平成26年度SL銀河乗車体験と釜石地域研修会開催概要

岩手県観光ボランティアガイド連絡協議会
平成26年度SL銀河乗車体験と釜石地域研修会開催概要
目
的
平成26年4月12日よりJR釜石線で運航を開始した「SL
銀河」に乗車
し、また日本工業屈指のものとして世界遺産登録を目指す、釜石
市の橋野高炉跡を現地ガイドの案内で史跡の研修を行なう。
共に岩手県内のガイドとして情報の共有と、知識向上を目的と
して、岩手県を訪れるお客様に満足していただけるようにする。
開 催 日
平成26年10月25日(土)~26日(日)
開催内容
(1)遠野、釜石間のSL乗車体験
(2)復興途上の被災地視察研修
(3)平成27年度世界遺産登録を目指す「橋野高炉跡」の研修
主
催
岩手県観光ボランティアガイド連絡協議会
共
催
公益社団法人
参 加 者
日本観光振興協会
56名(11団体)
研修会の日程
月日
10/25
時間
12:40
(土)
内容・場所など
備考
内陸・沿岸地域よりバスで遠
野に集合して昼食
13:30~15:
SL銀河乗車体験
04
(遠野駅-釜石駅間)
15:20~16:
00
1時間 30 分の乗車
被災地研修(釜石市内)
非難した高台までのかけ登
(バスに乗車して復興状況等
り体験を行なう。現地ガイ
視察)
ドによる案内
被災した鵜住居防災センタ
被災地研修(大槌町)
16:00~17:
40
ー、役場跡など視察
(車内での現地ガイドによる説明
有)
各団体の紹介・余興など
バスで移動
交流会(ホテルシーガリアマ
18:00~20:
00
リン)
バスで移動
宿泊先へ到着
20:20
10/26
8:30
(日)
バスに乗り込み2日目の研修
出発
8:50~ 9:
30
バスで移動
鉄の歴史館見学
バスで移動
10:20~12:
シアター視聴・展示物見学
橋野高炉跡見学
シアター視聴・現地ガイド
で高炉跡・水路跡など見学
00
バスで移動
釜石駅周辺で昼食
12:50~13:
40
それぞれのバスに乗車して帰
路へ
13:50
自由行動
開催内容報告
1、
遠野・釜石間のSL銀河乗車体験
岩手県内各地から遠野に集合し、今年4月から運行しているSL銀河鉄道
に乗車して宮沢賢治の世界を体感してもらった。蒸気機関車は60代・7
0代にはとても懐かしく思えたようで、蒸気機関車のあの独特な臭い、煙、
汽笛が何とも言えず心地よく、参加者は歓声を上げていた。沿線にはカメ
ラを持った人々が列を組んで構えており、車窓から眺める光景もまたSL
銀河の人気ぶりを体感させてくれた。花巻観光ボランティアガイドの方、
釜石観光ボランティアガイド会夢ふれあい隊の皆さんの車内での一言ガイ
ドも乗っているお客さまを飽きさせない適切なガイドで、他団体の皆さん
にはとても参考になったようである。私達ガイドのモットーである「おも
てなし」の精神が満ち溢れていた。
2、
復興途上の被災地研修
あの日釜石沿岸の高台に駆け上り、必死に映像を取り続けた人が「釜石観
光ボランティアガイド会」の男性会員であるという。体験がそのまま言葉
になって迫ってきた。女性ガイドもまた、体験した方だけが知る熱のこも
った語り口でみんなの感動を呼んだ。被災地では復興に向けていろいろ施
策が講じられているもののまだまだと感じた。町並みが消え一面に草が生
え広がっている。この現状を我々が県内各地で語りながら復興がスムーズ
に進んでいくことを願わずにはいられない。
しかし、2019年ラグビーワールドカップ誘致に立候補(鵜住居地区
グランド整備)、震災メモリアルパークの整備(鵜住居旧防災センター跡地)、
また橋野高炉跡の世界遺産登録を目指しての活動など明るい話題も市民の
活気となっており、希望が見えた。
3、
世界遺産登録を目指す「橋野高炉」研修
橋野高炉跡見学は、今研修会の大きな柱の一つであり、2グループに分
かれ現地ガイドの説明と案内によって進められた。この地は平成27年度
世界遺産登録を目指す「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」
の中の一地域である。
橋野高炉は、「近代製鉄の父」と呼ばれた大島高任(おおしまたかとう)
によって建設された洋式高炉によるものである。橋野の裏山は鉄鉱石が取
れる鉱山で、水源もあったため高炉建設に適地であったようだ。高炉跡に
は山の斜面を利用して造られた第1から第3高炉の土台となった石垣が現
存していた。水路跡も・・・。そしてまた労働者への賃金支払所跡なども
残されており、明治以降の製鉄業の創世記を彷彿させるものであった。
岩手県内の観光資源のうち、景観・文化・歴史とはまた別の切り口での
資源としてこの「橋野高炉跡」を県内各地でそれぞれのガイドの説明の中
に盛り込んでいただければと期待したい。