易観国際 中国ITマンスリーニュース 2014年 11月号

易観国際 中国 IT マンスリーニュース
2014 年 11 月
目次
B2C 販売好調
第 2 四半期は 3363 億元 .........................................................................................................2
第 3 四半期 B2C ベビー用品 前年比 129%増 .................................................................................................2
モバイル EC 好調
売上 238%増 .....................................................................................................................3
第 3 四半期の B2B 市場
前年比 33%増 ..........................................................................................................4
共同購入市場の急成長始まる 売上 229 億元 .................................................................................................5
ネット求人市場が盛況、市場規模 8.9 億元 ......................................................................................................6
タブレット PC:第 3 四半期の販売 544 万台 ..................................................................................................7
ネット理財商品、利回り減少傾向に ................................................................................................................8
易観国際 中国 IT マンスリーニュースは易観国際のアナリストによる中国の IT 業界に関するレポートを日
本語化して配信しています。易観国際は中国における IT 業界の最大規模の専門家チームとして、多くの中
国企業・外資企業のコンサルティングや調査プロジェクトに携わっており、中国の IT 動向について幅広く
研究・分析を続けています。クララオンラインは日本における易観国際の独占的なパートナーとして、日
本語での最新の中国の情報をご提供し、皆様の中国における活動をサポートします。




本レポートは、易観国際及び易観国際グループ各社(以下「易観国際」といいます)発行のニュースを、易観国際からの許諾に基づ
き、易観国際の日本における独占的な総代理店である株式会社クララオンライン(以下「クララオンライン」といいます)が日本語
に翻訳したものです。本レポートに掲載された内容は発行時における易観国際の見解や予測を紹介するもので、予告なしに変更す
ることがあります。易観国際及びクララオンラインはここに記載された情報が十分信頼に足るものと考えていますが、その正確
性・完全性を保証するものではありません。
日本語版の本レポートのいかなる部分について、クララオンラインの書面による事前の了解なく複製、再生、再発行、販売、配
布、送信、回付、修正、表示したり、またいかなる目的でも使用したりすることはできません。これには二次的著作物を作成する
際に本レポートを利用する場合も含まれますが、これに限定されるものではありません。クララオンラインの許可を事前に申請す
る際には https://www.eguan.jp/contact からご連絡ください。
本レポートでは中国とは中華人民共和国を指しており、台湾、香港特別行政区、マカオ特別行政区は含んでいません。
本レポートに含まれる情報は一般的なご案内であり、包括的な内容であることを目的としておりません。また法律・条令の適用と
影響は、具体的な状況によって大きく変化いたします。具体的な事業展開にあたってはクララオンラインコンサルティングサービ
スチームより御社の状況に特化したアドバイスをお求めになることをおすすめいたします
本レポートはクララオンラインコンサルティングサービスチームにより翻訳されたものです。クララオンラインの中国インターネット
コンサルティングサービスに関するお問い合わせは以下の連絡先までお気軽にご連絡ください。
[email protected] または +81(3)6704-0776
B2C 販 売 好 調
第 2 四 半 期 は 3363 億 元
易観智庫がこのほど発表した「2014 年第 3 四半期(7-9 月)中国 B2C 市場季度監測報告」
によると、同期間中の B2C 市場の売上は 3363.8 億元で、前期に比べ 5.0%増加した。
12Q1-14Q3 中国B2C市場取引規模
(億元)
4,000
3363.8
3204.7
2943.3
2590.9
3,000
1859.41916.6
1567.7
2,000
1247.4
1,000
798.2
964.9
628.5
0
12Q1 12Q2 12Q3 12Q4 13Q1 13Q2 13Q3 13Q4 14Q1 14Q2 14Q3
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
主要サイト別では、天猫の市場シェアが 52%で依然としてトップだった。京東商城が
18.1%で後を追うが、3 位以下は僅差となっている。
14Q3 中国B2C市場シェア (売上ベース)
天猫
52.0%
京東
18.1%
天猫
蘇寧易購
唯品会
当当網
聚美優品
凡客誠品
郵楽網
寺庫中国
その他
52.0%
5.1%
1.7%
1.5%
0.6%
0.4%
0.2%
0.1%
14.2%
京東
18.1%
アマゾン中国 1.8%
易迅網
1.6%
1号店
1.5%
国美在線 0.5%
酒仙網
0.4%
中粮我買網 0.2%
順豊優選 0.1%
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
易観智庫の分析によると、最近は特にアパレル分野で競争が激化しており、天猫は差別化
のため高級な服やアクセサリーを充実させる方針を発表。世界的にも有名な高級ブランド
の出店を強化している。京東商城は好評だった春夏アパレル発表会に続いて、秋冬シーズ
ンのアパレル発表会も開催した。ファストファッションの凡客誠品も一部商品を高級路線
に変更し、高品質なシャツなどを展開している。アパレル製品は粗利率も高く、購入頻度
も多いことから、新たな市場競争の場として注目されるようになったようだ。
第 3 四 半 期 B2C ベ ビ ー 用 品
前 年 比 129%増
易観智庫がこのほど発表した「2014 年第 3 四半期(7-9 月)中国 B2C 市場季度監測」によ
ると、同期間中の B2C 市場におけるベビー用品の売上は 234.8 億元で、前年同期に比べ
129%増加した。
News Flash – Analysys International Monthly News
2
12Q1-14Q3 B2C市場ベビー用品売上
(億元)
250
234.8
217.9
187.8
200
173.6
150
100
83.3
64.4 64.3
102.6
40.3
22.0 30.0
50
0
12Q1 12Q2 12Q3 12Q4 13Q1 13Q2 13Q3 13Q4 14Q1 14Q2 14Q3
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
14Q3 B2C市場ベビー用品販売シェア
当当
4.6%
天猫
55.5%
京東
17.4%
当当
4.6%
蘇寧易購 4.3%
1号店
3.6%
アマゾン中国 1.7%
唯品会
1.6%
その他
11.3%
天猫
55.5%
京東
17.4%
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
また売上からみた市場シェア 1 位は天猫で 55.5%と過半数を占めた。続いて京東が
17.4%、当当が 4.6%とトップ 3 に変化はなかった。易観智庫の分析によれば、これから
80 年代生まれや 90 年代生まれが子供を持つようになるため、当分はベビー用品の売上も
増加が続くと予想される。現在は、天猫や京東といったユーザー数が多く、膨大な商品を
取扱うサイトが優位となっているが、ベビー用品の専門サイトが個性的な運営を行って消
費者の注目を集めることに成功すれば、短期間のうちに市場バランスが変化するだろう。
モ バ イ ル EC 好 調
売 上 238%増
易観智庫がこのほど発表した「2014 年第 3 四半期(7-9 月)中国モバイル EC 市場季度監測
報告」によると、同期間中のモバイル端末からの EC 市場の売上は 2103.2 億元で、前年
同期に比べ 238.7%の大幅な増加となった。
12Q1-14Q3 中国モバイルEC売上規模
(億元)
2500
2103.2
2000
1680.9
1372.9
1158.6
1500
1000
500
105.0 123.0 163.9
293.8 364.8
472.2
620.9
0
12Q1 12Q2 12Q3 12Q4 13Q1 13Q2 13Q3 13Q4 14Q1 14Q2 14Q3
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
News Flash – Analysys International Monthly News
3
14Q3 中国モバイルECシェア (売上ベース)
手機淘宝+天猫 83.6%
手機京東
8.0%
手機唯品会 1.4%
手機蘇寧易購 1.4%
手機当当
0.8%
手機アマゾン 0.6%
手機聚美優品 0.5%
手機売買宝 0.4%
手機1号店
0.4%
手機易迅
0.2%
手機国美
0.2%
愛購網
0.2%
手機凡客誠品 0.1%
移淘商城
0.1%
その他
2.1%
手機淘宝+天猫
83.6%
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
モバイルからの購入を促すため、多くの EC サイトが PC 向けサイトよりも多くのキャン
ペーンや割引を設定していることが大きな伸びにつながったようだ。モバイルからのネッ
トショッピングは、隙間時間を有効活用できることから利用率が伸びているが、現在はモ
バイル端末自体の制限から、商品の表示、検索、支払いにおいて最高のユーザー体験をも
たらすことができない状態となっている。
また市場シェアから見ると、手機淘宝+天猫が 83.6%を占めており、手機京東はわずか
8%、唯品会は 1.4%しかない。当当網は電子書籍の販売でシェアを伸ばしているが、現時
点のモバイルショッピングは従来の PC からのネットショッピングの延長でしかない状況
だ。しかしスマートフォンの革新が進めば状況は一変するものとみられ、新たなイノベー
ションが待ち望まれる。
第 3 四 半 期 の B2B 市 場
前 年 比 33%増
易観智庫がこのほど発表した「2014 年第 3 四半期(7-9 月)B2B 市場季度監測報告」によれ
ば、同期間中の B2B 市場規模は 48.5 億元で、前期に比べ 7.1%、前年同期に比べ 33.2%
それぞれ増加した。
12Q3-14Q3 中国B2B市場規模
(億元)
60
50
40
30
29.1
30.8
31.6
12Q3
12Q4
13Q1
34.6
36.4
13Q2
13Q3
40.4
42.7
45.3
48.5
20
10
0
13Q4
14Q1
14Q2
14Q3
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
易観智庫の分析によれば、今期の成長をけん引したのはマクロ政策の影響とサービスの多
元化だ。国務院は産業転換を推し進めており、原材料や工業製品のネット取引を促進し、
産業チェーンの共同発展を奨励している。
News Flash – Analysys International Monthly News
4
14Q3 中国B2B市場サイト別シェア (売上ベース)
阿里巴巴 44.33%
環球資源 5.52%
慧聡網
阿里巴巴
44.33%
4.92%
中国製造網 2.68%
敦煌網
1.90%
国聯資源網 1.40%
海虹医薬 1.07%
網盛生意宝 0.82%
環球資源
5.52%
銘万網
0.37%
その他
36.99%
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
また B2B サイト側も取引のセキュリティを確保し、ビッグデータやクラウドコンピュー
ティング、モノのインターネットといった最新の技術で物流情報をオンタイムで提供して
いる。取引で重要となる信用認証やオンライン融資サービスなども充実し始めており、さ
らなる市場の発展に向け B2B を取り巻く環境が整いつつある。
共同購入市場の急成長始まる
売 上 229 億 元
易観智庫がこのほど発表した「2014 年第 3 四半期(7-9 月)中国共同購入市場季度監測報
告」によれば、同期間中の売上は 229.6 億元で、前期に比べ 43.6%増加した。
また契約成立数は 313 万件で、前年同期に比べ 20.4%の増加、購入者数は 3.4 億人で同
30.8%の増加、客単価は 67 元で同 11.7%の増加となった。
14Q1-14Q3 中国共同購入市場規模
(億元)
250
229.6
200
150
159.9
127.7
100
50
0
2014Q1
2014Q2
2014Q3
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
易観智庫の予測では今年下半期(7-12 月)の売上は 462 億元に達し、通年では 750 億元
を突破すると見ている。中国における共同購入市場は順調に発展を続けており、すでに急
速な成長段階へ突入したものとみられる。
サイト別では、美団、大衆点評団、百度糯米の上位 3 サイトが市場の約 9 割を占めた。シ
ェアはそれぞれ 55%、22%、13%で、すでに市場は安定しているため、今後もこの力関
係が大きく変わることはなさそうだ。
News Flash – Analysys International Monthly News
5
14Q3 中国共同購入市場サイト別シェア (売上ベース)
55%
美団
百度糯米
13%
大衆点評団 22%
美団
55%
大衆点評団
22%
百度糯米
13%
その他
10%
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
また商品別では、飲食、レジャー、ホテル・旅行が市場の 8 割以上を占めている。飲食は
前年同期より 7 ポイント上昇して 57%、レジャーは同 4 ポイント下げて 21%、ホテル・
旅行は同 1 ポイント増の 11%、生活サービスは同 2 ポイント下げて 8%だった。
14Q3 中国共同購入市場 取引商品別シェア
飲食
旅行
11%
57%
レジャー 21%
旅行
飲食
57%
レジャー
21%
11%
生活サービス 8%
その他
3%
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
購入者の居住地別では、3 級都市の住民が同 3 ポイント増の 35%まで伸びてきており、今
後は 3 級から 4 級都市に住む住民が共同購入の主要ターゲットになりそうだ。
ネ ッ ト 求 人 市 場 が 盛 況 、 市 場 規 模 8.9 億 元
易観智庫がこのほど発表した「2014 年第 3 四半期(7-9 月)中国インターネット求人市場監
測」によれば、同期間中の市場規模は 8.9 億元で、前期に比べ 7.3%、前年同期に比べ
22.3%それぞれ増加した。
13Q1-14Q3 中国インターネット求人市場規模
(億元)
10
8
6.5
6.9
7.2
7.6
8.0
8.2
8.9
6
4
2
0
2013Q1 2013Q2 2013Q3 2013Q4 2014Q1 2014Q2 2014Q3
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
News Flash – Analysys International Monthly News
6
サイト別では前程無憂と智聯招聘が市場の過半数を握っており、シェアはそれぞれ 36.7%
と 27.7%だった。
2014Q3 中国インターネット求人サイト サイト別売上シェア
前程無憂
36.7%
その他
35.6%
智聯
27.7%
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
易観智庫の分析によれば、シェアの過半数を持つ前程無憂と智聯招聘はいずれも規模が大
きく、上場したばかりの智聯招聘は新卒採用や未経験人材のサービスのみならず、高いキ
ャリアを持つ人材に特化した求人サービス「智聯卓聘」も好評だ。一方で新興求人サイト
は、職業や産業に特化したサイトで市場競争に挑んでいる。
最近はモバイルインターネットの利用者が地方都市や低学歴の層にも広がってきているこ
とから、今後は地方のブルーカラー人材をモバイルサイトを通じて雇用する地方の中小企
業も現れそうだ。
タ ブ レ ッ ト PC: 第 3 四 半 期 の 販 売 544 万 台
易観智庫がこのほど発表した「2014 年第 3 四半期(7-9 月)中国タブレット PC 市場監測報
告」によれば、同期間中のタブレット PC の合計販売台数は 544.5 万台で、前年同期に比
べて 25.1%増加した。
14Q3 中国タブレットPC販売台数
(万台)
600
585.4
502.9
550.0 544.5
435.3
357.6
319.7 339.8
400
234.0
260.4
200
0
12Q2 12Q3 12Q4 13Q1 13Q2 13Q3 13Q4 14Q1 14Q2 14Q3
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
メーカー別では、アップル、サムスン、聯想(レノボ)が市場の約 80%を握っており、
シェアはそれぞれ 56.3%、11.6%、9.4%だった。小米は 7 月に初めてタブレット PC を
発売したばかりだが、すでに 4 位につけている。
News Flash – Analysys International Monthly News
7
14Q3 中国タブレットPCブランドシェア (販売台数ベース)
聯想
9.4%
アップル
56.3%
サムスン
11.6%
アップル 56.3%
サムスン 11.6%
聯想
9.4%
小米
5.3%
台電
4.4%
昴達
2.4%
華碩
1.9%
酷比魔方 1.2%
マイクロソフト 1.0%
e人e本
0.8%
その他
5.7%
Source: Enfodesk, Analysys International - www.eguan.cn / www.enfodesk.com
易観智庫の分析によれば、タブレット PC は携帯性の高さから様々な場所で利用でき、多
くの魅力があるが、中国では PC と大画面スマートフォンに押されてしまい影が薄くなっ
ている。原因の一つは現在販売されている製品が Wi-Fi にしか対応しておらず、3G や 4G
でインターネットを利用できないことにある。タブレット PC の売上を伸ばすには、モバ
イルインターネットの時代に合った製品をいち早く市場に投入することが必要だ。
ネット理財商品、利回り減少傾向に
「宝宝類」と呼ばれるインターネット財テク商品はさらに種類が増え、個人の目的に合わ
せて選択できるようになってきた。易観智庫が各理財商品の収益率などをもとにランキン
グを作成したところ、収益率が大幅に上昇した平安盈を除き、7 日間平均利回り(年率換
算)は先週に比べおおむね減少した。
利回り指数
順
位
商品名
1
平安盈
2
百度百賺利滾利版
嘉実活期宝
4.4650%
3
和聚宝
匯添富和聚宝貨幣
5.0310%
4
中銀活期宝
中銀活期宝貨幣
5.7010%
5
平安盈
南方現金増利貨幣A
4.9910%
6
易方達e銭包
易方達天天理財貨幣A
4.9690%
7
工銀瑞信現金宝
工銀貨幣
4.2580%
8
普発宝
匯添富貨幣D
3.5810%
9
掌櫃銭包
興全添利宝貨幣
4.5100%
10
零銭宝
広発天天紅
4.8260%
MMF名
平安大華日増利貨幣
7日間平均利回り(年率換算)
10.2010%
今回調査を行った 28 商品のうち、収益率が下がったのが 19 商品、上がったのは 9 商品
だった。上昇した原因は当該商品の債券が短期的に上昇したためで、この状況は長く続く
ものではなさそうだ。また今週は APEC の開催によって一部の金融機関が休みになってお
り、短期的にマイナスの影響が懸念される。11 月に入ってからは政策的な理由から収益
率も下がる傾向にある。投資にあたっては収益率が上下する原因に注意を払ってリスクを
判断する必要がある。
News Flash – Analysys International Monthly News
8