動力伝達のゴム製軸継手 - 東洋ゴム化工品株式会社

動力伝達のゴム製軸継手
トーヨーラブフレックスカップリング
東洋ゴム化工品株式会社
はじめに
機械を添え付け、
カップリングを装着するとき、
駆 動 軸と従 動 軸 の 芯 出しにお困りになった
ご経験はありませんか?
また、原動機や被動機によって生じる振動や
衝 撃による騒 音にお困りの 方も多 いことと
思います。
このような動 力 伝 導 軸システム上 の 多くの
問題点にお答えするトーヨーラブフレックス
カップリングは、
当社の多年に渡る技術を結集
して設計・製作された軸継手で、その優れた
可撓性と振動吸収性により、
これらの悩みを
すべて解決することができます。
カップリングの 取り付け作 業 の 簡 素 化 の み
ならず、
更に、
作業環境の改善ひいては振動等
からくる公害問題の解決に大きく貢献できる
ものと信じています。
一方、長期無給油の状態で使用でき、
メイン
テナンスフリーによる省力化にも大きな役割
を果たせるものと確信しています。
目 次
はじめに
1
トーヨーラブフレックスカップリング RFH型RF型特徴
RFH型寸法と性能
3
〃
RF型寸法と性能
5
〃
RFH型RF型選定方法
7
〃
ばね特性図表
9
〃
取付・注意・保守・点検・交換
11
〃
使用中の保守・点検要領
12
表紙の製品金具部(銀色)
はカタログ用に塗装し撮影したものです。
1
2
〃
トーヨーラブフレックスカップリング RFH型 RF型 特長
RFH型、RF型は強力な補強繊維を芯体として、その両面を特にすぐれた屈曲疲労に強いゴムで被覆した
カップリングです。
1.
可撓性が非常に大きい
軸の偏角、偏心、間隙誤差を広範囲に許容することが出来ます。なお、
このような仕様で、
ご使用頂く場
合、
程度に応じて反力が発生するため機器の損傷を招く恐れもありますので、
ご注意願います。
(ばね特性図表P9を参照願います。)
a図
偏 角
両軸の許容偏角(Δθ)は各サイズとも
3°
以内です。
(a図)
偏 心
両軸の許容偏心(Δh )はカップリング
各サイズの外径の1%以内です。
(b図)
Δθ
b図
Δh
Z2
c図
間隙誤差(エンドプレイ)
両フランジ間 隙( Z2 )の 許 容 誤 差は
+0
カップリング各サイズの外径の−2 %以
内です。
(c図)
2.
衝撃の緩和並びにトーションダンパーとしての性能がすぐれている
高弾性のゴムで出来ていますので、衝撃の緩和、
振動の吸収が極めて良好です。従って回転が非
常に静かで防振の役目をします。軸の回転トルク
とカップリングのねじり角とが、ほぼ比例しますか
ら、軸振動を特に考慮しなければならない場合に
は設計が容易になります。
3.
構造が簡単で取り付け取りはずしが容易である
ゴムタイヤの締結金具は圧力リングを所定位置(RF型ではフランジボス段付き部、
RFHでは同溝位置)までボルト締めするだけですから、簡単に取り付けられます。
カップリングを取り換えなければならない場合でも、
ゴムタイヤは一カ所切り離し
てありますから、機械を移動せず取り付け取りはずしが出来ます。
4.
無給油で、保守が容易となり経済的である
水分や麈埃の影響はほとんど受けません。従ってカップリング自体の保守はほとん
ど不要です。金属摩擦の部分がありませんので、運転時の騒音が極めて少ないば
かりでなく、注油の必要がなく、
また摩耗も生じません。継手装置にかかる費用は経
済的です。
2
トーヨーラブフレックスカップリング RFH型 寸法と性能
③
②
⑤
Nーd1
④
H
Z1
Da
B
Dn
d
Df
①
H
Z2
Z3
L
最外径
軸 径
全 巾
d max
Dn
L
H
Df
Z1
Z2
Z3
mm
mm
mm
mm
mm
mm
mm
mm
10
22
38
63
25
125
12.5
30
48
80
RFHー155
155
16
32
60
RFHー180
180
20
35
RFHー210
210
25
RFHー265
265
RFHー310
最 大
Da
d min
mm
mm
RFHー100
100
RFHー125
サイズ番号
フランジ間隙
80
13
5
38
31.5
100
17
7
47
100
40
124
20
9
58
68
125
50
144
25
10
66
50
80
140
56
168
28
12
75
31.5
60
100
160
63
210
34
16
97
310
40
70
118
200
80
248
40
18
113
RFHー400
400
50
85
152
250
100
320
50
23
143
RFHー450
450
63
100
172
315
125
360
65
25
161
RFHー550
550
80
130
210
355
140
440
75
30
191
RFHー700
700
100
160
266
450
180
560
90
40
246
(注)上表は仮組立時の標準寸法を示します。
3
片フランジ
フランジ外径
長 さ
ボス外径
最 小
(注)
1.
フランジの材質はFC200で、特にご指定の場
合はSF440を使用します。
は特にご指定なき場合は、d minの寸
2.
軸孔(d)
0
法となります。
(φd公差ー 1)
3.
特に両軸間の電気絶縁を必要とする場合はご
指示下さい。
4.
適正周囲温度は+20℃近辺です。使用にあた
っては周囲温度が 10 ℃∼+60 ℃内でご使用
下さい。
ボ ル ト 寸 法
呼号番号
名 称
材 質
表面処理
1
フランジ
FC200
ラッカー塗装
(赤褐色)
2
圧力リング
SS400
ラッカー塗装
(赤褐色)
3
ゴムタイヤ
ゴム、
補強繊維
−
4
ボ ル ト
SWCH10R
亜鉛メッキ
5
共通座金
SPCC
亜鉛メッキ
ボ ルト
ピッチ径
本 数
呼び径×ピッチ
首下長さ
許 容
回転数
許 容
トルク
慣 性
モーメント
振 動
モーメント
重 量
B
N
d1×p
ℓ
n
T
I
GD2
W
mm
個
mm
mm
r.p.m.
N・m
N・cm・sec
54
12
M6 ×1
15
5,000
49
68
12
M6 ×1
20
4,500
84
12
M8 ×1.25
25
95
12
M10×1.5
110
16
140
サイズ番号
N・m
㎏
0.0951
0.0373
1.22
RFHー100
98
0.280
0.110
2.12
RFHー125
4,200
167
0.804
0.314
4.56
RFHー155
25
3,500
294
1.69
0.657
6.88
RFHー180
M10×1.5
30
3,000
490
3.55
1.39
9.79
RFHー210
16
M12×1.75
40
2,500
981
11.2
4.38
20.0
RFHー265
165
16
M12×1.75
45
2,000
1,370
24.8
9.73
35.0
RFHー310
210
16
M16×2
55
1,600
3,140
75.0
RFHー400
240
16
M20×2.5
60
1,400
4,900
156
280
16
M24×3
75
1,100
9,810
422
364
16
M30×3.5
100
900
19,600
1,420
2
86.3
2
33.8
115
RFHー450
166
190
RFHー550
557
400
RFHー700
61.1
4
トーヨーラブフレックスカップリング RF型 寸法と性能
③
②
⑤
Nーd1
④
H
Z1
Da
B
Dn
d
Df
①
H
Z2
Z3
L
最外径
軸 径
フランジ間隙
全 巾
d max
Dn
L
H
Df
Z1
Z2
Z3
mm
mm
mm
mm
mm
mm
mm
mm
mm
60
8
12
20
32
10.5
44
11
5
25
RFー100
100
10
22
36
66
26
80
14
10
40
RFー135
135
16
30
48
90
35
108
20
14
53
RFー180
180
23
35
64
120
46
144
28
20
70
RFー210
210
28
50
76
143
54
168
35
27
83
RFー265
265
33
60
95
178
67
210
44
32
105
RFー310
310
36
70
112
208
75
248
58
36
121
RFー400
400
40
85
145
270
100
320
70
44
153
RFー450
450
55
100
165
300
110
360
80
50
171
RFー550
550
90
130
200
365
130
440
105
53
196
RFー700
700
100
160
255
460
165
560
130
70
256
最 大
Da
d min
mm
RFー 60
サイズ番号
(注1)上表は仮組立時の標準寸法を示します。
5
片フランジ
フランジ外径
長 さ
ボス外径
最 小
(注)
1.
フランジの材質は FC200 で( RF60 のみ SS
400です)特にご指定の場合は、SF440を使用
します。
RFー60のみフランジにSS400共通座金に代わ
2.
りスプリングワッシャ
( SWRH4 )を使用してい
ます。
は特にご指定なき場合は、d minの寸
3.
軸孔(d)
0
法となります。
(φd公差ー 1)
4.
特に両軸間の電気絶縁を必要とする場合はご
指示下さい。
5.
適正周囲温度は+20℃近辺です。使用にあた
っては周囲温度が 10 ℃∼+60 ℃内でご使用
下さい。
ボ ル ト 寸 法
呼号番号
名 称
材 質
表面処理
1
フランジ
FC200
ラッカー塗装
(赤褐色)
2
圧力リング
SS400
ラッカー塗装
(赤褐色)
3
ゴムタイヤ
ゴム、
補強繊維
−
4
ボ ル ト
SWCH10R
亜鉛メッキ
5
共通座金
SPCC
亜鉛メッキ
ボ ルト
ピッチ径
本 数
呼び径×ピッチ
首下長さ
許 容
回転数
許 容
トルク
慣 性
モーメント
振 動
モーメント
重 量
B
N
d1×p
ℓ
n
T
I
GD2
W
mm
個
mm
mm
r.p.m.
N・m
N・cm・sec
N・m
㎏
29
12
M4 ×0.7
10
4,000
7.53×10−3
0.0029
0.28
RFー 60
54
12
M6 ×1
15
4,000
29
0.0875
0.0343
1.21
RFー100
70
12
M8 ×1.25
20
4,000
78
0.384
0.151
2.87
RFー135
95
12
M10×1.5
25
3,000
147
1.51
0.588
6.38
RFー180
110
16
M10×1.5
30
3,000
294
3.19
1.25
9.40
RFー210
140
16
M12×1.75
40
2,000
736
10.1
3.96
19.0
RFー265
165
16
M12×1.75
45
2,000
1,230
22.4
8.77
31.0
RFー310
210
16
M16×2
55
1,600
2,700
70.0
RFー400
240
16
M20×2.5
60
1,250
4,900
139
280
16
M24×3
75
1,000
9,810
378
364
16
M30×3.5
100
800
19,600
1,260
9.8
2
79.1
2
31.0
サイズ番号
101
RFー450
148
170
RFー550
492
358
RFー700
54.6
6
トーヨーラブフレックスカップリング RFH型 RF型 選定方法
1. カップリングのサイズを決めるにはまず次式によってMdを求めます。
P(PS)
P(KW)
Md= n ×9547×K または
n ×7024×K
Md=運転状態に於るトルク
(N・m)
P=駆動機械の出力(KWまたはPS)
n=カップリング使用個所の最小回転数(r.p.m.)
K=衝撃係数は原動機及び被動機の種類によって次表から求めます。
2. 上式より求めたMdの値をサイズ表に示したT(P4、P6、P8の許容トルク)の範囲内で求めて下さい。
(P10図表をご利用下さい。)
3. 選定されたカップリングサイズの許容最大軸径(d max)が、必要な軸径より小さければ一段大きいカップリングを
ご採用下さい。
4. 選定されたカップリングは、必ず許容回転数以下でご使用下さい。
主要単位のSI単位への換算係数
トルク
( )内の数字は変換例です
SI単位
従来単位
簡易換算表
SIへの換算係数
N・m
(981N・m)
㎏f・m
(100㎏f・m)
1㎏f・m≒10N・m
9.80665
SI単位とは、International System of Units の略で国際的に統一された単位の事です。
衝撃係数(K)の決め方
衝 撃 係 数 (K)
駆 動 機の種 類
機械の
特 徴
B
C
D
電 動 機
1.0
1.5
2.0
3.0
内 燃 機
(気筒数4以上)
1.5
2.0
2.5
3.5
内 燃 機
(気筒数3以下)
2.0
2.5
3.5
5.0
ト ル ク 変 動 の
頻 度 と 大 き さ
極 小
小
中
大
小 型 発 動 機
動 力 用 発 動 機
大
ベ ルト コ ン ベ ア
チェー ン・コン ベ ア
ウ
イ
ン
チ
小 型 工 作 機 械
サ ンド ブ ラ ス タ ー
ピ
ス
ト
ン
小 型 ホ イ ス ト
バ ケット・コン ベ ア
ブ
ロ
ワ
ー
(毎時60回以内)
ベンチレーター
カ
ッ
タ
ー
小型遠心ポンプ
ク
ホ
イ
ス
ト
木
中 型 工 作 機 械
(毎時300回以内)
遠
心
ポ ン プ
グ ラ イ ン ダ ー
油
圧
ポ ン プ
大
被 動 機 の 種 類
A
工
機
械
小型ベンチレーター
レ
ー
ン
型
型
リ フ ト
ポ ン プ
製 紙 用ド ラ イ ヤ ー
製 紙 用 カレ ン ダ ー
フライホール付
レシプロポンプ
ホ
イ
ス
ト
(毎時300回以内)
各
種
ミ
ル
ク ラ ッ シ ャ ー
鉄鋼熱延
テーブルローラー
コ ン プ レッサ ー
ド レ ン ポ ン プ
大
型
プ レ ス
ドラムバーカー
製 紙 用 カッタ ー
7
KW・回転数・トルク関係図表
Md=
RFH型
P(KW)
n ×9547×K(K=1) 又は
P(PS)
n ×7024×K(K=1)
100000
RFHー700
10000
RFHー550
RFHー450
RFHー400
RFHー310
RFHー265
RFHー210
RFHー180
RFHー155
RFHー125
1000
トルク
(Nーm)
100
950kW
750
550
450
370
300
220
190
150
110
95
75
55
37
30
22
19
15
11
7.5
5.5
3.7
RFHー100
10
2.2
0.75
1
0.4
0.2
0.1
1
RF型
10
100
回転数(r.p.m)→
1000
10000
100000
RFー700
10000
RFー550
RFー450
950kW
750
550
450
370
300
220
190
150
110
95
75
55
45
37
30
22
19
15
11
7.5
5.5
3.7
RFー400
RFー310
1000
RFー265
トルク
(Nーm)
100
RFー210
RFー180
RFー135
RFー100
10
2.2
1.5
0.75
RFー60
1
0.4
0.2
0.1
1
10
100
回転数(r.p.m)→
1000
10000
8
トーヨーラブフレックスカップリング ばね特性図表
カップリングの回転方向の弾性、即ちねじりばね定数は許容トルクまでほぼ直線関係が成立します。
特性図は、RFH型、RF型共に共通です。
1. ねじり特性関係図表 <参考値>
2. こじりトルク角度関係図表 <参考値>
250
100000
RFHー700(2940 Nーm/degree)
RFHー550(1570 Nーm/degree)
RFHー450(981 Nーm/degree)
RFHー400(539 Nーm/degree)
10000
RFHー550
△θ
200
RFHー310(275 Nーm/degree)
1000
RFHー450
RFHー265(196 Nーm/degree)
RFHー210(98 Nーm/degree)
150
RFHー180(64 Nーm/degree)
RFHー155(34 Nーm/degree)
RFー135(20 Nーm/degree) トルク
(Nーm)
RFHー125(18 Nーm/degree)
トルク 100
(Nーm)
RFHー100(9.8 Nーm/degree)
RFHー400
RFHー310
RFHー265
100
RFー60(2 Nーm/degree)
10
RFHー210
RFHー180
50
RFHー155
1
RFー135
RFHー125
RFHー100
0
0.1
0
1
2
3
4
ねじり角(deg)
5
6
3. 軸直角方向荷重たわみ関係図表 <参考値>
0
1
2
3
4
Δθ
(deg)
5
6
7
4. 軸方向荷重たわみ関係図表 <参考値>
3.5
7
RFHー550
3.0
RFHー700
6
△h
2.5
5
△d
RFHー450
2.0
4
1.5
3
RFHー400
1.0
RFHー450
2
RFHー310
RFHー265
RFHー210
0.5
RFHー155
RFHー125
0
0
9
RFHー550
荷重
(kN)
荷重
(kN)
1
2
3
Δh
(mm)
RFHー400
RFー135
RFHー100
4
5
RFHー310
RFHー265 RFHー210
RFHー180
RFHー155
RFー135
RFHー125
RFHー100
1
RFHー180
0
6
0
1
2
3
4
5
6
7
Δd
(mm)
8
9
10
11
12
5. 回転数−軸方向変位曲線 <参考値>
30
RFHー700
20
RFHー550
変位量
(mm)
軸方向変位
一方をフリーとする
(固定)
RFHー450
RFHー400
10
RFHー265
RFー135
RFHー210
RFHー155
RFHー125
RFHー180
RFHー100
RFー60
0
1000
2000
3000
4000
回転数(r.p.m)
6. 回転数−遠心力によるスラスト荷重 <参考値>
10
RFHー700
9
遠心力
8
7
RFHー550
6
(固定)
RFHー450
(固定)
スラスト
荷重
5
(kN)
4
RFHー400
3
2
RFHー310
1
RFHー265
RFHー210
RFHー180
0
0
1000
2000
3000
4000
RFHー155
RFー135
RFHー125
RFHー100
RFー60
5000
回転数(r.p.m)
10
トーヨーラブフレックスカップリング 取付
1. 取 付 方 法 [RFH・RF各型共通]
手順1
手順2
⑤
④
② ①
②
⑤ ①
④
3山程度ねじ込む
Z2
間隙注意
【第 1 図】
【第 2 図】
両軸端にフランジ①を、予め準備したキー等を用いて
取り付けます。この時、圧力リング②は共通座金⑤と
共に、
フランジ①にボルト④で3山程度ねじ込んでおい
て下さい。尚、両軸心間の精度(第 7 図偏心、偏角)に
ついては、表A記載の取付基準値以下であることを確
かめて下さい。
フランジ①が所定の位置になるように調整します。両
フランジの間隙量(第 2図Z2寸法)は、P3∼8記載のフ
ランジ間隙に合わせます。このZ2の値は、全周にわた
り均一に調整することが必要です。
手順3
⑤②③
④
①
【第3ー1図】
タイヤセット
間隙注意
【第3ー2図】
【第3ー3図】
ゴムタイヤ③を、
フランジ①と圧力リング②の間に取付けます
(第3ー1図参照)。ゴムタイヤは周上で1ヶ所切除してい
ますので、
この切除間隙寸法が下表の最大タイヤセット間隙以下になるようにセットして下さい(第3ー2、および次ペ
ージ図参照)。尚、
セット時、
ロープ、帯布等を用いてタイヤ外周を仮締めして行うと、比較的容易に取付けが出来ます
(第3ー3図参照)。その際、
タイヤを傷つけないように樹脂製ハンマー等で叩きながら、全周均一に金具とタイヤが沿
うようにセットして下さい。
11
手順4
手順5
RF型
RFH型
Ⓐ
【第 4 図】
Ⓑ
【第 5 図】
新品時にボルト④の締代は、フランジボス部外面に
次に圧力リング②をボルト④で締付けます(第 4 図参
照)。締付けは、対称位置のボルトを交互に締付け、均
一な圧縮力がゴムタイヤ側面にかかるようにします。
RFH型では溝(第5図B矢印)を、RF型では段(第5図A
矢印)をつけていますので、圧力リングを溝又は段と
同一面になるまで全周にわたり、均一に締めて下さい。
尚、取り外し後、再組立の際は、
この溝又は段より更に
「増し締め」をして下さい。
手順6
軸心間の精度
両軸間の偏心
⑤
Δh
⑤
共通座金を
曲げる
両軸間の偏角
【第 6 図】
Δθ
次にボルト④の回り止めの為、共通座金⑤の角部をボ
ルトの頭にそって曲げ、座金の端がボルトの頭に密着
するようにして下さい。尚、曲げる時は座金の角、端部
で手や指を切らないよう注意して下さい。
( RF ー 60は、
スプリングワッシャーです。)
作業終了後、安全上、必ずカバーの装着をお願いします。
表A
【第 7 図】
取付基準値及び許容値
サイズ
60
100 125 135 155 180 210 265 310 400 450 550 700
両軸間の偏心Δh(mm)
カップリング外径寸法の1%以内
両軸間の偏角Δθ
(deg)
以内
カップリング各サイズとも3°
最大タイヤセット間隙(mm)
1
2
2
2
2
2
3
3
3
4
取付方法について御不審の点があればお問合せ下さい
4
6
6
[RFH、RF各型共通]
12
トーヨーラブフレックスカップリング 取付・注意・保守・点検・交換
2. 使用に際しての注意事項
①回転数、
トルク、軸径等使用条件が必ずP3∼6 の許容値以下
であることを確認し、万一超えている場合には直ちに使用を中
止して下さい。
尚、
トルクは衝撃係数をかけた値が許容トルク以下になるよう
にして下さい。
②共通座金がボルトの回り止めとして折り曲げられていることを
確認し、不十分な場合には確実に折り曲げて下さい。
(第6図参照)
③タイヤセット間隙(右図参照)が前ページ表の取付基準値内に
あることを確認して下さい。もし、基準値外の場合は再組立し
て下さい。
(再組立の際は、必ず増し締めをして下さい。)
④軸心間の精度(偏心、偏角)は必ずP2の取付基準値内で使用
して下さい。
⑤クレーン巻き上げ装置等において、
カップリング破損等による
空転が許されない場合には、
ブレーキ、脱落防止等の安全装
置を必ず設けて下さい。
⑥安全カバーを必ず装着して下さい。
⑦回転によりスラスト力が発生しますので、それ以上の強度を有
する軸受、構造にして下さい。尚、
スラスト力はカタログに記載
されています。
⑧適正周囲温度は+20 ℃近辺です。使用にあたっては周囲温度
が 10℃∼+60℃内でご使用下さい。
3. 保守・保管についての注意事項
①油、
グリース類、酸、
アルカリ、塗料、その他有機溶剤などが付
着しないように注意して下さい。万一、付着した場合は直ちに
拭き取って下さい。
②直射日光を受ける場所に置かないで下さい。
③ゴム部が異常な変形をするような置き方、
場所は避けて下さい。
④刃物や鋭利な物等でゴム部に傷が付かないように注意して下
さい。
⑤長時間保管する場合は、
ポリエチレン等で密封し、
40℃以下で、
暗く、乾燥した場所に保管して下さい。
4. 定期点検及びゴムタイヤ交換基準
半年に1 回以上の定期点検を行い、次項の基準に従い交換して
下さい。
尚、点検は必ずラブフレックスカップリングを完全に停止させて行
って下さい。
①ゴムタイヤに亀裂(特に圧力リングに沿って)
が発生し、その
深さが表Bの値に達した場合
②ゴムタイヤのタイヤセット間隙が表Cの値に達した場合
③増し締めによりゴムタイヤの締付け部の締代がほとんどな
くなった場合
④ゴムタイヤの締付け部が摩耗し、凸凹が生じたり、繊維が露
出した場合
⑤ゴムが油、
グリース類等の付着により一部でも粘着や軟化し
た状態になった場合
⑥ゴムが温度あるいは長期間の使用により硬化した場合
13
タイヤセット間隙
ゴムタイヤ
圧力リング
表 B
表 C
亀裂深さ限界値
タイヤセット間隙限界値
サ イ ズ
限界値
サ イ ズ
限界値
60∼155
180∼265
310
400∼550
700
1mm
2mm
3mm
5mm
8mm
60
100∼180
210∼310
400∼450
550∼700
3mm
5mm
6mm
8mm
10mm
[表B、Cともに、RF・RFH各型共通]
カップリングの選定及び設計を依頼される場合は‥‥
駆 動 軸 の 伝 達ト ル ク
常用 最大
駆 動 軸 の 回 転 数
常用 最大 最小
駆 動 軸 の 回 転 方 向 (例、一方・正 逆)
原 動 機 の 種 類 (例、電動機・ガソリンエンジン等)
被 動 機 械 の 種 類 (例、
ポンプ・送風機・コンベヤー等)
カップリングの制限寸法
直径 mm迄 全巾 mm迄
原 動 機 の 軸 径
被 動 機 械 の 軸 径
使
用
環
境 (例、屋外屋内、周囲温度、油の付着、薬品、注意事項参照)
その他特定事項をご連絡下さい。なお、軸穴加工をご希望の場合は、
カップリングのサイズ番号の他、両軸の
軸径及びキー溝寸法、仕上公差をご連絡下さい。
(加工費は別途申し受けます。)
その他ご不審の点があれば、
お問い合わせ下さい。
14
東洋ゴム化工品株式会社
ホームページアドレス http://www.toyo-ci.co.jp
本 社 〒162ー8622 東京都新宿区天神町10番地 安村ビル
03ー3235ー1712
大阪支店 〒530ー0003 大阪市北区堂島1ー5ー30 堂島プラザビル11F 06ー4799ー6517
札幌支店 011ー747ー1040 中国支店 082ー567ー2123
東北支店 022ー292ー1855 四国支店 087ー869ー1595
中部支店 052ー973ー2900 九州支店 092ー411ー8303
本カタログに記載されている製品の名称、
サービス名称等は東洋ゴム工業株式会社の日本登録商標または商標です。
また記載内容は予告なく変更することがあります。あらかじめご了承ください。
2015年10月作成 / 15051BSO R A