西目屋村 人口ビジョン

西目屋村
人口ビジョン
平成27年10月
青森県西目屋村
目 次
Ⅰ. はじめに
1 西目屋村 人口ビジョン策定の背景........................................................................ 1
2 人口の増減はなぜ起こるのか................................................................................... 2
3 人口関連データの扱いについて............................................................................... 2
Ⅱ. 人口の現状分析
1 人口動向分析............................................................................................................. 3
(1)総人口・年齢3区分別人口の推移...................................................................... 3
(2)自然増減・社会増減の推移................................................................................. 4
(3)人口移動の推移................................................................................................... 6
(4)産業別就業状況.................................................................................................16
2 将来人口の推計と分析............................................................................................19
(1)仮定値の設定.....................................................................................................19
(2)出生率・移動率について仮定値を変化させた総人口推計比較......................20
(3)将来人口に及ぼす自然増減...............................................................................22
(4)将来人口に及ぼす社会増減..............................................................................23
(5)自然増減・社会増減の影響度分析...................................................................23
(6)総人口の分析.....................................................................................................24
(7)人口構造の分析.................................................................................................25
(8)老年人口比率の変化..........................................................................................28
(9)分析及び結果の整理..........................................................................................29
3 人口変化の影響分析・考察....................................................................................30
(1)将来の地域住民の生活に与える影響................................................................30
(2)将来の地域経済に与える影響...........................................................................31
(3)地方行政に与える影響.......................................................................................31
Ⅲ. 人口の将来展望
1 目指すべき将来の方向............................................................................................32
2 人口の将来展望.......................................................................................................34
(1)総人口.................................................................................................................35
(2)年齢3区分別人口...............................................................................................36
(3)労働力人口.........................................................................................................39
(4)人口の将来展望のまとめ...................................................................................40
図表索引
............................................................................................ 3
図1
年齢3区分別人口推移
...................................................................... 4
図2
出生・死亡数・転入・転出数の推移
................................................... 5
図3
総人口に与えてきた自然増減と社会増減の影響
................................................................................... 6
図4
年齢階級別の人口移動状況
図5
地域ブロック別の人口移動状況
(青森県)............................................................. 7
図6
西目屋村の純移動
(2013年)................................................................................ 8
図7
5歳階級別転入数の状況
(2013年 男性).......................................................... 9
図8
5歳階級別転出数の状況
(2013年 男性).......................................................... 9
図9
5歳階級別転入数の状況
(2013年 女性)........................................................10
図10
5歳階級別転出数の状況
(2013年 女性)........................................................10
..................................................................................11
図11
西目屋村 転入・転出状況
..........................................................................................12
図12
県内の通勤・通学状況
図13
県内の昼夜間人口比率
(通勤・通学の拠点性)...................................................13
図14
年齢階級人口移動状況
(男性).............................................................................14
図15
年齢階級人口移動状況
(女性).............................................................................15
.....................................................................................................16
図16
男女別産業人口
図17
年齢階級別産業人口
(男性).................................................................................17
図18
年齢階級別産業人口
(女性).................................................................................18
.......................................................20
図19
パターン1とパターン2の総人口推計の比較
.....................................................................................................21
図20
人口の減少段階
図21
パターン1とシミ
ュレーション1の総人口推計の比較...........................................22
図22
シミ
ュレーション1とシミュレーション2の総人口推計の比較...............................23
図23
人口構造
(2010年).............................................................................................25
図24
人口構造
(パターン1:2020年).........................................................................26
図25
人口構造
(パターン1:2030年).........................................................................26
図26
人口構造
(パターン1:2040年).........................................................................26
図27
人口構造
(パターン2:2020年).........................................................................27
図28
人口構造
(パターン2:2030年).........................................................................27
図29
人口構造
(パターン2:2040年).........................................................................27
.....................................................................................28
図30
老年人口比率の長期推計
.................................................................................................35
図31
総人口の将来展望
......................................................................................36
図32
年齢3区分別人口数推計
..................................................................................................37
図33
年齢3区分別割合
.......................................................................38
図34
高齢者1人に対する生産年齢人口
............................................................................................................39
図35
労働力人口
表1
西目屋村の転入・転出と純移動数
(2013年)...................................................... 8
................................................................................................................24
表2
人口比率
Ⅰ. はじめに
1 西目屋村 人口ビジョン策定の背景
わが国は戦後の著しい経済発展を遂げ、
世界でも有数の経済大国になりました。
その
起爆剤となったのは、
団塊の世代といわれる昭和22年
(1947年)
~昭和24年の第一次ベ
ビーブームに生まれた国民でした。団塊の世代が成長し、
多くの人々が大量生産・大量
消費を生活の基盤とすることで経済発展する
“人口ボーナス”
が達成されました。
その後、
1970年代に第二次ベビーブームが起こりましたが、
価値観の多様化や核家族化、
都市部
への一極集中などの様々な要因により少子化が始まりました。
国民の高齢化が急速に進むことはすでに1980年代には国勢調査などから警鐘が鳴
らされていましたが、
日本経済が「バブル」により熱狂しているなどから顧みられることは
ありませんでした。
団塊の世代は若いころに「金の卵」
として地方から都市部へ集団就職をすることによ
り職を得て都市部に定住しました。
バブル期にも若者が華やかな暮らしにあこがれて移
り住むことにより、地方ではますます次世代を担うべき子どもの数が減り、相対的に地元
に残った大人たちが高齢化をすることで少子高齢化に拍車をかけました。今や人口の
減少は
“人口オーナス”
といわれる人口ボーナスの逆の現象により地方に多くの課題を突
き付けています。
これまでのわが国を顧みてもわかるように、人口に関する問題意識の醸成や、人口対
策・過疎化といった問題に対処するには長い年月がかかります。
そこで政府は、平成26年に「まち・ひと・しごと創生法」
( 平成26年法律第136号)
を
制定し、
人口の現状と将来の展望を提示する
「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」およ
び「まち・ひと・しごと創生総合戦略」
を閣議決定しました。
これを受けて、
地方公共団体においてもこれらを勘案して人口の現状と将来の展望を
提示する
「地方人口ビジョン」の策定を進めることになりました。
こうした経緯から、
人口の現状と、
2060年までの将来の展望を提示して西目屋村の将
来像を描くため、
「西目屋村 人口ビジョン」
を策定します。
1
2 人口の増減はなぜ起こるのか
西目屋村のこれまでの人口推移や、
そのデータを図式化し、
さらには将来の人口がど
のように推移するかを推計し、
この人口ビジョンが将来の西目屋村のあり方を考える資料
となります。
人口の増減には4つの要素が関係します。
その要素も大別すると、
2つの性質を持って
います。
ひとつは自然増減です。
自然増減は、
①子どもが生まれる、
②人が亡くなる、
といったこ
とから増減をする、
自然に起こり得るものがあてはまります。
次に、
社会増減です。
社会増減は、
対象となる地域から引っ越しなどで③転入する、
④
転出する、
ことから起こります。
人は様々な理由から転入・転出を行いますが、
多くは雇用
環境や進学などの社会的な影響を受けて移動をします。
少子化が続く現在では、
社会的
な影響が大きくなってしまうため、
人口減少対策においても重要なポイントとなります。
3 人口関連データの扱いについて
次ページから西目屋村の人口動向について関する、人口データには国勢調査や、住
民基本台帳などを基にしています。
これらは一般にも公表され、
利用することができるよう
になっています。
ただし、一部のデータについては国が特別に編集を行い、今回の地方
人口ビジョンの策定に対して提供を行っているものがあり、
一般の入手が困難なものもあ
ります。
また、
挙げられている数値については小数点以下2位で四捨五入していますので、
合
計が100などに一致しない場合があることもあります。
2
Ⅱ. 人口の現状分析
1 人口動向分析
地域の将来像を描くにあたり、
過去から現在までの人口推移を把握し、
その背景を分
析する必要がある。
そのため、
人口動向や年齢階級別の人口移動分析を行う。
(1)総人口・年齢3区分別人口の推移
図1は、
西目屋村の総人口とその内訳を年齢層により3区分したものです。地域経済の
中心となる生産年齢人口※1と、高齢者・子どもの数の関係から少子高齢化の度合いを
把握するのに用いられます。2010年以降は推計した住民人口です。
総人口は、
一貫して減少傾向にあります。
2010年
(実績値の範囲)
までは、
総人口と生
産年齢人口の曲線の動きが似ていることから、
総人口のうち半数以上を占める生産年齢
人口の増減が総人口の増減に対して大きな影響を与えていることがわかります。年少人
口※2も緩やかですが減少の一途にあります。
生産年齢人口は、
2005年から2010年にかけ
てわずかに増加していますが、
その後は以前と同じような線を描いて減少しています。老
※3
年人口 は、
2000年まで増加していましたが、
それ以降はゆるやかな減少傾向にあります。
図1 年齢3区分別人口推移
(人)
2,812人
推計
2060年
総人口:484人
生産年齢人口:220人
年少人口:34人
老年人口:229人
1,930人
516人
366人
(年)
総務省「国勢調査」、
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」
2010年までは「国勢調査」のデータに基づく実績値、
2015年以降は「国立社会保障・人口問題研究所」のデータに基
づく推計値。
総人口については、
年齢不詳は除いている。
*数値の詳細は、
「Ⅱ.2.
(6)
総人口の分析」参照
※1 15~64歳未満の労働力の中核となる年齢階層
※2 0~15歳未満の就業前人口となる年齢階層
※3 65歳以上の高齢者階層。
これら3区分は国の労働力を図るために用いられている場合があります。
3
(2)自然増減・社会増減の推移
図2は、
人口移動の理由別にこれまでの推移を表したものです。
自然増減は、
一貫して死亡数が出生数を上回っており、
「自然減」が進んでいます。社
会増減は、
2002年をピークに2000年から2008年では転出が転入を上回り、
「社会減」が
大きい状態で推移しています。
その他の期間では、転入・転出は年による変動があるも
のの、
わずかに「社会減」です。
津軽ダムの建設に伴い、
建設予定地の集落が集団移転する関係から、村外にも多く
転出したものとみられます。同様にこの時期、
出生数が一段と低くなった後、安定推移し
ています。
(人)
図2 出生・死亡数・転入・転出数の推移
(年)
総務省「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」、総務省「住民基本台帳に
基づく人口、
人口動態及び世帯数に関する調査」
4
図3は、
人口の社会増減と自然増減を一つの図で表現するものです。
西目屋村の図では、
自然増減・社会増減のいずれもがマイナスになるエリアを切り取
って示してあります。
自然増減は、
2000年までは図の線が比較的右上に偏っており、老
年人口の増加を背景に緩やかな減少であったと推察されますが、
それ以降は線が左の
方へ動いてきており、
老年人口の減少
(死亡数の増加)
および出生数の減少により、
急激
な人口減少を示しています。
社会増減は、
2002年に下部まで来ており、転出のピークを示しています。2000年から
2008年の間に線は0よりも下の方に集中しています。
この時期の転出が総人口の減少に
大きく影響しています。
図3 総人口に与えてきた自然増減と社会増減の影響
1997
2008
2011
-30 2012
-25
2003
2009 -20
2007
2001
1996
-15
50
2010
1999
2000
1998
-10
-5
2005
2013
2004
2006
0
1995
-50
-100
-150
-200
-250
2002
-300
-350
総務省「住民基本台帳に基づく人口、
人口動態及び世帯数に関する調査」
5
(3)人口移動の推移
図4は、
年齢階級別にどの年に多く移動があったかを示すものです。
「1980年→1985年」
という表記は、
1980年の住民の数と1985年の数とを比較し、
その5
年間に移動があった人数という意味になります。
この図からは長期的に「社会減」の傾向が見られます。
中でも15歳から64歳のいわゆ
る生産年齢人口の転出割合が高くなっています。年少人口は、
一貫して転出超過にあり
ます。生産年齢人口は、
1980年から1990年のバブル期と2000年から2005年に大きく転
出超過であり、
2005年から2010年では転入超過になり、
老年人口は、
1990年から2000年
にかけてわずかに転入超過にあります。
図4 年齢階級別の人口移動状況
(人)
150
100
50
0
-50
-100
-150
-200
-250
-300
-350
-400
1980年
→1985
年(人)
1985年
→1990
年(人)
1990年
→1995
年(人)
1995年
→2000
年(人)
2000年
→2005
年(人)
2005年
→2010
年(人)
計
0~14歳
-72
-34
-17
-14
-32
-10
-179
15~64歳
-221
-161
-40
-22
-201
101
-544
65歳~
-14
-28
6
22
-103
-7
計
-124
-307
-223
-51
-14
-336
84
-847
総務省「住民基本台帳人口移動報告」
6
図5は青森県民がどの地域に流出しているのか、地域ブロック別に把握するもので
す。東京圏への転出割合が大きく、
ついで東北圏への転出割合が大きいが、
2011年で
はその割合が小さくなっています。背景として、
震災等の影響が考えられます。西目屋村
の転出も、
同様の傾向が考えられます。
図5 地域ブロック別の人口移動状況(青森県)
(人)
1,000
0
-1,000
-2,000
-3,000
-4,000
-5,000
-6,000
-7,000
計
2010年
2011年
2012年
2013年
-328
-157
-279
-95
-859
-1,083
39
-1,268
-1,725
-4,037
北関東
-351
-232
-375
-344
-1,302
東京圏
-2,849
-2,599
-3,010
-3,205
-11,663
中部
-230
-358
-232
-354
-1,174
関西
-64
-31
-142
-162
-399
中国
-17
8
11
-100
-98
四国
-7
-23
1
-27
-56
-103
97
-49
-44
-99
-5,032
-3,256
-5,343
-6,056
-19,687
北海道
東北
九州・沖縄
計
総務省「住民基本台帳人口移動報告」
7
表1は西目屋村における転入・転出および純移動数に関する表です。通勤通学率
10%圏は、通勤通学先の割合として10%を超える地域という意味で、近隣の経済圏とし
ての結びつきの強さを把握できるエリアです。西目屋村では弘前市が該当します。転入
元、転出先ともには県内(通勤通学率10%圏内)
が最も多くなっています。西目屋村では
弘前市との移動が活発であることを示しています。
表1 西目屋村の転入・転出と純移動数(2013年)
転入数(人) 転出数(人) 純移動数(人)
県内(通勤通学率10%圏内)
20
34
-14
県内(通勤通学率10%圏外)
7
6
1
県外(東京都)
2
4
-2
県外(東京都以外)
14
18
-4
合計
43
62
-19
H25総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」
図6は男女別に純移動数を積み上げたものです。男性では県内(通勤通学率10%県
外)へ転出しており、
県外からは転入が多い状況です。転入6人、
転出6人なので合わせ
ると転入出が0人で移動がありません。女性では県内・県外いずれも転出超過で、
わず
かに県内
(通勤通学率10%県内)
が多く転出しています。
図6 西目屋村の純移動(2013年)
(人)
10
5
男性
女性
0
-5
-10
10
-15
10
-20
-25
H25総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」
8
4つの図(図7、
図8、
図9、
図10)
は、
男女別に5歳刻みで転出先エリアと転入先エリアを
表したものです。
男女とも、
20歳代を中心に転入・転出が起きています。転出では30歳代もみられること
から、就業による移動が生じているものとみられます。最も転出が多いのは、女性の25~
29歳でおよそ40%は県外に転出しています。20~24歳でも80%が県外への転出と、
割合
が大きくなっています。
図7 5歳階級別転入数の状況(2013年 男性)
(人)
4
3
2
1
不詳
歳以上
〜 歳
〜 歳
10
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
9 14 19 24 29 34 39 44 49 54 59 64 69 74 79 84 89
〜 歳
4
〜 歳
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90
〜 歳
0
〜 歳
0
10
H25総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」
図8 5歳階級別転出数の状況(2013年 男性)
(人)
5
4
3
2
1
不詳
9
歳以上
H25総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」
〜 歳
10
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
10
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
9 14 19 24 29 34 39 44 49 54 59 64 69 74 79 84 89
〜 歳
4
〜 歳
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90
〜 歳
0
〜 歳
0
図9 5歳階級別転入数の状況(2013年 女性)
(人)
5
4
3
2
1
不詳
歳以上
〜 歳
〜 歳
〜 歳
10
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
9 14 19 24 29 34 39 44 49 54 59 64 69 74 79 84 89
〜 歳
4
〜 歳
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90
〜 歳
0
〜 歳
0
10
H25総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」
図10 5歳階級別転出数の状況(2013年 女性)
(人)
不詳
10
歳以上
H25総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」
〜 歳
10
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
10
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
9 14 19 24 29 34 39 44 49 54 59 64 69 74 79 84 89
〜 歳
4
〜 歳
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90
〜 歳
0
〜 歳
8
7
6
5
4
3
2
1
0
図11は、転入・転出を詳細に示したものです。転入・転出では弘前市が半数で、県
外転出も東京都をはじめとした関東圏が多い傾向にあります。関西まで転出するケース
は少ないようです。
図11 西目屋村 転入・転出状況(2013年)
転入
転入元
転出
(人)(%)
転出先
(人)(%)
(人)(%)
(人)(%)
弘前市
20
46.5
北海道
1
2.3
弘前市
34
54.8
東京都
4
6.5
青森市
4
9.3
岩手県
2
4.7
青森市
5
8.1
埼玉県
4
6.5
五所川原市
1
2.3
宮城県
1
2.3
平川市
1
1.6
北海道
3
4.8
蓬田村
1
2.3
福島県
1
2.3
茨城県
2
3.2
藤崎町
1
2.3
埼玉県
2
4.7
千葉県
2
3.2
千葉県
2
4.7
神奈川県
2
3.2
東京都
2
4.7
秋田県
1
1.6
神奈川県
1
2.3
宮城県
1
1.6
大阪府
2
4.7
群馬県
1
1.6
兵庫県
1
2.3
静岡県
1
1.6
その他
1
2.3
愛知県
1
1.6
県外計
16
37.2
県外計
22
35.5
県内計
総計(人)
27
62.8
43
県内計
総計(人)
40
64.5
62
住民基本台帳人口移動報告 詳細分析表 第1表 年齢
(5歳階級)
、
男女別移動前の住所地別転入者数
(平成25年)
住民基本台帳人口移動報告 詳細分析表 第2表 年齢
(5歳階級)
、
男女別移動後の住所地別転出者数
(平成25年)
より作成
11
図12は、県内の通勤先・通学先の状況を把握するものです。通勤者・通学者が多
い場所は、
経済的・社会的・文化的な一体性が高く、
同時に地域が連携できる可能性
が高いことを意味します。
西目屋村外への通勤通学者のうち、
347人が弘前市へ通勤通学しています。合計は
923人の内、村外への通勤通学者は374人になりおよそ93%が弘前市への通勤・通学
者としています。
図12 県内の通勤・通学状況
国勢調査 市町村別 通勤・通学率
(平成17年)
より作成
12
図13は、昼と夜の人口の差を示しています。夜の人口が大きければベットタウンと考え
られ、昼の人口が大きければ就業場所・通学場所であるかを推測されます。
データか
らは西目屋村の昼夜間人口比率は0.9981と、
ほとんど差がありません。
つまり、村外へ通
勤・通学する人が少ないことを意味します。一方、
隣接する弘前市は、
昼夜間人口比率
が1を上回り拠点性が高く、
周辺自治体から通勤・通学が多いということになります。
図13 県内の昼夜間人口比率(通勤・通学の拠点性)
国勢調査 市町村別 通勤・通学率
(平成17年)
より作成
13
図14は、
西目屋村の男性の純移動状況を示すものです。
15歳~19歳から20歳~24歳
になる時に大幅な転出超過となっています。
これらは、大学への進学及び就職に伴う転
出超過を反映していると考えられます。1990年以降、
15歳~19歳から20歳~24歳になる
時の転出超過傾向は大幅に縮小しており、
2005年から2010年にかけて、
生産年齢人口
の流入が起こっています。
図14 年齢階級人口移動状況(男性)
(人)
1980年→1985年
−56人
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
9 14 19 24 29 34 39 44 49 54 59 64 69 74 79 84 89
〜 歳→
4
〜 歳→
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85
〜 歳→
0
9 14 19 24 29 34 39 44 49 54 59 64 69 74 79 84 89
総務省「住民基本台帳人口移動報告」
14
歳〜
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90
図15は、
女性の年齢階級別移動状況です。
15歳~19歳から20歳~24歳になる時に大
幅な転出超過となっています。
これらは、
大学への進学及び就職に伴う転出超過を反映し
ていると考えられます。
1985年以降、
15歳~19歳から20歳~24歳になる時の転出超過傾
向は急激に縮小し、
2000年から2005年にかけては、
65歳以上の転出超過が大きくなってい
ます。
図15 年齢階級人口移動状況(女性)
(人)
1980年→1985年
−55人
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
〜 歳→
9 14 19 24 29 34 39 44 49 54 59 64 69 74 79 84 89
〜 歳→
4
〜 歳→
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85
〜 歳→
0
34 39 44 49 54 59 64 69 74 79 84 89
総務省「住民基本台帳人口移動報告」
15
歳〜
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
9 14 19 24 29
総務省「住民基本台帳人口移動報告」
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
〜 歳
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90
(4)産業別就業状況
図16は男女別に見た、西目屋村の産業別人口を示すものです。男女ともに、
農業、
学
術研究・専門・技術サービス業の就業者数が多くなっています。
また、
男性では、
建設業
の就業者数が突出して多いがこの内約108人がダム建設従事者です。
専門・技術サービ
ス業及び公務でも男性の割合が高くなっています。
一方、
医療・福祉では女性の割合が
高い傾向です。
図16の折線グラフ
(特化係数)
は、
業種ごとに全国の就業者比率と比較し、
そのエリア
が平均的なエリアからどれだけ特化された産業があるのかを見る指標です
(全国平均
は1.0です)。
西目屋村は、農業男性の特化係数が5.49、女性は9.75と突出しています。
また、学術
研究・専門・技術サービス業が相対的に高くなっています。
(人)
図16 男女別産業人口
平成22年国勢調査 従業地・通学地集計 従業地・通学地による人口・産業等集計(総務省統計局)
第7表 常住地又は従業地による産業
(大分類)
、
男女別15歳以上就業者数(雇用者-特掲)
※図の右軸は、
特化係数を示す。
16
(※)
図17は、
男性の性別・年齢層ごとに産業別の就業人口割合を示すものです。
農業につ
いては、
40歳以上が大半を占めているため、
急速に就業者が減少する恐れがあります。
図17 年齢階級別産業人口(男性)
%
%
%
%
%
%
%
%
%
10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
%
%
0
農業、
林業
うち農業
漁業
高齢者の
比率が高い
鉱業、
採石業、
砂利採取業
建設業
製造業
電気・ガス・熱供給・水道業
情報通信業
運輸業、
郵便業
卸売業、
小売業
金融業、
保険業
不動産業、
物品賃貸業
学術研究、
専門・技術サービス業
宿泊業、
飲食サービス業
生活関連サービス業、
娯楽業
教育、
学習支援業
医療、
福祉
複合サービス事業
サービス業(他に分類されないもの)
公務(他に分類されるものを除く)
分類不能の産業
平成22年国勢調査 従業地・通学地集計 従業地・通学地による人口・産業等集計(総務省統計局)
第10表 従業地による産業
(大分類)
、
年齢
(5歳階級)
、
男女別15歳以上就業者数(総数及び雇用者)
17
図18は女性の性別・年齢層ごとに産業別の就業人口割合を示すものです。
基盤産業
である農業においては、
40歳以上が大半を占めているため、女性も急速に就業者が減
少する恐れがあります。
図18 年齢階級別産業人口(女性)
%
%
%
%
%
%
%
%
%
10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
%
%
0
農業、
林業
うち農業
漁業
高齢者の
比率が高い
鉱業、
採石業、
砂利採取業
建設業
製造業
電気・ガス・熱供給・水道業
情報通信業
運輸業、
郵便業
卸売業、
小売業
金融業、
保険業
不動産業、
物品賃貸業
学術研究、
専門・技術サービス業
宿泊業、
飲食サービス業
生活関連サービス業、
娯楽業
教育、
学習支援業
医療、
福祉
複合サービス事業
サービス業(他に分類されないもの)
公務(他に分類されるものを除く)
分類不能の産業
平成22年国勢調査 従業地・通学地集計 従業地・通学地による人口・産業等集計(総務省統計局)
第10表 従業地による産業
(大分類)
、
年齢
(5歳階級)
、
男女別15歳以上就業者数(総数及び雇用者)
18
2 将来人口の推計と分析
(1)仮定値の設定
これまで示した人口動態の推移を基に、
将来の人口について推計および分析を行い
ます。
社人研の「日本の地域別将来推計人口」、民間機関である日本創生会議による
「地
域別将来人口推計」
を活用し将来の人口に及ぼす出生や移動の影響等について分析
を行います。推計パターンの概要ですが、国の基準に準拠するため、次のパターンが設
定されています。
推計パターンの概要
パターン1
全国の移動率が今後一定程度縮小すると仮定した推計
(国立社会保障・人口問題研究所(以下、
「社人研」
という。)推計準拠)
パターン2
全国の総移動数が、
平成22年から平成27年の推計値と概ね同水準でそれ以降も
推移すると仮定した推計
(日本創成会議推計準拠)
シミュレーション1
合計特殊出生率が人口置換水準(人口を長期的に一定に保てる水準の2.1)
まで
上昇したとした場合のシミュレーション
シミュレーション2
合計特殊出生率が人口置換水準
(人口を長期的に一定に保てる水準の2.1)
まで上
昇し、
かつ人口移動が均衡したとした
(移動がゼロとなった)
場合のシミュレーション
19
(2)出生率・移動率について仮定値を変化させた総人口推計比較
図19では、
パターン1とパターン2の違いを示しています。将来の移動率が異なっていま
す。
パターン1の社人研推計では移動率が減少する見込みですが、
パターン2では平成
22年~27年までの推計値で推移する見込みで、現在の移動率ではより社会減が進む
見通しです。
(人)
図19 パターン1とパターン2の総人口推計の比較
824人
735人
484人
(年)
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づきまち・ひと・しごと創生本部作成
(パターン2が2040年までなのは、
推計データが存在しないため)
20
図20は、
2010年を100とした人口の減少段階を示すものです。人口の減少には3段階
あり、
第1段階:老年人口の増加
(総人口の減少)
、
第2段階:老年人口の維持・微減、
第3
段階:老年人口の減少と進みます。第3段階は人口減少の最終段階とされます。
本村ではすでに老年人口が減少しており、
第3段階に該当します。青森県全体では第
1段階となっていることから、県内においても人口減少が進んでいることになります。2060
年では2010年と比較して、総人口で半分以下の30.4、老年人口は2020年くらいまで減
少率が緩やかであったため、
42.1となります。
また、
年少人口と生産年齢人口の減少率は
同程度の24.2です。
なお、
推計値はパターン1を基にしてあります。
2010年=100
図20 人口の減少段階
42.1
30.4
24.2
(年)
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づきまち・ひと・しごと創生本部作成
*数値の詳細は「Ⅱ.2.
(6)
総人口の分析」参照
21
(3)将来人口に及ぼす自然増減
図21はパターン1とシミュレーション1を総人口で比較するものです。
パターン1は人口移
動が減少する推計で、
シミュレーション1は合計特殊出生率が人口置換水準(人口を長
期的に一定に保てる水準の2.1)
まで上昇した場合、
つまり出生が死亡と均衡する程度
に増加した場合です。
パターン1と比較しシミュレーション1の推計人口は2060年で582人と、
およそ100人多く
※4
なると見込まれます。
自然増減の影響度 (シミュレーション1/パターン1の2040年推計人
口)
でみると、
107%です。
(人)
図21 パターン1とシミュレーション1の総人口推計の比較
582人
484人
(年)
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づきまち・ひと・しごと創生本部作成
※4 シミュレーションとの差であり、影響度が大きいほど施策の効果が高くなることを意味します。
22
(4)将来人口に及ぼす社会増減
図22は、
シミュレーション1とシミュレーション2の総人口推計を比較するものです。
シミュ
レーション2はシミュレーション1の状態に加えて人口移動がなくなった状態です。
シミュレーション1と比較しシミュレーション2の推計人口は2060年で582人に対して831
人となり、
およそ250人増加しています。図21の自然増減だけ変化させたシミュレーション
では増加数が100人程度ですので、
社会増減の影響の方が人口増加に大きく影響して
います。
これにより、社会増減の影響度(シミュレーション2/シミュレーション1の2040年推
計人口)
は、
120%です。
(人)
図22 シミュレーション1とシミュレーション2の総人口推計の比較
831人
582人
(年)
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づきまち・ひと・しごと創生本部作成
(5)自然増減・社会増減の影響度分析
以上から、
自然増減の影響度が107%、
社会増減の影響度が120%となっており、
社会
増減の影響が大きいことを示しています。
そのため、人口減少に歯止めをかけるには社
会増に効果が期待できる施策に取り組むことが有効であると考えられます。
これは、
子どもを産む若い世代が少なくなることで出生率の上昇だけでは効果が薄く、
そのため、
まずは若い世代の流出防止・転入促進を行うことで出生率上昇の効果も大
きくなってきます。
23
(6)総人口の分析
表2はこれまでのシミュレーションで用いた数値の詳細です。
このまま人口移動が減少
せずに推移するパターン2と、人口移動がなく、出生率が増加するシミュレーション2との
比較では2060年で463人の差が出ています。
表2 人口比率
パターン1
総数
年少人口比率
2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年
1,593
1,431
1,285
1,151
1,032
925
824
727
639
556
484
9.10% 8.70% 8.50% 7.80% 7.50% 7.50% 7.50% 7.40% 7.30% 7.20% 7.20%
生産年齢人口比率 56.70% 54.10% 52.80% 52.20% 49.60% 48.20% 46.60% 46.10% 44.50% 44.60% 45.50%
老年人口比率
34.10% 37.20% 38.80% 40.00% 42.80% 44.40% 45.90% 46.50% 48.20% 48.20% 47.40%
75歳以上人口比率 21.30% 21.80% 21.00% 23.50% 25.10% 26.30% 28.90% 29.70% 30.70% 30.80% 32.10%
パターン2
総数
年少人口比率
2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年
1,593
1,431
1,266
1,113
977
851
735
627
530
443
368
9.10% 8.70% 8.50% 7.80% 7.50% 7.30% 7.10% 6.80% 6.50% 6.10% 6.00%
生産年齢人口比率 56.70% 54.10% 52.70% 52.00% 49.20% 47.40% 45.20% 44.00% 41.40% 40.20% 39.60%
老年人口比率
34.10% 37.20% 38.80% 40.20% 43.30% 45.30% 47.70% 49.20% 52.20% 53.60% 54.40%
75歳以上人口比率 21.30% 21.80% 20.90% 23.50% 25.10% 26.40% 29.30% 30.60% 32.40% 33.50% 36.10%
シミュレーション1 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年
総数
年少人口比率
1,593
1,432
1,290
1,166
1,063
969
880
795
716
644
582
9.10% 8.70% 8.80% 9.00% 10.20% 11.30% 11.90% 12.00% 12.30% 12.70% 13.20%
生産年齢人口比率 56.70% 54.10% 52.60% 51.50% 48.20% 46.40% 45.10% 45.40% 44.70% 45.70% 47.40%
老年人口比率
34.10% 37.20% 38.60% 39.50% 41.60% 42.30% 43.00% 42.60% 43.00% 41.60% 39.40%
75歳以上人口比率 21.30% 21.80% 20.90% 23.20% 24.40% 25.10% 27.00% 27.20% 27.40% 26.60% 26.70%
シミュレーション2 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年
総数
年少人口比率
1,593
1,487
1,374
1,274
1,195
1,123
1,054
988
928
874
831
9.10% 8.60% 8.80% 9.40% 10.90% 12.20% 13.20% 13.50% 13.80% 14.10% 14.60%
生産年齢人口比率 56.70% 54.20% 53.00% 52.20% 49.30% 47.90% 47.40% 48.60% 48.90% 51.30% 52.40%
老年人口比率
34.10% 37.30% 38.20% 38.50% 39.90% 39.90% 39.40% 37.90% 37.20% 34.60% 32.90%
75歳以上人口比率 21.30% 22.10% 21.20% 23.10% 23.80% 24.10% 25.20% 24.70% 24.10% 22.40% 21.80%
24
(7)人口構造の分析
図23は、
“人口ピラミッド”
です。
この図からは男性は2010年には60~64歳がおよそ10
%と多く、
女性では75~79歳がおよそ11%と多くなっています。
図24〜図29は今後の推計値を基にした人口ピラミッドです。
パターン1とパターン2の両
方で推計してあります。
いずれのパターンでも共通していることは、
若年女性の減少に伴
う出生数の減少により、年少人口比率が減少し続ける見通しです。
また、生産年齢人口
比率も、
長期的に減少し続ける見通しです。
一方、
老年人口に当たる65歳以上は一貫して高止まりしている
“逆釣り鐘型”
を示して
います。
図23 人口構造(2010年)
総務省「平成22年 国勢調査」
より作成(図24〜図29までも同様)
25
図24 人口構造(パターン1:2020年)
90歳以上
85~89歳
80~84歳
75~79歳
70~74歳
65~69歳
60~64歳
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
15~19歳
10~14歳
5~ 9歳
0~ 4歳
図25 人口構造(パターン1:2030年)
90歳以上
85~89歳
80~84歳
75~79歳
70~74歳
65~69歳
60~64歳
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
15~19歳
10~14歳
5~ 9歳
0~ 4歳
図26 人口構造(パターン1:2040年)
90歳以上
85~89歳
80~84歳
75~79歳
70~74歳
65~69歳
60~64歳
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
15~19歳
10~14歳
5~ 9歳
0~ 4歳
26
図27
人口構造(パターン2:2020年)
90歳以上
85~89歳
80~84歳
75~79歳
70~74歳
65~69歳
60~64歳
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
15~19歳
10~14歳
5~ 9歳
0~ 4歳
図28 人口構造(パターン2:2030年)
90歳以上
85~89歳
80~84歳
75~79歳
70~74歳
65~69歳
60~64歳
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
15~19歳
10~14歳
5~ 9歳
0~ 4歳
図29 人口構造(パターン2:2040年)
90歳以上
85~89歳
80~84歳
75~79歳
70~74歳
65~69歳
60~64歳
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
15~19歳
10~14歳
5~ 9歳
0~ 4歳
27
(8)老年人口比率の変化
図30は、
パターン1を基に老年人口を推計し、比較したものです。
パターン1(移動が縮
小)
では、老年人口比率は上昇し続けます。2060年では人口のおよそ半分は65歳以上
となります。
シミュレーション1(移動縮小、
出生・死亡率均衡)
では、人口構造の高齢化抑制の効
果が2040年頃に現れ始め、
その後、
老齢人口比率は低下する見通しです。
シミュレーシ
ョン2
(移動均衡、
出生・死亡率均衡)
では、
人口構造の高齢化抑制の効果が2030年頃
に現れ始め、
その後、老齢人口比率は低下する見通しです。
このように、人口減少問題
に対処するには長い時間が必要となります。
図30 老年人口比率の長期推計
47%
39%
33%
(年)
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づきまち・ひと・しごと創生本部作成
*詳細な数値は「Ⅱ.2.
(6)
総人口の分析」
を参照
28
(9)分析及び結果の整理
現在の西目屋村における人口・産業・将来人口の分析結果の整理を行います。
人口動向 ⨋⨋総人口の推移は、
現状からも一貫して減少傾向にあります。2010年(実績値の範囲)
までは、総人口と生産年齢人口の曲線の動きが似ていることから、総人口のうち半数
以上を占める生産年齢人口の増減が総人口の増減に対して大きな影響を与えてい
ることがわかります。
⨋⨋出生・死亡数は、
一貫して死亡数が出生数を上回っており、
自然減が進んでいる状
態です。
⨋⨋転出・転入は、
年による変動があるものの、
わずかに転出超過の傾向にあります。
ま
た、
転出超過数に占める生産年齢人口の割合が高くなっています。
⨋⨋移動状況は東京圏次いで、
東北圏への転出割合が高く、
男女ともに15歳~19歳から
20歳~24歳になる時に大幅な転出超過となっていますが、
近年、
縮小傾向にあります。
産 業 ⨋⨋産業別就業者数は、
農業、学術研究、専門・技術サービス業の就業者数が多く、全
国と比較し相対的に就業者割合が大きくなっています。
また、男性では、建設業の就
業者数が突出して多く、専門・技術サービス業と公務での割合が大きいことが特徴
です。
一方、
女性では、
医療・福祉の就業者割合が大きくなっています。
⨋⨋就業者の年齢構成では、
就業者数において相対的に特化していると考えられる農業
においては、
40歳以上が大半を占めているため、
急速に就業者が減少する恐れがあ
ります。
将来人口 ⨋⨋自然増減・社会増減の影響度は、
自然増減の影響度が107%、社会増減の影響度
が120%となっており、人口の社会増をもたらす施策に取り組むことが、人口減少度合
いを抑えることに効果的であると考えられます。
⨋⨋老年人口比率は、
老年人口が減少しており、
第3段階(人口減少段階の最終段階)
に
該当します。
29
3 人口変化の影響分析・考察
西目屋村で今後生じると見込まれる影響について、重要と思われるものについて分
析・考察を行います。
将来の地域住民の生活に与える影響 [小売店など民間利便施設の進出・撤退の状況]
⨋⨋村内では人口減少により商圏が縮小しており、
スーパーマーケットやガソリンスタンド等
の撤退につながっています。
このため近隣で買い物ができず、
弘前市の商圏に引き寄
せられるために生活に不便を感じる住民が今後も増加するおそれがあります。
また、
高齢化が進み、
自家用車を運転できない高齢者が増加すること、
いわゆる
「買い物難
民」が増加するため、
利便性の確保が必要になります。
※5
⨋⨋利便性を確保するためにもICT の利活用が必要となります。
特に老年人口比率が
高い西目屋村の特徴から、高齢者層に利用を促す方策を検討することが重要となり
ます。
[地域コミュニティーの維持]
⨋⨋西目屋村では津軽ダムの建設により村内でも人口の移動が生じています。
現在は比較
的に村の東側に住民が集中しており、
一方で地域コミュニティーは現在も分散していま
す。
人口の減少により地域コミュニティー維持が課題となる可能性があります。
※5 Information and Communication Technology(情報通信技術)
の略
30
将来の地域経済に与える影響 [地域産業における人材の不足]
⨋⨋農業の高齢化が進んでおり、
高齢者となる若年層が少ないため、担い手不足から耕
作放棄地の増加も予測されます。後継者育成だけではなく、
農地の利活用の促進策
が必要となります。
⨋⨋農業については健康な高齢者の受け皿となるため、
農業の保護・育成は村内の高齢
化社会を持続的に維持するうえでも重要な産業となります。
[新産業の育成]
⨋⨋農業と高齢者を中心とした産業構成では将来の新しい分野の産業を育てるための原
動力が乏しくなります。
このため、
産業育成策は若手の移住・定着と組み合わせて考
えることが重要になります。
⨋⨋西目屋村では、
世界遺産である
『白神山地』
を有していることが独自性の大きな要素と
なります。
自然環境の保護と観光資源としての利活用のバランスを考慮したうえで関連
産業の育成が重要となります。
⨋⨋新たな資源としては、
津軽ダムに関連して生じる土地利活用や景観の資源化が有望
です。
地方行政に与える影響 [公共施設の維持管理・更新への影響]
⨋⨋人口減少により公共施設の利用者数が低下します。
また、人口減少から税収が減少
し、
施設の維持管理費、
補修費の行政負担が増加するおそれがあります。
⨋⨋一方で、
村民の生命・身体・財産を守るために必要な施設は維持しなければなりませ
ん。今後も施設の優先順位を明確にし、
中・長期的に設置・補修の計画を練る必要
があります。
[社会保障等の増加による財政状況への影響]
⨋⨋後期高齢者の増大が予想される中、
医療費負担が増加し、
住民負担及び行政負担
の増加が見込まれます。
⨋⨋生産年齢人口の減少により、
住民税等の収入減少が見込まれます。
⨋⨋近隣自治体でも生産年齢人口現象が進む可能性があり、
広域で対処することが今後
も重要になります。
⨋⨋医療・福祉の分野では、
エリア的な連携のみならず、
情報の共有化による効率化を進
め、
村民サービスを向上させる方策も必要です。
31
Ⅲ. 人口の将来展望
人口の現状と課題を整理し、
人口に関して目指すべき将来の方向性を提示するととも
に、
将来のむらのあるべき姿を展望します。
1 目指すべき将来の方向
本村では1960年の5,346人を総人口のピークに産業構造の変化から過疎化が始まり、
1971年には過疎地域対策緊急措置法による過疎地域の指定を受け、
1979年には再び
鉱山が閉山し、
過疎化がさらに進行しました。
その後も徐々に減り続けましたが、
1993年11月に建設が公示された津軽ダムは、
2000年
8月に一般補償に関する協定締結を受けて砂子瀬・川原平のダム水没対象区域の住民
移転が起こり、
それに伴い2002年ごろ大幅に村外にも転出しました。
その後も生産年齢の
人口減少が大きく、
転出超過が進んでいます。
中でも就職・進学のための転出が多くなっ
ています。
また、
死亡者数も出生数よりも大きいことから自然減少も進んでいます。
産業では農業、
学術研究・専門・技術サービス業の就業者数が比較的多いことが特
徴です。本村の資源としては、
白神山地や津軽ダムの周辺域、
弘前市に隣接している地
勢、
これまでに力を入れて取り組んできた子育て環境の充実策とその評価の高さなど、
人
口減少に歯止めをかけるうえで対応可能なものがあります。
32
シミュレーションの結果を分析すると、
特に若者を取り込む施策が将来人口の維持・増
加に対し効果的であるという結果になりました。
そのうえで時代変化に対応して西目屋村
の持つ地域資源を有効に活用し、
若い世代を支援して村の活力を維持するために的確
な施策の方向性が必要となります。
そこで、
次の方向性を掲げます。
地域の観光資源を利用し、雇用環境を整備する
⨋⨋白神山地を内外にPRすることで、
観光客入込の増加を図り、
観光関連産業により安定
的な雇用の促進を図る。
⨋⨋津軽ダム周辺域の景観を観光資源化する。
若者向けの住宅環境を整備する
⨋⨋弘前市を中心とした圏域化で、
西目屋村がベットタウンとしての機能を果たす。
⨋⨋充実した行政サービスを維持し提供できるようにするため、
住宅整備エリアを計画的に
展開させる。
教育環境や子育て環境を整備し、子育て世代の移住を促進する
⨋⨋住宅整備では子育て世代をターゲッ
トとし、
ニーズに対応した住環境を整備する。
⨋⨋子育てニーズの多様化に対応するため、
経済的な支援以外にも教育や養育負担の
軽減に関しても考慮する。
⨋⨋子育ての希望を叶えるむらとして広域にPRをし、
移住の促進を行う。
33
2 人口の将来展望
国の長期ビジョン及び青森県の「まち・ひと・しごと創生 青森県長期人口ビジョン」
に
よる人口推移を勘案しつつ、
下記のとおり仮定をして西目屋村の将来人口を展望します。
仮 定
❶ 合計特殊出生率は、国の長期人口ビジョンと同様、平成42(2030)年に
1.8、平成52(2040)年に人口置換水準※6である2.07まで上昇させるこ
とを目指す。
❷社会増減は、転出者数を抑制することにより平成32(2020)年以降に社会
減を縮小させ、平成52(2040)年に均衡させることを目指す。
❸ 平成27(2015)年から平成32(2020)年にかけて定住促進住宅建設の
効果で100人増加させることを目指す。
※6 人口が増加も減少もしない均衡した状態となる合計特殊出生率の水準のこと。
34
(1)総人口
○平成72(2060)年に約260人の施策効果
図31は、
総人口の将来展望を示したものです。社人研の推計によると、
平成52(2040)
年には824人、
平成72(2060)年の村の人口は484人まで減少すると見通されています。
村の見通しでは、
平成27
(2015)
年から平成32
(2020)
年にかけて定住促進住宅建設
の効果の影響により減少が抑制され、村の施策による効果が着実に反映され、合計特
殊出生率と移動率が仮定値のとおり改善されれば平成52(2040)年には988人、
平成72
(2060)年の人口は743人となり、社人研推計と比較し、約260人の施策効果が見込まれ
ます。
(人)
図31 総人口の将来展望
743人
484人
35
(2)年齢3区分別人口
年齢3区分別人口では働き手である
「生産年齢人口」及び扶養される
「年少人口」及
び「老年人口」
を年齢で区分し、
人口構造を示します。
○生産年齢人口の減少をゆるやかに
総人口の推計結果について、
年齢3区分別に見ると、
以下のような傾向となっています。
図32は、
総人口を年齢で3区分した内訳です。推計した平成72
(2060)年で743人の内訳
は、
生産年齢人口が353人、
老年人口が287人、
年少人口が103人です。
総人口2010年比較でおよそ1,000人減少しており、
なかでも他の年齢層よりも生産年齢
人口の減少が大きくなっていますが、
総人口に対する割合が大きいことから総人口の減少
抑制に伴い生産年齢人口の減少も220人から133人抑制されています。
(図 (
1 P.3)
参照)
(人)
図32 年齢3区分別人口数推計
743人
353人
287人
103人
36
○平成72(2060)年ごろに高齢化率8.8ポイントの施策効果
図33は、図32の推計を割合であらわしたものです。年少人口は、
おおむね横ばいで、
総人口の減少に伴いその割合は若干増加します。
生産年齢人口と老年人口は、
生産年齢人口が一貫して減少傾向にありますが、
平成
62
(2050)年ごろに老年人口割合41.5%をピークに減少するため、生産年齢人口割合
は平成62
(2050)年から若干上昇する見通しです。社人研推計では平成72(2060)年
に47.4%であることから、
およそ8.8ポイント高齢化の進行が和らぐ予測になります。
(表 2
(P.24)
参照)
(%)
図33 年齢3区分別割合
2060年
老年人口
(社人研)47.4%
生産年齢人口:47.5%
41.5%
2050年
老年人口
(社人研)48.2%
生産年齢人口:46.1%
12.4%
37
8.8ポイント
低下
38.6%
13.9%
図34は高齢者1人に対する生産年齢人口を表したもので、
納税者1人当たりで何人の
高齢者を支えることになるのかを示すものです。
高齢者一人あたりの生産年齢人口を見ると、平成22(2010)年には1.67人であった
のに対し、社人研に準拠した推計では、平成52(2040)年に0.95人、平成72(2060)年に
0.73人となり、
一貫して減少する見通しです。
これに対し、
西目屋村人口ビジョン推計では、
平成52
(2040)
年に1.15人、
平成62
(2050)
年以降に改善し始め平成72
(2060)
年に1.23人となる見通しです。
図34 高齢者1人に対する生産年齢人口
(人)
1.67
1.23
0.73
38
(3)労働力人口
○生産年齢人口に対し207人の施策効果
図35は、図32の3区分で示した労働力人口
(生産年齢人口)
を社人研推計と比較し
たものです。西目屋村ではこれまで見たように、
生産年齢人口の減少が大きいことから総
人口の減少も大きい結果となっています。
労働力人口を比較すると、
社人研準拠の推計および西目屋村人口ビジョン推計ともに
減少する見通しですが、
平成72(2060)年の社人研推計で146人に対して、
西目屋村人
口ビジョン推計では353人と、
減少を207人緩やかにする効果が見込まれます。
(人)
図35 労働力人口
353人
146人
39
(4)人口の将来展望のまとめ
村の見通しでは、平成27(2015)年から平成32(2020)年にかけて定住促進住宅建
設の効果により人口減少が抑制され、村の施策による効果が着実に反映されます。合
計特殊出生率と移動率が仮定値のとおり改善されれば総人口は平成52(2040)年には
988人、平成72(2060)年の人口は743人となり、社人研推計と比較し、平成72(2060)年
に約260人の施策効果が見込まれます。
総人口743人の内訳は、生産年齢人口が353人、老年人口が287人、年少人口が103
人です。総人口に対する割合が大きい生産年齢人口の減少も抑制される施策効果が
見込まれます。老年人口は減少傾向にありますが、
平成62(2050)年ごろ老年人口割合
が41.5%をピークに減少を始める見通しです。社人研推計平成72(2060)年では47.9%
であったため、
およそ8.8ポイントの政策効果が見込まれます。
これにより高齢化の進行が
若干和らぐ予測になります。
高齢者1人に対する生産年齢人口は、
社人研推計は、
平成72(2060)年に0.73人のと
ころ、本推計では平成62(2050)年以降に改善し始め平成72(2060)年に1.23人と0.5人
減少を抑制する施策効果が表れる見通しです。労働力人口の比較では、社人研推計
で146人のところ、
西目屋村人口ビジョン推計では353人と、
207人の減少を緩やかにする
施策効果が見込まれます。
ポイント
●2060年推計 西目屋村総人口は743人。
●総人口743人の内訳は、生産年齢人口が353人、老年人口が287人、年少人
口が103人。
●老年人口は減少傾向、2050年ごろから老年人口割合が減少。高齢化の進行
が若干和らぐ予測。
●高齢者1人に対する生産年齢人口、社人研推計2060年0.73人、人口ビジョ
ン推計2050年以降改善2060年1.23人。
●労働力人口の比較、社人研推計146人、西目屋村人口ビジョン推計353人、
207人減少を抑制。
このように、
人口ビジョンで仮定した値では西目屋村の人口減少に対し、
歯止めをかけ
るのに一定の効果があることが示されました。
以上対策には早期の施作実施が重要となります。
今後5年間、
取捨選択と集中、
効果、
効率の高い行政サービスを提供できる地方版総合戦略の策定が必要となります。
40
西目屋村 人口ビジョン
発行 / 西目屋村総務課
〒036-1492 青森県中津軽郡西目屋村大字田代字稲元144
電話:0172-85-2111 / FAX:0172-85-3040