DSS COMPACT COEX DIE に関する情報

DSS COMPACT COEX DIE に関する情報
2015 年 5 月
ポリダイナミックスインク
1.概要
DSS Compact Coex die は、Dual Spiral Systems 社で開発された、インフレーション成
形用あるいはチューブ/パイプ成形用の新しい多層押出ダイである。 本ダイは従来の DSS
多層ダイに比べて、高さと重量が半分になったものである。競合他社の類似製品(円錐ダ
イ、円筒ダイ、モジュラー式多層ダイ等)と比べてもそのサイズはかなり小さい(下図参
照)。
本ダイの特徴を列記すると以下の通りである。
質量が小さいので、加熱時間が短い。
流路長が短いので、滞留時間が短い。
滞留時間が短いので、樹脂の排出時間や樹脂替え時間が短い。
要求熱量が小さいので、60%の省エネとなる。
重量が半分になったので、ダイの移動等のハンドリングが容易になった。
溶融樹脂の入口ポート部の流がスムースになった。
ダイの高さが半分になったので、インフレーション成形タワーの高さを低くできる。
種々の組合せの樹脂の成形でも柔軟に対応できる。
ダイがコンパクトになっても、従来の DSS 多層ダイの層分割機能(同一樹脂の各層を
多層にする機能)による高品質成形は保持している。すなわち、単層部分を同一樹脂
の多層にすることによって強度もガスバリア性能も向上する機能で、結果的に同一機
能であればフィルムのトータル厚みを小さくできる。
2.製作実績:
①
5 台の押出機と接続可能な 22 層の DSS Compact Coex die の製作実績がある。
5 台の押出機を A,B,C,D,E とする。押出機 A と E でそれぞれ 2 層ずつの樹脂を供給、押出
機 B、C および D でそれぞれ 6 層ずつの樹脂を供給する。層の構成が変わった場合でも、
ダイと押出機の組み合わせを変更すれば柔軟に対応可能である。
②
フィルム厚み分布測定用の出口直径 500mm の 10 層 DSS Compact Coex die。樹脂の
層は10層であるが、DSS 多層ダイの層分割機能によって、全体としては16層になって
いる。測定された各層厚みの偏差は、厚み修正装置なしで、2%、2シグマ以下であった
(下図参照)。
Total
100%
200μm
Outside
Inside
以上