平成27年12月期第3四半期決算 電話会議質疑録

【電話会議議事録】平成 27 年 12 月期
<日 時>
<登壇者>
第 3 四半期決算について
2015 年 10 月 30 日(金) 17:00-18:00
グループ財務担当ディレクター、ブラジル担当執行役員、
グループ経営戦略担当ディレクター
<決算全般>
Q.営業利益の下方修正と純利益の下方修正が同じ幅の理由は?
(担当ディレクター)修正した見通しでは、ブラジルキリンの、のれん等償却前営業利益がマイナス
見通しとなったことにより課税所得額が見込めないこと、次期中計が確定していないことを踏ま
え、税金の影響を考慮していないため。
<日本綜合飲料>
Q. キリンビバレッジについて、第 4 四半期にかなり利益を出さないといけない計画になって
いるが、利益の下振れリスクが残るのではないか?
(担当ディレクター)自販機は、冬期の自販機商品ラインナップを強化するため、ホット商材等を中
心に例年以上に充実させていき、売上を増やしていきたい。手売りでは、メッツ中心に定番化に
向けた強化を図り、利益が取れる容器に販促費をかけて、利益を確保し、固定費は徹底的に抑え
て、今までの減分を取り返したい。販売数量増のモメンタムは継続しているので、利益商材を拡
売しながら、トータルでは、トップライン増とコスト削減で、現在の計画を目指していきたい。
Q.キリンビバレッジについて、数量も大事だが、利益を出すのも大事であり、今後は利益が課
題となってくる。今年はこれだけ売上を伸ばしたため、来期はかなり高いハードルとなる中で、
どのように利益を立て直していくのか?どういう戦略で進めるか?
(担当ディレクター)この状態で良いとは全く思っていない。中期・短期に分けて、構造的な課題と
オペレーションの課題を明確にして取り組んでいる。構造的課題は、3 大カテゴリーで比率を上
げる、自販機チャネル基盤を強化する、自製比率を上げる、競合と比較して固定費を見直すこと
である。若干時間がかかるが、着々と進めている。オペレーショナルな課題解決はスピーディー
にやらないといけない。容器ミックスの改善について取り組んでいるが、まだ大型容器の特売比
率が上がっており、計画より変動販促費が出ている状況が続いている。佐藤社長が現場を回って、
改善の方策の浸透を進めているが、まだ時間を要している。これらの課題に合わせ、ブランドを
強化していくことを中長期的にやっていきたい。来年中計の中では、キリンビバレッジの低収益
改善を最優先課題の一つとして、危機感を持って取り組んでいくようにしており、できるところ
から始めている。現在計画を組んで着々と進めているが、2 月には詳しく説明したい。
Q.キリンビールの利益増減について、その他費用が増益要因となっているが、通期の計画から
大きく乖離が出ている。人件費減等が大きく出ているが、第 4 四半期はどうなるか?また、固
定費について、来期以降も増益要因となってくるか?
(担当ディレクター)人件費は、例年以上に要員削減があった。減価償却費も、これまでの投資抑制
の効果がでており、来期以降にこれまで以上に出てくことは厳しい見通しである。修繕費は、事
故を起こさない範囲で最低限で必要であるが、その中で適切な修繕費の使い方を進めている。来
期以降も修繕費の削減を継続していく。
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Q.キリンビールの販売費については、第 3 四半期までは計画通り進んでいるのだろうが、足
元では競争が激化している。来期以降も、販売費を増やさずに現在の水準でシェアアップできる
か?
(担当ディレクター)今年は、競合と伍して戦っていけるレベルの販売費をかけて、成果も出ている。
しかし、現在、使い方は精査しており、効果が出たかどうかを検証している。シュリンクしてい
る市場の中で、ブランドを強化していくためには、従来とは違う費用の使い方を検討している。
より効率的な販売費となるように、現在計画している。
Q.キリンビールの第 4 四半期計画について、減益要因はそれほど無いように見えるが、30~40
億円の減益計画となっている。第 4 四半期に経費をかける戦略があるのか?
(担当ディレクター)修繕費はこれまで抑制してきたので、設備稼働の安定化のため、第 4 四半期は
修繕費の枠を設けている。
Q.日本綜合飲料事業について、大きなブランド投資を行った結果、9 か月経って持続的な成長
が見えてきているか?将来の持続的なブランド育成に成果があったのか?
(担当ディレクター)キリンビールについては、一番搾りに集中投資しており、お客様からの評価は
確実に上がり、ブランド力が高まった。機能性カテゴリーでも、のどごしオールライトを含め市
場で高い支持を得ており、確実に投資効果が出て、キリンならではの強みが発揮されている。キ
リンビバレッジは課題があるが、午後の紅茶については、着実に成長につながっている。今年は
炭酸カテゴリーに参入しメッツを強化してきた。特に上半期中心に投資を強化して、炭酸カテゴ
リーでは一定の成果が出た。しかし、販売費に対する利益は出ていないことは課題である。構造
的な問題もあり、来年に向けて、ブランド投資と費用コントロールを両立させていきたい。
<海外綜合飲料>
Q.ブラジルについて、最大ボリュームの第 4 四半期で利益が低くなっている。ワンタイムの
費用を見込んでいるとのことだが、来期の効果はどう見ているか?
(担当ディレクター)粗利に関しては、レアルドル安が進行しており原価高となった影響を大きく受
ける。缶の比率が上昇し、主力の 600 瓶が減ってマイナスとなったことも影響している。販売
費に関しては、スキンブランドのデザインリニューアルにより、広告販促を進めることもある。
自社卸設立による社員雇用に伴う人件費増・倉庫設備等の減価償却費増がある。また、構造改革
に向けた準備費用も見込んでおり、それが 12 月に発生する見込みとなっているため、利益水準
が下がっている。
(担当執行役員)上期までは、数量減少の要因について、上半期は不採算取引の解消・競合及び
価格の影響が半分ずつと分析していたが、価格政策の研究を進めるにつれて、価格の影響がもっ
と大きいことが分かった。現在では、不採算取引解消・価格政策・競合及び卸の要因が 3 分の 1
ずつと見ている。価格政策により、グロスマージンは低くなってしまうため、変動費の効率化で
対応していく。売上については、今年に比べると来年はかなり高い水準が期待できる。
Q.ブラジルは、マージンの目線は下げておいた方が良いか?
(担当執行役員)マージンは来年もレアル安が続くことを想定しており、保守的に見込んでいる。
それをカバーするために間接費等を下げて、しっかりと利益水準を上げていきたい。
Q.ブラジルの足元の競争環境はどうなっているか?
(担当執行役員)第 3 四半期までは、かなり厳しい環境が続いていた。ところが、9 月以降の価
格戦略見直しにより大幅にシェアを盛り返している。市場データはまだ出ていないが、弊社の出
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荷数量を見ていると、競合を押し戻していると見ている。北東部は一番重要な市場であり、競争
状況としては、最悪の事態からは脱している。
Q.ブラジルについて、EBIT▲30 億円、営業利益▲98 億円と大きく出ている。来年、現時点の
改善プログラムでどれくらいの改善を見込んでいるか?(担当執行役員)利益については、大幅
な数量増による限界利益増はあるが、レアル安と価格戦略見直しにより、これまでのような粗利
の改善は見込めない。そこで、コスト削減、変動販促費削減を合わせて進めていき、今年と比較
すると大きく改善していく。しかし、EBITDA を以前のような水準に戻すような計画は作ってい
ない。まずは流通の信頼を獲得し、数量を回復させ、利益を改善していく。来期については、現
在精査しているが、一気に改善できるかは微妙なラインである。
Q. ブラジルの減損リスクについては?
(担当ディレクター)現時点でどれだけ減損が出るかは今後の減損テスト次第である。今後監査法人
と協議進めていく。次期中計の審議などが 12 月に控えているので、テスト結果は年末から年明
けにずれ込む可能性がある。新 CEO の元で価格戦略の見直しや、足元での販売数量の回復が見
られ、一方コスト構造改革を進めており、中期的には業績が回復すると見ている。また、会計上
の処理としては、日本会計基準でのれんとブランド償却累計額が約 300 億円となっている。今
後のれんやブランドの減損額が、それぞれの償却累計額を超過すれば、減損となる。減損テス
トの評価方法によっても、減損判定の値が異なってくる。結果が分かり次第ご説明する。
以上
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