医療研究センターデータ
と医療技術・手技・知識の調和―に取り組むワーキン
科学室長代理)が意見を発表した。小黒氏は、医療
ググループを設置し、検討を進めている状況などを
保険制度や診療報酬の財政面に関するデータの分析
語った。
について研究している内容などを紹介。武藤氏は、
厚労省は同日、前回会合で出た意見の概要などを
在宅医療に従事する複数職種間で情報を共有するた
まとめた議事要旨をホームページに掲載した。今後
めに ICT を活用している自身の取り組みを話した。
も会合後順次、掲載していく方針。
矢作氏は、
「診療支援」や「経営支援」などの分野ごと
医療 ICT
NEWS FILE
2015.12.10
5
<<<
INFRASTRUCTURE
1 億総活躍社会の実現へ緊急提言
自民が取りまとめ
2015 年 11月24日【MEDIFAX】 規制・GL
自民党は 24 日までに、1 億総活躍社会の実現に向
ランに基づく認知症対策の推進や高齢社会に対応し
けた緊急提言をまとめた。2015 年度補正予算・16
た地域医療提供体制の充実・確保を盛り込んだ。
年度当初予算で緊急に実施すべき対策としては、
来春に政府が策定する「1 億総活躍プラン」に向け
「名目 GDP600 兆円」の実現に向けて、再生医療の実
た今後の検討課題では、▽予防に重点化した医療保
用化や大規模データ(コホート)を活用した研究な
険改革や疾病予防のための健康管理の取り組みなど
ど、世界をリードする健康・医療戦略を着実に推進
による健康寿命の延伸▽生涯を通じた健康関連の
することを明記。また、
「希望出生率 1.8」の実現に向
データを活用し、予防医療・健康管理などを推進▽
けて病院内保育所など事業所内保育所への支援を行
がん・慢性疼痛の予防、研究、治療、対策―などが
うほか、
「介護離職ゼロ」の実現では、新オレンジプ
列挙されている。
電子お薬手帳、どの事業者のデータも閲覧可能に
厚労省が標準仕様を通知、調剤報酬との関係は不明
2015 年 11月28日【PHARMACY NEWSBREAK】 事 業
厚生労働省は 27 日、電子お薬手帳の標準仕様の策
上で一つにまとめることを求めた。患者が自由にお
定に向けた委託事業の報告書が作成されたことを受
薬手帳サービスを選択できるようにデータの移行が
け、運用上の留意点をガイドラインとしてまとめ、
できる機能を備えることも促している。
都道府県などに通知した。一つのお薬手帳で服薬情
データの閲覧に当たっては、どのお薬手帳を利用
報を把握できるようにするため、利用者が希望する
していても一元的に情報が閲覧できる仕組みの構築
一つのお薬手帳に集約することや、どのお薬手帳を
も求めた。具体的には、異なる運営事業者のお薬手
利用していても薬局や医療機関のパソコンなどから
帳情報でもリンク付けサーバーを介し、薬局や医療
一元的に閲覧できる仕組みを構築することを求めて
機関の端末から一元的に情報が閲覧できる仕組みを
いる。一方で、電子お薬手帳を調剤報酬上で評価す
想定している。サーバーを介さないタイプだと、患
る議論と通知がどう関わるのか、現時点では見通せ
者のスマートフォンなどを借りて情報を閲覧しなけ
ない状況だ。
ればいけないため、煩雑な手間やトラブルが生じる
2015 年度委託事業「電子版お薬手帳の適切な推
可能性もある。
進に向けた調査検討事業」は、日本薬剤師会、日本
通知ではまた、最低 1 年分の服薬情報がスマホや
保険薬局協会、大手調剤チェーン、民間企業などが
パソコンなどの一つの画面上で特別の操作をするこ
それぞれ運用している電子お薬手帳にデータの互換
となく一覧できる仕組みにすることも要請している。
性などがないことを踏まえ、標準的な仕様や運用を
調剤報酬上での評価
「中医協で判断されるべきもの」
定めるために実施。日本医師会や日薬、保険薬局協
会、日本チェーンドラッグストア協会などの関係者
が検討を重ねてきた。
通知には、電子お薬手帳を提供する薬局などが留
厚労省は、現在の電子お薬手帳が薬局、医療機関、
意すべき事項として、お薬手帳サービスを集約する
利用者による閲覧、書き込み方法などにばらつきや
ことを明記。複数の手帳を利用していると本来の意
見にくさなどの課題があることから、利用者が薬局
義や役割が十分に生かされないため、一つの手帳で
やお薬手帳を自由に選択でき、便利に使える環境整
服薬情報を把握できるよう、患者本人の理解を得た
備が必要と判断。報告書の内容を踏まえ、電子お薬
医療 ICT
NEWS FILE
2015.12.10
6
<<<
INFRASTRUCTURE
手帳に求められる機能などを示した。リンク付け
紙媒体のお薬手帳と同じく評価されるかどうかに注
サーバーについては、すでに日薬が年明けの試験運
目が集まっているが、医薬・生活衛生局総務課では
用開始に向けて準備を進めている。
「中医協で適切に判断されるものと考えているが、議
電子お薬手帳をめぐっては、次期調剤報酬改定で
論されるかどうかも含め、
分からない」と話している。
実名データを診断補助に活用する仕組み構築へ
経産省ら、日医も協力
2015 年 11月27日【MEDIFAX】 事 業
経済産業省は、患者個人の実名データを活用して
る。まずは、かかりつけ医などの医師が診断の際に
医師の診断補助や、患者個人の行動変容を促す仕組
データを活用する場面を想定したモデル事業などを
みづくりの検討を始める。内閣官房の健康・医療戦
実施し、検討を進める。
略室、厚生労働省、総務省のほか、日本医師会の協
改正個人情報保護法に基づく
同意取得の在り方も検証
力も得て進める。本人の同意を得た上で、レセプト
データと健診データに運動(歩数、脈拍)などのデー
タをつなげ、患者が医療機関を受診した際に自身の
データを医師らが活用できるようにする仕組みを構
同構想は医療・健康情報を活用する際に本人の同
想している。12 月上旬に新たな検討会を立ち上げ、
意の取得を前提としているため、同検討会では、改
2015 年度内には課題整理なども含めた一定の考え
正個人情報保護法に基づく本人同意取得の在り方に
方をまとめる方針だ。
関するガイドラインの作成も視野に入れた検討を進
検討会の座長には、厚労省の「医療等分野におけ
める。今年9月に成立し2年以内に施行される同法
る番号制度の活用等に関する研究会」や総務省の会
は、患者の「病歴」を「要配慮個人情報」に規定。この
合などで構成員を務める大山永昭・東京工業大像情
ため、実名で病歴に関する情報を利用する場合や、
報工学研究所長が就く見通し。
一度匿名化した情報を本人が特定できる形で個別の
医療や健康に関する情報活用では、内閣官房の
サービスに再利用する場合などに、本人の同意取得
「次世代医療ICT基盤協議会」や厚労省が進めて
が必要になる。同検討会は、同法に基づく同意の取
いるDPCデータやナショナルデータベース(ND
り方やセキュリティーの在り方、アクセス権限の範
B)データをビッグデータとして解析・分析する研
囲などを検証する見通し。
究で、年代や性別ごとなどの一般的な傾向が分かる。
内定している構成員は以下の通り。▽浅野健一郎・
加えて、健康寿命の延伸などを目的に、健康づくり
フジクラ人事・総務部健康経営推進室副室長▽石川
に関心の低い個人の行動変容を促すようなデータの
広己・日本医師会常任理事▽高﨑尚樹・ルネサンス取
活用も求められている。
締役常務執行役員ヘルスケア事業本部長▽畠山和哉・
このような状況を受けて経産省は、レセプトデー
キーウェアソリューションズ営業企画部長▽松本幸
タと健診データに、歩数計やウェアラブル端末など
助・テルモ執行役員人事部長▽棟重卓三・健康保険組
を活用して歩数、脈拍、血圧、体重などのデータを
合連合会常務理事▽山本隆一・東京大大学院特任准
収集し実名でつなげ、適切な医療サービスの提供や
教授、医療情報システム開発センター理事長
医療関連サービスの利用につなげる枠組みを検討す
医療 ICT
NEWS FILE
2015.12.10
7
<<<
INFRASTRUCTURE
医療従事者の将来需給見通しなどで検討開始
厚労省、地域医療構想の実現で
2015 年 11月26日【MEDIFAX】 事 業
厚生労働省は、地域医療構想の実現に向け、医師や
会、四病院団体協議会を構成する各団体、全国自治
看護師など医療従事者の将来における需要と供給で
体病院協議会の代表者に加え、日本看護協会、日本
均衡を図るための検討を始める。12 月上旬に「医療従
理学療法士協会、日本作業療法士協会などの職能団
事者の需給に関する検討会(仮称)」の初会合を開く
体、全国医学部長病院長会議や全国老人保健施設協
方向で最終調整に入った。検討会では、
地域医療構想
会、全国訪問看護事業協会などからも代表者を加え
の実現のために必要な医療従事者数と、
医学部定員数
る方向で調整中。
などの養成数やリタイアしていく人数を勘案した将
メンバーには、日医からは松原謙二副会長と釜萢
来的な医療従事者数の見通しを議論する。
医師の偏在
敏常任理事らの名前が挙がっている。そのほか、森
是正策や看護師確保策なども議論する可能性がある。
田朗・国立社会保障・人口問題研究所長、荒川哲男・
医療従事者の需給については、政府が 6 月に閣議
全国医学部長病院長会議会長、松田晋哉・産業医科
決定した「経済財政運営と改革の基本方針 2015」
大医学部教授、尾形裕也・東京大政策ビジョン研究
(骨太の方針 2015)に、
「人口構造の変化や地域の実
センター特任教授、福井次矢・聖路加国際病院長、勝
情に応じた医療提供体制の構築に資するよう、地域
又浜子・日本看護協会常任理事らが内定している。
医療構想との整合性の確保や地域間偏在等の是正な
職種別議論で分科会設置も
どの観点を踏まえた医師・看護師等の需給について、
検討する」と盛り込まれていた。厚労省の神田裕二
医政局長も今年 10 月の就任時、検討会の人選を進め
検討会の事務局は医政局医事課が担当する。文部
ていることを明らかにしていた。
科学省高等教育局医学教育課も参加する予定。検討
会では、医療従事者の需給に関連して、医師や看護
日医から松原・釜萢両氏、構成員は30人弱で調整
職、リハビリ職の職種別に議論するための分科会設
置も検討する見通しだ。
検討会の構成員は 30 人弱になる見込み。日本医師
医療 ICT
NEWS FILE
2015.12.10
8
<<<
CONTENTS
医療連携システム構築で「病病連携」後押し
東京都医
東京都医師会は 24 日までに、病院間、病院と診療所間、在宅医療に関与する多職種間の IT
ネットワークの構築を促進させる方針を発表した。まずは病院間の地域医療連携システムを
定着させるため、病院のシステム導入・改修に必要な費用の一部を東京都の補助事業から捻出
できる枠組みをつくることで調整しているという。
2015 年 11月24日【MEDIFAX】 医療・介護
都医は地域包括ケアシステムの実現に向けた一環
になることが確認されている。
として、異なる医療連携システムをつなぎ、医療情
都医はそれらを踏まえ、都に対し、医療連携のた
報の共有が可能なネットワークづくりの検討を進め
めの「IHE 規格」によるデータセンター間接続に対応
ている。すでに都医の内部検討会によって、NEC の
可能なシステムを病院側が新規導入したり、必要な
システム「ID-Link」と富士通のシステム「Human
バージョンアップをする際、
その費用負担を軽減でき
Bridge」との間で、患者情報を名寄せして同一人物
る措置を要請していた。都は来年度の地域医療介護総
と確認できれば、診療情報の共有(相互参照)が可能
合確保基金を活用した補助事業を行う計画という。
医療費適正化の「優良事例」、横展開に向けて中間報告
諮問会議 PF
2015 年 11月30日【MEDIFAX】 医療・介護
政府の経済財政諮問会議の健康増進・予防サービ
正受診を促す取り組みで 114 億円、糖尿病性腎症患
ス・プラットフォーム(PF)は 30 日、保険者による
者に対する重症化予防で 173 億円の効果が見込ま
医療費適正化の「優良事例」を横展開していくため、
れるとしている。
今後目指すべき方向性を盛り込んだ中間報告をまと
優良事例の横展開に向け、国保については▽ 18 年
めた。年内の諮問会議に報告する予定。
度導入予定の「保険者努力支援制度」の趣旨を現行
「骨太の方針 2015」では歳出効率化に役立つ優良
制度の特別調整交付金に前倒しで反映し、保険者の
事例を全国に広げていく方針を掲げている。これを
インセンティブを強化する▽保険者がレセプト分析
受けて健康増進・予防サービス PF では 9 月以降、医
などを委託する民間業者について、第三者による評
療費適正化の「優良事例」を保険者からヒアリングし、
価制度などを設ける▽保険者の取り組み状況の「見
議論を交わしてきた。
える化」を推進する―などの方針を示した。
中間報告では、広島県の呉市国民健康保険の取り
協会けんぽでは、▽健診受診率の順位などを知ら
組みを紹介。後発医薬品に切り替えた場合の自己負
せる「ヘルスケア通信簿」の取り組みなどを全国に
担軽減額を加入者に知らせる取り組み(差額通知)を
普及させ、経営トップへの働き掛けもして企業の意
全国の国保に広げると、医療費削減効果額は 1014
識を高める▽保険者協議会などを活用し、都道府県
億円に上ると試算。同様に、重複・頻回受診者に適
や地元医療関係者との連携をさらに進める▽医療費
医療 ICT
NEWS FILE
2015.12.10
9
<<<
CONTENTS
に応じて変わる都道府県ごとの保険料率について、
2 次検査などの受診勧奨に医療スタッフと連携して
地域差の要因を明確化する―との方向性を示した。
参画する▽健康増進に取り組む企業を評価する仕組
健保組合については、▽企業と健保が一体となっ
みを導入するなどして、企業のインセンティブを高
たコラボヘルスを広げるためのガイドラインを作成
める―との方針を打ち出した。
し、周知徹底する▽事業主も従業員の健診、面談、
病床機能報告の改善案は継続審議へ
地域医療構想 GL 検討会
2015 年 11月26日【MEDIFAX】 医療・介護
厚生労働省の地域医療構想策定ガイドライン等に
関する検討会(座長=遠藤久夫・学習院大経済学部
教授)は 26 日、病床機能報告制度の運用改善や、都
道府県が地域医療構想を策定した後の取り組み状況
を把握するための考え方について議論した。報告制
度の改善では、手術件数や救急車受入数といった医
療内容に関する項目を「病棟単位」で把握すること
の妥当性に対する意見も目立ち、分析方法の在り方
等は継続して議論することになった。一方、都道府
県での構想策定後の取り組み状況の把握では、きめ
細かい情報の定期的な報告を求めていく考え方をお
数・悪性腫瘍手術の件数・救急車受入数等)▽医療機
おむね了承した。
関の地域での役割等による比較(特定機能病院・第 2
病床機能報告制度をめぐっては、第 1 回目の報告
次救急医療機関・総合周産期母子医療センター等)
内容での考え方のバラツキが目立ち、報告制度の運
などを事例に挙げ、これから組み合わせて分析法を
用改善が必要との指摘が出ていた。厚労省は検討会
提案。加えて、医療機関が 4 機能を選択する際に、
で、同制度の役割について、▽地域の医療機能を把
具体例を解説する留意事項をマニュアルに新たに追
握し、地域医療構想の策定や見直しのための基礎資
加することも検討課題に挙げた。
料▽構想策定後、地域における医療機能の分化・連
議論では、中川俊男構成員(日本医師会副会長)が
携のための取り組み状況の把握―を挙げ、こうした
「医療内容に関する項目である手術件数などは、従来
役割を果たす観点から、より適切な報告制度の在り
の病院単位から病棟単位に変更されるが、なぜ手術
方、さらには現行の報告項目の追加・見直しなどを
件数を病棟単位で把握する必要があるのか」と疑問
視野に入れた検討を進める方針を提示した。
を呈した。相澤孝夫構成員(日本病院会副会長)も
検討作業案では、現在、構造設備・人員配置等が
「手術件数や救急車受入数などは病棟単位ではなく
「病棟単位」、医療内容に関する項目が「病院単位」で
病院単位で存在する。病院機能と病棟機能は別に考
報告されているが、2016 年度以降は診療報酬改定
えていくべきではないか」などと述べ、病棟単位で
に伴うシステム改修に併せてレセプトに病棟コード
分析することへの問題提起が目立った。
を付記し、医療内容項目も病棟単位での報告に変更
また、遠藤座長は病床機能報告で「医療機関の機能
されることを示した。
転換だけでなく、ただ単に機能選択を修正すること
また、分析の進め方では▽病床規模別(例えば
は可能なのか」と質問し、厚労省は「可能」と答えた。
200 床未満、200 ~ 400 床、400 床以上)の比較▽
厚労省は構成員の意見を踏まえて提案内容を整理し、
提供している医療内容での比較(全身麻酔手術の件
次回以降の会合であらためて議論する見通しだ。
医療 ICT
NEWS FILE
2015.12.10
10
<<<
CONTENTS
41 都道府県が 16 年度半ばまでに策定予定
地域医療構想
2015 年 11月26日【MEDIFAX】 医療・介護
厚生労働省は 26 日の「地域医療構想策定ガイド
策定時期を「16 年度中」と答えたのは 4、「未定」
ライン等に関する検討会」で、都道府県の地域医療
は 2 だった。策定に向けた都道府県単位の会議は全
構想策定の進捗状況を明らかにした。策定時期につ
ての都道府県で 1 回以上開催しており、6 回開催し
いて「2015 年度中」は 20、「16 年度半ば」までは 21
ているところもあった。構想区域ごとの会議につい
で、都道府県の約 87%が国が求めている 16 年度半
ては、全ての構想区域で開催したのは 32、一部の構
ばまでの策定を予定していることが分かった。
想区域で開催したのは 6、未実施は 9 だった。
都道府県別の構想策定に関する会議の開催状況等
(平成 27 年 10 月20 日現在)
都道府県名
構想の策定
予定時期
構想策定に
関する会議
の開催回数
構想区域の設定
地域医療構想調整会議を開催する
構想区域数 / 現行の 2 次医療圏数
北海道
H28年夏頃
2
2次医療圏と同じ
青森県
H27年度中
3
2次医療圏と同じ
(予定)
岩手県
H27年度中
2
2次医療圏と同じ
9/9
宮城県
H28年度半ば
1
2次医療圏と同じ
(予定)
4/4
秋田県
H28年半ば
2
2次医療圏と同じ
(予定)
8/8
山形県
H28年半ば
1
2次医療圏と同じ
4/4
福島県
H27年度中
2
一部統合
茨城県
H28年半ば
1
2次医療圏と同じ
3/9
栃木県
H27年度中
2(各1)
2次医療圏と同じ
6/6
群馬県
H27年度中
2
検討中
埼玉県
H28年度半ば
1
2次医療圏と同じ
千葉県
H27年度中
1
検討中
東京都
H28年5月頃
6
2次医療圏(病床整備区域と呼
称)
と同じ
神奈川県
H28年10月頃
3
合併を検討中
新潟県
未定
3
検討中.まずは2次医療圏を基
本とし、妥当かどうかは今後の
議論も踏まえながら検討を継続
富山県
H28年半ば
石川県
H28年半ば頃
1
2次医療圏と同じ
(予定)
0/4
福井県
H27年度中
1
2次医療圏と同じ
4/4
山梨県
H28年5月
1
2次医療圏と同じ
0/4
長野県
H28年度中
1
2次医療圏を基本に検討中
岐阜県
H27年度中
1
2次医療圏と同じ
静岡県
H27年度中
2
検討中
愛知県
H27年度中
1
一部合併
12/12
三重県
H27年度中
1
変更予定
8の構想区域で開催/4
滋賀県
H27年度中
1
2次医療圏と同じ
医療 ICT
NEWS FILE
0(圏域ごとにヒアリングを2回実施予定。
9月に1回目を実施済み)/6
6構想区域で11月下旬以降開催予定/7
10/10
0(策定後)/10
9(11月に調整会議の設置予定)/9
13(策定までは
「意見聴取の場」
として設
置、策定後に
「調整会議」
に改組)/13
会議は8の区域で行う/11
2(審議会2、審議
2次医療圏と同じ
(予定)
会と併催の部会1)
2015.12.10
20/21
0/7
0(11月から12月にかけて開催予定)/4
0/10
5(各圏域ごとに6月に第1回、8月に第2回、
10月に第3回の調整会議を開催済み)/5
8/8
11
7/7
<<<
CONTENTS
京都府
H28年度半ば
1
2次医療圏と同じ
5/6
大阪府
H27年度中
1
2次医療圏と同じ
8/8
兵庫県
未定
2
2次医療圏と同じ
10/10
奈良県
H27年度中
1
2次医療圏と同じ
5/5
和歌山県
H27年度中
1
2次医療圏と同じ
7(8月~9月に第1回検討会会合を順次開催)/7
鳥取県
H28年9月
1
2次医療圏と同じ
3/3
島根県
H28年半ば
1
2次医療圏と同じ
7/7
岡山県
H27年度中
4
2次医療圏と同じ
2(3地区には構想策定の場〈協議会〉を
設置している)/5
広島県
H27年度中
2
2次医療圏と同じ
7/7
山口県
H28年夏頃
1
2次医療圏と同じ
8/8
徳島県
H28年度前半
2
2次医療圏と同じ
3/3
香川県
H28年度半ば
1
検討中
愛媛県
H27年度中
2
2次医療圏と同じ
6/6
高知県
H28年度中
1
2次医療圏と同じ
4(構想策定までは、全県単位で開催)/4
福岡県
H28年12月目途
1
2次医療圏と同じ
0(10月下旬から開催予定)/13
佐賀県
H27年度中
2
2次医療圏と同じ
5/5
長崎県
H28年9月
1
2次医療圏と同じ
8/8
0(11月から開催予定)/5
熊本県
H28年度中
2
2次医療圏と同じ、
または一部統合を検討中
大分県
H28年半ば
1
2次医療圏と同じ
宮崎県
鹿児島県
沖縄県
11/11
6/6
H27年度中
1
2次医療圏と同じ
(予定)
5/7
H28年10月目途
1
2次医療圏と同じ
8/9
H28年9月
3
2次医療圏と同じ
5/5
(厚労省資料より)
安全性症例管理の新サービス提供へ
シミック
2015 年 11月27日【日刊薬業】 医薬品
シミックは 27 日、米メディデータ社が開発した臨
定取得でサービスラインナップを拡張。安全性情報
床試験の安全性症例管理システム「Medidata Rave
の迅速な収集プロセスの提案と提供が可能になり、
Safety Gateway」に つ い て、 日 本 で 初 め て 認 定
「特に安全性情報管理システムへの重複入力作業の
(accreditation)を取得したと発表した。今回の認
一部が削減できる」としている。 ライブラリー約 21万個を交換
英 AZと仏サノフィ
2015 年 11月26日【日刊薬業】 医薬品
英アストラゼネカ(AZ)と仏サノフィは、両社の
は、両社合わせて約 21 万個。疾患領域などの制限は
化合物ライブラリーの一部を相互交換する。両社の
設けない。両社は受け取った化合物を使って自由に
日本法人が 26 日に日本語訳リリースを出した。今回
スクリーニングできる。また今後数年間、ハイスルー
の相互交換では、自社の化合物ライブラリーとの違
プットスクリーニングを実施できるだけの十分な量
いを認識した上で、相手企業のライブラリーの中か
を相手に渡す。ライブラリー交換に伴う金銭支払い
ら交換する化合物を選択する。交換する化合物の数
などは発生しない。
医療 ICT
NEWS FILE
2015.12.10
12
<<<
CONTENTS
欧州には企業やアカデミアでコンソーシアムをつ
合物ライブラリーの強化に注力してきたが、これま
くり、化合物ライブラリーを共有する取り組みがあ
でとは比べものにならない最大規模の交換でライブ
る。AZ とサノフィもその中に入っている。だが両社
ラリーの多様性を高められる」とコメント。一方、サ
にとって、企業同士でこれほど大規模にライブラ
ノフィでグローバル研究開発部門プレジデントを務
リーを共有するのは初めてだという。
めるエリアス・ザフーニ博士は「他社との協働で治
AZ の早期開発担当エグゼクティブバイスプレジ
療法の発見を早めることができるのなら、喜んで協
デントを務めるメネ・パンガロス博士は、
「近年、化
力したい」と述べた。
データ共有が「最重要」
AMED・末松理事長
2015 年 11月26日【日刊薬業】 医薬品
日本医療研究開発機構(AMED)の末松誠理事長
クリニカル・データベース」
(NCD)や、院内感染対
は 26 日、日本製薬工業協会が東京都内で開催した
策サーベイランス事業(JANIS)を挙げた。
「第 16 回製薬協フォーラム」で講演し、研究領域の
NCD は専門医制度と連動しているほか、JANIS
中にはデータ共有が不可欠な分野があるとして、
については各医療機関が自院の院内感染対策を他院
データ共有が「最も重要」だと話した。
と比べて相対的に把握できる。末松理事長は、デー
末松理事長は、データ共有の好例として、国内で
タベースの更新が持続するインセンティブが働いて
実施される一般外科手術が登録される「ナショナル・
いると評価した。
「アジア・アフリカで社名が知れ渡る形に」
アステラス野木森会長
2015 年 11月26日【日刊薬業】 医薬品
アステラス製薬の
野木森氏は、医療ニーズが拡大し創薬アプローチ
野木森雅郁会長は
の多様化も進んでいるとし、研究開発の難度上昇や
25日の産総研 STAR
研究開発コストの増大という環境変化を踏まえると
シンポジウム(産業
「1 社(単独)による研究開発能力は、タレント、経験
技術総合研究所など
の面でも限りがある」と指摘。アカデミアや同業他
主催)で講演し、
「グ
社とのオープンイノベーションで補完する必要性を
ローバルヘルスでは、
示した。
その対象地域でのノ
多くの製薬企業で始まっている化合物ライブラ
ウハウなどが求めら
リーの企業の枠を超えた利活用に関しては、「プレ
れ、大規模なオープ
ンイノベーションが
コンペティティブ領域での共同研究」と表現。
「重要
野木森氏、国際的なオープンイノベー
ションの意義を強調
なのはライブラリーをどう使いこなすかというこ
必要になってくる」
と。分析法をどのように組むか、そしてピックアッ
と強調した。海外企業などと取り組んでいる住血吸
プした化合物をどうスクリーニングしていくか、
虫症治療薬の小児用製剤開発を例に挙げ、「われわ
ターゲットをどのように見つけるかといった点に本
れがアジア、アフリカで適切なビジネスを確立でき
当の競争があるのだろうとみている」と述べ、ライ
るような時代には、われわれの社名が知れ渡るよう
ブラリーからいかに創薬候補を見いだすかが、他社
な形で対応していきたい」と述べた。
との差別化につながるとした。
医療 ICT
NEWS FILE
2015.12.10
13
<<<
EVENT & SEMINER
イノベーター・オブ・ザ・イヤーに鉄祐会・武藤理事長
MSDなど主催
2015 年 12 月2日【日刊薬業】
日本病院会と地域医療振興協会、MSD が主催す
武藤氏は在宅医療分野に ICT を活用。在宅医療・
る「イノベーター・オブ・ザ・イヤー」の授賞式が 1 日
介護に関わるスタッフの情報共有システムを構築し
開かれ、医療法人社団鉄祐会の武藤真祐理事長に記
たほか、震災後の宮城県石巻市で被災住民の生活情
念杯と賞金 1000 万円の目録を贈呈した。
報をデータベース化し生活支援を実践した。
医療 ICT
NEWS FILE
2015.12.10
14
2週間
まずはお試しください
1
2
無料お試し
キャンペーン
実施中
1 メールニュース
朝刊メール:前日のニュースを午前7時に
配信(月∼金)
特報メール:重要なニュースは随時配信
3
携帯電話やスマホでも受信できるので、
外出先でもニュースがチェックできます。
2 記事検索
過去20年分のニュース検索が可能。
3 E-ブック
4
前日までのニュースを取りまとめた紙面
(MEDIFAX FAX版)
がweb上で閲覧でき
ます。
また、
プリントも可能です。
※
「Adobe Flash Player(Ver.10以上)」
が必要です。
5
4 関連資料
資料
マークが付いた記事には、
厚労
省や中医協などの関連資料をPDFファ
イルにして添付しています。
年間購読料金
408,000円
(1ID・税込)
利用者プロフィール
※年間でのご契約とさせていただきます。
2ID以上のご契約については、追加1ID
につき年間120,000円(税別)
の加算にな
ります。複数ID契約をご希望の方は弊社
までお問い合わせください。
5
寄稿・時事解説・記者コラム
有識者による連載や、
記者による解説、
コラムはWEB版のみ。
は、日本医師会をはじめとする医療関連団体、日赤病院・国立病院・自
治体病院等の公的医療機関や医療法人、厚労省・内閣府・自治体等の官公庁、大学等教
育機関、医療関連サービス企業等、医療に関係する方々にご利用いただいています。
2週間無料お試し受付中! 裏面の「申込書」をご利用ください。
フリーダイヤル
2週間無料トライアル受付中!
の全ての機能を
無料で 2 週間ご利用いただけます。
メディファクス
検索
*MEDIFAX web のトップ画面からもお申し込みいただけます。
2週間無料トライアル申込書
※必要事項をご記入いただきまして、切らずにこのまま FAX:0120-657-751 でお申し込みください。
トライアル開始希望月日
年 月 日より
※年月日をご記入ください。
ご登録いただいた住所やメールアドレスなどは、弊社からの事務連絡にも使わせていただきます。また、これ以外に各種ご案内(刊行物、展示会、
セミナー等)をさせていただく場合がございます。これらにかかわる業務は弊社の厳重な管理下で行い、お客様の情報が外部に提供されること
はございません。これらのご案内が不要な場合は、下記までご一報ください。
東京都千代田区猿楽町1-5-15 TEL 03-3233-6333
(医療 ICT)