大峰奥駆道縦走の回想

大峰奥駆道縦走の回想
記
鎌倉 征三
近畿の屋根と言われる紀伊半島のほぼ
中央を南北に、吉野から熊野へ縦断する
大峰山脈の山々を六回に分けた、我が山
楽会の企画によって今回やっと完走出来
ました。
山脈は近畿の最高峰八経ガ岳(1914.9
m)を頂点に1200m 以上の山々が50座
以上数えられます。
縦走路は「奥駆道」と呼ばれており、全
長150キロと言われる中に、大峰七十五
なびき
靡 と呼ばれる修験道の行場がある1300年の歴史を持つ山岳古道であります。道中、山上
ケ岳を挟む五番関から阿弥蛇ヶ森分岐の間は我が国で唯一、女人禁制を守っている区間
があります。
この奥駆道は2004年7月、「紀伊山地の霊場と参詣道」がユネスコの世界文化遺産に登録
されました。今回の山行で各山頂や分岐点等には立派な道標が設置されていました。
縦走の概略について、
● 第一回目は、02/5月25日から26日かけて行仙岳から玉置山の間を行仙宿小屋に泊
り実施しました。この山行の時、焼き肉に当たってしまいメンバーに迷惑をかけてしまいまし
た。M 女に頂いた「熊の胃」と言う薬が効いてなんとか持ち堪えることが出来ました。有り難う
ございました。今、振り返りますと楽しい?思い出です。
● 第二回目は、03/5月25
日から26日にかけて弥山から
釈迦ガ岳の間を狼平小屋に泊
り実施しました。この小屋で関
東方面から来られていた山姥
の様なもの凄い、単独行の女
性山岳家に出逢いましたが、言
葉の節々に教えられることがあ
りました。
● 第三回目は、04/3月20
日から21日にかけて玉置山
から熊野本宮までをテント泊で実施しました。2日目テント場からの出発の時、十津川の
山々が雲海の中にポッカリ浮かんでおり、すばらしい景色が脳裏に焼き付いています。
● 第四回目は、04/5月5日から
6日にかけて柏木(上谷)から行
者環トンネル西口までを新建の
行者環小屋に泊り実施しました。
柏木道は古い丁石が残っており昔
を偲ばせていました。道中の伯母
谷覗からの眺めは圧巻でした。そ
れとクサタチバナの群落も目を見
張るものがありました。
● 第五回目は、04/11月5日21
日吉野山から五番関までを実
施しまた。前記の通り五番関から先は女人禁制を知らせる女人結界門がある。
古き時代からの伝統でありますが、良いのか悪いのかは私には判リません。何か複雑な気
持ちであります。
● 第六回目は、最終回で本年6月3日から4日にかけて行仙岳から太古の辻を経由旭登山
口までを実施し奥駆道を完走となったのです。
2日間で踏破した山々は、行仙岳に始まって、倶利迦邏岳、転法輪岳、阿須迦利岳、証誠
無漏岳、涅槃岳、般若岳、地蔵岳、奥守岳、天狗岳、石楠花岳の11座で単純な私は満足
感に浸っておりました。ところで、
太古の辻から本宮までの約45㌔を、一般に「南奥駆道」と呼んでいる。
過去には、奥駆は吉野山か
ら前鬼までしか歩かれなく、
南奥駆は道も定かでない薮
道であった。これを切り開い
てくれたのが、「新宮山彦ぐ
るーぷ」の人達だそうである。
最初に泊まった行仙宿山小
屋や平治宿山小屋等も募金
を集めて建てたとのことです。
道中に刈り開き作業を行った
標識を目にしました。感謝感
謝です。