若手塾長のオンリーワン経営術 GLS予備校 年未満の期待の星に聞く vol.018 できる子とできない子の “違い”は何か? 東大法学部に現役合格。大学 時代は、複数の塾・予備校でさ まざまな年齢・学力層の生徒を 指導。特に勉強が苦手な子の指 けることに力を注いだ。その結 る子とできない子の違いを見つ 合う問題に対し、 「こんなにおもしろい世界があっ 学校の勉強には物足りなさを感じていた。 一方で、 そこで、小五から塾に通いはじめるが、初めて出 いう。 ように身に付いていた。しかし、 の「学習の作法」が当たり前の 有無。いわゆるできる子にはこ 果、見えてきたのが『学習の作 導に自ら手を挙げ、勉強ができ らクラスメートに勉強を教えるのが好きだったと 小さい頃から好奇心のかたまりだった原田少年。 その延長にあった勉強は大の得意。小学生の頃か たんだ!」と驚き、さらに勉強にのめり込んだ。 なければ、成績は伸びないとい ても、この作法が身に付いてい 大学卒業後は官僚か弁護士を目指すのが一 般 的 と い わ れ て い るエリ ー トコ ー ス の 中 で 、 教育とは人を育てること。 う結論に達したのだ。 どんなに時間をかけて勉強をし 法』 ( 詳 しくは著 書で 紹 介 )の 寮生活を通じて培われた生涯に続く仲間との出会 中高は鹿児島のラ・サールに進学。ここで過ご し た 六 年 間 が 、彼 の 人 生 に 大 き な 影 響 を 与 え た 。 いも大きいが、それ以上に、学校の勉強をこなし せてくれる質の高い教育を実感できたからだ。こ ていれば、塾に通わなくても最難関大学に合格さ のラ・サールの教えこそ、今の日本に必要な教育。 とが自分の使命と考えるようになった。 原田 将孝 さん 確固たる教育理念を持ってはじめた小さな塾。 一人の若者が立ち上がった。 を目指して通っている。 名の 現役高校生・浪人生が大学受験 在、GLS予備校には約 教育理念を持った小さな塾。現 原田氏が目指したのは確固たる 個人の幸せよりも日本の幸せを考え、 い将来、自分の生まれ故郷でも塾をはじめたい」 境は平等でなければならないという思いから、 「近 ごしてみて感じた地方の教育格差。勉強をする環 また、生まれ故郷の福岡を出て、全国から生徒 が集まる鹿児島ラ・サール、東大で学生時代を過 ければなりません」と原田氏。 負するしかない。そのためには人を育てていかな ことは可能です。資源が乏しい日本では技術で勝 考えをほかの指導者に伝えて、それを広げていく 導をするには、人数に限界がありますが、自分の 「教育とは人を育てること。自分の塾で生徒の指 ている 。 一方 、 近 ご ろ 原 田 氏 は 教 育 コ ン サ ル テ ィ ン グ と して 、塾 や 学 校の 先 生 に 向 けての 指 導 も 行っ 団のメリットを上手に組み合わせている。 ションを図り、連帯感を持たせるなど、個別と集 り取らせ、その間、同じ浪人生同士でコミュニケー 習慣と集中力をつける一方、昼休みを一時間しっか 三時間のコースを設定し、長時間続けて勉強する る。浪人生に対しては、午前一回三時間、午後一回 イティーな原田氏が、全教科を一人で担当してい 文系出身でありながら理系が得意というオールマ 授 業 は 生 徒一人 ひ と り の 学 力 に 合 わ せ た カ リ キュラムで 進 める 個 別 指 導で 、一教 室 六 ~ 七 人 。 教育格差のない世の中を目ざして… 学習塾の新時代を切り拓く、塾長歴 10 この教えを世の中に広めて、教育格差をなくすこ 日本の教育格差をなくすために、 30 ●「GLS予備校」WEBサイト http://gls-yobikou.com/ 100 ↘基調講演では文科省国立教育政策研究所の藤田晃之氏が、国の基本的な考え方を説明、横浜国立大付属横浜中学校と共同で 連携の在り方を模索する神奈川県立光陵高校や、職業体験を重視して進学指導を行う秋田県立能代高校が、実践例を報告。 ◆神奈川大学でキャリア教育シンポジウム◆キャリア教育の推進・向上を目指した「第5回神奈川大学高大連携シンポジウム」 が8月6日、横浜市神奈川区の同大横浜キャンパスで開催された。中学、高校、大学間での連携の図り方を探るのがテーマ。↗ 101 誰もが憧れるエリートコースを歩んでいながら、 1982年福岡県生まれ。東大法学部卒。 灘や開成にも合格したが、ラ・サールの理 念と教育方針に感銘を受け、 鹿児島のラ・ サール中学校に進学。東大入学後は複 数の塾・予備校でさまざまな年齢・学力 層の生徒を指導し、講師としての能力を 磨いてきた。鹿児島にあるラ・サールと同 等以上の教育が受けられる塾をめざし、 GLS予備校を設立。 たい〟という思いが、私塾には込められている。 原田 将孝 東京都 目黒区 塾は“人を育てる”場所 中高は鹿児島ラ・サール、大学は東大法学部。 と原田氏は語る。今も昔も、 〝日本をよくしていき MASATAKA HARADA 連載
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