家具の家 坂 茂 弱い材料を弱いなりに使った構造 施工手順 基礎の上にコンパネでフラットにした床をしいて家 具を配置し、 まず隣接する家具同士をラグスク リューで固定し、 次に家具と床をラグスクリューで 固定する。 そしてあらかじめカットしておいた梁を 家具の上に乗せて釘で止め、 その上に構造用合 板を敷いて水平剛性を確保する。 阪神大震災でクローゼットやタンスの家具が倒れて、 多くの人の避難路を塞 いだり、 人を押しつぶしたりしてしまった。 家具の頑丈さをいかして住宅の主 体構造としてしまえば家具の倒壊による災害はふせげるのではないか、 とい うことからこの建築は生まれた。 紙管トラスで門型の柱と針を2層分の高さで形成し、 その間の外壁部分に本 棚を入れている。 本棚と紙管トラスの架構は離れていて、 本棚には屋根の重さを負担させず 紙管トラスに負担させた。 この建築のメリット 1. 本棚が外壁を兼ねることで建物全体の構造(鉛直力と横力)を負担できる 2. 材料と手間が減って現場工期が短縮され、総工費も安くなった。 3. 家具に構造的・空間構成的役割を併せ持たせているので、家具職人の手で 内外装の塗装工事まで済ませてから運べることができて、現場での大工工事よりも高いクオリティの塗装ができた。 地上1階 軒高2400mm 最高の高さ3500mm ユニットの寸法 敷地面積 562.51㎡ 奥行き 本棚ユニット:450mm 建築面積 111.61㎡ 延床面積 103.93㎡ 71508148 松野 麗 高さ 2400mm 幅 900mm それ以外のユニット:700mm
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