ここで紹介するシロイヌナズナ水耕培地はシロイヌナズナの生育に必要な全ての無機成分を含んでおり,水耕栽培に用いることも できる.また同じ組成で寒天培地を用いた無菌栽培も可能であるが,培地の調製手順は異なる. シロイヌナズナ水耕培地(無機栄養塩類溶液)の調製 シロイヌナズナ水耕培地 10L の調整法を示す. 1.約 1L の脱イオン水に 7.1 g の水耕 A を溶かす 2.4.7 g の水耕 B を溶かす 3.1 ml の水耕 C を加える 4.水(通常の栽培では水道水で構わない)で 10 L にする ・水耕 A 下記の粉末の混合物. NaH2PO4 (無水) 181 g Na2HPO4 (無水) 37 g MgSO4 (無水) 181 g KNO3 304 g Fe (III)・EDTA 5g 水耕 A の作り方. (1) NaH2PO4(無水)と Na2HPO4(無水)を量りとる. (2) 台所用粉ふるい(小麦粉などをふるうときに使用するもの)を通して1L ビーカー (空)に入れる. (3) ふるいの目を通らなかった粒を乳バチで擦る.力を込めて擦る必要はない.(ふるいの目を通ればよい) (4)(2)のステップを繰り返す. (5) MgSO4(無水)を量りとる. (6)(2)~(4)を繰り返す.ビーカー,乳バチは同じものを使って構わない. (7) KNO3 を量りとる. (8)(6)と同じ.ただし KNO3 は強い衝撃や熱に弱いため,乳バチで擦るときに力を入れてはいけない. (9) 水耕 A mix のビンに(2)のビーカーの内容物を、粉体ロートを使って移す. (10)(9)に Fe(III)・EDTA を入れる. 粉体ロート (11) ビンのフタをして上下を混ぜる. ・水耕 B 硝酸カルシウムをそのまま使う.硝酸カルシウムは無水物が得られない. 水和物の結晶と無水物を混ぜると,結晶水に無水物が溶けてしまうので,水耕 A とは分けて扱う. ・水耕 C(10,000X倍液) 微量元素のストック溶液である.1L の脱イオン水に下記のものを溶かす. MnSO4・4H2O 2.3 g H3BO3 1.85 g ZnSO4・7H2O 0.29 g CuSO4・5H2O 0.24 g (NH4)6Mo7O24・4H2O 0.03 g CoCl2・6H2O 0.03 g Ca(NO3)2・4H2O
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