サイバーパンク映画にみられる情報化社会における身体イメージ Body Image in the Information Society of Cyberpunk Films 奥山研究室 10M30141 鈴木 淳平 (SUZUKI, Jumpei) Keywords:映画、身体イメージ、SF、仮想空間、テクノロジー movie, body image, science fiction, virtual space, technology 登場人物が移動する移動型の2つに大別した(図3)。また資 6)。単純経路のみをもつ【単純型】は、現実空間と仮想空間 料には、仮想ユニットからさらにテクノロジーを用いて他の仮 が単一の経路のみによって接続される両空間の関係が明快な接 想ユニットに入るという、仮想空間に階層がある作品もみられ 続形式であることから、現実空間においても仮想空間において た(図4)。 も身体イメージが明確に表現されていると考えられる。放射経 2−3.現実空間と仮想空間の接続形式 路をもつ接続形式は単一の現実シーンに対し複数の仮想シーン 資料において、仮想空間に入る現実空間の場所が限定されてい が接続するものである。そのうち、【放射型】はある現実シー る作品や、必ずしも仮想空間に入る場所が限定されずに、様々 ンがひとつの仮想空間における複数の仮想シーンと接続するこ な仮想空間に入ることができる作品がみられた。こうした違い とから、現実空間では空間によって特徴付けられた身体が描か によって、情報技術がつくりだす環境と身体の関係が異なると れるのに対し、仮想空間では特定の定位しない身体イメージが 考えられる。さらに現実空間と仮想空間を行き来する描写から 描写されていると考えられる。これに対し、【複数放射型】は 資料とした作品ごとに現実シーンと仮想シーン相互の接続関 単一の現実シーンから複数の仮想ユニットに接続するものであ 係(以下、経路パタン)を検討した。その結果、まず経路パタ ることから、仮想空間において様々な身体イメージが断片的に 1.序 仮想空間を意識の中で体験することが可能になっており、その ンを仮想シーンに入る現実シーンの数が単一(23 作品)のも 表現されると考えられる。単純・放射混在経路をもつ接続形式 現代社会では、情報技術が構築する環境との関わりの中で、私 仮想空間での様子が視覚化されていることから、現実空間と仮 のと複数(11 作品)のものに大別した。さらに接続の複雑性 は現実空間と仮想空間を複雑に往来するものである。そのうち、 達の身体に対する認識は必ずしも物理的な身体だけではなく、 想空間とを行き来をする登場人物の様子をみることができる。 を踏まえ、単一の現実シーンから単一の仮想シーンと接続する 【混在型】は現実空間の場所に限定されることなく、特定の仮 現実の空間に定位しない不確かなものへとなりつつある 。こ そこで、本章では、登場人物の活動を記号化しその関係図を作 ものを単純経路、複数の仮想シーンと接続するものを放射経 想空間に様々な経路を介して接続することから、現実空間の身 のような身体に対する認識は様々なメディアからみることがで 成することでその性格を検討する。 路、また、複数の現実シーンから複数の仮想シーンへ接続する 体イメージは明確に表現されにくいと考えられる。【複数混在 き、特に高度なテクノロジーが発達した環境として描かれたメ 2−1.シーンの抽出と分類 単純・放射混在経路として位置づけた(図5)。ここで捉えた 型】では現実空間と仮想空間との往来が繰り返し描かれること ディアのひとつにサイバーパンク映画2) をあげることができ まず、登場人物が滞留し様々な活動が展開される単一の領域を 経路パタンと仮想ユニットの数との関係から、サイバーパンク により場所のイメージが希薄になること身体イメージは常に相 る。そこには、テクノロジーが発展した世界が描かれ、登場人 シーンと定義し関係図を作成する基本単位とした。ここで現実 映画における現実空間と仮想空間の接続形式を導き出した(図 対的にしか位置づかないと考えられる。 物が現実の世界(以下、現実空間)とコンピュータ・テクノロ 空間と仮想空間にみられるシーンをそれぞれ現実シーンと仮想 1) 3) のように分類した。 能性を示唆する身体イメージを読み取ることができる。そこで 2−2.現実ユニットと仮想ユニット 本研究では、仮想空間が描かれるサイバーパンク映画を資料と 資料とした映画では、現実空間と仮想空間それぞれにおいて、 し4) 分析することで、今後想定されうる情報化社会における身 前節で整理したシーンの内容とその前後に描かれたシーン相互 2.現実空間と仮想空間の接続形式 こうしたシーン相互の関係を記述した結果、この一連の描写に 資料とした映画では、図1の分析例のように登場人物は情報技 みられるシーンのまとまりをユニットとして定義する。またユ 術などのコンピュータ・テクノロジーを用いることによって、 ニットを単一のシーンで構成される滞在型と、複数のシーンを 仮想空間 v1 l1 g h1 e1 h2 a1 i3 e3 n i4 d i2 x a2 h1 v1 i1 h1 a1 v1 x n x v1 i2 e1 v1 e2 v1 a1 h2 a1 i3 v1 テクノロジー x i4 v2 e3 d a2 v1 現実空間 現実空間 接続形式 複数放射型 身体の変化 現実空間 仮想空間 3. 現実空間と仮想空間における身体拡張 テクノロジー と身体描写 抽出 飲食 r カフェ、レストラン、バー、屋台 14 16 娯楽施設 g ゲームセンター、クラブ、遊園地、カジノ 17 13 文化施設 c レスリング場、学校、球場、劇場、協会 5 5 福祉施設 w 病院 7 8 宿泊施設 a ホテル 10 16 研究施設 l 仮想現実研究所、ゲーム制作会社 48 15 公的機関 f 刑務所、警察署、図書館、裁判所 20 13 工場など b 工場、倉庫 9 13 その他 i 用途などが特定できない室内 4 43 p 広場、公園、境内、テニスコート 4 14 路上 e 路上、線路、商店街、橋上 15 29 駅・停留所 d 駅、駐車場、空港 5 16 乗物 v ホバークラフト、電車、車、飛行機 17 11 自然 n 森、砂漠、海、 16 34 x 何もない均質な空間 広場公園 特殊 22 ※図中の数はシーン数を示す。総シーン数 613 〈現実強調〉 仮想ユニット 現実ユニット ❖ 図1 分析例 レーザー銃 ホバークラフト 仮想空間における身体能力向上 Alien intruder Cargo VORTEX Tron Total recall Virtual obsession Circuitry man Nirvana Open your eyes Resurrection Tron legacy シーンが単数 9 3. 5. 9. 18. 21. 28 図3 現実ユニットと仮想ユニットの性格 仮想シーンに入る 現実シーン 単純経路 仮想ユニットから、他の仮想ユニット へ入る仮想ユニット 図4 仮想空間の階層 仮想シーンに入る 現実シーン 単一 複数 単純・放射混在経路 放射経路 11 図5 経路パタン 3 9 4 2 単純型 ❖ ❖ ❖ ❖ Jacob's ladder Mind warp Brainscan Thirteenth Floor Existenz 11 ❖ 13. 22. 24. 11. 19. 20. 26. ❖ ❖❖❖ ❖ ❖ Expect no mercy the Cell Avalon Virtuosity Hot war the Matrix the Matrix Reloaded ❖❖❖ ❖❖ ❖ ❖ ❖❖ ❖ ❖❖❖ ❖❖ 放射型 ❖ 4 1 1 7 ❖ 25 ❖ ❖ ❖ 15 複数放射型 23 7 多数のシーンで構成される 19 複数 ❖ 3 8 5 7 階層あり 現実空間でテクノロジーにより身体拡張が みられるグループ 体内に埋め込まれた接続端子 7. 31. 23. 1. 2. 16. 4. 15. 17. 25. 34. 5 32. Chatroom 8. Arcade 28. X-Gamer 単純・放射混在経路 g 6 仮想シーンに入る現実シーン複数 h1 5 移動型 仮想ユニット 現実ユニット 記号化 コンピュータショップ、本屋、ランドリー、ゲームショップ 定義 v2 v1 s 放射経路 仮想空間 商店 現実シーンと接続する仮想ユニット 単一 経路パタン 現実空間 61 滞在型 仮想空間 85 図2 シーンの分類 2. 現実空間と仮想空間の接続形式 20. The Matrix (1999) 自宅、友人宅、他人の家 仮想シーンに入る現実シーン単数 の関係から一連の空間的なまとまりを読み取ることができる。 屋外 体イメージの一端を明らかにすることを目的とする。 h 単純経路 することで物語が進行しており、こうした描写からは未来の可 屋内 シーンと定義する。資料とした作品からシーンを抽出し、図2 例 仮想 シーン 家 店舗・施設 ジーによって構築された世界(以下、仮想空間 )とを行き来 シーン名 現実 シーン 5 ❖ 2 5 5 15 JM Lawnmower man 2 Plughead rewired Ghost Machine 27. the Matrix Revolutions 33. Inception 12. 14. 10. 30. ❖ ❖ 6. Lawnmower man 29. the Cell 2 混在型 7 ❖ ❖❖ ❖❖ ❖ ❖ 複数混在型 ❖ 0 3 1 2 図6 現実空間と仮想空間の接続形式 3 ❖ 0 8 21 7 8 3−3.現実空間と仮想空間における身体拡張 ここでは、複数の仮想ユニットに接続するため、それぞれの仮 いった内容や、荒廃した現実の環境から逃れるために仮想空間 3−1.現実空間と仮想空間にみられるテクノロジー 前節までに捉えた内容を併せて検討し、身体拡張の描写が共通 想ユニットにおける身体イメージが対比的に描写されると考え を用いるといった内容の作品がみられた。後者では、登場人物 サイエンス・フィクションのひとつのジャンルである本研究の する3つのグループを位置づけた(図 10)。仮想空間内でテク られる。単純・放射混在経路をもつ接続形式では、 【複数混在型】 が仮想空間への往来を繰り返すことで現実がどこかわからなく 資料では、空を飛ぶ車や高度に発達したサイボーグのように私 ノロジーによる身体拡張がみられる〈仮想強調〉と、現実空間 が多くみられた。その中で〈現実強調〉では、現実空間で高度 なるといった内容の作品がみられた。また、現実空間では身体 達が暮らす現代において一般的ではないが、今後想定されるテ 内でテクノロジーによる身体拡張がみられる〈現実強調〉は、 に発達したテクノロジーが様々な仮想空間への接続を成立させ イメージが明確に描写されるが、仮想空間では身体イメージが クノロジーが描写される。テクノロジーは身体の機能を代替、 両空間で描かれる身体の差異が明確なグループであるのに対 ていると考えられる。一方、〈強調なし〉では、登場人物は携 不確定なものとして表現されるという、先に述べたふたつの対 あるいは拡張させるものとして開発考案されてきたと考えれ し、〈強調なし〉はいずれの空間においても身体拡張及び身体 帯型装置を介し、現実空間の場所に限定せずに仮想空間に接続 照的な内容の中間に位置する作品も捉えることができた。 ば、資料に描かれたテクノロジーからは身体の拡張に対する認 変化の描写がみられないグループである。 することができ、両空間の往来を繰り返すことで、空間に規定 識が現れているといえる。そこで、現実空間と仮想空間に描写 4.映画にみられる情報化社会における身体イメージ されない曖昧な身体イメージが描写されていると考えられる。 されたテクノロジーを抽出し、その内容を比較検討した。その サイバーパンク映画に描写された情報化社会における身体イ 5.結 結果、電子義眼などの〈義体〉、アンドロイドなどの〈人工生命〉 メージは現実空間と仮想空間を行き来する登場人物の様子と、 以上、サイバーパンク映画を資料とし、現実空間と仮想空間を といった《身体》と、レーザー銃などの〈武器〉、物質転送装 両空間にみられるテクノロジーの内容から読み取ることができ 行き来をする登場人物に着目することで、情報化社会における 置などの〈通信〉、ホバークラフトなどの〈乗物〉といった《道 る。そこで2章で得られた接続形式ごとに、3章で得られた 身体イメージを「現実空間と仮想空間の接続形式」と「身体拡 具》の大きく2つに分類した。現実空間と仮想空間ごとにテク グループのかたよりを整理した(図 11)。単純経路のみをもつ 張としてのテクノロジー」から捉えた。現実空間と仮想空間と ノロジーの内容を比較すると、現実空間ではコンピュータに接 【単純型】は〈仮想強調〉 〈現実強調〉が多くみられた。これは、 の接続が単純な作品ほど両空間の差異が重要視され、そこでの 続するための装置を埋め込むなど、直接肉体を改造する身体拡 現実空間と仮想空間のいずれかがテクノロジーを用いて表現さ 身体イメージはテクノロジーによって対比的に表現される。一 の訳語。電脳空間、とも訳される(現代用語の基礎知識)。 張が多いのに対し、仮想空間では銃や乗物などの道具による身 れることにより、両空間の身体イメージが対比的に描かれるも 方、現実空間と仮想空間との接続が複雑な作品ほど登場人物の タ・テクノロジーによって構築された仮想空間が映像として明確に描写された SF 映画のうち、社会的認 体拡張が多くみられた。 のである。放射経路をもつ接続形式は、仮想ユニットの数によっ 往来が重要視され、両空間における身体イメージの差がなくな れた34作品を資料対象としている。 また、登場人物が現実空間から仮想空間に移動する際に用いる て、描写されるテクノロジーの内容が全く異なるという傾向が り連続的に表現されるという対照的な傾向を見出した。前者で 参考文献 テクノロジーを抽出すると、その内容は持ち運びが可能な携帯 みられた。【放射型】は〈強調無し〉が多くみられた。これは、 は、テクノロジーに対する期待を仮想空間に投影していると 型装置と、建物に固定された設置型装置に分類できた(図8)。 現実空間から仮想空間へ複数の経路をもちながらも、テクノロ 3−2.身体の変化 ジーによる身体の拡張が両空間においてみられないことから、 また、仮想空間において、空を自由に飛ぶことのできる身体や、 多様な仮想空間を体験する身体イメージが表現されていると考 形状を変形できる身体など、特異な能力を獲得している登場人 えられる。一方、【複数放射型】は〈現実強調〉が多くみられ 物がみられる。これらの描写からは私達の身体能力の拡張に対 た。これは、現実空間におけるテクノロジーによって身体が拡 する直接的な願望が読み取れるものと考えられる(図9)。 張されるとともに、仮想空間において身体の変化がみられる。 現実空間 アンドロイド 人工知能 偵察殲滅マシン 人間を栽培するロボット イルカのハッカー 仮想空間 10 全ての傷を治す装置 蘇生装置 筋電義手 拳銃 火炎放射器 時限爆弾 ワイヤー型殺人機械 レーザー銃 電磁パルス発生装置 ロボットアーマー 8 電子回路人間 身体複製装置 人工生命体 遺伝子操作蜘蛛 5 9 エネルギー銃 追跡弾 現出する拳銃 変形する剣 データ化して捕獲する銃 6 図7 現実空間と仮想空間にみられるテクノロジー 携帯型装置 □ 他人の精神に入る機械 2 携帯電話 2 軍事用バーチャルリアリティ訓練機 ゲームポッド1 インプラントプラグ2 など 〈通信〉 設置型装置 13 9 TV型通信機器 電子通信装置 物質転送装置 ダクト型書類転送装置 現実をスキャンする装置 自動翻訳機 記憶転送装置 現実拡張装置 宇宙船 水素変換装置搭載車 自動操縦自動車 電子的制御された馬 空中を走る列車 空飛ぶ車 ホバークラフト 13 テレビ ビデオメモ TV型通信機器 記憶を投影するモニター 6 8 自動操縦の車 宇宙空間を走る列車 ワープ可能な戦闘機 戦車 戦艦 アーチ型の監視機 電子バイク スケートボード 8 ※図中の数はそれぞれのテクノロジーがみられた作品数を示す ■ 身体の変化 瞬間移動、飛行、戦闘力向上、身体形 状の変化など 軍事用仮想訓練機器 家庭用ゲーム機 など 図8 仮想空間に入るための装置 英題 〈乗物〉 25 10 図9 仮想空間における身体の変化 2. Total recall 24. Avalon 25. Resurrection of the little match girl 6. the Lawnmower man 8. Arcade 28. X-Gamer 34. Tron legacy 1. Tron 19. Hot war 23. VORTEX 14. the Lawnmower man 2 20. the Matrix 26. the Matrix Reloaded 27. the Matrix Revolutions 12. JM 13. Expect no mercy 11. Virtuosity 16. Virtual obsession 31. Cargo 15. Nirvana 7. Alien intruder 4. Circuitry man 10. Plughead rewired circuitry man 2 5. Mind warp 9. Brainscan 17. Open your eyes 18. Thirteenth Floor 22. the Cell 30. Ghost Machine 21. Existenz 3. Jacob's ladder 29. the Cell 2 32. Chatroom 33. Inception ● ●●● ●● ● ●●● ● ● ●●● ● ● ● ●● ● ●● ● ●● ● ● ● ●⃝ ⃝⃝ ⃝ ⃝⃝⃝⃝⃝ ⃝⃝⃝⃝⃝ ⃝ ⃝⃝ ⃝⃝⃝ ⃝⃝⃝⃝ ⃝⃝ ⃝ ⃝⃝ ⃝ ⃝ ⃝⃝⃝ ⃝⃝ ⃝ ⃝⃝ ⃝⃝ ■ ■ □ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ □ □ ■ ■ ■ ■ ■ □ □ □ □ □ □ 10 〈現実強調〉 現実空間でテクノロジーによる 身体拡張がみられるグループ r v3 v4 g3 v1 g2 l h1 g1 d 仮想空間では、現実空間 にない電子バイクや記憶 転送装置のような、多く のテクノロジーによる身 体拡張がみられる。 v5 単純型 × 仮想強調 7. Alien intruder 31. Cargo 16. Virtual obsession ■ 93 ■ 09 ■ 97 4. Circuitry man 15. Nirvana □ 91 ❖ ❖ 23. VORTEX 25. Resurrection ❖ ❖ ❖ ❖ 17. Open your eyes ❖ 図 10 映画にみれられるテクノロジーと身体の変化 11 凡例 ⃝= 現実空間 ●= 仮想空間 = 現実空間と仮想空間 ❖ □ 01 a1 i3 ■ 97 2)サイバーパンクとはコンピュータが支配する未来社会を描く SF のひとつ(広辞苑)。 3)コンピュータや情報機器がインターネットによって結びつけられ、世界的な規模でコミュニケーショ ンや情報サービスが展開される状況を、空間的な比喩でイメージしやすく言い表したもの。Cyberspace 4)サイバーパンクという SF のジャンルが台頭した1980年以後から現代までに発表され、コンピュー 知度の観点より、「サターン SF 賞」や「アカデミー賞」などの各映画賞や映画祭への出展作として選ば マーシャル・マクルーハン『人間拡張の原理』:竹内書店新社 (1967) 伊東豊雄『透層する建築』:青土社 (2000) 巽孝之『サイバーパンク・アメリカ』:勁草書房 (1988) v2 e3 w2 n i4 d b i2 x a2 x 3. Jacob's ladder ❖ ❖ ❖ ❖❖ ❖ ❖ 22. the Cell ❖ ❖ ❖❖ ■ 01 ■ 99 ❖❖❖ ❖❖ ❖❖❖ ■ 99 ■ 03 ■ 95 ❖ ■ 95 8. Arcade 28. X-Gamer ■ 00 32. Chatroom n2 n1 e2 g d w2 h1 l w1 r h2 r1 g a f1 h1 l r i w s2 f2 v1 放射型 × 強調なし 現出する拳銃 ❖ ❖ 6. Lawnmower man ■ 92 JM the Matrix Revolutions Lawnmower man 2 Plughead rewired ■ 95 ■ 03 ■ 96 □ 94 ■ 93 ■ 05 12. 27. 14. 10. □ 09 33. Inception h2 n3 w n2 a3 e1 n1 h2 v3 r2 e2 h1 a2 e3 d1 f b1 d2 v2 s g r1 a1 33. Inception ❖❖ ❖ 複数混在型 30. Ghost Machine 29. the Cell 2 h2 18. Thirteenth Floor 仮想空間 r2 混在型 × 仮想強調 ■ 94 ■ 99 □ 99 現実空間における研究施設か ら、仮想空間の銀行、ダンス フロア、ホテルへの複数の接 続がみられ、両空間にはテク ノロジーによる身体拡張がみ られない。 仮想空間では、すべ ての傷を治す装置 や、現出する拳銃と いうったテクノロ ジーによる身体拡張 がみられる。 h3 混在型 ❖❖ s1 図 11 映画にみられる情報化社会における身体イメージ n3 28. X-Gamer 複数放射型 □ 90 ■ 91 h1 e1 主人公の身体変化 複数放射型 × 現実強調 11. Virtuosity 9. Brainscan 18. Thirteenth Floor 21. Existenz No. 作品名 ユニットの組合せ 身体変化 仮想空間に入る装置 制作年 h2 放射型 凡例 25. Resurrection e1 ■ 97 13 現実空間でも仮想空間でもテク ノロジーが特にみられず、両空 間に差異がないグループ h1 もつといい、身体の物理的側面のみならず、意識的な側面に関する認識がみられる。 20. the Matrix 26. the Matrix Reloaded 13. Expect no mercy 5. Mind warp 〈強調無し〉 g といい、建築家の伊東豊雄は情報化社会における現代人は「リアルな身体」と「バーチャルな身体」を 24. Avalon 19. Hot war 単純型 接続形式 l1 1)たとえば、マーシャル・マクルーハンは「電子メディアによって我々の身体は意識の拡張をしてる」 20. the Matrix ■ 82 ■ 10 ■ 90 ■ 01 □ 01 1. Tron 34. Tron legacy 2. Total recall v1 註 v1 現実空間において多くのテクノロジーによる 身体拡張がみられ、複数の仮想空間では、そ れぞれ異なる身体を持つ。 電子バイク 34. Tron legacy 〈仮想強調〉 仮想空間でテクノロジーによる 身体拡張がみられるグループ e v2 強調なし 全身義体 筋電義手 電子義眼 小型延命装置 身体冷凍保存装置 酸素供給装置 インプラント記憶装置 インプラント発振器 《道具》 〈武器〉 h2 現実強調 〈人工生命〉 g4 仮想強調 《身体》 道具 乗物 通信 武器 人工 義体 〈義体〉 身体 デバイス 身体変化 3.現実空間と仮想空間における身体拡張 b2 ❖❖ ❖ ❖ □ 10 □ 09 □ 08 仮想空間が階層を持つこと で、様々な空間への接続が繰 り返し描かれる。さらに、接 続には携帯型の装置が用いら れることで、現実空間と仮想 空間が連続的に表現される。 仮想空間 複数混在型 × 強調なし
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