家庭医養成後期研修プログラム - 1 - 1、はじめに 社会の進歩は民主

家庭医養成後期研修プログラム
1、はじめに
社会の進歩は民主主義の徹底の度合いによりはかられます。社会には貧困、戦争、環境破壊、
病気など様々な不幸があり、中でも、個人の尊厳を守り人格を尊重して行くために、患者、住民
の疾病に最初に接する家庭医の役割は重要です。
様々な理由で医療にアプローチできない人も含め診療圏の全ての患者に差別なく、権利として
の高度な家庭医療を提供できるように、質の高い、地域で暮らす人たちが求める家庭医を養成し
ていきたいと考えています。
2、プログラムの名称
鳥取生協病院家庭医養成後期研修プログラム
3、プログラムの概要
当研修プログラムは家庭医を目指す医師のための後期研修プログラムである。
1)研修の到達目標
本プログラムを修了した医師が、地域の中で診療所長もしくは病院の総合医として医療・介
護・保健活動を行っていくために必要な知識・技能・態度を修得する。
2)個別目標
(1)家庭医を特徴づける能力
・患者中心・家族志向の医療を提供する能力
・包括的で継続的、かつ効率的な医療を提供する能力
・地域・コミュニティをケアする能力
(2)家庭医が持つ医学的な知識と技術
・健康増進と疾病予防
・幼小児・思春期のケア
・高齢者のケア
・終末期のケア
・在宅医療
・女性の健康問題
・男性の健康問題
・リハビリテーション
・メンタルヘルス
・救急医療
・臓器別の問題
(3)全ての医師が備える能力
・診療に関する一般的な能力と利用者とのコミュニケーション
・プロフェッショナリズム
・組織・制度・運営に関する能力
4、研修期間
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家庭医養成後期研修プログラム
初期研修終了後、3年間を原則とする。
5、研修場所
(1)病院名:鳥取生協病院
(2)診療所名:わかさ生協診療所
せいきょう子どもクリニック
おおたか診療所
6、人材
(1)研修プログラム責任者名:菊本直樹
(2)プライマリ・ケア連合学会指導医名
菊本直樹、角田佳穂、角田直子、守山泰生
(3)各々の専門診療科指導医名
内科:菊本直樹、岡田睦博、宮﨑慎一、山上英明、山本雅司、木村信行、角田直子、森田照
美
外科:竹内勤、皆木真一、鈴木一則
整形外科:角田佳穂
小児科:長尾昭久
脳神経外科:齋藤基、城戸崎裕介
精神科:田治米佳世
緩和ケア科:竹内勤、大呂昭太郎
7、プログラムの内容
1)全期間を通じて、恒常的に行われているべき研修項目
(1)外来における患者中心のケア:鳥取生協病院、わかさ生協診療所、おおたか診療所で計3
年間行う。
(2)近接的なケア:鳥取生協病院、わかさ生協診療所、おおたか診療所で計3年間行う。
(3)包括的なケア:鳥取生協病院、わかさ生協診療所、おおたか診療所で計3年間行う。
(4)保健や介護関連のケア:鳥取生協病院、わかさ生協診療所、おおたか診療所などで計3年
間行う。
(5)家族志向、地域志向のケア:鳥取生協病院、わかさ生協診療所、おおたか診療所で計3年
間行う。
2)研修項目
(1)必修項目
①診療所研修:わかさ生協診療所およびおおたか診療所で最低6ヶ月行う。
②内科研修:鳥取生協病院内科で最低6ヶ月、入院・外来研修を行う。
③小児科:鳥取生協病院およびせいきょう子どもクリニックで最低3ヶ月、入院・外来研修を
行う。
(2)望ましい研修項目
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家庭医養成後期研修プログラム
①一般外科、心療内科、救急医学、整形外科、放射線科、心エコー、腹部エコー、胃内視鏡、
往診、健診などを単位研修として履修しても良いし、選択研修として期間集中的に行って
も良い。
②その他(3年間通じて実施する内容)
・地域の住民対象の健康教室
・地域の住民の集まり(健康まつりなど)への参加
・療養型施設(鹿野温泉病院)・グループホームなどの企画への参加
・企業健診など健康増進活動への参加
・初期研修医の相談役となる
・学会・セミナー参加
・指導医講習会の修了
・全日本民主医療機関連合会の制度教育などへの参加
・研究活動(プライマリ・ケア連合学会での発表)
8、プログラム責任者会議
生協病院院長、プログラム責任者、各科科長、わかさ診療所所長、せいきょう子どもクリニ
ック所長、おおたか診療所所長で構成。
以下の項目を議論し、また運営する。
(1)本プログラム研修医に関わること
(2)家庭医療指導医の養成に関わること
(3)本プログラムの改定に関わること
(4)本プログラム研修医の修了認定
(5)その他
9、評価とフィードバック
1)外来研修で受け持った患者は、後期研修1年目は全例、2・3年目は初診患者の全例をフィー
ドバックする。
2)各科研修では事前のニーズ評価を行い、3ケ月以上の研修期間は中間と終了時の評価を行う。
3)診療所では多職種評価形式(ポートフォリオ等)で週1回の振り返りを行う。
4)後期研修委員会、指導医会の評価を経てプログラム責任者会議で最終的な評価を行い、その
評価に責任を持つ。
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