一般入試/化学(前期) 出題のねらい

一般入試/化学(前期)
出題のねらい
一般(前期)の化学は、化学基礎・化学の内容全般
【1】
【解 答】(30 点)
から出題しました。いずれの問題も基本的な内容を理解し (1) ア 混合物
エ 蒸留
ているかを問うています。また、構造式を答える問題も出
題されていますが、分子式から異性体の構造式を確実に (2)
書けるよう演習しておきましょう。
【1】 海水を題材に、混合物と純物質、物質の分離・精
製に関する知識や、海水に含まれる塩化ナトリウムと塩
イ 純物質
ウ ろ過
オ 電解質
(各 2 点×5)
④
(各 3 点×2)
②
(3)4.0×10-2 mol
(5 点)
(4)ナトリウムイオン 4 個
(2 点)
塩化物イオン 4 個
(2 点)
(5)d=4b/a3c g/cm3
(5 点)
化マグネシウムに関連して炎色反応、イオン半径などを
問う問題。一定量の海水中に含まれる塩化マグネシウ 【解 説】
ムの物質量を求める基礎的な計算問題。さらに、塩化 (2)
ナトリウムの結晶格子に関して、単位格子の中に含まれ
るナトリウムイオンと塩化物イオンの数を問う問題です。
【2】 ナトリウムを題材として、
(A)では同族元素、性質
全般やナトリウムを含有する物質を問う問題、
(B)で
①誤 赤 紫色はカリウム、ナトリウムは黄色の炎色反
応を示す。
②正 同じ電子配置をもつイオンでは、原子番号が
大きくなるほどイオン半径は小さくなる。
③誤 アルゴンと同じ電子配置をもつ。
はナトリウムとその化合物の関係を示した図をもとに、 ④正 塩化マグネシウムの方が凝固点は低い。
反応により生じる物質の化学式を答えたり、水酸化ナ ⑤誤 どちらも正塩である。
トリウムと炭酸ナトリウムの性質の違いを問う問題です。 (3) MgCl の式量は 95。求める物質量は
2
(3)
(4)は文章で表した反応を化学反応式で答え、
1000×(0.38×10 - 2)÷95=4.0×10 - 2 mol となる。
それを基に質量を求める基本的な問題です。
【3】 飽和、不飽和の炭化水素を題材として、設問文の
空所補充や炭素数7個の鎖式飽和炭化水素の構造異
性体の個数を問うたり、構造異性体の中で不斉炭素
原子を持つ化合物の構造式を問う問題です。
【4】 気体の体積と圧力・温度に関するボイル・シャルル
の法則の基礎的な知識を問う問題です。設問文の空
所補充と共に、与えられた条件下で、気体の圧力や
気体の物質量を計算する基本的な問題です。
【5】 糖類を題材とした問題で、グルコース、デンプンやセ
ルロースについての設問文の空所補充と、デンプンか
ら得られた多糖体の加水分解により生成する化合物か
ら、重合度や枝分かれの数を推定する問題です。アミ
ロースとアミロペクチンの構造の違いが理解できていれ
ば比較的容易に解ける問題です。
(4) 単位格子中に含まれるナトリウムイオンと塩化物イ
オンの数は次のようにして求められる。 Na + は立方格子の各面の中心に 1/2 個が 6 か所あ
る。また、立方格子の各角に 1/8 個が 8 か所ある。
従って、単位格子中には合計
(1/2) × 6 + (1/8) × 8 = 4 個含まれる。 Cl -は中心に1個、立方格子の各辺の中央に 1/4 個
が 12 か所あるので、単位格子中には合計 1 + (1/4) × 12 = 4 個含まれる。
(5) 単 位 格 子中には4つの NaCl が 含まれているの
で、その質量は 4b / c〔g〕である。 単位格子の体積は a 3〔cm 3〕であるので、その密
度(d)は、d = 4b / a 3c〔g/cm 3〕と表される。
一般入試/化学(前期)
【2】
【3】
【解 答】(30 点)
【解 答】(35 点)
A (1)⑥
(2)①
(3)⑦
(各 2 点×3)
B (1)[ ア ] H2
[ イ ] CO2
[ ウ ] Cl2
[ エ ] NH3
(各 3 点×4)
⑤
(各 2 点×2)
(2)②
(3)2NaHCO3 → Na2CO3 +H2O+CO2
(4 点)
(4)2.7g
(4 点)
問1 (1) ア① イ③ ウ⑦ エ② オ⑪
(各 2 点×5)
(2) 9
(5 点)
(3) 個数 2 個
(3 点)
構造式
【解 説】
[A]
(1)1族の元素なので、リチウムとカリウムが正しい。
(2)②1価の陽イオンになりやすい。
③溶融塩電解により得られる。
④メタノールとは反応する。灯油中などで保存する。
⑤アルカリ金属の一つ。
(3)カセイソーダ NaOH、重曹 NaHCO 3、水ガラスは
ケイ酸ナトリウム Na 2SiO 3 を含む。
[B]
(1)[ア]2Na + 2H 2O → 2NaOH + H 2
[イ]2NaOH + CO 2 → Na 2CO 3 + H 2O
[ウ]2Na + Cl 2 → 2NaCl
[エ]NaCl + CO 2 + NH 3 + H 2O → NaHCO 3 +
NH 4Cl
(2)②水 酸化ナトリウムは潮解のため溶けるが、炭酸ナ
トリウムは目立った変化は無い。
⑤炭 酸ナトリウムと希塩酸の反応では二酸化炭素
の気泡が発生するが、水酸化ナトリウムとの反
応ではそのような気泡は発生しない。
(4)N aHCO 3 の 式 量 は 84 な の で、4.2 g は 0.050
mol。(3) の 式より、NaHCO 3 2mol に 対して、
Na 2CO 3 が 1 mol 生じるので、0.050 mol からは
0.025 mol 生じる。よって得られる Na 2CO 3(式量
106) の 質 量は 106 × 0.025 = 2.65 g となる。 有
効数字2桁で表すと 2.7 g。
(各 6 点×2)
(4) 1,2- ジブロモエタン
(3 点)
(5) ②
(2 点)
【解 説】
( 2 )以下の 9 個
一般入試/化学(前期)
( 3 )以
下の 2 個(*印の炭素原子は不斉炭素原子を示す) 【解 説】
(6)アミロースは 1 - 4 結合のみ含まれるので、結合に関
与しない 6 位ヒドロキシ基はメチル化される。
(7)多糖体 A 1 分子から生じた分子量 208 の化合物の
数を求める。
分子量 208 の物質量は
52 × 10 - 3 ÷ 208=2.5×10 - 4
多糖体 A の物質量は
1.4 ÷ 1.4×106 =1.0×10 - 6
従って、多糖体 A 1 分子あたりの分子量 208 の化
【4】
合物の数は
2.5×10 - 4 ÷ (1.0×10 - 6)=2.5×102 =250
【解 答】(25 点)
(1) ア ⑤
イ ⑥
ウ ②
(2) A ③
B ⑥
C ⑪
(各 2 点×3)
D ⑬
(各 3 点×4)
(3) ②
(3 点)
(4) 0.70mol
(4 点)
【解 説】
(1)アはボイルの法則、イはシャルルの法則、ウは理想気
体
(2)A は PV =k 、B は V =V 0+V 0 × t /273、C は V/T 、
D は PV =nRT
(3)式 PV =k を用いて、
体積が 4.0 L の時の圧力をx〔Pa〕
とすると
1.0×105 ×8.0=x ×4.0
x =2.0×105
従って、答は ②
(4)式 PV =nRT から
n =PV/RT
n =2.1×105 ×8.3/{8.3×103 ×(27+273)}
n =0.70 mol
従って、答は 0.70 mol
【5】
【解 答】(30 点)
(1) アルデヒド基(又はホルミル基)
(3 点)
(2)Cu2O
(3 点)
(3)ウ ⑤
エ ③
(各 3 点×2)
キ アミロペクチン
(各 3 点×2)
(4)(C6H10O5)n
(5)カ アミロース
(4 点)
(6)208
(3 点)
(7)250
(5 点)
したがって、多糖体 A の糖鎖には 250 か所の枝分か
れが存在する。