平成25年度 社会福祉法人祥健会 事業報告

平成25年度
社会福祉法人祥健会
事業報告
今年度は,猛暑、大雨、台風の接近と自然災害の絶えない1年であった。そのような中、7月の参議院議員選挙で、自由民主党が勝利し、ねじ
れが解消し、アベノミクスなる景気対策が実施され景気が上向いたといわれる割には、地方にはあまり恩恵が薄いようであった。そして、国債の
発行額もいよいよ 1,000 兆円の大台を超え、いよいよのっぴきならない状態になりつつある。
また、今年度は、介護保険第5期目の2年目であり、第6期目に向けた議論が始まった。その中で、社会福祉法人には、非常に風あたりが強く
なった。内部留保の話から始まり、終には民間企業とのイコールフッティング問題、公益性の有無問題にまで話は達し、決算諸表の未公開問題、
低所得者層支援の問題、ガバナンス問題と、社会福祉法人バッシングが継続している。その結果、財務諸表のホームページへの公開が義務化とな
り、内部保留については、後日厚生労働省が具体的調査を行うようなことが言われている。また、ある一定規模以上の社会福祉法人においては、
外部監査の活用が義務付けられるということや、社会貢献活動の義務付け等が噂され、未だ油断を許さない状態である。
そのような中、当法人の各事業の経営状況は、次のような状況で経過した。
◎特別養護老人ホームは、昨年度同様に入所者の重度化は継続し、入退所が繰り返され稼働率の低下による減収と、職員の退職後の補充や育児休
暇取得職員の増加、病欠による職員等の不足により、介護報酬への加算が不可能となり、収益の悪化に拍車をかけた。また、介護職員不足がさ
らに深刻化し、超過勤務時間の増加が問題化した。
◎ショートスティは、前年度よりは利用率はやや回復したものの、1昨年度以前の利用率には回復していない。
◎デイサービスセンターは、昨年度減少した利用者数が戻りかけた7月に、機能訓練指導員が病気で退職し、その後補充をするもなかなか定着せ
ず1年が経過した。そのため、機能訓練という特色がなくなったため、それ以降の利用者数の回復は出来ず、さらに、運営基準の不備も相まっ
て、大幅な減益となり赤字反転となった。
◎在宅介護支援センターは、昨年度は、ケアマネジャーの退職が相次ぎ体制的には不安定だったが、今年度は、ケアマネージャー4人体制で経営
できた。しかしながら、ケアプラン作成依頼数が伸び悩み収益は減少し、赤字幅が広がった。薩摩川内市からの委託事業も減収となった。
◎ホームヘルプサービス事業は、要支援利用者へのヘルパー派遣を保険者が厳しく査定するようになり、派遣数が減少したことと、これまで在宅
で介護されていた利用者が重度化し、入院や施設入所等により派遣数が減少すると伴に、在宅で介護される家族が少なくなったことで派遣数が
かなり減少し減益となった。
◎グループホームは、入居者の重度化に伴い入院の長期化と退所の増加、その後の補充期間の長期化により減益となった。
◎小規模多機能ホームは、職員の退職が相次ぎ補充が完全にできないまま経過した。その影響で加算を取れなくなったり、登録者の入院、施設入
所等で登録者数も減少し、減収、減益となった。
このような状況の中、下記のような事業に取組んできた。
1.主要事項
(1)利用者の安全を守り、安心を確保するように努めた。
ⅰ)介護事故のないように努めたが、完全に防止できなかった。
○骨折事故
特別養護老人ホーム
○誤嚥事故
まし
5件
ショートスティ
1件
グループホーム
1件
ⅱ)感染症の予防に努め、今年度は大きな感染症の蔓延はなかった。
ⅲ)身体拘束をすることはなかった。
ⅳ)褥瘡形成のないように努めたが、体調不良により離床が出来なくなりそのため褥瘡を形成させてしまったり、入院により再発し
て退院して来るなどして、防止できなかった。
形成者延べ人数
7名
治療延べ日数
292日
(2)第1回目の空調設備のオーバーフォールを実施した。
(3)特別養護老人ホームの稼働率
目標:98%以上
実績:99.43%
(4)ショートスティの利用率
目標:75%以上
実績:61.23%
(5)デイサービスセンターの利用率
目標:68%以上
実績:50.2%
(6)在宅介護支援センターのケアプラン作成数
目標:月80人以上
実績:月70人
(7)グループホームの稼働率
目標:98.5%以上
(8)小規模多機能ホームの登録者数
目標:22人以上
実績:96.4%
実績:18.25人
(9)人材の確保と育成のための研修体制を確保し、内部研修の内容に努めたが、利用者の状態改善事例発表は、職員の要望により止めざる
を得なかった。
(10)事業所間、職種間の連携を強化するため各会議や委員会の内容の充実に努めたが、その効果は明確ではなかった。
(11)家族等との連携を密にし、苦情の発生の防止に努め、発生した場合は、迅速適切な対応を行った。