制度文書の改定に関する審議について

資料2
制度文書の改定に関する審議について
1.系統電力の排出係数
(1)排出係数の改定
【モニタリング・算定規程(排出削減プロジェクト用)】
「別表:系統電力の排出係
数」において、平成25年度の全電源排出係数の値を追加する。
年度
排出係数(kg-CO2/kWh)
全電源
限界電源
平成 21 年度
-
0.524
平成 22 年度
-
0.540
平成 23 年度
0.476
(公表され次第追加予定)
平成 24 年度
0.487
(公表され次第追加予定)
平成 25 年度
0.570
(公表され次第追加予定)
(2)運用の改定
平成25年度の全電源排出係数の値が、現行の限界電源排出係数の値を上回ったことを
踏まえ、移行限界電源方式における排出係数は、全電源排出係数を用いることとする。
【改定案】(赤字下線が追記箇所)
②移行限界電源方式
プロジェクト実施(設備の導入等)直後~1 年後までは限界電源排出係数(受電端)を、
1 年後~2.5 年後までは限界電源排出係数(受電端)及び全電源排出係数(受電端)の平均
値を、2.5 年後以降については全電源平均排出係数(受電端)を採用する。
限界電源排出係数(受電端)は、小規模電源導入等による代替系統電力排出係数ワーキ
ンググループ報告の「小規模電源の導入等により代替される系統電力の排出係数について
(平成 21 年 8 月)」を基に算定した値を使用することとする。(本規程末尾の別表参照)
ただし、限界電源排出係数(受電端)が、全電源排出係数(受電端)よりも低い場合に
は、限界電源排出係数(受電端)として全電源排出係数(受電端)を用いることとする。
※上記改訂案の詳細は、資料 2 別紙1のとおり
1
<運用を改定する理由>
・移行限界電源方式は、国内クレジット制度下において、小規模電源導入等の系統電力
消費量を削減するプロジェクトを推進する観点から導入されたものである。従来、す
べてのプロジェクトで全電源方式を使っていたが、系統の電力消費量を削減するプロ
ジェクトに対して、全電源排出係数よりも高い電力排出係数(限界電源排出係数)を
適用した排出削減量評価を選択可能とすることで、省電力プロジェクトの推進を図っ
てきた。
・この方式の導入に当たっては、限界電源排出係数は全電源排出係数よりも高いことが
前提となっており、制度文書においても限界電源排出係数が全電源排出係数を下回る
ことを想定していない。
・しかしながら、今回、平成25年度の全電源排出係数(0.570[kg-CO2/kWh])が追加され
ることで、現行の限界電源排出係数(0.540[kg-CO2/kWh])が全電源排出係数を下回る
こととなった。
・当初、限界電源排出係数の適用を想定していなかった、電気自動車の導入など系統電
力の使用量が増加するプロジェクトに対して、全電源排出係数を下回る限界電源排出
係数を適用可能とすると、 (全電源排出係数よりも)有利な排出係数を提供することと
なり、クレジット量を過大に評価する結果となる。
・ついては、限界電源排出係数が全電源排出係数を下回る場合には、限界電源排出係数
として全電源排出係数を用いることとする。
2.運営委員会の電磁的方法又は書面による開催について
(1) 【実施要綱】
「2.4 委員会の運営」における運営委員会に関する項目の中に、電磁
的方法又は書面による開催についての規定を追加する。
(2) なお、電磁的方法又は書面による開催については、①各種係数の改定*、②地域
版J-クレジット制度の更新及び変更、③小委員会の設置に限ることとする。
*各種係数とは、燃料の単位発熱量・排出係数、車両の平均燃費・燃料使用原単
位、系統電力の排出係数、各温室効果ガスの地球温暖化係数(GWP)の4つ。
(3) また、現行の実施要綱において、運営委員会に関して「⑤委員会及び配布資料は
原則公開する。ただし、個別の事情に応じて、委員長は委員会及び配付資料を非
公開とすることができる。」と規定されている。これを踏まえ、電磁的方法又は書
面による開催であっても、配布資料及び議事概要は原則として公開とする。
※上記改訂案の詳細は、資料 2 別紙 2 のとおり
2
資料2 別紙1
制度文書改定案
番号
文書
1
モニタリ
第2章
ング・算定
ニ タ リ ン
規程(排出
グ・算定に係
削減プロ
る要求事項
ジェクト
用)
項目
新旧対照表(系統電力の排出係数)
現行
モ
改定案
2.2 係数のモニタリング方法の分類
2.2 係数のモニタリング方法の分類
(略)
(略)
2.2.3. 分類 III:デフォルト値を利用する方法
2.2.3. 分類 III:デフォルト値を利用する方法
下記又は方法論で定められた値を使用しなければならな
い。
下記又は方法論で定められた値を使用しなければならな
い。
(1)電気事業者から供給された電力の排出係数
(1)電気事業者から供給された電力の排出係数
電気事業者から供給された電力の排出係数は、供給を受け
電気事業者から供給された電力の排出係数は、供給を受け
る電気事業者によらずデフォルト値を適用しなければならな
る電気事業者によらずデフォルト値を適用しなければならな
い。なお、適用するデフォルト値はプロジェクト実施者が全
い。なお、適用するデフォルト値はプロジェクト実施者が全
電源方式又は移行限界電源方式を選択することができる。
電源方式又は移行限界電源方式を選択することができる。
①全電源方式
①全電源方式
電気事業連合会が毎年発表する「電気事業における環境行
電気事業連合会が毎年発表する「電気事業における環境行
動計画」における、調整後(地球温暖化対策の推進に関する
動計画」における、調整後(地球温暖化対策の推進に関する
法律で定められた方法により京都メカニズムクレジット等を
法律で定められた方法により京都メカニズムクレジット等を
反映した)全電源排出係数(受電端)を使用することとする。 反映した)全電源排出係数(受電端)を使用することとする。
(本規程末尾の別表参照)
(本規程末尾の別表参照)
1
②移行限界電源方式
②移行限界電源方式
プロジェクト実施(設備の導入等)直後~1 年後までは限
プロジェクト実施(設備の導入等)直後~1 年後までは限
界電源排出係数(受電端)を、1 年後~2.5 年後までは限界電
界電源排出係数(受電端)を、1 年後~2.5 年後までは限界電
源排出係数(受電端)及び全電源排出係数(受電端)の平均
源排出係数(受電端)及び全電源排出係数(受電端)の平均
値を、2.5 年後以降については全電源平均排出係数(受電端) 値を、2.5 年後以降については全電源平均排出係数(受電端)
を採用する。
を採用する。
限界電源排出係数(受電端)は、小規模電源導入等による
限界電源排出係数(受電端)は、小規模電源導入等による
代替系統電力排出係数ワーキンググループ報告の「小規模電
代替系統電力排出係数ワーキンググループ報告の「小規模電
源の導入等により代替される系統電力の排出係数について
源の導入等により代替される系統電力の排出係数について
(平成 21 年 8 月)」を基に算定した値を使用することとする。 (平成 21 年 8 月)」を基に算定した値を使用することとする。
(本規程末尾の別表参照)
(本規程末尾の別表参照)
ただし、限界電源排出係数(受電端)が、全電源排出係数
(受電端)よりも低い場合には、限界電源排出係数(受電端)
として全電源排出係数(受電端)を用いることとする。
2
2
モニタリ
別表:系統電
ング・算定
力の排出係
規程(排出
数
削減プロ
ジェクト
用)
年度
排出係数(kg-CO2/kWh)
年度
全電源
限界電源
平成 21 年度
-
0.524
平成 22 年度
-
平成 23 年度
平成 24 年度
全電源
限界電源
平成 21 年度
-
0.524
0.540
平成 22 年度
-
0.540
0.476
(公表され次第追加予定)
平成 23 年度
0.476
(公表され次第追加予定)
0.487
(公表され次第追加予定)
平成 24 年度
0.487
(公表され次第追加予定)
平成 25 年度
0.570
(公表され次第追加予定)
【出典】
【出典】



排出係数(kg-CO2/kWh)
全電源排出係数:電気事業連合会が毎年発表する「電気事業にお
全電源排出係数:電気事業連合会が毎年発表する「電気事業にお
ける環境行動計画」における、調整後排出係数(「地球温暖化対策
ける環境行動計画」における、調整後排出係数(「地球温暖化対策
の推進に関する法律」で定められた方法により京都メカニズムク
の推進に関する法律」で定められた方法により京都メカニズムク
レジットを反映したもの)を適用
レジットを反映したもの)を適用
限界電源排出係数:
「小規模電源の導入等により代替される系統電

限界電源排出係数:
「小規模電源の導入等により代替される系統電
力の排出係数の計算結果について(小規模電源導入等による代替
力の排出係数の計算結果について(小規模電源導入等による代替
系統電力排出係数ワーキンググループ)」の考え方を基に「電力需
系統電力排出係数ワーキンググループ)」の考え方を基に「電力需
給の概要(資源エネルギー庁)」の値より算定
給の概要(資源エネルギー庁)」の値より算定
-「電力需給の概要」における 10 電力会社の燃焼区分ごとの発電
-「電力需給の概要」における 10 電力会社の燃焼区分ごとの発電
電力量、利用率及び燃料消費量から CO2 排出量を算定(排出係
電力量、利用率及び燃料消費量から CO2 排出量を算定(排出係
数は、
「日本国温室効果ガスインベントリ報告書」のものを使用)
数は、
「日本国温室効果ガスインベントリ報告書」のものを使用)
-そのうち、運転中利用率の 2 ヵ年平均が 80%以下の石炭火力(実
-そのうち、運転中利用率の 2 ヵ年平均が 80%以下の石炭火力(実
利用率 70%(24 ヶ月中 3 ヶ月の点検期間を想定)
)及び LNG 火力
利用率 70%(24 ヶ月中 3 ヶ月の点検期間を想定)
)及び LNG 火力
(実利用率 76.7%(24 ヶ月中 1 ヶ月の点検期間を想定)
)並びに
(実利用率 76.7%(24 ヶ月中 1 ヶ月の点検期間を想定)
)並びに
すべての石油火力を選定し、その発電電力量及び CO2 排出量か
すべての石油火力を選定し、その発電電力量及び CO2 排出量か
ら限界電源排出係数(発電端)を算定
ら限界電源排出係数(発電端)を算定
-当該年度の全電源排出係数(受電端)及び全電源排出係数(発
電端)の比率より限界電源排出係数(受電端)を算定
3
-当該年度の全電源排出係数(受電端)及び全電源排出係数(発
電端)の比率より限界電源排出係数(受電端)を算定
3
モニタリ
ング・算定
改定履歴
Ver
規程(排出
削減プロ
ジェクト
制定/改
定日
有効期限
内容
Ver
制定/改
定日
有効期限
内容
1.0
H25.4.17
H25.9.30
新規制定
1.0
H25.4.17
H25.9.30
新規制定
1.1
H25.10.1
H26.1.19
別表 系統電力の排出係数
1.1
H25.10.1
H26.1.19
別表 系統電力の排出係数
全電源の排出係数(平成 24
用)
全電源の排出係数(平成
年度)を追記
1.2
H26.1.20
H26.5.6
別表 系統電力の排出係数
24 年度)を追記
1.2
H26.1.20
H26.5.6
限界電源の排出係数(平成
限界電源の排出係数(平
22 年度)を追記
2.0
H26.5.7
―
2.6
排出削減量の認証申請
別表 系統電力の排出係数
成 22 年度)を追記
2.0
H26.5.7
H26.12.25
2.6
排出削減量の認証申
時期
請時期
排出削減量が一時的に負に
排出削減量が一時的に負に
なるプロジェクトの認証申
なるプロジェクトの認証申
請時期について追記
請時期について追記
別表
別表
燃料の単位発熱量・排
燃料の単位発熱量・
出係数等
排出係数等
単位発熱量、排出係数の更新
単位発熱量、排出係数の更
及び単位発熱量については、
新及び単位発熱量について
出典を変更
は、出典を変更
2.1
H26.12.26
―
2.2.3. 分類 III:デフォル
ト値を利用する方法
(1)電気事業者から供給
された電力の排出係数
限界電源排出係数(受電
端)が、全電源排出係数(受
電端)よりも低い場合には、
4
限界電源排出係数(受電端)
として全電源排出係数(受
電端)を用いることを追記。
別表
系統電力の排出係数
全電源の排出係数(平成
25 年度)を追記
5
資料2
制度文書改定案
番号
1
文書
実施要綱
項目
別紙2
新旧対照表(委員会の運営)
現行
改定案
2.4 委員会の
運営委員会
運営委員会
運営
① 委員会は委員長が招集する。
① 委員会は委員長が招集する。
② 委員会は、委員の総数の 3 分の 2 以上の出席がなければ、会議を開
② 委員会は、委員の総数の 3 分の 2 以上の出席がなければ、会議を開
き、議決することができない。ただし、当該議決について、委員会
き、議決することができない。ただし、当該議決について、委員会
に出席することができない委員があらかじめ書面等により議決権
に出席することができない委員があらかじめ書面等により議決権
の行使を委員長に一任する意思を表明した場合は、当該委員を出席
の行使を委員長に一任する意思を表明した場合は、当該委員を出席
したものとみなす。
したものとみなす。
③ 委員会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、 ③ 委員会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、
委員長の決するところによる。
委員長の決するところによる。
④ 議事内容について特別の利害関係を有する委員は、③の議決に加わ
ることができない。
④ 議事内容について特別の利害関係を有する委員は、③の議決に加わ
ることができない。
⑤ 委員会及び配布資料は原則公開する。ただし、個別の事情に応じて、 ⑤ 委員会及び配布資料は原則公開する。ただし、個別の事情に応じて、
委員長は委員会及び配付資料を非公開とすることができる。
委員長は委員会及び配付資料を非公開とすることができる。
⑥ 委員会の審議については記録を行い、審議の概要を公開する。
⑥ 委員会の審議については記録を行い、審議の概要を公開する。
⑦ 上記に定めるもののほか、議事の手続その他委員会の運営に必要な
⑦ 委員会は、J-クレジット制度モニタリング・算定規程(排出削減
事項は、委員長が委員会に諮って定める。
プロジェクト用)の各種係数(単位発熱量、排出係数等)の改定、
地域版J-クレジット制度の更新及び変更、小委員会の設置に限
り、必要に応じて電磁的方法又は書面による開催とすることができ
る。
⑧ 上記に定めるもののほか、議事の手続その他委員会の運営に必要な
事項は、委員長が委員会に諮って定める。
1
2
実施要綱
改定履歴
Ver
制定/改
有効期限
内容
Ver
定日
制定/改
有効期限
内容
定日
1.0
H25.4.17
H26.7.20
新規制定
1.0
H25.4.17
H26.7.20
新規制定
2.0
H26.1.20
H26.5.6
1.6 J-クレジット制度の対象
2.0
H26.1.20
H26.5.6
1.6 J-クレジット制度の対象
認証対象期間に森林管理プロジェ
認証対象期間に森林管理プロジ
クトにおける特例を追記
ェクトにおける特例を追記
3.3 森林管理プロジェクトに係る特
3.3 森林管理プロジェクトに係る
別措置
特別措置
プロジェクト計画段階で予見し得
プロジェクト計画段階で予見し
なかった土地転用による排出量をバ
得なかった土地転用による排出量
ッファー口座のクレジットにより補
をバッファー口座のクレジットに
填する旨を明確化
より補填する旨を明確化
4.3.1 基本文書の改定に伴う経過措
4.3.1 基本文書の改定に伴う経過
置
措置
基本文書の改定に伴う経過措置を
基本文書の改定に伴う経過措置
追記
2.1
H26.5.7
―
を追記
1.6 J-クレジット制度の対象
2.1
H26.5.7
H26.12.25
1.6 J-クレジット制度の対象
森林管理プロジェクトにおける認
森林管理プロジェクトにおける
証対象期間の開始日の特例措置につ
認証対象期間の開始日の特例措置
いて追記
について追記
2.2
H26.12.26
―
2.4 委員会の運営
運営委員会の電磁的方法又は書
面による開催について追記
2