プラントヘルスサイエンスの統合と新展開

様式
平成
27年
平成26年度重点研究チーム年次報告書
1.研究チーム概要
研 究 チ ー ム の 名 称
プラントヘルスサイエンスの統合と新展開
研究代表者
農学研究科・生命機能科学専攻・前藤 薫
部局・専攻・氏名
当 指導学生数
博士
E
15人,修士 32人,その他(学部生など)26人
該 外 部 資 金
科学研究費補助金
年 獲 得 実 績
奨学寄附金
A
E
A
E
21,798千円,受託研究経費
0千円
度 特許出願件数 なし
2.構成員
氏
部局・専攻
名
土佐幸雄
農学研究科・生命機能科学専攻
中馬いづみ
自然科学系先端融合研究環
Christian Joseph The University of the Philippines Los Baños
Rili Cumagun
池田健一
農学研究科・生命機能科学専攻
黒田慶子
農学研究科・生命機能科学専攻
石井弘明
農学研究科・生命機能科学専攻
前藤
薫
農学研究科・生命機能科学専攻
杉浦真治
農学研究科・生命機能科学専攻
Muhammad Tufail
King Saud University
坂本克彦
農学研究科・生命機能科学専攻
杉本幸裕
農学研究科・生命機能科学専攻
Abdel Gabar
Babiker
笹山大輔
Sudan University of Science and Technology
角野康郎
理学研究科・生物学専攻
森
農学研究科・生命機能科学専攻
直樹
自然科学系先端融合研究環
吉田健太郎
自然科学系先端融合研究環
松岡大介
自然科学系先端融合研究環
55,044千円,
4月
20日
3.研究成果の概要等について
(土佐・中馬・Cumagun)2011年メルボルンで開催された国際植物会議において新しい命名規約
が採択され、これまでの二重命名法を破棄し、各菌種の正式学名は一つのみとすることとなった。
これにより、いもち病菌においても、正式学名として既存のテレオモルフ名 Magnaporthe とアナ
モルフ名 Pyricularia のどちらを採用するか、大きな論争となった。我々は、さまざまないもち
病菌を用いた系統解析に基づき、(i) Magnaporthaceaeの菌系は,大きく2つのクラスターに分けら
れること、(ii)それら2つのクレードには,異なる属名をあてるべきであること、(iii) いもち病菌
は Magnaporthe 属のタイプ種である M. salvinii と異なるクレードに属しており同属ではないこ
と、(iv)3細胞洋梨型の分生子形成で特徴づけられる Pyricularia spp.の集団は単系統であり,属
名を与える一集団としての必要条件を満たすことを示した。これらの結果から、いもち病菌の属
名としては、単純に先名権に従い Pyricularia を採用すべきであると提案した。一方、普通系コ
ムギ品種S615に、コムギいもち病抵抗性遺伝子を見出し、Rmg8と命名した。分子マッピングの結
果、Rmg8は 2B 染色体に座乗することが判明した。さらに、Rmg8に対応する非病原力遺伝子を
同定し、AVR-Rmg8と命名した。AVR-Rmg8は、第7染色体のMating type locusの近傍に座乗してい
た。詳細な分子マッピングと相補性試験の結果、AVR-Rmg8のクローニングに成功した。本遺伝
子は、小さな分泌タンパク質遺伝子であった。興味深いことに、AVR-Rmg8は、二粒系コムギに
見出されたコムギいもち病抵抗性遺伝子Rmg7にも認識された。
(池田)いもち病菌において病原性を発揮するために重要であることが知られているオートファ
ジーについて、細胞学的検証を行った。いもち病菌は葉および根に感染することができるが、オ
ートファジーは葉への感染特異的に誘導されるユニークな機構であることを明らかとした。ま
た、白紋羽病菌において、病原力低下作用を有する菌類ウイルスを伝搬させるヴァイロコントロ
ールの確立を進めているが、本菌の有する細胞質不和合性反応によって、ウイルスの伝搬が阻害
される。この細胞質不和合性反応は、亜鉛化合物処理によって抑制され、菌類ウイルス伝搬効率
が向上することを見出した。亜鉛処理が白紋羽病菌に細胞質不和合性反応においてどのように作
用しているのか明らかとするために、RNA-seq解析を行い、亜鉛処理によって誘導あるいは抑制
される遺伝子群の特定を行った。
(黒田・石井)樹木生理生態学に関する研究では、樹高世界一のセコイアメスギにおいて葉の内
部に水分を貯める仕組みを発見し(Ishii et al. 2014)、米科学誌サイエンスのニュース記事に掲載
された。自然林回復緑化に関する研究では、神戸市内で緑化後10年が経過した斜面にマツ材線虫
病による枯死が発生したため、神戸市公園局と連携してアカマツの除伐実験を実施した。今後の
植生変化を追跡する。また、樹木萎凋病の発病機構に関する研究では、イチジク株枯病菌
Ceratocystis ficicolaをイチジク(栽培品種:蓬莱柿)苗に接種し、定期採取と解剖を行った。菌糸
の分布範囲では、樹木細胞で防御反応が進行するとともに水分通導が停止した。接種苗は水分欠
乏により葉の萎凋・枯死へと進行したことから、本病の病原菌感染から萎凋までのプロセスが説
明できた。樹木の水ストレスを検出する目的に熱流束センサーが利用できるかどうか検討した。
樹幹に設置したセンサーの値は,一般的な樹液流速の計測機器と類似した変動を示した。街路樹
等への応用的利用が可能かどうか、今後さらに検討する。
(前藤・杉浦・Tufail)害虫・天敵の多種混合サンプルのDNAバーコードによる網羅的同定を可
能とするために、タバコカスミカメをモデル捕食者として次世代シーケンサーを利用した消化管
内容物の同定を模索し、DNAバーコード領域を含むアンプリコンにインデックスを付加して多数
サンプルを識別・同定する手順をほぼ確立した。しかし、現状ではインデックスおよびアンプリ
コンの誤読率が高く、さらに改善を要する。あわせてヒメバチ上科寄生蜂の分子分類を進めると
ともに、寄生蜂の体内・体表の寄主残渣からDNAを抽出して寄主を同定する手法について検討を
行なっている。また、乾燥熱帯における食用ヤシ類の最重要害虫であるヤシオオオサゾウムシの
早期発見のために加害初期に寄主植物体内で特異的に発現する遺伝子群の探索を行ない、モニタ
リングに利用できる可能性のあるマーカーを特定した。一方、天敵に対する害虫の防衛行動につ
いても研究を進め、果樹園などでしばしば大発生する鱗翅目幼虫について、クワゴマダラヒトリ
幼虫の体表上の二次刺毛は、クロカタビロオサムシなどの捕食性昆虫による攻撃を妨げる効果が
あることを明らかにした。
(坂本)農薬の効率的な使用のためには、害虫の農薬感受性日周リズムを考慮することは重要で
ある。チョウ目昆虫の幼虫は主要な農業害虫であるにもかかわらず、その農薬感受性リズムに関
する報告はこれまでない。そこで、チョウ目のモデル動物であるカイコを対象として農薬感受性
の日内変動リズムを解析した。ピレスロイド系殺虫剤ペルメトリン、有機リン系殺虫剤アセフェ
ートのいずれに対しても、カイコ幼虫(p63系統)は明瞭な感受性日周リズムを示した。しかし、
2つの薬剤に対する感受性リズムのパターンは異なっていた。また、薬剤感受性リズムのパター
ンには、投与するカイコの系統によっても違いが見られた。これらの結果を鑑みると、農業現場
で害虫防除を行う際は、農薬の種類や対象昆虫種の地域個体群の特性を考慮した投与時刻を決め
ることが望ましいといえる。本研究は、チョウ目の幼虫が農薬感受性日周リズムを示すことを初
めて報告し、時間病害虫防除の応用への可能性を示した。
(杉本・Babiker)ソルガムに対するストライガの被害
O
OMe
を軽減する有力な方策の一つに輪作がある。スーダン
で実施した栽培試験の結果、輪作に組み込む作物とし
てササゲ、ヒマワリ、ゴマ、ミレットが有力であるこ
O
O
とを見出した。このうち、ストライゴラクトンが同定
O
O
されていないヒマワリを材料に発芽刺激物質の同定
を試みた。ブルガリアのAgroBioInstututeで発芽刺激物
Heliolactone
質高生産ラインとして選抜された2607Aの分与を受
け、400個体を8週間にわたり水耕し、根分泌物を活性炭に吸着して回収した。ストライガに対す
る活性を指標に精製を進めた結果、発芽刺激物質を0.4 mg単離しheliolactoneと命名した。機器分
析を駆使した構造解析の結果、heliolactoneは、近年ストライゴラクトンの生合成前駆体として同
定されたcarlactoneに類似の構造を有することが判明した。Heliolactoneは調べた全ての寄生雑草種
子の発芽を誘導した。
(笹山)水田雑草オモダカSagittaria trifoliaとウリカワS. pygmaeaは代掻き前の湛水をきっかけに
土中の塊茎が萌芽し、出芽する。両種は同様の生態系に生息しているものの、塊茎の埋没深は異
なり、オモダカは埋没深度が深く、ウリカワは埋没深度が浅い。これらの土中からの出芽の制御
機構を調査した。両種の出芽に際した成長パターンは特徴的であり、オモダカはまず節間(塊茎
と成長点の間)が伸長し、出芽した後に葉が伸長する。一方、ウリカワは出芽に先立って葉が伸
長し、出芽後に節間が伸長する。水生植物の伸長を促進することで知られている植物ホルモンで
あるエチレンの投与は、葉の伸長を促進したものの、両種において節間伸長を促進しなかった。
オモダカの節間伸長は低酸素条件で促進されたのに対し、ウリカワでは二酸化炭素が節間伸長の
促進因子であることが明らかになった。
(角野)外来水生植物オランダガラシ(アブラナ科)とオオバナイトタヌキモ(タヌキモ科)の
繁殖生態に関して研究を行った。オランダガラシの花には鞘翅目、鱗翅目、膜翅目、双翅目、半
翅目、総翅目の計6目25種の訪花昆虫が訪れたが、結実率は70%を下回った。資源制限が起こっ
ていると推測された。袋がけ条件下でも自家受粉により結実するが、その率は集団間で差があり、
自家不和合性の崩壊の程度に系統間で差がある可能性が示唆された。さまざまな系統が野生化
し、多様な環境への侵入の背景になっている可能性がある。オオバナイトタヌキモは,在来の絶
滅危惧種イトタヌキモと同種として扱われることもあるが、受粉様式で明瞭な差があることが判
明し、区別して扱う必要が明らかになった。
(森・吉田)重要な遺伝資源である野生二粒系コムギにおいて、トルコ南部の2つの自然集団の
集団をいくつかの区画に分けて葉緑体DNAの多様性を調査したところ、集団内及び集団間に非常
に高い多様性が見られ、それぞれの集団内は遺伝的に高度に構造化していることが明らかになっ
た。また、 栽培イネの発芽時および幼苗期における低温耐性の遺伝的制御機構について明らか
にするため、インディカとジャポニカの交配に由来する分離集団を用いて、これらの形質に関与
する量的遺伝子座を探索するとともに、低温順化が低温耐性に及ぼす効果についても検討した。
一方、植物の病害抵抗性を付与する方法の一つに、病害抵抗性遺伝子を集積した品種の確立があ
るが、ゲノムサイズが巨大な植物では、抵抗性遺伝子を単離するのは困難である。そこで、我々
は、ゲノムサイズの大きな植物種からでも、病害抵抗性遺伝子の迅速な単離技術を確立すること
を目的に、2倍体コムギをモデルにし、研究を実施した。一粒系コムギの重イオンビーム系統に
うどんこ病菌を接種し、抵抗性が低下した変異体の選抜をおこなった。また、コムギうどんこ病
菌の宿主特異性に関与する遺伝子を同定する試みをおこなった。
(松岡)植物の低温馴化過程では細胞膜の流動性の低下が引き金となりMEKK1-MKK2-MPK4経
路を活性化し、低温応答遺伝子の発現につながることを明らかにした。さらに細胞膜の流動性を
低下させる試薬を植物に処理することで低温処理なしで低温馴化能を当該植物に付与すること
に成功した。また、シロイヌナズナのMAPKKK18-MKK3-MPK1/2経路がアブシジン酸のシグナル
伝達において機能することを明らかにした。MAPKKK18を過剰発現したシロイヌナズナは老化が
促進され、一方不活性型MAPKKK18を過剰発現した植物では老化が抑制されることで生育日数が
伸びその結果としてバイオマスが増加した。以上の結果はMAPKKK18が植物の生育期間を調節す
る重要な遺伝子であることを示しており農学的にも利用価値が高いと考えられる。
4.論文・著書
[論文]
(土佐・中馬・Cumagun)
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Kusaba, M., Mochida, T., Naridomi, T., Fujita, Y., Chuma, I., and Tosa, Y. (2014) Loss of a 1.6Mb
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Tosa, Y. and Chuma, I. (2014) Classification and parasitic specialization of blast fungi. J. Gen. Plant
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(池田)
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Regulation of photochemical energy transfer accompanied by structural changes in thylakoid
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Ueno, S., Inoue, K., Ishii, H., Jiang, S., Adachi, Y., Kanematsu, S., Park, P., and Ikeda, K. (2015)
Polycationic ruthenium red is reactive with the extracellular matrix produced by plant pathogenic
fungi. J. Electron Microsc. Tech. Med. Biol. 28: 47-53.
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Ishii, H., Homma, K., Dolezal, J., Hara, T., Sumida, A., Vetrova, V., Vyatkina, V., and Hotta, K. (2015)
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(国際共著)
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water storage compensate for hydraulic constraints in Sequoia sempervirens? Funct. Ecol. 28:
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瀬尾まどか・石井弘明・黒田慶子 (2014) 画像三次元化ソフトを利用した樹幹形の測定と診断.樹
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柳瀬友里花・黒田慶子(2014)神戸市内の街路樹の成長特性.樹木医学研究 18: 124-125
石井弘明(2014)理科教育:みんなの物理
素朴な疑問Q&A
樹木はどこまで高く成長できるの
か?パリティ 29(12): 58-59.
(前藤・杉浦・Tufail)
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R
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R
R
(杉本・Babiker)
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for plant pathogen genomes: back to the future. PLoS Pathog. 10: e1004028. (国際共著)
Kamoun, S., Furzer, O., Jones, J.D.G., Judelson, H.S., Ali, G.S., Dalio, R.J.D., Roy, S.G., Schena, L.,
Zambounis, A., Panabieres, F., Cahill, D., Ruocco, M., Figueiredo, A., Chen, X-R., Hulvey, J.,
Stam, R., Lamour, K., Gijzen, M., Tyler, B.M., Grunwald, N.J., Mukhtar, M.S., Tome, D.F.A.,
Tor, M., Van den Ackerveken, G., McDowell, J, Daayf, F, Fry, W.E., Lindqvist-Kreuze, H.,
Meijer, H.J.G., Petre, B., Ristaino, J., Yoshida, K, Birch, P.R.J., and Govers, F. (2014) The top
10 oomycete pathogens in molecular plant pathology. Mol. Plant Pathol. [Epub ahead of print]
(国際共著)
(松岡)
Furuya, T., Matsuoka, D., and Nanmori, T. (2014) Membrane rigidification functions upstream of the
P
P
P
P
MEKK1-MKK2-MPK4 cascade during cold acclimation in Arabidopsis thaliana. FEBS Lett. 588:
2025-2030.
Matsuoka, D., Yasufuku, T., Furuya, T., and Nanmori, T. (2015) An abscisic acid inducible Arabidopsis
MAPKKK, MAPKKK18 regulates leaf senescence via its kinase activity. Plant Mol. Biol. 87:
565-575.
[著書]
阿部陽、高木宏樹、小杉俊一、夏目俊、八重樫弘樹、吉田健太郎、寺内良平 (2014) 育種へ応用
する 実験医学別冊
次世代シークエンス解析スタンダード
かしきるWET & DRY
NGSのポテンシャルを活
(二階堂愛編).羊土社.
角野康郎(2014)ネイチャーガイド
日本の水草.文一総合出版.
角野康郎(2015)生物多様性の危機.人間活動と生態系(日本生態学会編).共立出版.
黒田慶子(2014)第III部
樹木の生理と被害 18章
木部樹液の動きと樹木の健康,26章
ナラ
枯れと樹木の健康管理.樹木医学の基礎講座(樹木医学会編).海青社.
大住克博・奥敬一・黒田慶子編著(2014)里山管理を始めよう~持続的な利用のための手帳.森
林総合研究所関西支所.
5.関 連 活 動 及 び 特 記 事 項
(1)学位
(博士)
5名
(修士)
12名
(2)受賞
日本昆虫学会若手奨励賞
( 表 彰 団 体 名 :日 本 昆 虫 学 会 ,対 象 研 究 テ ー マ : 種 間 相 互 作 用 に 着 目 し た 昆 虫 の
生態系機能の解明)
受賞者名:杉浦真治
受 賞 年 月 日 : 平 成 26年 9月 14日
日 本 育 種 学 会 第 126回 講 演 会 優 秀 発 表 賞
( 表 彰 団 体 名 : 日 本 育 種 学 会 , 対 象 研 究 テ ー マ : 野 生 イ ネ (Oryza rufipogon)の 遺
伝的背景における種子脱粒性遺伝子座の相互作用と離層形態)
受 賞 者 名 : 井 上 千 鶴 , Than Myint Htun, 井 上 加 奈 子 , 池 田 健 一 , 石 井 尊 生 , 石 川
亮
受 賞 年 月 日 : 平 成 26年 9月 27日
第 126回 森 林 学 会 大 会 ポ ス タ ー 賞
( 表 彰 団 体 名 : 日 本 森 林 学 会 ,対 象 研 究 テ ー マ : 最 大 樹 高 に 達 し た 異 樹 齢 ア カ マ
ツにおける葉の生理特性の比較)
受賞者名:東若菜・石井弘明
受 賞 年 月 日 : 平 成 27年 3月 27日
26年 度 緑 の 普 及 ・ 啓 発 に 寄 与 す る 調 査 研 究 優 秀 賞
( 表 彰 団 体 名 : 神 戸 市 公 園 緑 地 協 会 ,対 象 研 究 テ ー マ : 六 甲 山 上 に お け る 森 林 整
備:持続的資源利用を目指して)
受賞者名:神谷円香・石井弘明
受 賞 年 月 日 : 平 成 27年 3月 31日
26年 度 緑 の 普 及 ・ 啓 発 に 寄 与 す る 調 査 研 究 奨 励 賞
( 表 彰 団 体 名 : 神 戸 市 公 園 緑 地 協 会 ,対 象 研 究 テ ー マ : ナ ラ 枯 れ 等 の 萎 凋 感 受 性
の熱流束計による予測)
受賞者名:井上和也・黒田慶子
(3)その他
受 賞 年 月 日 : 平 成 27年 3月 31日
○ 招 待 講 演 ( 池 田 健 一 ) Toward plant disease protection –from the view of fungal
genomics- Bioscience Seminar, University of Exeter (2014. 10. 2)