平成 21 年度予算要望

Ⅰ はじめに
門川市政がスタートしてまもなく 10 か月を迎えようとしています。
昨年秋、私たち民主・都みらい京都市会議員団は、桝本市長 4 選不出馬の表明を受けて、桝本
市政 12 年間の点検と総括をし、
「私たちが目指す京都市像~新市長に求めるもの~」を提示し
て、門川大作氏に出馬を要請、推薦を決定しました。そして寒い時期の選挙戦でありましたが、
門川市政誕生に向けて全力を挙げ勝利しました。
しかし、相乗り批判に加え、職員不祥事が続いたことで門川市政の誕生直後から市民の眼差
しは大変厳しいものがありました。このことを原点において、門川市長は現地・現場主義を貫
き、マニフェスト実現と市役所刷新のために「京都未来まちづくりプラン(骨子)
」を発表し、
実施に向けて取りかかられました。この「京都未来まちづくりプラン(骨子)
」は、今後の門
川市政の羅針盤であり、
「京都力を育み、共汗と融合で進めるまちづくり」を目標に「いのち」
、
「環境」
、
「知恵」
、
「ひと」
、
「刷新」がキーワードとなっています。逼迫した本市財政の中で市
民生活を守るための政策・施策の取捨選択はもちろんのことでありますが、世界を覆う金融不
安に発する日本経済の疲弊は、今後大きく市民生活に影響を及ぼし、本市財政にさらに大きな
暗い影を落としそうであります。京都力を育み「共汗」と「融合」でこの危機を乗り越えるに
は、門川市長を先頭に、職員、議会はもとより、市民の協力で「京都未来まちづくりプラン」
を着実に実現できるかどうかにかかっています。
私たち民主・都みらい京都市会議員団は、京都市長選挙の際に「私たちが目指す京都市像~
新市長に求めるもの~」
、統一地方選挙の際に向こう 4 年間に京都府内の各地方自治体で実現
すべき「民主党京都マニフェスト・京都スタイル」の政策提言を策定しました。
ここで2つの提言の要旨を記しておきます。
<1>「私たちが目指す京都市像~新市長に求めるもの~」
①COP3 開催の地として、公約の温室効果ガス 10%削減ができるまちにする取組
②自主自立の市民を生み出す、教育や自治制度を確立できる取組
③自然災害に強く、犯罪も少ない、安心安全を実感できるまちにする取組
④所得格差の拡大にも対応すべく、誰もが生活しやすいまちにする取組
⑤高速道路・地下鉄などの巨大投資を一時凍結するなど、選択と集中が一層進み、産業支援が
進む取組
⑥職員不祥事が発生しない信頼ある京都市役所づくりへの取組
<2>「民主党京都マニフェスト 京都スタイル ~2011 年に民主党がめざす京都のかたち~」
より民主的で自立した社会
より生活者本位の社会
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持続可能で、より環境に配慮した社会
より包容力のある社会
より格差の小さな社会
これらを理念として、子育て、教育、環境、安心、労働、公のあり方などについてマニフェス
トを掲げています。
以上 2 つの政策提言の趣旨を十分にご理解の上、市政運営にぜひ活かしていただきたいと思
います。
私たち議員団は、これらの政策提言を基本に、未来の京都を明るいものにするため、その一
翼を担う決意のもと、平成 21 年度予算要望書を作成し提出するものです。
なお、予算要望書は、基本政策の考え方(6 項目)、各分野要望(158 項目)、そして行政区別
要望(55 項目)の3部構成(合計 219 項目)となっています。そのうち 23 項目が重点項目(☆印)
です。
つきましては、実現可能なものとそうでないものをはっきりと示し、
「検討して参ります」
という抽象的な回答ではなく、誠意ある回答とともに実現に向けての実施を要望するものです。
Ⅱ 基本政策の
基本政策の考え方
【1】「いのち」
市民の生活と一人ひとりの人権を守ること、自治体が第一に取り組まなければならないこと
です。社会的な弱者である子ども、高齢者、障がい者などの福祉・医療や教育を後退させるこ
となく、市民福祉の政策・施策を進めることが大切です。
また、交通バリアフリーやユニバーサルデザインの理念を基本にまちづくりを進めること、
自然災害や火災、犯罪被害などから市民を守る安心・安全のまちづくりを進めることなどを基
本にあらゆる施策を進めていただきたい。
【2】「環 境」
本市は「京都議定書」発祥の地であります。地球温暖化対策に向け温室効果ガス削減に取り
組み、環境先進都市を目指さなければならない宿命にあります。環境モデル都市の認定はもと
より、公共交通優先の歩いて楽しいまちへの施策の推進や、更なるごみ減量の取組も大切です。
また、大都市としては稀な三山の自然と緑を有しています。市民の理解を得て新景観政策に
基づいたまちづくりを進め、京都創生の理念を基本に品格のある環境歴史都市づくりを進めて
いただきたい。
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【3】「知 恵」
本市は歴史都市であります。先達の進取の気風と伝統文化が共存し、町衆の知恵が息づく都
市であります。
また、大学のまちであり、伝統産業はもとより、世界に名だたるベンチャー企業と中小企業
が生きるまちでもあります。町衆の知恵を活かし、企業と大学と市民が連携して、知恵を発揮
できる経済政策の実施、雇用の確保や中小企業への支援、さらに京都創生と文化・観光政策を
進めていただきたい。
【4】「ひ と」
本市は地蔵盆などに見られるように、他都市に比べて地域コミュニティが残っている都市で
あります。市民が連帯・参加して「共汗」できるしくみを小学校や区役所などを拠点に形成す
ることが求められています。子どもたちが地域力で育ち、自治と自立の気概をもった市民がい
きいき生活できるまちづくり、
また、留学生や外国籍市民も自己実現できる多文化共生のまちづくりを目指していただきた
い。
【5】「刷 新」
不祥事の根絶は京都市政にとって大きな課題であります。今、職員が誇りを持って仕事がで
き、市民に信頼される市役所に生まれ変わることが求められています。
「信頼回復と再生のた
めの抜本改革大綱」を仕上げ、市民に喜ばれるサービスを実践するとともに、全庁“きょうか
ん”実践運動を進め、職員の活性化に向け、明るい市役所づくりに全力を挙げて取り組んでい
ただきたい。
【6】「財 政」
本市財政は、地方交付税のなどの減額もあり、今後 3 年間で 1 千億円近い財源不足が見込ま
れています。加えて、世界金融の危機から日本経済の未曾有の落ち込みが懸念され、元々脆弱
な本市の財政状況は、今後市民税の大幅な減収など、さらに危機的な状況を迎えることが予測
されます。かつて財政非常事態宣言が発せられ、事業の見直しや凍結、給与カットなどが実施
されました。今後とも市民生活を守るという立場を堅持し、政策評価システムを活用しつつ、
財政状況の開示に努めるなど行財政改革を果敢に進め、市民の理解を得て予算編成に取り組む
ことを求めます。また、効率的な行政運営をめざして府市強調を強め、二重行政の解消に積極
的に取り組んでいただきたい。
以上、6 項目を基本的な政策の考え方として、以下、分野別・行政区別に予算要望いたします。
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Ⅲ 分野別要望
1.行財政改革
【1】厳しい財政状況を受け、第三者委員会で予算付けの基準により優先順位を設けて全事務
事業を見直すこと。さらに、財政の効率化を図るため、
「事業仕分け」を試験的に導入するこ
と。
【2】 外郭団体のあり方については、経営状況や事業の公共性の点検に加え、市民サービス
のあり方も点検し見直すこと。
【3】
「新高度情報化推進のための京都市行動計画~e21(2007 版)~」に基づいて行政の効
率化、市民サービスの向上、市民への多様な情報の提供などを目的として、インターネットの
活用など電子自治体づくりに更に取り組むこと。
【4】住民基本台帳の管理や各種事業運営において、市民の個人情報保護に万全を期すこと。
また、民間事業者に対しても周知徹底すること。
☆【5】公正で透明な地方自治推進のため、情報公開の推進と説明責任を果たすこと。また、
政策評価システムの積極的な活用を図ること。なお、市民に分かりやすい手法でその成果を公
開すること。また、市民に対する説明責任を高めるために予算書・決算書などを理解しやすい
ものに改めること。
【6】
「市庁舎整備懇談会」が始まったが、本庁舎については、老朽化・狭隘化が進み、職場
環境の整備が急務となっているため、当面はその改善に努めること。
【7】ふるさと納税寄付金制度ができて「だいすきっ!京都。寄付金」と命名された。全国の
京都ファンから多くの寄付が集まるよう広報すること。
【8】指定管理者には公益性を最大に守るため、倫理観に裏打ちされたコンプライアンス(法
令遵守)と公正労働基準の遵守を徹底させること。また、事業の効率優先ではなく、公共サー
ビスの質の確保を図るよう指導すること。
【9】入札制度の改善が進んでいるが、公正労働、環境(ISO や KES の導入)
、人権、男女共
同参画、子育て支援などの社会的価値を入札の基準とした政策入札制度を更に進めること。
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【10】本市財源の安定確保と税の公平性の観点から、
「京都市滞納市税等特別対策本部」の
活動を継続し、市税や各種料金の徴収の強化を図ること。
【11】宿泊税など課税自主権の拡大について具体的に検討すること。
☆【12】特色ある主体的な区の取組をさらに支援するため、区の政策立案機能を充実させ、
予算を大幅に配分すること。
【13】経費負担の軽減をはかるため、戸籍事務電算化は新庁舎整備を予定している行政区か
ら行うこと。
【14】市民からの相談・まちづくり業務充実のため、区役所の職員数の増員とともに、研修
体制を充実させること。
【15】区役所出張所で用件が済ませられるよう多機能化を検討・実施すること。
【16】市民ニーズに対応して、区役所など窓口サービスの利用時間のさらなる弾力化とワン
ストップサービス化、総合窓口の充実を検討・実施すること。
【17】次期各区基本計画の策定にあたっては、①区民・区役所が取り組むまちづくりに関す
る施策、②各局が取り組む当該行政区の関連施策、の 2 つに区分するなど、区民にわかりやす
い構成としつつ、いずれも出来る限り広範な区民の意見を計画に反映できるようにすること。
☆【18】職員不祥事問題の対策については、信賞必罰により服務規律が概ね徹底できた後は、
市民サービス向上のための人材活性化・業務改善に取組の重点を移し、市民に信頼される市政
を構築すること。その際特に技能労務職場で、①仕事の目標として数値目標を導入する、②職
員の資質を向上させる研修を積極的に導入する、③人材育成的な観点で定期異動を実施する、
の以上3点に留意すること。
【19】職員の時間外勤務の適正化とその縮減に向けた実効ある施策を推進すること。
【20】職員・学校教職員のメンタルヘルスに関して本人が気兼ねなく相談でき、治療を受け
られ、職場復帰に希望が持てるようサポート体制を整備すること。
【21】自前施設の整備を前提とした従来型の行政運営を見直し、廃校舎活用等の本市既存施
設や本市所有の空き地、民間施設を活用した行政運営を積極的に採用し、財政負担の軽減に努
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めること。
【22】市民へのパンフレットなどによる広報については、簡単でわかりやすい日本語を使う
こと。
2.共汗と融合
☆【23】
「共汗」と「融合」が市政運営のキーワードとなっている。そこで、
「共汗」では、
従来以上の市民への説明責任と市民意見を重視するとともに、職員自身も一市民として積極的
に参加すること。
「融合」では、政策監の役割そのものが融合を実現するとの自覚に立ち、そ
の使命を全うするとともに、その成果のわかりやすい広報に努めること。
【24】更なる市民参加推進計画の実施によって市民の「共汗」をつくり出すことができる。
「おむすびミーティング」の確実な実施や「未来まちづくり100人委員会」などの議論を踏
まえて、市民参加による協働のまちづくりを進めること。
【25】学校は地域住民の文化・防災・福祉の拠点になることが求められる時代になっている。
今後も学校と地域住民との交流事業を促進すること。
【26】市民ボランティアの活動を支援するため、必要に応じて本市負担でボランティア保険
に加入すること。
【27】本市も出資して「きょうと市民活動応援提携融資」の充実が図られることになったが、
NPO団体などと地域力を高め、
「共汗」のまちづくりを進めるために、多くの団体が活用す
るよう周知に努めること。
【28】マンション居住世帯の割合が増加(例えば中京区は、57.8%)していることから、地
域とマンション住民の交流は喫緊の課題となっている。そこで、両者の交流を推進する際、進
捗状況を検証しながら支援の充実に取り組むこと。
3.まちづくり・景観・交通
【29】
「国家戦略としての京都創生」は、景観、文化、観光の各領域での取組が行われてお
り一定の前進が見られるところであるが、財政的危機が続く中、各課題解決へのハードルはな
お非常に厳しく高いと言わなければならない。こうした状況の中、京都が「文化首都」である
が故に、長期的戦略課題の「京都創生」は、更にねばり強く追求され続けなければならない。
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この取組を始めてから 7 年が経過した現在、これまでの総括を行い、今後の中長期的展望を立
てること。
☆【30】新景観政策が施行されて 1 年余りが経つ。概ね市民の理解を得ているが、既存不適
格のマンション居住者、建設業界、広告業界など関係する市民の声を聞くことも大切であり、
説明とともに意見交換を行うこと。さらに、以下の項目に取り組むこと。
①マンション建て替えや町家保存など支援制度の充実に努めること。
②袋路再生事業、まちなみ整備支援事業などを更に充実すること。
③三山をはじめとする本市周辺の山々は、京都の歴史的景観の基本である。
「京都市眺望景観
創生条例」を活かして取り組むこと。
④電線類の地中化事業を進め、景観保全と道路の有効利用を図ること。ついては「無電柱化推
進計画」に基づき、トランス等のコンパクト化に努力しつつ、着実に事業を推進すること。
⑤屋外広告物については、色彩・形状なども考慮し、文化芸術都市-京都にふさわしいものと
なるよう、市として厳しく指導するとともに、見合ったものについては評価すること。道路上
の違法広告物に対しても適正に対処すること。
☆【31】昨今の駐輪場を取り巻く現状に鑑みると都心部、駅周辺、商店街周辺の駐輪場の整
備は喫緊の課題である。平成 21 年度に新設を予定されている民間駐輪場整備の助成制度につ
いては、多くの民間会社からの申請に応えられるよう予算を確保するとともに、民間会社、地
権者へ周知徹底すること。また、駐輪場付置義務の強化、自転車道の充実などに更に取り組む
こと。
【32】
「歩いて楽しいまち」の実現を目指して、交通政策マスタープラン「
『歩くまち・京都』
総合交通戦略(仮称)
」を策定するための準備が進んでいる。地下鉄はじめとする鉄道と市バ
ス・民営バスのネットワークの充実と公共交通優先のまちづくりを基本に、自転車の活用、パ
ーク・アンド・ライドの実施や LRT の可能性も含めて交通社会実験を大いに実施するととも
に、子どもや高齢者、障がい者に配慮した交通バリアフリーの「歩いて楽しいまち」を実現す
ること。
① 新交通システム LRT や IBT については、現在策定中の「
『歩くまち京都』総合交通戦略(仮
称)
」の中にしっかりと位置づけること。その中でも LRT の「今出川線」については、地元の
意向に最大限の配慮をしながら慎重に検討を進めること。
②「歩いて楽しいまちなか戦略」の推進にあたっては、地域住民や関係業界・団体等との十分
な協議を行い、交通社会実験を繰り返すなど市民合意をはかりつつ進めること。
【33】天神川以西の交通政策については、方式を含めて検討を進めること。
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【34】市バスについては、乗客サービスの向上をはかりながら一層の効率化に努め、経営の
健全化に全力を傾注すること。また、下記項目についても鋭意取り組むこと。
①市民の足である路線バス網の充実と生活支援路線への支援など公共交通優先施策の促進、
②ゾーンバスシステムなどの実現による、都心部に過度に集中するバス運行の是正の実現とダ
イヤの確保、③バス専用レーンの実効強化
【35】交通バリアフリーの取組が順次進められているが、市バスにおいては、ノンステップ
バスの更なる導入や停留所の改善、地下鉄においては、案内表示の改善やトイレの洋式化に努
めること。
【36】利用客への不便や与えるイメージに鑑み、漏水対策をはじめとする地下鉄駅の施設改
善に万全を期すこと。
☆【37】市バス・地下鉄については、現在設置されている「乗っておくれやす大作戦プロジ
ェクトチーム」
、
「歩くまち京都 地下鉄増収・増客対策チーム」で検討されている増客対策を
京都市役所一丸となって実践し、成果を上げるよう早期に取り組むこと。
【38】小型バス・ジャンボタクシー運行実験の成果を踏まえ、生活支援路線の増客対策とと
もに、公的支援を制度化すること。
【39】京都駅烏丸口周辺の交通渋滞を緩和するために、八条口の積極的な市バス利用を検討
すること。
【40】公園のない学区の解消をはじめ、公園緑地の建設に積極的に取り組み、
「京都市緑の
基本計画」を推進し、緑のネットワークづくりを更に進めること。また、公園愛護会や街路樹
里親制度など都市緑化ボランティアの拡充と活用にも取り組むこと。
【41】都市計画道路、街路の建設に当たっては下記路線を重点に、一層の努力を傾注し、交
通渋滞の解消に努めること。
ア 御陵・六地蔵線
イ 久世・梅津・北野線の桂川新橋架橋
ウ 府道中山・稲荷線の整備拡張
エ 国道 367 号大原地域の歩道の整備
オ 羽束師墨染線の早期着手
カ 羽束師大橋への接続道路(関連道路)の早期実現
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【42】幹線街路に準ずる街路において、右折レーンの増設などによって渋滞が解消される箇
所がある。このような交差点の改良に順次取り組むこと。
【43】市民生活の基盤となる一般道路維持補修費を今後とも十分確保し、市民の要望に迅速
に応える体制づくりに努めること。
☆【44】京都高速道路のうち、残る油小路線(斜久世橋区間)が予定通り平成 23 年 3 月末
に完成するよう建設を推進すること。また、油小路線(直線区間)と稲荷山トンネルの利用が
低迷している状況を受け、阪神高速道路株式会社と協議し、更なる通行料金低減など利用促進
に努めること。
【45】浸水防除と都市環境改善のため、歩道の透水性舗装を進めるとともに、車道について
も透水性舗装及び透水性石材の更なる普及を進めること。
【46】橋梁等公共物の耐震化工事が進められているが、完了するにはまだ多くの年数を要す
る。年次計画を立てて積極的に進めること。
【47】道路や橋梁など既存の社会資本を効率的に維持管理するため、アセットマネジメント
(公共建築の最適維持管理)の手法を積極的に導入すること。
【48】ブロック舗装歩道の復旧工事をする際、美観に配慮した工法を検討すること。
【49】老朽市営住宅については、市営住宅建て替え事業を促進するなど、引き続き市営住宅
建設事業を進めること。その際、エレベーターやスロープを設置し、バリアフリー化をはかる
こと。既設の中層住宅(4・5 階建て)へはエレベーターの導入を推進すること。また、改良
住宅については、留学生の入居など空室対策を更に進めること。
【50】市営住宅の一般公募における「子育て世帯優先住宅」募集の戸数を拡充すること。
【51】葬儀場建設が各地で問題となっている。最低面積及び駐車場の規定を設けるなど、周
辺住民への配慮がなされるよう条例・規則の整備に向けて取り組むこと。
【52】高度集積地区については、産業支援等複合施設の整備を早期に行うとともに、生活・
にぎわいのある魅力あるまちづくりを進めること。
【53】ゼスト御池のにぎわい創出のため、食関連施設の誘致を進めること。
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4.環境
☆【54】京都議定書発祥の地として、
「京都市地球温暖化対策計画」に基づき、
「
“DO YOU
KYOTO?”~『カーボン・ゼロ』を目指す『地球共生型都市・京都』~」への取組が進んで
いる。
「カーボン・ゼロ都市」をまちづくりの基本として、施策を進めること。なお、政府の
環境モデル都市に選ばれるよう全力を尽くすこと。
【55】
「京都市地球温暖化対策計画」に基づき、温室効果ガス削減に努めているが、市民、
産業界の理解と参加を得て、目標値の達成に向けて更に努力すること。また、地球温暖化対策
を推進する動機付けとなるように、温室効果ガス削減状況をタイムリーに発表すること。
【56】
「環境にやさしいライフスタイルを考える市民会議」が発足した。深夜営業について
コンビニ業界の不参加が話題になっているが、粘り強く参加を求めて議論を尽くすこと。
【57】林業対策と地球温暖化防止の観点から、北部地域の施設においては燃料として木質バ
イオマスを利用すること。
【58】温室効果ガスである二酸化炭素を排出しない自然エネルギーの利用を促進するため、
住宅用太陽光発電システム設置助成制度を利用しやすいように拡充すること。また、採算にの
るように売電価格を上げるよう国に働きかけること。
【59】廃食用油回収については、市民との共汗で目標の 2000 箇所の回収拠点拡充をはかる
こと。また、
「みやこ・めぐるオイル」を市バスや収集車の燃料として一層活用すること。
【60】公共施設でのグリーン電力利用を 10%以上にするよう努めること。
【61】ヒートアイランド対策として、市内中心部において緑化運動を進めるため、公共施設
やマンション等の屋上緑化を義務付けるとともに支援する取組を一層進めること。
☆【62】平成 20 年 11 月に「京都市ごみ収集業務改善実施計画」の骨子が発表された。ごみ
収集業務に関しては、徹底した効率化が必要である。しかし、ごみ処理といった大枠について
は、市民と本市の信頼関係に頼るところが大きいので、根幹は直営を基本とすること。事業系
ごみ削減や産業廃棄物処理については、本市主導による取組を一層進めること。
【63】今後ごみ行政に対する市民の理解・協力を促進するため、全市的な市民組織を立ち上
げること。
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【64】生ごみ等の分別収集による新たなエネルギー生成モデル実験の実施にあたっては、①
他都市の先行事例を参考にする、②協力する市民の意見を聞く、③協力する市民の負担を出来
る限り減らす工夫をする、の以上 3 点に留意すること。
【65】魚アラリサイクルセンターのトラブルの原因究明を徹底して行い、賠償も含めた責任
追及と再発防止にしっかりと取り組むこと。また、地元への説明責任を十分に果たすこと。
【66】有料指定袋制の実施に伴う財源を特別会計化し、基本のごみ減量の取組と環境意識の
向上、まちの美化推進に限定した支出とし、使い切りでない財源として蓄え、有効に使用する
こと。
【67】
「新京都市循環型社会推進基本計画(仮称)
」の策定にあたっては、ごみ行政に関する
情報公開を徹底し、市民の協力を最大限に引き出す中で更なるごみ減量の推進をめざすこと。
【68】寺社仏閣等から出る大量の落ち葉を、事業系ごみとして焼却するのではなく、街路樹
里親制度と同様に腐葉土として再利用する策を検討すること。
【69】中小河川の美化に取り組むこと。そして堤防緑化、歩道整備、四季に応じた花木の植
樹を促進し、市民の憩いの場となるほたるやめだかの生息可能な河川環境づくりに努力するこ
と。また、ほたるに関する活動が様々なところで活発化している。今後は市民の協力を得て「ほ
たる実態調査」を行い、環境意識向上をめざした活動を進めること。
5.産業・観光
【70】本市経済の活性化を図るため、スーパーテクノシティ構想の実現に向けて産・官・学
の連携のもと更に積極的に取り組むこと。
【71】
「京都市伝統産業活性化推進計画」に基づき、厳しい情勢にある伝統産業の更なる活
性化に向け努力すること。また、本市の和装産業の振興を目指し、ニューデザイン、ファッシ
ョン、観光部門などソフト面の充実も視野に入れて、産・官・学のパートナーシップが発揮で
きるシステムを取り入れること。
☆【72】最近の世界的な金融危機により日本経済は大きな打撃を受けつつある。そこで、特
にその影響を受ける中小零細企業を守るため、今後も金融支援の取組を積極的に進めること。
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【73】
「おいでやす京の商い~京都市商業ビジョン2004~」に基づき、商店街や商業者
の活性化に向けた支援策の拡充により、今後とも商業振興を推進すること。また大型スーパー
などの出店については、
「まちづくり条例」と「京都市商業集積ガイドプラン」に基づき、地
元の小売店や商店街と共存できるよう引き続き指導を強化すること。
【74】国でも中小企業憲章制定の動きが見られるが、本市では「中小企業支援条例(仮称)
」
を制定し、より中小企業が活性化する土壌をつくること。
【75】商店街振興を目的とした地域通貨の発行に向けた取組を進めること。
【76】
「農村振興基本計画」
「農村環境計画」に基づき、重要性を増している都市農業の振興
を図ること。また、市民が自然に親しむ機会づくりとして「市民農園」の拡大に取り組むこと。
【77】森林は地球環境保全や人々に安らぎを与える重要な役割を担っていることから、雇用
創出の観点も含め林業振興に積極的に取り組むこと。また、北山産木材に対する需要振興に努
めるとともに、間伐材の活用を図ること。
【78】農作物への鳥獣被害が多発しており、一層の支援策を講じること。
【79】地域の活性化につながるコミュニティビジネスの育成を支援すること。
【80】ネットカフェ難民など若年層の失業及びフリーター・ニート対策として雇用の創出対
策を進めること。
【81】本市として伝統産業品のブランドを創設し、直販に近い流通経路とすることで、比較
的安価で購入できる体制をつくること。また、後継者育成に努めること。
【82】伝統産業の今後の活性化策として若手作家の発表の場を増やすことも大切である。本
市イベントの際、若手作家の販売ブースを併設させるなど、積極的に機会を提供すること。
【83】西陣の持っている高度な技術力、デザイン力、空き町家などの資源を活用し、高成長
の見込まれる IT、ソフト開発などのベンチャー企業(西陣 SOHO)の育成をはかり、
「新しい
西陣」のまちづくりを進めるとともに、人材育成や事業継承の支援に取り組むこと。
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☆【84】
「新京都市観光振興推進計画 ~ゆとり うるおい新おこしやすプラン 21~」に基づ
き、観光客誘致に取り組み、入洛客は 4,900 万人を突破した。また、源氏物語千年紀事業など
の取組も行われ京都ブームは続いている。そこで、国の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」
などと連携しながら観光客誘致に努めること。さらに、以下の項目に取り組むこと。
①パーク・アンド・ライドの更なる実施などでの観光交通渋滞の解消を図ること
②わかりやすい観光案内板の設置、観光トイレの整備などに努めること。
③民間の知恵を生かしてエコツーリズムやニューツーリズムを更に開発すること。
④更なる観光振興を図るため、さまざまなメニュー(会議・観光用)を用意し、経済効
果の高いコンベンションの本市誘致を積極的に推進すること。
⑤円高により外国人観光客の入洛客の減少が懸念される。魅力あるメニューを開発し、海外に
PR すること。
【85】中央卸売市場第一市場については、梅小路の水族館計画、食の安心・安全への関心の
高まり、市民に開かれた市場への期待といった最近の情勢変化を踏まえて「京都市中央卸売市
場第一市場マスタープラン」を賑わいをもたらすプランに変更して実施すること。
【86】中央卸売市場第二市場については、食の安心・安全への関心の高まりに最大限配慮し
た施設改修もしくは建て替えに取り組むこと。さらに、前身の「京都市立と場」設立から平成
21 年で 100 周年を迎えるにあたり、本市を挙げて記念行事を実施されたい。
6.安心・安全
【87】行政区災害ボランティアセンターが災害時に機能するよう体制を整備すること。
☆【88】台風や大雨、ゲリラ豪雨による河川の異常な増水に対し、国、府と連携し、付近に
居住する市民にいち早く危険を知らせる体制・設備の整備に更に努めるとともに、危険箇所の
早期補修を実施すること。
【89】本市周辺には、花折断層をはじめとする活断層が多数存在し、大地震発生の可能性が
指摘されていることから、直下型地震に対応できるよう広域避難場所の確保や不燃化街路の設
定、防災資機材の備蓄、自主防災組織の充実強化など、地域防災計画を着実に推進し、災害に
強い安心・安全なまちづくりを積極的に推進すること。また、災害弱者に対する対策に万全を
期すこと。
【90】消防団組織の充実・強化に努めるとともに、耐震強化など器具庫の改善を図ること。
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【91】平成 16 年度に策定された「京の安心安全ネット総合プラン」に基づき、地域や家庭
における安心・安全意識の向上に更に努めること。
【92】市民生活をおびやかす犯罪が多発傾向にある。生活安全条例の実効性を高め、警察と
連携し市民生活の安全確保に努めること。また、最近多発している悪徳商法や振り込め詐欺な
どの被害防止対策にも警察と協力し解決に向けて取り組むこと。
☆【93】汚染米や食品の産地偽装や残留農薬の問題など「食」に関する問題が次々と起こり、
大きな不安が広がっている。国や府と連携して各種の検査体制の強化はもとより、食品が「い
つ・どこで・だれが・どのように」生産され、流通したのかを追跡・遡及する制度を確立させ、
市民の「食」に対する不安を一掃し、安心・安全の確保に万全の対策を進めること。
【94】防犯・防災の観点から、放置された古い住宅、荒れたままの空き地の解消に向けて取
り組むこと。
☆【95】子どもたちの安全のため、学校や保護者、地域住民が共同して登下校を見守るなど
の努力をしている。今後も更に安心・安全ネットワークを構築するとともに、支援の拡充を行
うこと。また、学校内での子どもの安全確保のための人的配置を検討すること。
【96】携帯電話に関する問題から子どもたちを守るため、保護者や地域住民と情報共有し、
啓発を行うとともに、法整備に向け国に働きかけること。
【97】学校施設の耐震化が順調に進んでいるが、コンクリート外壁が割れたり、鉄骨がむき
出しになるなどかなり老朽化している小中学校もある。危険性があり、全般の改修に取り組む
こと。
【98】動物災害救護対策のための救援活動拠点や救済活動センターの機能を併せ持つ動物愛
護センターを設置すること。
7.人権・男女共同参画
【99】
「京都市人権文化推進計画」の促進を図り、人権文化・人権教育・啓発などを総合的
に推進すること。
【100】「同和行政終結後の行政の在り方総点検委員会」で得た結論を参考に必要な改革・
見直しを行う際、これまでの本市の同和行政における歴史的経過をふまえつつ、当該市民の理
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解を得ながら進めること。
【101】外国籍市民の人権を尊重し、国籍の如何を問わずその生活と権利を保障すること。
具体的には、留学生・帰国子女対策や外国人労働者問題、定住外国人の人権擁護など外国籍市
民懇話会の提言を受けて、年金問題の解決を含めて更に積極的に取り組むこと。
【102】各種審議会や職場における女性の登用を一層図るなど、男女共同参画社会を目指す
取組を強力に進めること。また、DV(家庭内暴力)の問題等を抱える市民を支える事業の充
実を図ること。
☆【103】京都市会において採択された「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)
のまちづくりに関する決議」を踏まえ、本市が率先して実現に向けて施策を進めること。
8.文化・芸術・スポーツ
【104】本市は大学のまちである。
「
「大学のまち京都」
「学生のまち京都」推進計画(仮称)
」
が進んでいる。大学コンソーシアム京都の活動や大学との連携により京都国際マンガミュージ
アムの設置、或いは地域と大学の連携も図られているが、学生がいきいきと暮らし学べるまち
を目指し、産・官・学・地域の連携をさらに図ること。
【105】本市は貴重な埋蔵文化財のあるまちである。研究・調査のための財政的支援を強化
するとともに、多数の遺物を収蔵するための収蔵庫を確保し、市民に公開するなど貴重な先人
の遺産を守り、歴史都市として活用を図ること。
【106】11 月 1 日の「古典の日」を京都市民の祝日とし、古典をより市民に身近にする取
組を進めること。
【107】猛獣舎での職員死亡事故を教訓にして、動物園の全施設を点検し、安全対策に万全
を期すこと。
【108】子どもたちに本物の文化や芸術に触れる機会を与える「ようこそアーティスト 文
化芸術とくべつ授業」については、本年度応募の実態を踏まえ、拡大に向けた更なる取組を行
うこと。
【109】世界歴史都市会議が始まって 20 年以上経つ。自治体交流として世界の多くの歴史
都市と連携し成果を上げてきた。今後も加盟都市を増やし、更に意義のあるものにすること。
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また、姉妹都市と一層の友好と交流を深めるとともに、その友好の証として姉妹都市の名前を
冠した施設(通り、公園など)の整備を検討すること。
☆【110】
「京都市国際化推進プラン(仮称)
」の策定が進んでいる。大学との連携を図って
留学生の生活を守り、外国籍市民もいきいきと暮らせる多文化共生社会を目指すこと。また、
世界文化自由都市を目指す本市にふさわしい建物として国際交流会館の役割は極めて大きい。
京都市民はもとより、留学生や観光客、外国籍市民に親しまれる行事を開催し、交流を図る場
になるよう努めること。さらに、市職員も外国語の習熟に努力すること。
【111】世界文化自由都市宣言の理念を踏まえ、世界に開かれた「文化首都」を目指すこと。
【112】市民がスポーツにより親しめるよう、体育振興会への支援、学校施設の夜間照明の
活用などに努めること。
【113】伏見桃山城運動公園については、子どもからお年寄りまで幅広い年代層に愛される
公園となるよう、特に①幼児・児童の遊戯スペース・施設の設置、②野球場未使用時の多目的
開放を行うこと。また、桃山については、御陵以外の区域を国民公園として国が整備するよう
本市から働きかけること。
9.福祉・医療
【114】本市の国民健康保険制度は、財政的に厳しく保険料も高水準にあり、被保険者の負
担は重い。このため、国に対して制度改革や財政対策を強く働きかけるとともに、本市として
も保険料負担軽減に最大限努力すること。
【115】介護労働者の資質の向上や定着に向け、処遇改善に努めるとともに、国等にも働き
かけること。
☆【116】すべての人にやさしいまちづくり、ひとづくりを目指すため、
「京都市みやこユ
ニバーサル推進条例」が制定された。今後は障がい者や高齢者、外国人、さらには本市の将来
を担う子どもたちなどへも概念を広げ、わかりやすい情報発信を心がけること。全市的取組と
して民間事業者などへも条例の理念に基づく施策への参加を呼びかけ、今後更に広く施策を推
進すること。
【117】長寿社会が進展する中、
「第 3 期京都市民長寿すこやかプラン」を検証し、高齢者
の生きがい対策を充実させ、明るく活力ある長寿社会の形成を図ること。また、NPO 団体と
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も協働しながら、シルバー人材センターを活用した高齢者雇用の確保や老人クラブの活性化、
園芸農園の開設や高齢者向けのニュースポーツの施設づくりに取り組むこと。さらに、現在中
間報告がなされた「第 4 期京都市民長寿すこやかプラン」策定においては、介護予防に重点を
おくとともに、市民からの意見が十分に反映されたものにすること。
【118】特別養護老人ホームや老人保健施設、デイサービスセンター、グループホームなど
の介護基盤整備については、第 3 期のプランの中で進捗状況を検証し、第 4 期プランの策定に
生かすこと。また、計画的かつ着実に整備を進め、全行政区にバランスよく配置し、待機者を
なくす取組を進めること。その他、24 時間対応可能なサービス機能を持つ、
「小規模多機能型
居宅介護拠点」の整備を推進すること。さらに、急を要する既存の特別養護老人ホームのおけ
る多床室に対しての個室化・ユニット化の改修に財政的支援を行うこと。
【119】老人保健施設の整備に関しては、本市の厳しい財政状況に鑑み、地元住民の理解を
得て、学校統合の跡地等を利用し、地域の福祉向上を図ること。
【120】障がい者・高齢者向け公営住宅の増設を図ること。
【121】国の療養病床の削減方針は、施設入所の待機者が多い現状を無視したものであり、
いわゆる「介護難民」を大量に生み出してしまうものである。削減方針の転換を国に働きかけ
るとともに、不足している老人保健施設の整備を図ること。
【122】自宅を所有しているが、現金収入が少ないという高齢者世帯に対し、リバースモー
ゲージ制度導入を検討すること。
【123】多発する親の暴力や育児放棄(ネグレクト)から子どもを守るため、児童相談所の
児童福祉司や職員の増員、夜間窓口の開設、避難擁護施設の拡充、心のケアなどの対策を更に
充実すること。
☆【124】子育て支援の要である保育行政について、各保育園が一層幅広い活動が展開でき
るよう主に以下の点について積極的に取り組むこと。①プール制の堅持、拡充、②公私格差の
是正、③保育園の入園決定時期の繰上げ、④補助額の改善、⑤年度末休暇の見直し、⑥待機児
の解消、⑦発達障がい児の受け入れ、⑧一時保育・延長保育の充実、⑨幼保一元化
【125】救急医療体制の充実に向けて今後とも積極的に取り組むこと。
「病院群輪番制」及
び「輪番制病院運営補助金制度」を維持すること。
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【126】新「京(みやこ)
・子どもいきいきプラン」に掲げる目標 130 箇所の児童館を平成
21 年度までに整備するために残り 7 館の整備を進めること。
【127】認可外保育施設を利用する家庭に対して、認可保育施設を利用する家庭との経済的
負担の格差を是正するため公的助成を行うこと。
【128】子どもの医療費助成を義務教育終了まで延長すること。
【129】障害者自立支援法の施行に伴って自己負担が大幅に増加したため、十分なサービス
を受けることができない状況も生まれ、施設の運営も困難になってきている。そのため、本市
としては新京都方式の支援策を導入しているが、国に対しても法改正による自己負担の圧縮を
図るよう要望すること。更に、障がい者の自立を実効あるものとするよう、法定雇用率を上回
る雇用を確保するための障がい者就労支援などの地域生活支援事業の充実に取り組むこと。ま
た、小規模授産施設や小規模作業所の支援を充実すること。
【130】精神障がい者が置かれている厳しく困難な状況に鑑み、精神障がい者に対しての支
援の充実を図ること。また、市内在住の精神障がい者の秋の祭典である「精神障害者スポーツ
大会」等に対しても支援すること。
【131】発達障害者支援センター「かがやき」と学校・地域や家庭が協力しながら、自閉症
などの発達障がい者を支援する体制を整えること。
【132】市民の健康を増進する施策が進められているが、今後も特に口腔のケア、メタボリ
ック予防など、予防医学の取組を進めるとともに、体力トレーニング、食生活の改善、日常生
活の環境改善等の指導に取り組むこと。
【133】京都の医療の歴史もふまえ「統合医療」推進のため研究を進めること。
【134】市立病院において安心・安全の医療を提供するため、アクシデント・インシデント
の迅速かつ確実な報告、原因究明と対策の実施を引き続きしっかりと行うこと。
☆【135】全国的な医師不足の中、市立病院においても市内大学と連携を図って、とりわけ
産婦人科医並びに小児科医を確保し、救急病院としての体制の確立を行うこと。さらに京北病
院の常勤医師を確保し、北部山間地域での医療体制の充実を図ること。
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【136】京都市立病院整備運営事業等については、公的病院の果たす役割とともに更なる高
度医療機能、感染症や災害医療等の政策的機能さらに地域医療の拠点としての機能向上が求め
られている。今回の整備計画は、その目的を果たす上においても重要なものであり、早期着手
に向け積極的に取り組むこと。
【137】「京都市ホームレス自立支援等実施計画」が策定され、ホームレス対策が本市でも
行われているが、ホームレスの人たちの問題は今もなお深刻な状況が続いている。ついては、
この計画に基づき更に自立支援を進めること。
【138】近年市民からの苦情が多い放置されたペットの糞尿対策の条例化などを検討するこ
と。
10.教育
【139】
「子どもを共に育む京都市民憲章」に実効性を持たせるため、
「子ども権利条例(仮
称)
」の制定を検討すること。
☆【140】
「放課後まなび教室」と学童保育を一本化し、児童の健全育成に努められたい。
【141】洛風中学校の取組成果を積極的に活用し、いじめや不登校問題の解決に努めること。
また、ひきこもりの青年たちへの対策やいわゆるフリースクールへの更なる支援策についても
検討すること。
【142】子どもの健全な育成には、学力以外に体力向上と生活習慣改善に取り組む必要があ
る。ついては、体力および生活習慣の実態調査(食生活調査含む)を定期的に行い、結果を本
人・保護者に知らせ、家庭内での取組に役立つ形をつくること。また、専門的見地から体力向
上および食生活を含む生活習慣全般について改善を助言できる体制整備を進めること。
【143】学校給食での地産地消を更に進め、地域性を生かした食育を実践すること。
【144】学校図書館の地域開放を進めること。また、すべての学校に専門の司書を配置し、
図書ボランティアと連携・協働できる環境を整えるとともに、市立図書館とインターネットで
連携すること。
【145】平成 21 年度より中学校の授業で武道が導入される。指導者の確保とともに道場を
含めた学校施設の整備を進めること。
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【146】カリキュラム開発センターなどを活用し、教職員の資質向上をより一層推進するこ
と。
☆【147】学校運営協議会や学校評議員制度など、地域との連携を深めた学校運営が活発に
なり、学校評価制度も充実してきたが、更に地域に開かれた学校づくりに取り組むこと。
【148】「すべての子どもたちを徹底的に大切にする」を目標に本市の教育が進められてい
るが、子どもたちが健やかに育つことを視点に、子どもたちの個性を育み、学力向上に向けて
着実な教育実践を行うこと。
【149】国際理解のために小学校における英語活動が進んでいるが、中学校での英語教育と
の連携を図ること。
【150】高校の通学圏が変わろうとしている。魅力と特色のある高校教育を目指して市立高
校の改革を進めること。また、進学や就職などの適切な進路指導に努めること。
【151】生涯学習総合センターを拠点に、博物館、美術館、図書館、さらに民間のカルチャ
ーセンターなどとのネットワーク化を図り、生涯学習の機会を提供すること。
【152】国際化時代に対応し、教職員、児童、生徒に国際交流の機会を与えるよう更に努力
すること。また、京都市立学校外国人教育方針に従って多文化共生教育を更に推進すること。
11.上下水道
☆【153】水需要の減少、施設の老朽化など上下水道事業を取り巻く環境は厳しいが、平成
19 年 12 月策定の「京(みやこ)の水ビジョン」及び「京都市上下水道事業 中期経営プラン
(2008-2012)
」に基づき、市民のくらしを守るため、安心・安全の事業運営、環境対策、施設
改善、サービス向上、経営健全化の目標達成に努めること。
【154】入札制度の透明性は改善されてきたものの、低価格の入札・落札の増加や、低価格
落札業者による事故の発生により、局の管理指導体制の不備が指摘されている。落札業者への
厳正で徹底した指導・管理監督とともに、入札制度の更なる改善に取り組むこと。
【155】「水道管管理事業の点検改革委員会」でのとりまとめに基づき、その具体化を進め
ること。今後当委員会での進捗状況を把握し、チェック機関の必要性から当委員会を存続させ
ること。
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【156】水道事業の運営については、IT 技術の導入や業務委託等により、事業の一層の効率
化に努力すること。また、安心・安全な水の確保のため水質管理を強化するとともに、高度浄
水処理施設の整備を着実に進めること。
【157】鉛製給水管解消については、国に補助金創設を要望するとともに、出来る限り早期
に実現すること。また、宅地内の鉛製給水管取替は工事費の一部助成制度の周知徹底をはかり
事業を更に促進すること。
【158】下水道事業については、10 年降雨対策を進め、水共生プランの実現に努め、道路
管理者との連携をより図ること。
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Ⅳ 行政区別要望
北区
【1】府道杉坂西陣線(鷹峯~京見峠~杉坂間)の山間部を走る道路の拡張をはかること。
【2】原谷地域の公共交通の確保と地域振興を図ること。
【3】北区原谷と右京区御室をつなぐ千束御室線について、道路の拡幅を含めた環境整備を進
めるための検討を行うこと。また、改善に至るまでは、土木事務所によるパトロールを一層強
化すること。
上京区
【4】上七軒通石畳舗装化及び電線類地中化を早期に実現すること。
【5】上京区役所総合庁舎化を早期に実現すること。
左京区
【6】八瀬小学校には未だ体育館がない。教育上必要最低限の施設であり、防災上も欠かせな
いことから、建設を早急に進めること。
【7】大原ではこれまで組合で地域水道を運営してきた。本市への移管を求め、議会での請願
も採択されており、実現に向け取り組むこと。
【8】久多、花背地域まで携帯電話基地が設置されたが、依然広河原地域には基地が無く、防
犯や登山者の遭難にも課題を残している。早急に携帯電話基地を設置すること。
【9】左京区新庁舎が松ヶ崎に整備されるが、周辺道路や市バス路線などに課題が残る。開庁
時までに交通網整備を進め、利便性が高く、周辺住民にも配慮した新庁舎になるよう取り組む
こと。
(市バス路線新設、北泉通りの拡幅など)
【10】新庁舎の整備地は左京南部地域からは交通の便が悪く、利用に際しての課題が残る。
そこで、現庁舎跡地に出張所機能を持たせ、左京南部の窓口としての機能を維持すること。
【11】銀閣寺は世界遺産だが、参道の路面状態が悪く、観光客に怪我の要因をつくっている。
参道を整備し直し、安全な観光地にすること。
【12】左京区には未だ地域体育館がない。全区に設けることとなっていた地域体育館を是非
左京区にも建設されたい。
【13】花背峠の鞍馬側は狭隘で路面状態も悪い状況にある。道路拡幅と改修を行うこと。
【14】大原、静原、鞍馬など下水道未整備地区の解消を早期に実現すること。
【15】鞍馬・貴船への行楽シーズンにおける大型バスの乗り入れ規制については、成果を上
げている。今後も継続し、地元関係者や警察と協議しながら取り組むこと。
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中京区
【16】元立誠小学校の跡地活用にあたり、地元住民の総意を尊重し、老朽化が激しい校舎の
早急な耐震強化措置を講じられたい。
東山区
【17】 細街路の多い東山区内では、そこに面している家々が建築基準法上抜本的な改築な
どができず、放置され危険家屋となっているところが多数ある。また、それによって住みたく
ても住めず、過去の賑わいが急激に失われている。そうした状況を打開するためにも、細街路
を見直し、3 項道路指定へ向けての条件整備を検討すること。
【18】歩道拡幅など、東大路通の総合的な「歩くまち・京都」戦略の検討を推し進めること。
【19】 東山区内にはガードレールがあるために、歩行者が使える部分が非常に狭い歩道が
各所にある。ガードレールを側溝上へ移築させるなど、技術的に歩道を拡張する方法を検討す
ること。
(例:妙法院門跡寺院前など)
【20】交差点前の右左折レーンが少ないために不必要に交通の停滞を生じさせているところ
がある。現場の状況を改めて確認し、追加でレーンを設けるなど交通渋滞解消に取り組むこと。
(例:東山五条交差点の北行車線の左折レーンなど)
【21】観光トイレが絶対的に不足しているので、公的機関に休館日でも外側から使用できる
トイレの設置を検討すること。
【22】地域ボランティアによる観光案内がもっと活発化するように、場所の提供を支援する
こと。特に「東福寺駅」周辺については、場所確保について地域と一体となり検討すること。
【23】JR 及び京阪「東福寺駅」への案内表示を総合的に検討し、観光客にわかりやすい形
になるように設置すること。また駅周辺の観光シーズンにおける交通混雑に対して抜本的な改
善の取組を行うこと。
【24】特に観光シーズンの交通渋滞解消のため、市内の駐車場の満空情報をいつでも運転手
にわかる設備を市内各所の効果的な場所に設置すること。(例:五条坂駐車場など)
【25】耐震診断の結果、最も危険な D ランクの消防団詰所が多数確認された。早急に建て替
え等を検討すること。
【26】消防分団によっては、詰所が小学校内に設置されているため、緊急時の資機材の出し
入れに困難が予想される。校外側に出入口を設置するなど独立した設備に改善すること。
(例:
東山区今熊野分団など)
山科区
【27】地下鉄と市バスとの連携や京都駅への利便性向上を含めたバス路線の充実など、山科
の公共交通網整備に取り組むこと。
【28】地下鉄東西線の増客対策の面から、観光やイベントをはじめとした山科・醍醐の地域
情報の広報に力を入れるとともに、「京都観光一日(二日)乗車券」の活用など観光振興に力
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点を置いた施策を講じること。
下京区
【29】高瀬川が五条から南で枯渇状態にある。崇仁での水路変更など以北については整備が
できている。今後水が流れる川にもどすために施策を講じられたい。
南区
【30】
「京都駅南口駅前広場」の具体的な計画を早急に示すこと。
【31】東九条地域は、人口の減少、高齢化の進行、空き地の増加などにより、まちの活気が
失われている。よって、歴史的・文化的魅力にあふれたまちづくりを進めること。
【32】東九条地域 4 小・中学校一貫教育を進めること。
【33】世界遺産である東寺の周辺地域で賑わいあるまちづくり整備を進めること。
【34】JR 京都駅八条口の駅前整備や再開発事業を促進されたい。
右京区
【35】地域住民の生活の確保と京都観光の充実という両方の視点から、京北地域と京都駅を
つなぐバス路線の維持に向け積極的に取り組むこと。
【36】栗尾峠のトンネル事業の完成を地元住民は待ち望んでいる。事業の計画や経過につい
て地元住民に適宜丁寧に説明するとともに、一刻も早い完成に努力されたい。
【37】久世梅津北野線の北伸と、桂川の新橋りょう建設事業については、地元住民との対話
を重視した上で慎重に進めること。
【38】太秦天神川駅と SANSA 右京のオープンに伴って、周辺の人と交通の流れに変化が生
まれている。嵐電の踏切も含め、三条-四条間の天神川通の歩道の安全確保等について対策を
講じられたい。
【39】市バス 70 系統の増便、梅津段町以西の梅津地域と太秦天神川駅を乗り継ぎなしでい
ける便の新設について検討されたい。
【40】阪急西院駅周辺の違法駐輪が年々増え、歩行者や周辺住民が常に悩まされている状況
となっている。まずは実態を把握し、環境改善に向けて鋭意努力されたい。
【41】旧右京区役所の跡地活用案について先日広報発表された。事業の実施にあたっては、
地域住民の意見を踏まえた上で右京の活性化につながるよう努力すること。
西京区
【42】府と共に国へ要望し誘致した国民年金会館京都エミナースの存続については、民間活
力の導入や公的施設への転用も含めて府市協調で検討されたい。
【43】桂川、松尾小学校区の児童の増大にともなう保育園、児童館機能の学区内の定員人数、
設置場所等の地域間格差の解消を実現されたい。
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【44】国道 9 号線西立体交差(千代原口地区)
、京都第二外環状道路(大原野・大枝地区)
、
阪急京都線連続立体交差等の大型公共事業については、国・府と連携し、近隣住民、周辺環境
に十分配慮して建設工事を進めること。
伏見区
【45】淀城跡公園再整備計画を具体化すること。
【46】平成 22 年 1 月に伏見区総合庁舎がオープンする。新庁舎を機に全市における窓口サ
ービスのモデル行政区となるよう取り組まれたい。
【47】伏見区中心市街地の商業・観光振興では、
「食」をキーワードとしたまちづくりを進
めること。特に中書島地域が昼間も賑わうまちとなるよう取り組むこと。
【48】水垂スポーツ拠点施設整備の次の段階として、残りの埋立処分地の活用に向けた検討
を行うこと。
【49】横大路地域の再生を目指したまちづくり計画「伏見ルネッサンスプラン」の実施計画
を住民等の協力で早期に策定し、施策の具体化をはかること。
【50】人口増加の著しい久我・羽束師地域の地域住民の意見を十分参考にしながら、保育園・
学校施設および道路・橋の整備、公共交通の充実に積極的に取り組むこと。
【51】大岩山の環境整備、不法投棄については問題解決に向けて不断の努力を続けること。
【52】外環状線の老朽化で周辺住民は路面の騒音・振動に悩まされている。そこで、特に痛
みの激しい部分の抜本的な改修に取り組むこと。
【53】藤森学区に児童館を整備すること。
【54】近鉄向島駅前に交番を設置するよう取り組むこと。
【55】街灯のない堤防を長距離通学せざるを得ない桃山南小児童がおり、今後もその人数は
増加することが予想される。ついては、あらゆる対策を講じて通学の安全確保に取り組むこと。
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