品質保証ガイドライン 部品供給者様用

品質保証ガイドライン
部品供給者様用
2015 版
2015 年 08 月 01 日
株式会社 ジャパンディスプレイ
(株)ジャパンディスプレイ
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目 次
ページ
1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 05
1.1 このガイドラインの位置づけ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 06
1.2 ガイドラインの読み方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 06
1.3 当社の品質保証に関する基本的な考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 06
1.3.1 当社「品質方針」
1.3.2 購入品の品質保証に関する基本的な考え方
1.4 品質マネジメントシステムの基準 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 07
1.4.1 品質マネジメントシステムの構築
1.4.1.1 ISO9001 認証取得
1.4.1.2 ISO/TS16949 への適合
2.引用規格 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 07
3.定義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 07
4.品質マネジメントシステム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 07
4.1 一般要求事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 07
4.1.1 一般要求事項−補足
4.2 文書化に関する要求事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 07
4.2.1 一般
4.2.2 品質マニュアル
4.2.3 文書管理
4.2.3.1 技術仕様書
4.2.4 記録の管理
4.2.4.1 記録の保管
5.経営者の責任 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 09
5.1 経営者のコミットメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 09
5.1.1 プロセスの効率
5.2 顧客重視 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 09
5.3 品質方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 09
5.4 計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 09
5.4.1 品質目標
5.4.1.1 品質目標−補足
5.4.2 品質マネジメントシステムの計画
5.5 責任、権限及びコミュニケーション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 09
5.5.1 責任及び権限
5.5.1.1 品質責任
5.5.2 管理責任者
5.5.2.1 品質管理責任者
5.5.3 内部コミュニケーション
5.6 マネジメントレビュー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
5.6.1 一般
5.6.1.1 品質マネジメントシステムの成果を含む実施状況
5.6.2 マネジメントレビューへのインプット
5.6.3 マネジメントレビューからのアウトプット
6.資源の運用管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
6.1 資源の提供 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
6.2 人的資源 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
6.2.1 一般
6.2.2 力量、教育・訓練及び認識
6.2.2.1 製品設計の技能
(株)ジャパンディスプレイ
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6.2.2.2 教育・訓練
6.2.2.3 業務を通じた教育・訓練 (OJT)
6.2.2.4 従業員の動機付け及びエンパワーメント
6.2.2.5 検査員
6.3 インフラストラクチャー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
6.3.1 工場、施設及び設備の計画
6.3.2 緊急事態対応計画
6.4 作業環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
6.4.1 製品要求事項への適合を達成するための要員の安全
6.4.2 事業所の清潔さ
6.4.3 静電気対策の実施(該当部品がある場合)
7.製品実現 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
7.1 製品実現の計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
7.1.1 製品実現の計画−補足
7.1.2 合否判定基準
7.1.3 機密保持
7.1.4 変更管理
7.1.4.1 生産条件変更届の提出要領
7.1.4.1.1 生産条件変更に該当する事例
7.1.4.1.2 生産条件変更による監査
7.2 顧客関連のプロセス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
7.2.1 製品に関連する要求事項の明確化
7.2.1.1 当社指定の特殊特性
7.2.2 製品に関連する要求事項のレビュー
7.2.2.1 製品に関連する要求事項のレビュー−補足
7.2.2.2 組織の製造フィージビリティ
7.2.3 当社とのコミュニケーション
7.2.3.1 当社とのコミュニケーション−補足
7.3 設計・開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
7.3.1 設計・開発の計画
7.3.1.1 部門横断的アプローチ
7.3.2 設計・開発へのインプット
7.3.2.1 製品設計へのインプット
7.3.2.2 製造工程設計へのインプット
7.3.2.3 特殊特性
7.3.3 設計・開発からのアウトプット
7.3.3.1 製品設計からのアウトプット−補足
7.3.3.2 製造工程設計からのアウトプット
7.3.4 設計・開発のレビュー
7.3.4.1 監視
7.3.5 設計・開発の検証
7.3.6 設計・開発の妥当性確認
7.3.6.1 設計・開発の妥当性確認−補足
7.3.6.2 試作プログラム
7.3.6.3 部品承認プロセス
7.3.7 設計・開発の変更管理
7.4 購買 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
7.4.1 購買プロセス
7.4.1.1 法規・規制への適合
7.4.1.2 供給者の品質マネジメントシステムの開発
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7.4.1.3 当社指定の供給者
7.4.2 購買情報
7.4.3 購買製品の検証
7.4.3.1 要求事項への購買製品の適合
7.4.3.2 供給者(二次供給者様)の監視
7.5. 製造及びサービス提供 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
7.5.1 製造及びサービス提供の管理
7.5.1.1 コントロールプラン
7.5.1.2 作業指示書
7.5.1.3 作業の段取り替えの検証
7.5.1.4 予防保全及び予知保全
7.5.1.5 生産治工具の運用管理
7.5.1.6 生産計画
7.5.1.7 不具合情報のフィードバック
7.5.1.8 サービスに関する当社との合意契約
7.5.2 製造プロセスの妥当性確認
7.5.2.1 製造プロセスの妥当性確認−補足
7.5.3 識別及びトレーサビリティ
7.5.4 当社の所有物
7.5.4.1 当社所有の生産治工具
7.5.5 製品の保存
7.5.5.1 保管及び在庫管理
7.6 監視機器及び測定機器の管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
7.6.1 測定システム解析
7.6.2 校正/検証の記録
7.6.3 試験所要求事項
7.6.3.1 内部試験所
7.6.3.2 外部試験所
8.測定、分析及び改善 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
8.1 一般 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
8.1.1 統計的ツールの明確化
8.1.2 基本的統計概念の知識
8.2 監視及び測定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
8.2.1 顧客満足
8.2.1.1 顧客満足−補足
8.2.2 内部監査
8.2.2.1 品質マネジメントシステム監査
8.2.2.2 製造工程監査
8.2.2.3 製品監査
8.2.2.4 内部監査の計画
8.2.2.5 内部監査員の適格性の確認
8.2.3 プロセスの監視及び測定
8.2.3.1 製造工程の監視及び測定
8.2.4 製品の監視及び測定
8.2.4.1 寸法検査及び機能試験
8.2.4.2 外観品目
8.3 不適合製品の管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
8.3.1 不適合製品の管理−補足
8.3.2 手直し品の管理
8.3.3 当社への報告
(株)ジャパンディスプレイ
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8.3.4 当社の特別採用
8.4 データの分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
8.4.1 データの分析及び使用
8.5 改善 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
8.5.1 継続的改善
8.5.1.1 組織の継続的改善
8.5.1.2 製造工程改善
8.5.2 是正処置
8.5.2.1 問題解決
8.5.2.1.1 「品質改善計画書」「5 原則シート」の提出
8.5.2.1.2 「8D レポート」の提出
8.5.2.2 ポカヨケ
8.5.2.3 是正処置の水平展開
8.5.2.4 受入拒絶品の試験/分析
8.5.3 予防処置
8.5.4 未然防止に向けた取り組み
9.製品安全に関して ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
10.環境管理物質に関して ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
11.取引開始時及び新規製品納入時の提出書類一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
12.限度見本の運用と管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
13.初回品納入の識別 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
14.当社での受入検査の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
15.立会い検査の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
16.供給者様の来訪 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
17.供給者様の品質監査の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
18.供給者様の品質評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
19.梱包仕様に関して ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
18.1 梱包仕様 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
18.2 梱包上の注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
18.3 その他 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
20.車載関連部品の生産中止に関して ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
21.自動車業界の用語の定義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
改訂履歴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35
(株)ジャパンディスプレイ
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1. はじめに
このガイドラインは、株式会社ジャパンディスプレイ及び関連会社(以下、当社という) が、部品の供給者
様に、品質マネジメントシステムについて、ご理解とご協力をお願いする事項をまとめたものです。
このガイドラインは、ISO9001 及び ISO/TS16949 を含んだ品質マネジメントシステムの基本的な要求事項
及び供給者様から供給していただく製品・サービスに付随する品質保証、品質管理、製品安全、不適合管理
等の具体的な要求事項について記述してあります。
ISO/TS16949 の「7.4.1.2 項、供給者の品質マネジメントシステムの開発」要求事項には、供給者様での
ISO/TS16949 適合を目指した活動が求められています。
本ガイドラインの要求事項を全て実行することで、ISO/TS16949 に適合するプロセスが実現できるものと
考えます。
供給者様におかれましても、当社へ供給していただく製品・サービスに関して、品質マネジメントシステムの
構築ならびに維持に努めていただくとともに、継続的な品質改善を心がけていただくようお願いします。
 本ガイドラインの内容及び取扱いについては、当社に関係する取引についてのみに限定していただき、そ
れ以外の転載・転用等の行為は禁止させていただきます。
 本ガイドラインは、取引初年度は当社調達部門より配付し、以降は毎年度初めにホームページにて公開
いたします。供給者様におかれましては、内容をご確認いただき、毎年度当社に対して管理責任者様の
ご連絡をお願いします(付録:書式-1)。この連絡をもって本ガイドラインの内容を理解いただいたと判断さ
せていただきます。なお、付随する書式については、不都合等が発生した場合に都度更新いたしますの
で、書式のご使用にあたりましては、必ずホームページ公開された最新版をご活用ください。
 本ガイドラインに関する、お気づきの点、ご不明な点等がありましたら、当社の窓口担当者までお申し出く
ださい。
発行者:品質管理責任者
(株)ジャパンディスプレイ
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1.1 このガイドラインの位置づけ
当社が供給者様から製品を購入するときは、「基本契約書(資材取引基本契約書、個別の基本取引
先契約書を指す。以下「調達基本契約書」と記載)」と「品質保証契約」の締結をお願いし、また、購入す
る製品を対象にした「購入仕様書」によって供給者様に保証していただく品質内容を確認しています。
このガイドラインは、上述に加えて供給者様にご理解いただきたい考え方、実現するためのマネジメ
ントシステムの基本要求事項及び実現・実行のための具体的な手法/手続きなどを述べています。
なお、供給者様と当社の間で契約書や覚書等により特別な取り決めを定めている場合は、本ガイドラ
インよりも取り決めを優先します。
調達基本契約書
品質保証契約
+
品質保証ガイドライン
部品供給者様用
購入仕様書
図 1.1 ガイドラインの位置づけ
1.2 ガイドラインの読み方
【1 項∼8 項】
① 正体の文字を使用している箇所
全ての部品供給者様を対象にした事項です。
② 斜体文字を使用している箇所
車載用の液晶ディスプレイに使う製品(以下、車載関連部品)を納入していただく供給者様を対象
にした事項です。
【9 項∼21 項】
当社固有の要求です。20 項以外は、全ての部品供給者様を対象にした事項となります。
20 項は、車載関連部品を納入していただく取引様を対象にした事項です。
1.3 当社の品質保証に関する基本的な考え方
1.3.1 当社「品質方針」
(1) 基本に徹し、お客様の立場に立って、ご満足頂ける最高の品質を提供します。
(2) 品質のプロフェッショナルとして、速やかに、細やかに、誠意をもって行動します。
(3) 要求事項の適合及び品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善します。
1.3.2. 購入品の品質保証に関する基本的な考え方
「品質方針」達成の為には、製品を提供していただく供給者様の絶大なる協力をもってしなければ
成立しません。供給者様が当社と同じ考え方にたち、当社との連携をより強化し、相互に信頼し協力
する体制を継続していかなければなりません。
お客様の信頼を高め共に繁栄していくために、下記の当社における品質保証に対する基本的な
考え方を十分ご理解いただき、ご協力をお願いします。
(1) 供給者様は、「調達基本契約書」、「品質保証契約」に基づき、当社からの発注時点における最
新の「購入仕様書」の要求品質を満足する製品を生産し、指定された納期どおりに当社の指定
場所に納入していただく責任があります。
(2) 当社は常に安定した品質を維持できる供給者様との取引により、品質保証された製品を購入
することを基本にしています。
(3) 供給者様においては、品質保証された製品を納入する品質保証体制を構築していただく必要
があります。
(4) 供給者様は、きめ細かな管理と改善ツールを活用して品質変動、品質リスクを的確に把握し、
品質活動をしてください。
(5) 当社は、供給者様の品質保証体制の整備充実及び継続的品質確保に対して、必要に応じて
支援、協力を行います。
(6) 当社は、供給者様に対して、100%良品の納入をお願いします。供給者様は、目標設定し、改善
(株)ジャパンディスプレイ
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対応をしてください。
1.4 品質マネジメントシステムの基準
1.4.1 品質マネジメントシステムの構築
供給者様は、本ガイドラインに基づいて品質マネジメントシステムの構築をお願いします。
1.4.1.1 ISO9001 認証取得
供給者様は、ISO9001 の認証を取得していることを基本とします。
ただし、供給者様が商社の場合、供給者様の責任で製造会社に認証取得を指導してください。
また、当社は供給者様(製造会社含む)に対し認証内容の確認を実施する場合があります。
1.4.1.2 ISO/TS16949 への適合
本ガイドラインが要求する全ての事項を実行することで、ISO/TS16949 の要求事項「TS の適合状
態」を示すものです。
この「TS の適合状態」を確認する手段として、当社による品質診断を実施する場合があります。
2.引用規格
(1) ISO9001:2008 品質マネジメントシステム−要求事項
(2) ISO/TS16949:2009 品 質 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム − 自 動 車 生 産 及 び 関 連 サ ー ビ ス 部 品 組 織 の
ISO9001:2008 適用に関する固有要求事項 [(財)日本規格協会]
3.定義
ISO/TS16949:2009「自動車業界の用語の定義」は、21 項を参照してください。
その他の用語の定義については ISO9000 に準じます。
4.品質マネジメントシステム
4.1 一般要求事項
供給者様は、本ガイドラインに基づき、品質マネジメントシステムの確立及び品質保証に必要な文書
類を整備し、実施してください。また、品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善してください。
品質に関連する全ての組織とその要因を「組織図」等で明確に定めてください。受注から生産に至る
品質に関連する全ての業務(外部委託の業務を含む)を明確にすると共に、責任・権限と組織間の相互
関係も明確にして、「品質保証体系」を整備してください。
外部委託業務、供給者様の部品・材料供給メーカー及び加工委託先に対し、当社が要求する本ガイ
ドラインと同等の管理を行えるよう指導してください。
4.1.1 一般要求事項−補足
供給者様は、外部に委託した業務に対する管理を確実にしてください。ただし、当社の要求事項
に適合させる責任はあります。
4.2 文書化に関する要求事項
4.2.1 一般
品質マネジメントシステムの文書には、品質方針及び品質目標、品質マニュアル、手順、記録を含
めてください。
4.2.2 品質マニュアル
品質マネジメントシステムと各手順の内容及び適用範囲などを記載した品質マニュアルを作成し
てください。
(株)ジャパンディスプレイ
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品質マニュアルには、本ガイドラインの内容を反映させてください。
4.2.3 文書管理
最新版管理の必要な社内外の文書を明確にして、次の事項を確実にするための管理手段を文書
に定めてください。
(1) 文書の発行前に、権限を与えられた者が適切性を確認、承認するとともに、必要な時に手直
し、更新し、再確認する。
(2) 文書の変更の識別及び改訂の識別を確実なものにする。
(3) 文書は読みやすく、容易に識別可能であるとともに、利用部門において必要な時に必要なと
ころで使用可能な状態にあるよう維持する。
(4) 社外文書を明確にし、管理する。
(5) 廃止文書が誤って使用されないように確実に廃棄する。保存が必要な場合は、適切な識別を
して管理する。
管理対象となる文書の例としては次のものがあります。
① 社外文書:当社からの「購入仕様書」(図面、仕様書、規格など)及びこれらに準ずる書類
② 社内文書:規格書、社内規定・基準、社内手順書、社内図面、QC工程表またはコントロール
プラン、作業指示書等
当社製品に関連する文書「QC工程表またはコントロールプラン」は、生産終了後 3 年間保管してくだ
さい。
4.2.3.1 技術仕様書
当社が発行する文書(上記①の社外文書)の変更に対して、当社の要求する日程(適用日等)
に基づいて実施してください。同時に、タイムリーな内容の確認と必要とされる関係部署への展
開・配付・実施を確実に行う体制を整備してください。また、その変更が実施された日付を明確に
し、記録として残してください。
内容の確認は、遅くとも受領後、稼動3日間を超えないようにしてください。確認を早めて頂き
たい場合は個別に連絡します。疑義がある場合は、速やかに連絡をお願いします。
4.2.4 記録の管理
要求事項への適合及び品質マネジメントシステムの効果的な運用の証拠を示すために、記録の
対象を明確にして、次の事項を実施してください。
(1) 読みやすく、容易に識別可能で、検索可能な状態に維持する。
(2) ファイリング、識別、保管、保護、検索、保管期間及び廃棄(消去も含む)に関する文書化され
た手順を定め、実施する。
4.2.4.1 記録の保管
法令・規制要求事項に関する記録がある場合は、定められた保管管理をしてください。
保管・管理の必要な記録と保管期間は、表 4.2.4.1 によります。当社から記録の提出要求があっ
た場合は、対応をお願いします。
表 4.2.4.1 以外の記録や保管期間で、当社から個別にお願いをする場合があります。その際に
は、協議の上、取り決めさせていただきます。
表 4.2.4.1 記録名とその保管期間
記録名
保管期間
計測器・試験設備の管理記録
作成後3年
検査記録
作成後3年/10年
工程管理記録・作業履歴
作成後3年/10年
試験記録
作成後3年
是正処置記録
作成後3年
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5.経営者の責任
5.1 経営者のコミットメント
経営者(トップマネジメント)の方は、品質マネジメントシステムの構築及び実施、並びにその有効性を
継続的に改善するコミットメントの証拠として、次の事項を実施してください。
(1) 法令・規制及び当社の要求事項を満足させることの重要性を供給者様内に周知する。
(2) 品質方針を策定する。
(3) 品質目標を確実に設定する。
(4) マネジメントレビューを実施する。
(5) 必要な資源が活用できることを確実にする。
5.1.1 プロセスの効率
経営者の方は、業務の有効性及び効率について、定期的にレビューを実施してください。
5.2 顧客重視
経営者の方は、顧客満足の向上を目指して、当社の要求事項が確実に満たされるように実施してく
ださい。
5.3 品質方針
経営者の方は、品質に関する方針を明確にし、従業員全員に伝達し、理解させてください。また、方
針の適切性を持続させるためレビューしてください。
5.4 計画
5.4.1 品質目標
経営者の方は、それぞれの部門及び階層で、品質目標が設定されるようにしてください。
品質目標には、当社の品質目標や製品要求事項を満たすために必要な事項を含めてください。
5.4.1.1 品質目標−補足
経営者の方は、品質目標及びその評価指標を定めて、品質方針を展開するために用いてくだ
さい。
5.4.2 品質マネジメントシステムの計画
経営者の方は、品質目標及び 4.1 の要求事項を満たすために、品質マネジメントシステムの計画
(文書)を整備してください。品質マネジメントシステムを変更する場合、先に計画した品質マネジメン
トシステムの文書を見直し、変更後のシステムと整合させてください。
5.5 責任、権限及びコミュニケーション
5.5.1 責任及び権限
経営者の方は、責任及び権限を定め、社内全体に周知させてください。
5.5.1.1 品質責任
当社や供給者様で発見された不適合や問題点に関する情報が、是正処置を行う責任と権限を
もつ責任者へ確実に連絡出来るよう、品質情報の収集・処理ルートを定めてください。この責任
者には、品質問題を是正するために生産を停止する権限を与えてください。また、生産活動を行
う全ての勤務帯(シフト)に、処置権限をもつ責任者(または委任された責任者)を配置してくださ
い。
5.5.2 管理責任者
経営者の方は、次に示す責任と権限を持った品質マネジメントシステムの管理責任者を任命して
ください。
(1) 品質マネジメントシステムに必要なプロセスの確立と実施及び維持を確実にする。
(株)ジャパンディスプレイ
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(2) 品質マネジメントシステムの実施状況及び改善の必要性の有無について経営者に報告する。
(3) 社内全体にわたって、当社要求事項に対する認識を高めることを確実にする。
5.5.2.1 品質管理責任者
経営者の方は、当社に対して品質保証のとりまとめの責務を負う品質管理責任者を任命してく
ださい。
品質管理責任者は、本ガイドラインの改訂ごとに次の事項の責任と権限を持ち、「品質管理責
任者届」(付録:書式-1)に必要事項を記入し、当社へ提出してください。なお、品質管理責任者
が変更になった場合は、1 ヶ月以内に変更の届出をしてください。
(1) 当社からの基本的要求事項に対してとりまとめを行う。
(2) 品質保証を統括し、当社に対する品質に関する全ての責任を負う。
(3) 法規制の遵守及び環境管理物質の不使用(※)。
※「環境管理物質」は、当社発行の「グリーン調達ガイドライン」に基づき対応してください。
【提出要領】
①供給者様が商社の場合は、製造会社の品質管理責任者を記載してください。
②事業所または製造会社が複数ある場合、または製品群ごとに管理責任者を設けている
場合は、管理責任者毎に提出してください(この場合は、それぞれの管理責任者の責
任範囲(製品群)を示してください)。
③担当窓口は品質トラブル発生時の連絡窓口の方を記載してください。
5.5.3 内部コミュニケーション
経営者の方は、品質マネジメントシステムの有効性に関して、次のような手段を用いて、各部門や
各階層に対して効果的なコミュニケーションを図ってください。
(1) 会議体(全社会議、品質会議、部内会議等)
(2) ミーティング、朝礼、掲示板による社内伝達
(3) 月報、目標管理、報告書等による報告
5.6 マネジメントレビュー
5.6.1 一般
経営者の方は、あらかじめ定められた間隔でマネジメントレビューを実施してください。品質に関す
る会社の方針及び自社の品質システムが適切に機能していることをレビューしてください。
また、マネジメントレビューの結果は、記録として残してください。
5.6.1.1 品質マネジメントシステムの成果を含む実施状況
マネジメントレビューは、品質マネジメントシステムのすべての要求事項及びその成果を含む
実施状況の推移を含めて実施してください。
マネジメントレビューでは、品質目標の監視、並びに品質不良コストの定期報告及び評価も記
録として残してください。
マネジメントレビューでは少なくとも次の事項の達成の証拠となるよう、次の事項を含めてくださ
い。
(1) 供給者様で決めた品質目標の達成度
(2) 納入製品に対する顧客満足度
5.6.2 マネジメントレビューへのインプット
マネジメントレビューへのインプットには、次の事項についての情報を含めてください。
(1) 監査(内部監査、当社による監査及び審査機関等による第三者審査等)の結果
(2) 当社からのクレーム状況
(3) 業務の実施状況、製品の適合性(8.2.3、8.2.4 項参照)
(4) 予防処置、是正処置の状況
(5) 前回までのマネジメントレビューの結果に対するフォローアップ状況
(株)ジャパンディスプレイ
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(6) 品質マネジメントシステムに影響を及ぼす可能性がある内部、外部状況の変化
(7) 品質マネジメントシステム改善のための意見
【マネジメントレビューへのインプットの補足】
(8) 顕在及び潜在的な市場不具合及びその不具合が品質、安全、または環境に与える影響の分析
(9) 品質マネジメントシステムの全ての要求事項とその成果を含む実施状況の推移
(10) 品質目標の監視
(11) 品質不良コストの定期報告と評価
5.6.3 マネジメントレビューからのアウトプット
マネジメントレビューからのアウトプットには、次の事項に関する決定及び処置を含めてください。
(1) 品質マネジメントシステム及びプロセスの有効性の改善
(2) 当社要求事項への適合に必要な製品の改善
(3) 資源の必要性
6.資源の運用管理
6.1 資源の提供
品質マネジメントシステムの運用・継続的改善、顧客満足の向上活動等の業務遂行に必要な次の資
源を確保してください。
(1) 人的資源(6.2 項)
(2) インフラストラクチャー(6.3 項)
(3) 作業環境(6.4 項)
6.2 人的資源
6.2.1 一般
製品要求事項への適合に影響がある仕事には、必要な力量を持った人を配置してください。
6.2.2 力量、教育・訓練及び認識
製品要求事項に影響がある業務に従事する要員に対し、次の事項を実施してください。
(1) 必要な力量を明確にする(必要な力量は何か、どの程度の力量が必要かを明確にしてくださ
い)。
(2) 「業務に必要な力量」が不足している場合は、力量が持てるように教育・訓練し、または他の処
置をとる(他の処置とは、配置転換、業務の自動化等があります)。
(3) (2)の教育・訓練または他の処置の有効性を評価する(その要員に対して計画された教育・訓練プ
ログラムが有効であったか、その要員は適切に教育・訓練を受け、業務に必要な力量を習得した
かという観点で評価をしてください)。
(4) 自らの業務の意味と重要性を認識し、品質目標の達成に向けて自らどのように貢献できるかを
認識できるようにする。
また、教育・訓練の結果は記録として残してください。
6.2.2.1 製品設計の技能
設計・開発の業務は、適切な能力(ツールや技法のスキルを含む)をもった有資格者に割り当
ててください。また、製品設計に際し、使用するツールや技法を明確にしてください。なお、ツール
や技法の例としては次のようなものがあります。
(1) コンピュータ支援設計(CAD)
(2) 製造設計(DFM: Design for Manufacturing)/組立設計(DFA: Design for Assembly)
(3) 実験計画法(DOE: Design of Experiments)
(4) コンピュータ支援エンジニアリング(CAE)
(5) 故障モー ド影響解析 (DFMEA/ PFMEA : Design/ Process Failure Mode and Effects
Analysis)
(株)ジャパンディスプレイ
− 11 −
(6) 有限要素解析(FEA: Finite Element Analysis)
(7) 幾何寸法及び交差表示方式(GD&T: Geometric Dimensioning & Tolerancing)
(8) 品質機能展開(QFD: Quality Function Deployment)
(9) 信頼性工学
(10) シミュレーション技法
(11) 立体モデル法
(12) 価値工学(VE: Value Engineering)
6.2.2.2 教育・訓練
製品要求事項に影響がある業務に従事する全ての要員に対し、教育・訓練のニーズ及び達成
すべき力量を明確にする手順を文書に定め、その教育・訓練を行ってください。
特別の業務(ハンダ付け、溶接作業、外観検査、内部品質監査等)に従事する要員について
は、適切な教育・訓練または経験に基づいて資格認定してください。
6.2.2.3 業務を通じた教育・訓練(OJT)
製品要求事項に影響がある業務で、新規業務または変更された業務について、契約または派
遣社員も含め全ての要員に OJT を行い、必要レベルに達していることを確認してください。
供給者様は、製品要求事項に影響がある業務に従事する全ての要員に対し、品質要求事項
に対する不適合が後工程及び顧客に与える影響も含め、いかに重要問題になるかを理解させて
ください。
6.2.2.4 従業員の動機付け及びエンパワーメント
品質目標を達成し、継続的改善を行い、革新を推し進める環境を創造するために、全社的な
従業員の動機付けや会社風土の醸成及び品質や技術に対する意識の向上を図る仕組み(例と
して、表彰・改善提案・ポスター募集など)を作ってください。また、要員自らの役割や、業務の重
要性についての理解度及び品質目標の達成への貢献度を確認してください。
ここでいうエンパワーメントとは、「やる気を起こさせる」という意味です。
6.2.2.5 検査員
検査員に関しては、以下の対応を行って下さい。
 検査員教育訓練を実施し、有効性を評価する。
この場合、供給者様と合意した製品の仕様を基に作成した検査規格を教育訓練に使用してく
ださい。
 検査員登録・記録での管理を行う。
 検査の能力検証 (後工程での問題発生の有無確認、不良特性の検出レベル等) を実施す
る。
 有効性の定期的な評価(適正検査レベルが維持され正しく判定できるかどうか)を実施する。
 検査員の管理状態が、わかるようにする。
6.3 インフラストラクチャー
製品要求事項への適合を達成するうえで必要となる建物、作業場所、ユーティリティ(電気、ガス、水
等)、設備及び支援業務(物流、通信等)を明確にし、導入し良好な状態に維持してください。
6.3.1 工場、施設及び設備の計画
工場、施設及び設備の計画を策定するにあたっては、部門横断的アプローチで検討してください
(7.3.1.1 参照)。工場のレイアウトは、部材の流れ、取扱い及びフロアスペースを有効に利用できるよ
うに最適化して、材料の流れを同期のとれたものとしてください。
現在の作業の有効性を評価し、監視する方法を開発し、実施してください。
(株)ジャパンディスプレイ
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6.3.2 緊急事態対応計画
労働力不足、設備故障及び市場回収等の緊急事態が発生した時のため、緊急事態対応の手順
を予め定めてください。
6.4 作業環境
製品要求事項への適合を達成するために、必要な作業環境を明確にし、管理方法を定め維持してく
ださい。
6.4.1 製品要求事項を達成するための要員の安全
要員の安全確保を図るために、設計・開発プロセス及び製造工程の活動において、安全性設計、
危険要注意部分の識別表示、警報・保護・停止装置などの手段を決めて実施してください。
6.4.2 事業所の清潔さ
作業現場を中心として、常に5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾)を実施し、清潔で手入れされた状
態を維持してください。
6.4.3 静電気対策の実施(該当製品がある場合)
静電気による製品の破壊、劣化及び信頼性の低下を未然に防ぐために、(1)∼(3)の内容を踏ま
えて静電気対策のルールを定めて実施してください。
静電気対策は、部品受入から検査・出荷までの全工程の必要な対象に適用してください。
(1) 基本的対策
① 製造工程において、静電気の発生を防ぐ
② 静電気が発生する場合は、アースまたは静電気除去装置等により帯電を防ぐ
③ 作業者は、適切な静電気除去施策を講じ(導電性塗装フロアー、導電靴、導電性テーブル・
マット、リストストラップ等)作業をする
(2) 静電気対策エリアの設定
実施にあたっては静電気対策が必要なエリアを設定し実施する。またフロアー変更などのエリ
アの見直しが必要になった場合、静電気対策ルールに基づき実施するようにしてください。
(3) 静電気対策の確認
静電気対策の確認は静電気対策のレベルに応じて、点検項目と点検期間を定め実施し、記録
するようにしてください。作業台、設備等の移動、フロアレイアウト変更時は再点検を実施してく
ださい。
7.製品実現
7.1 製品実現の計画
(1) 製品実現の計画
製品実現に必要なプロセスを計画して、構築してください。製品実現の計画は、品質マネジメント
システムの要求事項及びその他全てのプロセスとの整合性がとれているようにしてください。
なお、製品実現の計画にあたっては、次の事項について明確にしてください。
① 製品に対する品質目標及び要求事項
e.g.) 品質目標:製品の品質目標、要求事項:仕様書・製品規格書等
② 製品に特有な、プロセス及び文書の確立の必要性、並びに資源の提供の必要性
e.g.) プロセス及び文書:技術標準・工程管理基準・QC 工程表・作業指示書・設備操作要領など
資源:資源の明確化と提供(6 項「資源の運用管理」参照)
③ その製品のための検証、妥当性確認、監視、検査及び試験活動、並びに製造合否判定基準
e.g.) 検査基準・工程管理基準・手順書・QC工程表またはコントロールプランなど
④ 製品実現のプロセス及びその結果としての製品が要求事項を満たしていることを実証するため
に必要な記録
e.g.) 設計検証、試験・検査等の記録など
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(2) 「品質計画書」の作成
供給者様は、新規製品に関して、「購入仕様書」などで指示する要求内容をどのように実現するか
を示す「品質計画書」を作成してください。
当社から「品質計画書」の要求があった場合は、納入前に指定された部署へ提出してください。
なお、フォーマットは特に定めていませんが、作成例は付録:添付資料を参照してください。
品質計画書作成にあたっては、次の事項を明確にしてください。
 達成すべき品質目標(当社工程不良率)
段階的に改善する場合は、例として納入当初及び納入 3 ヵ月後の目標値
 採用する新規技術、工法(克服すべき問題点がある場合は対策スケジュール)
 量産する生産ライン(サンプル作成と同じラインにすること)
 必要な人員、スキル(克服すべき問題点がある場合は対策スケジュール)
 必要な検査、試験方法(克服すべき問題点がある場合は対策スケジュール)
 その他、要求品質を達成する手段及びスケジュール
(3) 初期流動管理の実施
新製品量産立上げ時の早期品質安定化及び狙いの品質を満足させるために初期流動管理活動
が効果的ですので実施をしてください。また、生産条件変更時も同様に実施をしてください。
初期流動管理は、「通常品」(量産実績のある通常の流動品)とは区別して実施してください。
初期流動する場合、まず、製品の機能や特性に応じた工程品質の目標値とその達成期限を設定
してください。
初期流動管理期間中は、随時、目標値を設定した工程の品質実績をチェックし、目標を満たして
いない場合は、その不良内容を分析及び対策を施し、前工程に必要なフィードバックをかけ、設定期
限内の達成を目指してください。工程能力が不十分と判定された特性は、特別な検査(全数検査等)
又は監視体制にて品質保証してください。必要によりコントロールプランなどの関連書類を改定し再
提出してください。
【初期流動管理の留意点】
① 品質管理部門、製造部門、生産技術部門及び技術部門による組織体制で推進
② 開発時の設計課題、品質トラブルを量産開始までに解決してください
当社が要求する場合、以下の精密検査データを収集し、製品納入前に受入検査部門に連絡して
ください。
① 全寸法測定結果と判定・・・測定数は n=1以上を基本とし、協議により測定数・報告書式を決め
る。
② 初期の重要管理特性の工程能力と判定・・・測定数は n=25 を基本とし、協議により測定数・報
告書式を決める。
③ 鋳型、キャビティがある場合は、全てについて実施する
④ 光学特性(バックライト(LEDユニット)・・・輝度、色度)・・・測定数は n=25 を基本とし、測定数・
報告書式は協議により決める。
⑤ 最終試作段階の3大不良是正処置と量産初回時の結果
⑥ 新しい又は、修正されたゲージ/測定及びテスト器具を用いる場合、測定システム変動(ゲー
ジR&R)を調査する。
⑦ 材料・性能試験(信頼性試験結果を含む)結果の確認をする。
7.1.1 製品実現の計画−補足
供給者様が作成する製品実現の計画の中に、当社要求事項がわかるようにしてください。
7.1.2 合否判定基準
合否判定基準は、当社の要求を満たすように定め、必要に応じて当社の承認を受けてください。
サンプリングで得られた計数データの合否判定水準は、不良ゼロ(ゼロ・ディフェクト)とし、不良が
1件でもあれば、ロット不合格としてください。供給者様での製造工程内も含めて不良ゼロを目指して、
納入品の品質改善に取り組んでください。
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7.1.3 機密保持
当社から提供された製品及びその関連の情報を扱う場合は、「調達基本契約書」の機密保持の
条項に基づき、機密保持を確実に行ってください。
また、開発中の当社契約製品に関連する情報の機密も保持してください。
供給者様の二次供給者様も同様の扱いをしてください。
7.1.4 変更管理
供給者様は、製品実現に影響する変更を管理し、対応するプロセスをもってください。当社の要求
事項に適合することを確実にするために、二次供給者による変更を含めて、あらゆる変更の影響を
評価し、検証及び妥当性確認活動の方法を定めてください。変更は、実施の前に妥当性確認をして
ください。
仕様や生産条件等の変更が計画された場合は、次項に基づいて、生産条件変更の内容を提出し
てください。
7.1.4.1 生産条件変更届の提出要領
供給者様は、仕様や生産条件を変更する場合に、当社の各部品品質担当若しくは設計者との
事前協議を行ったうえで、「変更申請書」(付録:書式-4(1))及び「変更申請マトリックス表」(付録:
書式-4(2))に記載された必要な資料・データ類を併せて当社調達部門へ申請してください。
回答希望及び適用予定日は、十分なゆとりを持った納期(目安:車載用途など当社顧客の評
価や承認が必要な部品は6カ月以上それ以外の部品は3カ月以上)での申請をお願いします。な
お当社の承認前に生産条件変更は行わないでください。
また変更後1カ月を目処に、「変更完了確認シート」(付録:書式-4(3))及び「変更申請マトリック
ス表」(付録:書式-4(2))に記載された必要な資料・データ類の提出をお願いします。
7.1.4.1.1 生産条件変更に該当する事例
生産条件変更に該当する変更とは、納入品の品質・特性が事前に規定された要求事項・指
定された用途・意図された用途を満たすことができなくなる恐れがあるような変更を示します。
具体的な事例としては、「変更申請マトリックス表」(付録:書式-4(2))をご参照ください。但し、
これらはあくまでも事例であるため、少しでも判断に躊躇するようなことがある場合には、当社
へご相談ください。
7.1.4.1.2 生産条件変更による監査
変更内容により、品質監査、環境監査を実施する場合がありますので、ご協力をお願いし
ます。
7.2 顧客関連のプロセス
7.2.1 製品に関連する要求事項の明確化
供給者様は、製品に関する要求事項として、次の事項を明確にしてください。
(1) 当社が定めた要求事項(品質保証契約、「購入仕様書」、購買注文等)
(2) 当社が明示してはいないが、指定された用途または意図された用途が既知である場合、それら
の用途に応じた要求事項
(3) 製品に関連する法令、規制要求事項(材料の入手・保管・取り扱い・リサイクル・除去・廃棄に対
し該当する法令・政府の規制、安全及び環境法規を含む)
(4) 供給者様が必要と判断する追加要求事項
7.2.1.1 当社指定の特殊特性
当社が指定する特殊特性は、図面・「購入仕様書」等で明確にします。
7.3.2.3 項により当社指定の特殊特性(当社要求事項)が維持管理されていることを実証できる
ようにしてください。
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7.2.2 製品に関連する要求事項のレビュー
製品に関連する要求事項を供給者様の関係部署でレビューしてください。レビューでは次の事項
を検証してください。
(1) 製品要求事項が定められているか
(2) 契約、または注文の要求事項が以前に提示されたものと異なる場合には、それについて解決
されているか
(3) 定められた要求事項を満たす能力をもっているか
レビューの結果及びとられた処置の結果を示す記録を保管してください。製品要求事項が変更さ
れた場合には、関連する文書も修正してください。また、変更後の要求事項が関連する要員に理解
されていることを確実にしてください。
7.2.2.1 製品に関連する要求事項のレビュー−補足
適用外
7.2.2.2 組織の製造フィージビリティ
供給者様は、注文の受諾前に、リスク分析を含めて製造対応できることを確認し、その結果を
文書化(記録)してください。
7.2.3 当社とのコミュニケーション
次の事項に関連して、当社とのコミュニケーションを図るための効果的な方法を明確にしてください。
(1) 製品情報
(2) 引き合い、契約もしくは注文、またはそれらの変更
(3) 苦情を含む当社からのフィードバック
7.2.3.1 当社とのコミュニケーション−補足
当社の要求に基づき、指定する言語及び形式(CAD 設計データ、電子データの交換等)に対
応できるように、適切な要員や設備を確保してください。
7.3 設計・開発
設計・開発の要求事項は、製品の設計・開発だけでなく、製造工程の設計・開発にも適用します。さら
にエラー(発生する誤り)の検出よりエラー自体が発生しないよう、予防に焦点を合わせてください。
7.3.1 設計・開発の計画
供給者様は要求事項を満たすため、設計・開発の計画を作成し、管理してください。設計・開発の
計画においては、次の事項を明確にしてください。
(1) 設計・開発のステップ
(2) 設計・開発の各ステップに適したレビュー、検証及び妥当性の確認
(3) 設計・開発に関する責任及び権限
効果的なコミュニケーションと責任の明確な割り当てを確実にするために、設計・開発に関与する
グループ間のインターフェースを運営管理してください。設計・開発の進行に応じて、作成した計画を
適宜更新してください。
7.3.1.1 部門横断的アプローチ
設計・開発に際し、製品実現の準備をするため、次の事項について、部門横断的アプローチで
実施してください。
(1) 特殊特性の設定及び監視
(2) FMEA の実施及びレビュー
(3) QC工程表またはコントロールプランの作成及びレビュー
※部門横断的アプローチとは、設計部門だけでなく製造、技術、品質、生産及び関係する要員を
含むチーム活動のことです。
(株)ジャパンディスプレイ
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7.3.2 設計・開発へのインプット
製品要求事項に関連するインプットを明確にし、記録を維持してください。インプットには次の事項
を含めてください。
(1) 機能及び性能に関する要求事項
(2) 適用される法令、規制要求事項(環境管理物質の非含有確認を含む)
(3) 以前の類似した設計から得られた情報
(4) 設計・開発に不可欠なその他の要求事項
(5) 当社指定の特殊特性
これらのインプットは、その適切性をレビューしてください。要求事項は漏れがなく曖昧でなく、相
反することがないようにしてください。
7.3.2.1 製品設計へのインプット
製品設計へのインプットを明確にし、文書化し、レビューしてください。インプットには次の事項
を含めてください。
(1) 当社の要求事項(品質保証契約、「購入仕様書」、購買注文等)
(2) 設計基準(設計ノウハウ、過去の失敗事例、ベンチマーク等)
(3) 市場情報(市場クレーム、苦情など)
(4) 設計目標(製品品質、製品寿命、信頼性、保全性、納期及びコストの目標)
7.3.2.2 製造工程設計へのインプット
製造工程設計へのインプットを明確にし、文書化し、レビューしてください。インプットには次の
事項を含めてください。
(1) 製品設計からのアウトプット
(2) 生産性、工程能力及びコストに関する目標
(3) 当社からの要求がある場合は、その要求事項
(4) 過去の開発からの経験
製造工程設計では、適切なポカヨケの方法を使用してください。
7.3.2.3 特殊特性
重点管理すべきものがある場合、特殊特性を指定し、次の事項を実施してください。
(1) QC工程表またはコントロールプランに全ての特殊特性を含める。
(2) 製品設計や工程設計に当社指定の特殊特性をインプットするときは、当社が定めた定義と記
号に従う。
(3) 図面、FMEA、QC工程表またはコントロールプラン、作業指示書等の管理文書を定め特殊特
性の表示をする。
7.3.3 設計・開発からのアウトプット
設計・開発からのアウトプットは、設計・開発へのインプットと対比した検証ができるような様式で
明確にし、次の事項が表現されている事を確認した上で、責任者が承認してください。
設計・開発からのアウトプットは次の状態にしてください。
(1) 設計・開発へのインプットで与えられた要求事項を満たす
(2) 購買、製造及びサービス提供に関して、適切な情報を提供する
(3) 製品の合否判定基準を含む、または参照している
(4) 安全な使用及び適正な使用に不可欠な製品の特性を明確にする
7.3.3.1 製品設計からのアウトプット−補足
製品設計からのアウトプットは、製品設計へのインプットに対しての検証及び妥当性確認がで
きるような用語で表現してください。製品設計からのアウトプットは、次の事項を含めてください。
(1) 設計 FMEA、信頼性の結果
(株)ジャパンディスプレイ
− 17 −
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
製品の特殊特性及び仕様書
適宜、製品のポカヨケ
図面または数値データを含む、製品の定義
製品のデザインレビューの結果
該当する場合は、故障診断のガイドライン(必要な場合は、当社から指定します)
7.3.3.2 製造工程設計からのアウトプット
製造工程設計からのアウトプットは、製造工程設計へのインプットに対しての検証及び妥当性
確認ができるような用語で表現してください。製造工程設計からのアウトプットには、次の事項を
含めてください。
(1) 仕様書及び図面
(2) 製造工程フローチャート/レイアウト
(3) 製造工程 FMEA
(4) QC工程表またはコントロールプラン
(5) 作業指示書
(6) 工程承認の合否判定基準
(7) 製造工程設計の品質、信頼性、保全性及び測定性に関するデータ
(8) 適宜、ポカヨケ活動の結果
(9) 製品/製造工程の不適合の迅速な検出と、フィードバックの方法
7.3.4 設計・開発のレビュー
設計・開発の適切なステップで、次の事項を目的に、計画された通りに体系的なレビューを行って
ください。
(1) 設計・開発の結果が、要求事項を満たせるかどうかを評価する。
(2) 問題を明確にし、必要な処置を提案する。
レビューへの参加者として、レビューの対象となっている設計・開発段階に関連する部門の代表を
含めてください。このレビューの結果の記録及び必要な処置があれば、処置の結果を示す記録も残
してください。
7.3.4.1 監視
設計・開発の規定(計画)されたステップでの測定項目を定め、分析し、その要約した結果をマ
ネジメントレビューのインプットとして報告してください。
測定項目は、品質リスク、コスト、リードタイム、クリティカルパスなどです。
7.3.5 設計・開発の検証
設計・開発からのアウトプットが、設計・開発へのインプットの要求事項を満たしていることを確認
するために、設計検証を実施してください。設計検証の結果の記録及び必要な処置があれば、処置
の結果を示す記録も残してください。
設計・開発の検証は、製品及び製造工程の双方に適用してください。
7.3.6 設計・開発の妥当性確認
製品が指定された用途、または意図された用途に応じた要求事項を満たし得ることを確実にする
ために、設計・開発の妥当性確認を実施してください。
妥当性確認の結果の記録及び必要な処置があれば、処置の結果を示す記録も残してください。
設計・開発の妥当性確認は、製品及び製造工程の双方に適用してください。
7.3.6.1 設計・開発の妥当性確認−補足
設計開発の妥当性確認は、当社の要求事項・計画に合うように実施してください。
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7.3.6.2 試作プログラム
試作は、原則として量産時と同じ二次供給者様、治工具及び製造工程を使用してください。
7.3.6.3 製品承認プロセス
供給者様は当社の要求事項を満たしていることが証明できるサンプル、試験・検査データ、図
面・その他文書類を作成してください。当社から要求があった場合は、提出してください。
ただし、米国自動車産業協会の「生産部品承認プロセス(PPAP: Production Part Approval
Process)」マニュアル(最新版)に準拠した書類やサンプル提出をお願いする場合があります。
その場合は当社からの指示に従って実施してください。
供給者様が商社である場合は、納入品を実際に製造している二次供給者様(メーカ)に準備し
ていただきます。
(1) 当社がPPAPマニュアルに基づく提出や保管をお願いする場合
① 新しい製品を当社が承認するとき
② 上記①で当社がいったん承認した製品を、供給者様(または実際に製造している二次
供給者様)が変更するとき
(設計変更、工程変更、構成部品・材料やその調達先の変更、製造設備・治工具の変
更、検査・試験方法の変更、製造場所・製造ラインの変更、など)
(2) 提出していただく資料やサンプルの例
次の中から当社より供給者様にお願いする対象を指定します。
① 設計文書(構成部品や原材料の組成調査を含みます)
② 設計 FMEA
③ プロセスフロー図
④ プロセス FMEA
⑤ QC工程表またはコントロールプラン
⑥ 測定システム解析結果
⑦ 寸法測定結果
⑧ 材料や性能の試験結果
⑨ 初期工程調査
⑩ 有資格試験所の文書
⑪ サンプル製品
⑫ マスターサンプル
⑬ 部品提出保証書(PSW:Part Submission Warrant)・・・[(付録:書式-9)]
7.3.7 設計・開発の変更管理
製品設計の変更及び製造工程設計の変更を明確にし、変更に対してレビュー、検証及び妥当性
確認を適宜行い、その変更を実施する前に権限を与えられた人が承認してください。レビューには、
その変更が製品を構成する要素及び既に引き渡されている製品に及ぼす影響の評価を含めてくだ
さい。
変更に対して行われたレビュー、検証及び妥当性確認の結果の記録、必要な処置があればその
記録及び変更の実行日付の記録を残してください。
なお、変更を行う場合は、7.1.4 項を参照し、事前に当社に連絡し承認を受けてください。
7.4 購買
7.4.1 購買プロセス
購入する製品が、供給者様の購買要求事項に適合することを確実にしてください。その際、購買
製品や二次供給者様を含め購買活動をどのように管理するか、その方法を定め実施してください。
供給者様が二次供給者様を採用する場合は採用基準を定め、評価・選定してください。また、再
評価の基準を定めてください。評価の結果の記録及び評価によって必要とされた処置があれば、そ
の記録を残してください。
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7.4.1.1 法令・規制への適合
製品に使用される、全ての購買製品または材料は、適用される法令・規制要求事項に適合さ
せてください。さらに製造工程で使用する物質についても同様に適合してください。環境管理物質
に関しては 10 項を参照してください。
7.4.1.2 供給者の品質マネジメントシステムの開発
供給者様は、二次供給者様がISO9001に適合するように供給者様内部の体制を整えてくださ
い。また二次供給者様に対して指導してください。ISO9001適合に到達したら、ISO/TS16949への
適合を目標としてください。
7.4.1.3 当社指定の供給者
当社からの図面・仕様書等で、製品、部品、材料の購入先を指定した場合は、その購入先から
購入してください。ただし、治工具/ゲージを含めて、当社指定の供給者から購入された場合で
も、購入製品の品質を確実にする供給者様の責任を軽減するものではありません。
7.4.2 購買情報
二次供給者様へ物品を発注する際は、次の事項を含めて、購買製品に関する情報を明確にし、
提供してください。
(1) 品番、品名、数量、納期等の識別情報
(2) 必要な場合は、図面、仕様書、検査規格等の要求内容
(3) 特定の品質マネジメントシステムを要求する場合は、その規格名称、番号、版数等
7.4.3 購買製品の検証
供給者様は、購買製品が、規定された要求事項を満たしていることを確実にするために、受入検
査またはその他の方法で品質を確保してください。
供給者様または当社が、二次供給者様で検証を実施することにした場合は、供給者様は、その検
証方法及び購買製品のリリース(出荷許可)方法を購買情報の中で明確にしてください。
7.4.3.1 要求事項への購買製品の適合
供給者様は、次の方法を一つ以上用いて、購買製品の品質を保証するプロセス(業務や活動
方法)を定め、実施してください。
(1) 二次供給者様から統計データの受領及び評価
(2) 実績に基づく抜き取りのような受入検査及び/または試験
(3) 二次供給者様のサイトにおける第二者または第三者の審査または監査(納入された製品
の品質の記録を含む)
(4) 7.6.3 項の要求事項を満たす試験所による部品の評価
(5) 当社が同意した他の方法
7.4.3.2 供給者(二次供給者様)の監視
二次供給者様の納入品質実績、納期実績(納期遵守率、特別輸送費等)及び二次供給者様
起因によって当社に影響を及ぼした市場での品質問題等を監視する仕組みを構築し、実施してく
ださい。また問題があれば是正してください。
7.5 製造及びサービス提供
7.5.1 製造及びサービス提供の管理
当社の要求事項を満足する製品を製造し納入するために、次の項目について管理の手順を定め、
実行してください。
(1) 製品の特性を述べた情報が利用できる。
(2) 必要に応じて、作業手順が利用できる。
(3) 適切な設備を使用している。
(株)ジャパンディスプレイ
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(4) 監視機器及び測定機器が利用でき、使用している。
(5) 規定された監視及び測定が実施されている。
(6) リリース、当社への引渡し及び引渡し後の活動が、規定された通りに実施されている。
7.5.1.1 コントロールプラン
「購入仕様書」で示される当社の要求事項を満たすためのQC工程表またはコントロールプラン
を作成してください。QC工程表またはコントロールプランは、受入から出荷までの全ての工程を
対象に作成し、工程ごとに確認項目、確認方法、対応する作業指示書等を定めてください。
車載関連部品として当社が指定した供給者様の製品については、コントロールプランを作成し
てください。コントロールプランには、設計 FMEA 及び製造工程 FMEA の結果を反映させてくださ
い。なお、製品・製造工程・測定・物流・供給者・FMEA に影響するあらゆる変更があった場合は、
コントロールプランを見直し、更新してください。様式例は、付録:添付資料を参照してください。
コントロールプランには、次の内容を含めてください。
a) 一般データ
① コントロールプラン番号
② 発行日付、もしくは改訂日付
③ 顧客情報(顧客要求事項参照)
④ 組織名称/サイト名称
⑤ 部品番号(部品コード)
⑥ 部品名称/説明
⑦ 技術変更レベル
⑧ 対応段階(試作、量産試作、量産)
⑨ 主要連絡先
⑩ 部品/工程ステップ番号
⑪ 工程名称/作業説明
b) 製品管理
① 製品に関する特殊特性
② 管理のための他の特性
③ 仕様/公差
c) 工程管理
① 工程パラメータ
② 工程に関する特殊特性
③ 製造のための機械、治具、固定装置、工具
d) 方法
① 評価測定技法
② ポカヨケ
③ サンプリングの量及び頻度
④ 管理方法
e) 対応計画及び是正処置
① 対応計画(参照する、または含める)
② 是正処置
7.5.1.2 作業指示書
製品品質に影響する工程の全ての作業に対して、作業指示書を作成してください。この作業指
示書は、実際に作業する人(要員)が職場でいつでも利用できるようにしてください。
7.5.1.3 作業の段取り替えの検証
製造工程で、作業の立上げ、材料変更、作業変更等が実施される場合は、段取り替えの手順
を文書化してください。また適用できる場合は、段取りの検証に統計的方法を用いてください。段
取り不備による問題発生を防ぐためにも段取り検証を十分行ってください。また、前回生産した最
終品との比較をし、変化がないことを確認してください。
7.5.1.4 予防保全及び予知保全
主要工程の設備を明確にし、計画的に予防保全を実施するための仕組みを構築し、実施して
ください。この活動には、次の事項を含めてください。
(1) 日常点検、定期点検等の保全活動の計画
(2) 設備、治工具、ゲージ類の劣化防止の保護及び保管
(3) 主要な製造設備の交換部品の入手性
(4) 保全目標の文書化、評価、改善
製造設備の有効性及び効率を継続的に改善するため予知保全の手法を利用してください。
(株)ジャパンディスプレイ
− 21 −
7.5.1.5 生産治工具の運用管理
供給者様は、生産に使用する治工具、ゲージ類の設計・製作及び検証に対して資源を提供し
てください。
(必要なときに、精度・性能を満足したものを使用できるようにする)
さらに、次の事項を含めた運用管理のための仕組みを確立し、実施してください。
(1) 保全及び補修用施設、並びに要員
(2) 保管及び補充
(3) 段取り
(4) 劣化しやすい治工具の交換プログラム
(5) 技術的変更レベルを含め、治工具設計変更の文書化
(6) 治工具の修正及び文書の改訂
(7) 生産中、修理中、または廃却のような状況を明確にする、治工具の識別
いずれかの作業を外注した場合は、これらの活動を監視してください。
7.5.1.6 生産計画
当社指定納期に対して 100%オンタイム納入できるように計画してください。
7.5.1.7 不具合情報のフィードバック
当社及び市場で発生した問題に対し、その情報を製造・技術及び設計活動に伝達する手順を
定め、実施してください。
7.5.1.8 サービスに関する当社との合意契約
適用外
7.5.2 製造プロセスの妥当性確認
製造工程の中で、製造の不具合が工程内で十分検出できない場合及び製品が使用された後でし
か不具合がわからない場合は、その製造工程の妥当性確認を実施してください。
製造工程の妥当性確認は、計画どおりの結果が出せることを実証し、記録を残してください。
妥当性確認を行う製造工程には、次のうち適用できるものを含んだ手順を確立してください。
① プロセスのレビュー及び承認のための明確な基準
② 設備の承認及び要員の適格性確認
③ 管理工程、管理条件、管理方法及び手順の適用
④ 記録の保管・管理
⑤ 妥当性の再確認
7.5.2.1 製造プロセスの妥当性確認−補足
製造工程の妥当性確認は、製造に関するすべてのプロセス(製造設備のメンテナンスや修理
を含む)に適用してください。
7.5.3 識別及びトレーサビリティ
受入から製造、出荷の全過程において、次の識別を実施してください。
(1) 現品票、かんばん、現品への刻印・捺印等による部品(製品)の識別
(2) 部品(製品)の状態の識別(検査前/検査済、合格/不合格 等)
また、検査記録からロット識別や製造履歴等が、遡れる仕組み(トレーサビリティ)を次の通り構築
してください。
① 工程が複数の工場に渡る場合
現品がどの工場で作られた物か識別してください。また製造履歴がトレースできるようにしてく
ださい。
② 生産拠点が複数の場合の識別
生産拠点が複数の拠点(工場)で生産している場合は、現品がどの工場で作られたか識別で
(株)ジャパンディスプレイ
− 22 −
きるようにしてください。
③ 購入部品の識別
購入部品が複数の供給者より調達している場合は、現品で供給者が識別できるようにしてく
ださい。
④ トレーサビリティの電子化
当社では、トレーサビリティシステムの電子化を進めています。当社の指定するロット番号等
のバーコードラベルの表示と、ロット番号毎に製造履歴を追える仕組みの構築をお願いする
場合があります。
7.5.4 当社の所有物
当社からの支給品(当社の所有物)がある場合、識別、検証及び保護・防護の手順を定め、実施
してください。当社からの支給品を紛失、損傷した場合、または使用に適さないとわかった場合は、
当社に報告し、記録を残してください。
7.5.4.1 当社所有の生産治工具
当社からの支給された治工具、製造、試験、検査治工具及び装置は、当社の所有物であるこ
とを目視で判別できるように、恒久的な表示をしてください。
7.5.5 製品の保存
供給者様は、当社への引渡しまでの間、識別、取扱い、包装、保管及び保護を確実に行い、製品
を適合した状態のまま保存してください。
7.5.5.1 保管及び在庫管理
保管中の製品が適合している状態であることを保証するために、適切な間隔で評価してくださ
い。また、先入れ先出しのような在庫管理システムの仕組みを構築し適用してください。
旧式(廃止された製品、有効期限切れ等)となった製品は、不適合製品と同様の扱いをしてくだ
さい。
7.6 監視機器及び測定機器の管理
製品の適合性を実証するため、実施すべき監視及び測定の項目とそれに必要な監視機器・測定機
器を明確にしてください。
測定機器は、常に正しい値が得られるよう、次の事項を実施し、その記録を残してください。
(1) 定められた間隔または使用前に、国際または国家計量標準にトレース可能な計量標準に照らして、
校正または検証する。国際または国家計量の標準が存在しない場合には、校正または検証に用い
た基準を記録する。
(2) 機器の調整、または必要に応じて再調整する。
(3) 校正の状態が明確になるよう識別をする。
(4) 測定した結果が無効になるような操作ができないようにする。
(5) 取扱い、保守、保管において、損傷及び劣化しないように保護する。
測定機器が要求事項に適合していないことが判明した場合は、その測定機器でそれまでに測定した
結果の妥当性を評価し、記録してください。また、その測定機器及び影響を受けた製品に対して、適切
な処置をとってください。
当項に関わる監視及び測定にコンピューターソフトウェアを使う場合は、使用前に指定されたもので
あることを確認してください(意図した監視及び測定が出来ること)。また、必要に応じて再確認してくださ
い。
また、同一特性の測定機器が複数ある場合、及び、新たに採用する場合は、それぞれの測定機器間
の整合確認を実施してください。
(株)ジャパンディスプレイ
− 23 −
7.6.1 測定システム解析
測定システムの解析は、測定及び試験装置の測定バラツキ(官能検査を含む)を解析するために
統計的調査(偏り、繰り返し性、直線性、安定性、再現性の5特性に関しての解析・評価)を実施する
ことです。これをコントロールプランに記載されている項目(測定システム)に適用してください。
また、その結果を記録として残し、当社の要求があれば提出してください。
7.6.2 校正/検証の記録
測定機器、試験装置及びゲージに関する校正/検証活動の記録には、次の事項を含めてください。
(1) 装置の校正に用いた測定標準も含めた装置の識別
(2) 技術変更による改訂(該当する場合)
(3) 校正/検証のために受領した時の、校正規格外れの値、校正/検証の結果、校正規格外れが
あった場合の規格外れ値
(4) 校正規格外れによる影響に対する審査
(5) 校正/検証後の、校正規格への適合の記述
(6) 疑わしい製品が出荷された場合の当社への通知
7.6.3 試験所要求事項
7.6.3.1 内部試験所
内部試験所(工程から独立し、検査・試験・測定・校正・解析を行う部門)の適用範囲(22 項:
3.1.5 参照)を定め、品質マネジメントシステム文書で明確にしてください。試験所は、遂行能力を
確実にするため、技術要求事項として次の事項を規定し、実施してください。
(1) 試験所で検査・試験等を行うための手順の適切性
(2) 試験所要員の力量
(3) 製品の試験に必要な試験方法、判断基準等
(4) 該当する公的規格(ASTM:米国材料試験協会規格、EN:ヨーロッパ地域規格等)に合わ
せて、正確に実施する能力
(5) 試験結果(記録)や関連する記録をレビューする手順と責任
7.6.3.2 外部試験所
外部試験所(供給者様の外で検査・試験・測定・校正・解析・分析等を行う機関)を使用する場
合、遂行能力を確実にするため、次のいずれかの試験所を使用してください。
(1) 当社が承認した試験所
(2) ISO/IEC17025 または、これと同等の国内基準の認定試験所
(3) (1)または(2)の試験所が利用できない場合は、装置の製造業者に依頼してください。ただし、
その際には 7.6.3.1 項を満たしていることを確認してください。
8.測定、分析及び改善
8.1 一般
供給者様は、製品の適合性を実証し、品質マネジメントシステムの適合性の確認及び有効性の継続
的改善のため、必要な監視、測定、分析及び改善の活動計画を定め、実施してください。
これらの実施に当たっては、統計的手法を活用してください。
また、製造工程の維持管理及び不適合製品の解析のためにも統計的手法を効果的に活用するよう
努めてください。
8.1.1 統計的ツールの明確化
各プロセスで用いる適切な統計的ツールは、7.3 項の設計・開発の段階で決定し、QC工程表また
はコントロールプランに含めてください。
8.1.2 基本的統計概念の知識
ばらつき、工程の安定、工程能力等の基本的統計概念は、その関連する組織全体にわたって理
(株)ジャパンディスプレイ
− 24 −
解され、利用されるようにしてください。
8.2 監視及び測定
8.2.1 顧客満足
当社の満足度の情報を入手し、その評価の手順を定め実施してください。
8.2.1.1 顧客満足−補足
製品実現プロセスの成果を含む実施状況を、客観的なデータに基づいて継続的に評価し、顧
客満足を監視してください。評価の指標には、次の事項を含めてください(ただし(1)∼(3)に限
定するものではありません)。
(1) 納入した製品等の不良率
(2) 市場クレーム
(3) 納期問題(特別輸送費の発生状況を含む)
また、当社の要求事項に適合していることを証明するために、工程能力や工程内不良率等の
製造工程の成果を含む実施状況についても評価してください。
8.2.2 内部監査
次の事項を含め、品質マネジメントシステムが決められた通り効果的に実施され、維持されている
ことを検証するため、内部監査の実施手順を定め、あらかじめ定められた間隔で内部監査を実施し
てください。内部監査の結果は記録として残してください。
(1) 内部監査員は、適切な教育・訓練等を受けた者を充ててください。
(2) 監査員は、自らの仕事は監査しないなど、監査員の選定と監査の実施で客観性と公平性を
確保してください。
(3) 内部監査計画は、監査される側の活動状況、重要性及び過去の監査結果に基づいて立案し
てください。
(4) 監査の結果は、記録し、監査された部門の責任者にその内容を知らせてください。
(5) 不適合の指摘を受けた部門の責任者は、監査で明らかになった不適合について、タイムリー
な是正処置をとってください。
(6) 監査結果のフォローアップでは、取られた是正処置の実施内容とその有効性を検証し、記録
を残してください。
(7) 内部監査の結果は、マネジメントレビューの一部として経営者に報告してください。
8.2.2.1 品質マネジメントシステム監査
本ガイドラインの要求事項に適合していることを検証するため、品質マネジメントシステム監査
を実施してください。
これは、ISO/TS16949 の要求に加えて、当社要求の適合を確認してください。
8.2.2.2 製造工程監査
製造工程の有効性を判定するために、個々の製造工程を監査してください。
個々の製造工程監査は、コントロールプランの運用に関係する事項、製造目標(歩留り・生産
高)の維持、適用される顧客固有要求事項の維持、統計的手法の活用、工程能力の状態、変更
管理の実施に関し、計画したことや目標の有効性を判定するものです。
8.2.2.3 製品監査
製品寸法・機能・包装・ラベリング等、全ての規定要求事項に適合していることを検証するため、
生産及び引渡しの適切な段階で、定められた頻度で製品を監査してください。
8.2.2.4 内部監査の計画
内部監査は、プロセス、活動及びシフト(直)に関連する全ての品質マネジメントを対象とし、年
間計画に従って実施してください。
内部の不適合や当社からの苦情が発生した場合、監査対象部署の見直しや監査頻度を適切
(株)ジャパンディスプレイ
− 25 −
に増やしてください。
8.2.2.5 内部監査員の適格性確認
ISO/TS16949 の要求事項(当社要求事項を含む)を監査するために適格性確認された内部監
査員を確保してください。
8.2.3 プロセスの監視及び測定
品質マネジメントシステムのプロセスを適切な方法で監視し、適用可能な場合には、測定をしてく
ださい。これらの方法は、プロセスが計画どおりの結果を達成する能力があることを実証するように
決めてください。プロセスが計画通りの結果が達成できない場合には、製品の適合性の保証のため
に、修正及び是正処置を実施してください。
供給者様は、当社の要求する品質を安定して供給していただく為に、「購入仕様書」等で定めた保
証項目(具体的には出荷検査成績書の記載項目)及び当社と協議し決定した管理項目について、統
計的手法を用いた傾向管理を行ってください。傾向管理のフォーマットは、供給者様で現在使用して
いる様式で構いませんが、「ロット№」、「測定数値」、「規格値」、「管理限界値」が分かるようにしてく
ださい。管理限界値は、品質向上に焦点をおいて、定期的に見直してください。なお、傾向管理の記
録は、当社に提出していただくことがありますので、予め提出することを加味したものにしてください。
また、管理値の傾向から異常が見られ、当社の要求品質を守れない恐れのある場合は、8.3.3 項
に従って速やかに当社へ報告してください。
供給者様は、「購入仕様書」等で定めた重要管理項目に対して、指定があった場合、工程能力を
計算してください。工程能力の値は、車載関連部品で Cpk1.67以上、それ以外で Cpk1.33 以上です
が、「購入仕様書」等で個別に定めた場合は、その値で管理運用してください。
8.2.3.1 製造工程の監視及び測定
新しい製造工程に関して、工程能力を検証し、工程調査を実施してください。工程調査の結果
を踏まえて、生産/測定/試験及び保全などの指示書の管理項目を見直してください。
当社から特別な要求がある場合は、QC工程表またはコントロールプランにその内容を明記し、
製造工程の監視及び測定を実行してください。
治工具の変更、設備の修理のような工程の重大な出来事は記録してください。
供給者様は、不安定または能力不足のいずれの特性に対してもコントロールプランに記載され
た適切な対応計画を開始してください。対応計画には、製品の隔離及び全数検査を適宜含めてく
ださい。
工程が安定し、必要な能力を有するようになることを保証するため、期限及び担当責任者を示
した是正処置計画を作成してください。この計画は、当社の要求があれば、当社のレビュー及び
承認を得てください。工程変更の実施日の記録は維持してください。
8.2.4 製品の監視及び測定
納入製品の品質を保証するため、定められた検査基準にしたがって、受入、工程内、出荷の各段
階で、訓練された検査員による検査を実施してください。
供給者様で実施した出荷検査での不合格は、不合格処理票(用紙は特に指定しない)を発行して、
不合格の是正処置・再発防止を実施してください。
全ての検査事項が合格にならない限り、次工程への引渡しまたは出荷をしないでください。また、
合否判定基準に適合したことを示す証拠として検査記録を残してください。記録には、当該検査の最
終承認者を明記してください。
出荷検査結果に関しては、以下の対応をしてください。
 納入時、出荷検査結果を、出荷検査成績書に記入し、ロット毎梱包箱へ添付する又は、製品納
入前までにFAXか電子メールにて、当社受入検査部門へ連絡する。
 出荷検査成績書には品名(部品コード)、ロットNo、検査内容、検査基準、検査結果、検査合否
判定、ロット数量、検査抜取り数量、検査日及び不良内容を記載し、品質責任者もしくはその権
限委譲者・代行者が確認し、記録する。又、出荷検査データで計算した Cpk・Ppk の値を計算し
(株)ジャパンディスプレイ
− 26 −
表示を要求する場合があります。
 出荷検査成績書の書式は特に指定しないが、事前に書式を連絡し、協議してください。
なお、ドライバーICや電子部品・カタログ品にて、”出荷検査成績書”を発行しない場合は、当社か
ら出荷ロットに関する出荷検査データ照会に対して、迅速に回答してください。また、供給者様で定
期的な信頼性試験をルール化し、実施してください。実施期間、方法は、供給者様にて決定願いま
す。信頼性試験結果の提出をお願いした場合、対応願います。
8.2.4.1 寸法検査及び機能試験
製品寸法や機能は、当社の「購入仕様書」等の規格をQC工程表またはコントロールプランに
定め、検証してください。当社より要求があった場合には、その記録を提示してください。
寸法検査は、設計図面に示される全ての製品寸法を測定することです。
8.2.4.2 外観品目
本項目は、当社のお客様より要求が無い限り、車載関連部品には該当しません。お客様より
要求があった場合は、協議をお願いします。なお、この項目は、車載関連部品の外観規格(例:
製品のキズ・汚れ・塗装剥がれ など)とは別になります。
8.3 不適合製品の管理
(1) 供給者様での不適合製品の管理
不適合製品が誤って使用されたり引き渡されたりすることを防ぐために、不適合製品の識別、処
理に関する管理、それに関連する責任及び権限を文書化し、実施してください。
不適合製品が発生した場合は、次の事項のいずれかの方法で処理してください。
① 発見された不適合を除去するための処置をとる。
② 当社が特別採用を許可することによって、その使用、次工程への引渡しもしくは出荷、または合
格と判断する。
③ 本来の意図された使用または適用ができないような処置(廃棄を含む)をとる。
不適合の内容の記録及び不適合に対してとられた特別採用を含む処置の記録を残してください。
(8.3.4 項:当社の特別採用を参照)
不適合製品を修正した場合は、要求事項への適合性を実証するための再検証を行ってください。
(2) 当社での不適合製品の処置
当社の受入検査、工程及び市場等で不適合その他品質異常が発見されたときは、「不適合材料
報告書(NCM:Non Conforming Material Report)」(付録:書式-5)にて連絡します。
供給者様は、連絡受信後 1 週間以内若しくは別途取り決めがある場合は、指定日までに発信部
署に対し一次回答してください。その後、原因究明、原因対策、対策効果(見込み)を速やかに報告く
ださい。
なお供給者様責の「不適合品」に対する代納等に関する処置は、当社の調達部門の指示に従っ
てください。
8.3.1 不適合製品の管理−補足
適合品と確認できていない若しくは適合品として疑わしい可能性がある場合には、不適合品として
取り扱いを行ってください。
8.3.2 手直し品の管理
供給者様は、作業者が閲覧、活用できるような手直し指示書を定め、その指示書に基づいて作業
を実施してください。
8.3.3 当社への報告
不適合製品を出荷した、もしくは「購入仕様書」の要求品質に対する不適合などの品質異常の発
生が予想される場合は、被害を最小限にするために次の要領にて速やかに報告してください。
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① 電話等の最短手段で当社の調達部門へ第一報を報告し指示を受ける。
② 詳細内容は、「品質・安全異常連絡書」(付録:書式-7)にて当社の調達部門へ報告する。
「品質・安全異常連絡書」(付録:書式-7)は、処置方法を記載のうえ、当社の調達部門若しくは担
当者より回答します。
8.3.4 当社の特別採用
「購入仕様書」を満足しない逸脱品は、納入品からの除外をするか若しくは手直して納入してくだ
さい。ただし、納期等の理由からやむを得ず納入が必要な場合は、対象の数量若しくは期間を限定
したうえで「特別採用申請書」(付録:書式-8)にて当社の調達部門へ申請を行ってください。
採用の可否判断は、「特別採用申請書」(付録:書式-8)にて、当社の調達部門若しくは担当者より
回答します。採用可の場合には、別途当社の調達部門と納入方法や単価等について協議を行ってく
ださい。
8.4 データの分析
品質マネジメントシステムの適切性及び有効性の実証するため、また、有効性の継続的改善の可能
性を評価するために適切なデータを明らかにし、それらを収集し分析してください。
データ分析により、次の事項に関連する情報をまとめてください。
① 顧客満足情報(例、顧客受入成績・顧客使用実績、出荷計画と実績など)
② 製品要求事項への適合情報(例、不適合及び是正内容、検査特性など)
③ プロセス・製品の特性及び傾向情報(例、歩留推移、管理図の推移など)
④ 供給者様の供給者情報(例、受入検査結果、供給先の品質レベルなど)
8.4.1 データの分析及び使用
品質目標、生産性、コスト、納期等、品質や操業に関する実績の傾向を目標と比較することにより、
次の事項に役立ててください。
(1) 当社に関連する問題を、速やかに解決するための優先順位の決定
(2) 現状分析、意思決定及び長期計画策定
(3) 当社での工程使用状況及び経年劣化や耐久性に起因するような、製品の使用に伴い発生す
る品質問題のタイムリーな把握
8.5 改善
8.5.1 継続的改善
供給者様は、品質方針、品質目標、監査結果、データの分析、是正処置、予防処置及びマネジメン
トレビューを通じて、品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善してください。
8.5.1.1 組織の継続的改善
継続的改善が確実に実施できるように継続的改善のプロセスを構築し、活動の進め方を決め
てください。
8.5.1.2 製造工程改善
製造工程では、製品特性及び製造工程の管理値のばらつきを管理し低減するために、継続的
に焦点を合わせ改善を行ってください。
(参考)継続的改善に活用する手法
 工程能力指数
 管理図(計数値、計量値)
 実験計画法
 QC7つ道具(特性要因図、ヒストグラム、パレート図、散布図、層別、チェックシート、グラ
フ(管理図))
 新 QC7つ道具(親和図法、連関図法、マトリックス図法、系統図法、マトリックス・データ
解析法、アローダイヤグラム法、PDPC 法)
(株)ジャパンディスプレイ
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8.5.2 是正処置
不適合が発生した時には、根本原因を除去するために不適合の持つ影響に応じた是正処置を行
ってください。是正処置にあたっては、供給者様内部で次の事項を含めた手順を定めてください。
(1) 不適合の内容、または顧客苦情の内容を確認する。
(2) 不適合の根本原因を調査し、特定する。
(3) 不適合の再発防止策を立案し、その必要性及び有効性を評価する。
(4) 再発防止処置の内容を決定し、実行する。
(5) 不適合の原因、実施した結果を記録する。
(6) (1)∼(5)の一連の活動において、是正処置が有効であることをレビューする。
また、是正処置結果は、マネジメントレビューのインプットにしてください。
8.5.2.1 問題解決
供給者様は、根本原因の特定及び除去を導く問題解決のためのプロセスを定めてください。
8.5.2.1.1 「品質改善計画書」「5 原則シート」の提出
品質トラブルが発生した時や品質改善が必要な場合は、当社より「品質改善計画書」また
は「5 原則シート」の提出を依頼する場合があります。「品質改善計画書」のフォーマットは特に
定めませんが、到達目標と実行スケジュールを明確にしてください。
8.5.2.1.2 「8D レポート」の提出
車載関連部品で、当社のお客様工程・市場で不具合が発生した場合、「8D レポート」の提
出を依頼する場合があります。その際、24時間以内に不具合の詳細、発生原因、対策、流出
防止など一次回答(レポート)を提出してください。また、7日以内に最終報告を提出してくださ
い。
8.5.2.2 ポカヨケ
是正処置は、不適合製品の製造を防止するため、ポカヨケの手法を含めてください。
8.5.2.3 是正処置の水平展開
是正処置の改善施策は、他の類似プロセス及び製品にも水平展開をしてください。また、工場
が複数の場合も、同様に是正処置の改善施策を水平展開してください。
8.5.2.4 受入拒絶品の試験/分析
当社の受入検査、工程及び市場等で不適合その他品質異常が発見されたときは、8.3 項(2)
により処置をしてください。
8.5.3 予防処置
不適合の発生する可能性がある時には、潜在的原因を除去するため不適合の持つ影響に応じた
予防処置を行ってください。予防処置にあたっては、供給者様内部で次の事項を含めた手順を定め
てください。
(1) 起こり得る不適合の内容ならびにその原因を特定する。
(2) 不適合を未然に防ぐ処置を立案し、その必要性を評価する。
(3) 評価の結果から、処置の内容を実行する。
(4) 実施した処置の結果を記録する。
(5) (1)∼(4)の一連の活動において予防処置のプロセスが有効であることをレビューする。
また、予防処置結果は、マネジメントレビューのインプットにしてください。
8.5.4 未然防止に向けた取り組み
未然防止対応の手法が報告されています。供給者様においても、未然防止の手法導入を検討し
(株)ジャパンディスプレイ
− 29 −
てください。(例:GD3 DRBFM)
9.製品安全に関して
製品安全(PL)に関する問題は、起こせば社会的信頼を一気に失墜させることにもなりかねません。安
全問題は絶対に起こしてはならず、このためには、生産活動のすべての領域、段階において起こり得る危
険性をチェックして未然に防止するシステムが必要になります。
供給者様においては次の事項のみならず、製品安全の観点で確認項目を定め危険性を排除する施策
を講じてください。
(1) 未然防止に関して
 供給者様において安全関連の法令等で義務の遵守がある場合はそれに従ってください。
 当社より契約書、「購入仕様書」他で指定した場合は、その内容に従ってください。
 製品の設計を委託する場合は、製品の安全設計だけではなく、商品評価や設計審査における
安全性の評価も確実に行ってください。
 製造において当社が図面、仕様書等を配付する場合、供給者様の図面、仕様書等で実施する
場合は、ともに、その作業や検査を手順に従い標準化された作業で確実に実施してください。
 材料や工法を変更した場合は、製品安全との関わりを考慮し、該当する場合は安全性の評価
を実施してください。
 製品安全に関して特定の製品または個別の部品でトレーサビリティを依頼する場合があります。
その場合は、当社の依頼内容に従って実施してください。
 製品の安全に関する記録を明確にし、規定した期間保管してください。当社が記録について指
定する場合も同様です。
 製品の検査や試験で製品安全に関する危険性を予見した場合、危険性をはらむ不良を発見し
た場合は、直ちに当社に報告してください。
(2) 問題への対応
 報告の様式は、「品質・安全異常連絡書」(付録:書式-7)を使用してください。
 必要な記録やデータ等の提供に協力してください。
 当社またはユーザー先での問題が発生した際、問題解決、早期収束のための最優先の協力を
お願いします。
10.環境管理物質に関して
当社に納入する製品及び製造工程で使用する環境管理物質に関しては、当社「グリーン調達ガイドライ
ン」に基づき対応してください。
特に、新規製品の採用及び変更時は、「グリーン調達ガイドライン」に指定する方法に従い使用物質等
の報告をお願いします。
なお、報告内容については、供給者様工程調査時等で確認させていただくことがありますので、関連デ
ータ等が提示できるよう管理をお願いします。
※「グリーン調達ガイドライン」最新版及び「環境関連報告フォーマット」は、当社ホームページ(会社案
内<資材調達<グリーン調達より閲覧・入手することができます。
http://www.j-display.com/company/procurement/supply.html
11.品質保証に関する提出書類一覧
供給者様は、納入品に対する品質保証体制を維持していることを実証するために関係書類を提出して
ください。なお提出していただく書類の種類、提出時期及び頻度は付録:添付資料を確認してください。
12.限度見本の運用と管理
「購入仕様書」で定められた検査判定基準のうち官能検査のように数値化が難しい若しくは数値だけで
(株)ジャパンディスプレイ
− 30 −
は良品判定が困難な場合は、供給者様と合意された判定基準となる見本(以下、限度見本という)を設定
いたします。なお限度見本の有効期限内は、限度見本自体が良品若しくは不良品の限界値の境界を指
し示したものとしてご対応お願いします。また、「購入仕様書」に記載のない項目については、供給者様と
の協議のうえ限度見本を設定の要否を判断します。
限度見本の設定に当たり、供給者様に限度見本候補の製作を依頼する場合もありますので協力をお
願いします。限度見本は、限度見本候補の中から供給者様と目合わせを実施し、当社保管分と供給者様
保管分として最低2個設定します。目合わせにより合意された限度見本は当社にて有効期限、管理番号
を付与した限度見本ラベルまたは限度見本表紙を発行します。限度見本に限度見本ラベルまたは限度
見本表紙の貼り付けをお願いします。なおサイズの都合で貼り付けられない場合は、ケースまたは袋に
貼り付けてをお願いします。
限度見本の有効期限に指定の無い場合は有効期限を設定日より2年間とします。有効期限が満了し
た限度見本は、廃止とします。引き続き限度見本が必要な場合には、新たに限度見本を作成する若しく
は既存の限度見本を更新をします。限度見本の更新は、関係部門で再確認し問題がない場合のみ有効
期限を延長します。当社より限度見本ラベルまたは限度見本表紙を送付しますのでラベルの貼替えをお
願いします。
有効期限内に経時変化・破損等が起きた場合は、限度見本を新規製作しますのでご協力をお願いしま
す。また供給者様が、二次供給者様との間で取り交わしている限度見本において、当社の納入品質に影
響の出る恐れがあると判断した場合は、事前に当社へ提示しの確認するようお願いします。
13.初回納入品の識別
初回納入品は、新規納入及び生産条件変更(7.1.4.1 項参照)により次の事項の実施をお願いします。
① 初回納入品であることの表示(識別)
当社より指定があった場合は、指定の表示をお願いします。
② 出荷検査成績書の添付
当社より指定の検査項目の依頼がある場合は、指定項目のデータ添付をお願いします。
14.当社での受入検査の実施
供給者様から当社への納入品は、要求品質を満足していることを前提にしていますが、納入品質を確
認するために受入検査を実施します。
受入検査は、製品毎に定めた検査方式と基準により実施します。供給者様は、受入検査が不合格の
場合、当該ロットに対する代納品の納入や選別などの処置の実施をお願いします。その後、速やかに真
因の究明を行い再発防止策の実施をお願いします。
15.立会い検査の実施
15.1 供給者様先での立会い
新規納入時、もしくは重大な問題が発生した場合は、当社から供給者様先で立会い検査(現品によ
る直接品質確認)を行うことがあります。その際は、事前に実施計画を供給者様に通知します。
15.2 指定先への立会い依頼
早期問題解決を目的として、当社が指定する場所に、供給者様の専門エンジニアの派遣を要請す
る場合があります。その際は、事前に連絡し協議します。
16.供給者様の来訪
供給者様は、「誓約書」(付録:書式-2)に記載された来訪時の注意事項を確認したうえで「誓約書」
(付録:書式-2)の提出をお願いします。
当社への来訪が必要になった際には、「来訪者申請及び身分証明」(付録:書式-3)にて来訪の日
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程・理由・場所及び来訪者を明記し、関連資料とともに事前提出をお願いします。また来訪される方に
対しては「誓約書」に記載された内容を周知徹底できるように事前教育の実施をお願いします。なお、
円滑な来訪手続きを行うため初回来訪時には、これら一式のハードコピーを持参し、来訪先の担当者
へ提出をお願いします。
17.供給者様への品質監査の実施
供給者様の品質を維持向上させることを目的とし、品質保証活動とその結果が目標に合致しているこ
と、さらに要求品質の達成に対し適切なシステム及びプロセスとなっていることを確認する為に品質監査
を実施します。
(1) 品質監査の内容
① 新規認定監査
新規工場や新規プロセスに対して、妥当性の確認する監査
② 定期監査
定期的に前回監査と同等以上のレベルを維持していることの確認する監査
③ 変更認定監査
大きなリスクを伴う変更が計画されたプロセスに対して、妥当性を確認する監査
④ 臨時監査
品質トラブルの原因究明や是正処置の妥当性確認する監査
(2) 品質監査の手順
① 品質監査の日程調整
品質監査を実施する場合は、事前に通知を行い、供給者様と日程を調整させていただき決
定します。
② 品質監査チェックシートによるセルフチェック
当社より送付する品質監査チェックシートでセルフチェックを実施し、監査前に提出してしてく
ださい。監査を円滑に進めるため、コメント欄には対象となる文書名や記録名等を記載してく
ださい。なお、供給者様によっては非該当項目もありますので、この場合はコメント欄に「非
該当」と記載してください。
③ 品質監査の実施
監査では、次の事項について確認します。
 事前に提出いただいたチェックシートに基づき、規定の有無と、実行記録を確認
 受入から出荷までの工程で、定められた管理の実行状況を確認
 その他、監査目的に応じた項目の確認
④ 判定と処置
監査終了後、判定と処置を決めます。ただし、その場で判定ができず協議が必要な項目
がある場合は後日報告します。なお、監査結果如何によっては以後の当社との取引継続に
大きな影響を与える場合があります。
⑤ 是正処置の実施
品質監査にて指摘事項が発生した場合は、供給者様は速やかに是正処置を講じ、処置
に対する証拠文書と併せて監査担当部門へ報告してください。
⑥ フォローアップ
是正処置報告の内容については、是正処置の有効性、継続性の確認を実施します。
18.供給者様の品質評価
納入品の品質成績(受入検査品質・工程品質・市場品質など)や、品質問題に対する当社からの回答
要求に対する回答納期実績[TAT(Turn Around Time)]等を評価しランク付けを行います。
なお評価結果から改善が必要と判断した供給者様には、改善計画書の提出及び品質会議、臨時監査
等の実施を行います。
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19.梱包仕様に関して
供給者様は、梱包仕様に関して、以下の対応を行ってください。対応に際して課題がある場合は、量産
出荷前に、当社に問い合わせてください。
19.1 梱包仕様
 供給者様は、購入仕様書の梱包方法に基づき、梱包試験を実施してください。
 当社より、購入仕様書に梱包仕様が規定されている場合は、それに従ってください。
 部品に付帯する材料(テープ芯等・ロット表示ラベル)には無塵効果のあるものを使用してください。
 部品梱包にトレーを使用する場合は、帯電防止効果のある材料にしてください。
 梱包仕様には、腐食性ガスを発生させない材質または対策を実施してください。
19.2 梱包上の注意
梱包には以下の表示をしてください。
(1) 品質保証の為の表示
(a) 製造者名
(b) 材料・部品名
(c) 材料・部品コード
(d) 製造 Lot.No.
(e) 員数
(f) 梱包箱数
(g) 検査合格印及び検査日
(2) 荷扱いに関する表示
19.3 その他
(1) 取扱いに関し、当社で注意すべき事項があれば事前に連絡してください。
(2) 輸送事故の未然防止を図るために、輸送に耐えられる梱包か否かの確認(振動・衝撃試験、輸送
試験)、輸送業者の選定及び取扱いの事前指導を徹底してください。
20.車載関連部品の生産中止に関して
車載関連部品の製造を中止する場合には、中止実施の1年前には書面にて通知してください。対応に
関して、課題がある場合は、当社に書面にて連絡してください。
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21.自動車業界の用語の定義、説明
用語
定義
3.1.1 コントロールプラン
製品を管理するために要求される、システム及びプロセスを記述した文書。
3.1.2 設計責任のある組織
新規の製品仕様を設定する、または既存の製品仕様を変更する権限をも
つ組織。
(参考)この責任は、顧客の規定した適用条件の中で、設計された性能につ
いて試験及び検証することを含む。
3.1.3 ポカヨケ
不適合製品の製造を予防するための、製品及び製造工程の設計・開発。
3.1.4 試験所
化学、金属、寸法、物理、電気または信頼性の試験を含むが、それだけに
限らない、検査、試験または校正の施設。
次の事項を含む管理文書。
−試験所が実施する資格のある、特定の試験、評価及び校正。
−上記を実行するために用いる設備のリスト。
−上記を実行する方法及び規格のリスト。
次に示すものを製作する、または仕上げるプロセス。
−生産材料
−生産、若しくはサービス部品
−組立製品または
−熱処理、溶接、塗装、鍍金または他の仕上げサービス。
3.1.5 試験所適用範囲
3.1.6 製造
3.1.7 予知保全
3.1.8 予防保全
3.1.9 特別輸送費
起こり得る故障モードから予測して保全に関する問題を回避することを目的
とする、プロセスデータに基づいた活動。
製造工程設計のアウトプットとして、設備の故障及び予定外の原因を除去
するために計画された活動。
契約した輸送費に対する割増しの費用または負担。
(参考)方法、量、予定外納入または納入遅れによって発生する。
3.1.10 支援事業所
3.1.11 サイト
3.1.12 特殊特性
サイトを支援する、生産プロセスのない事業所。
価値を付加する製造工程のある事業所。
製品特性または製造工程パラメータのうち、安全、若しくは法規適合性、組
付け時の合い、機能、性能または製品の後加工に影響する可能性のある
もの。
GD3
Good Design、Good Discussion、Good Dissection
ジーディーキューブ
Design review based on failure mode
参考文献:
吉村達彦:
『トヨタ式未然防止手法・GD3』、日科技連出版社、2002 年
DRBFM
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改訂履歴
版
制定・改訂日付
改訂内容
概
頁
要
1.0 版
2013 年 02 月 05 日
全頁
第 1.0 版 制定
2014 年度版
2014 年 04 月 01 日
全頁
本文:運用見直し及び英訳対応による改訂、書式:運用見直し
2015 年度版
2015 年 08 月 01 日
全頁
来訪者の事前申請及び変更申請の事後確認の仕組みを追加
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