かんきつの幹や枝を食害する虫

しまなみ農業だより
1000
アドマイヤーフロアブル
モスピラン水溶剤
バイオリサ・カミキリスリム
幼虫食入期 園芸用キンチョールE
2000 ~ 5000
2000 ~ 4000
1本/1樹
噴射
90日/1回(みかん)
原液~ 1.5
る7月中旬~8月上旬に主幹
○ミカンナガタマムシ
の地際部に登録薬剤を散布す
【被害】
る。
・天敵糸状菌製剤シート(バ か ん き つ 類 だ け を 加 害 す
イ オ リ サ・ カ ミ キ リ ス リ ム ) る。寒害や干ばつ、高接ぎ等
を羽化直前の時期に主幹部に で樹が衰弱した園や管理不良
園で発生することが多く、被
巻き付ける。
害にあった枝や幹はひび割れ
成虫発生期 ジメトエート乳剤
安全使用基準
希釈倍数等
て樹脂を流し、枯死すること
もある。放置すると被害は急
速に拡大する。
【発生】
成虫は6~ ㎜程度の小型
の甲虫で、6~9月に幹にか
まぼこ形の穴を開けて脱出
し、葉を鋸歯状に食害した後
に幹に産卵する。幼虫の胴部
は扁平・乳白色で、各節でく
び れ る。 老 熟 幼 虫 の 体 長 は
~ ㎜に達し、主に樹皮下
の形成層を食害する。発生は
年1回。
【防除】
(ア)耕種・物理的防除
・被害樹、被害枝は切り取り、
4月までに処分する。
・弱った樹を好んで食害する
ため、
適切な肥培管理や潅水、
有機物の施用等により樹勢を
落とさないよう心がける。
・高接ぎ樹には日焼け防止対
策を行う。
(イ)薬剤防除
・成虫の発生直前
(5~6月)
に樹幹及び主枝に殺虫剤を塗
布または散布する。
・葉の食害及び成虫の脱出口
が認められたら、成虫最盛期
(6~7月)及び若齢幼虫最
盛期(7~8月)に樹全体に
殺虫剤を散布する。
ミカンナガタマムシの登録農薬
防除時期
農 薬 名
成虫発生期
直 前( 5 ~ ガットサイドS 塗布
6月)
1000 ~ 2000
スプラサイド乳剤
1500 ~ 2000
安全使用基準
2回以内(みかん)
14日/1回(みかん)
90日/1回(みかん)
14日/3回(かんきつ)
90日/4回
(みかんを除くかんきつ)
14日/4回(みかん)
90日/2回
(みかんを除くかんきつ)
30日/2回(みかん)
14日/3回(かんきつ)
14日/3回(かんきつ)
-/-(果樹類)
14日/6回(かんきつ)
希釈倍数等
50 ~ 100
30 ~ 50
原液~ 1.5
200 ~ 400
ゴマダラカミキリの登録農薬
防除時期
農 薬 名
スプラサイドM
ガットキラー乳剤
産卵期
ガットサイドS 塗布
モスピラン水溶剤
15
20
10
2015年5月 22
かんきつの幹や枝を食害する虫
40
かんきつを栽培する際、大きな問題となりやすいのが樹の
幹や枝を食害する虫です。代表的なものは「ゴマダラカミキ
リ」や「ミカンナガタマムシ」で、これらの虫は成虫が樹の
表皮に穴を開けて卵を産み付け、幼虫が樹の栄養や水分を運
ぶ「形成層」などを食害して成長するため、食害を受けた部
分から上が枯れてしまうことがあります。特に植えたばかり
の幼木は要注意で、これらの虫の発生を見落とさず補殺や農
薬散 布 等 、 適 切 な 処 置 が 必 要 と な り ま す 。
傾向にある。
○ゴマダラカミキリ
【防除】
(ア)耕種・物理的防除
【被 害 】
・樹の周辺を除草し、産卵し
成 虫 が 枝 や 葉 を 食 害 す る。
幼虫は幹の地際部から木質部 にくい環境にする。
に 食 入 し、 樹 勢 を 低 下 さ せ ・主幹の地際部に防虫用の金
る。樹が枯死に至るケースも 網やプラスチック網を巻いて
産卵を防止する。液体を幹に
多い 。
塗 布 し た も の が 被 膜 を 作 り、
【発 生 】
産卵を防ぐ製品(非農薬)も
幼 虫 が 幹 内 で 越 冬 し 、 成 虫
は 6 月 中 旬 頃 か ら 発 生 す る。 ある。
羽化成虫は1週間程度、枝や ・秋季になると幼虫が食入し
葉を 食 害 し 卵 巣 を 発 達 さ せ た た 部 分 か ら 木 ク ズ が 出 る の
後、主幹部に産卵を開始する。 で、食入口から専用の殺虫剤
産卵は8月上旬にかけて行わ を噴入する。または針金など
れ、産卵数は約 ~ 個、ふ を食入口から差し込み、幼虫
化幼 虫 は 内 部 に 食 入 す る 。 幼 を 捕 殺 す る 。
虫は生木の内部を食害しなが (イ)薬剤防除
ら1~2年かけて生木内部で ・成虫が発生する6月中旬~
蛹化・羽化し、株元に脱出孔 7月上旬に登録薬剤を樹全体
をあ け て 外 部 に 出 現 す る 。 幼 に 散 布 す る 。
木、早生栽培園で発生が多い ・産卵や幼虫の食入が多くな
30