戸町保育園 平成 25 年~26 年度地区別保育研究 ~発達段階に応じたわらべ歌~ 紀幸子 <わらべ歌の効用> 1)音、リズム、歌→ 2)耳 → 3)礼儀 → 4)ふれあい → 5)体の動き → 6)長崎のわらべうた 音楽 育つ 生活 温もり 体育 → 郷土 → 発表会、イベント 戸町保育園の取り組み 2 歳児クラスで「たなわたし」に取り組んだきっかけは、3歳以上児になると給食の配膳を自 分ですることが、1つの大きな活動になる。少しでもこぼさないようにトレーで運ばせたいと 思ったことからこのわらべ歌に取り組むきっかけとなる。 <2 年間の活動内容と経過> 平成 25 年 8 月 「たなわたし」の歌を覚える。 歌いながら、ままごとのおぼんにままごとのコップを載せて相手に渡す。 早く自分のところに来ないかと嬉しそうな表情や、体の動きが見られた。 静かに渡そうと緊張する子が、渡した後はほっと一安心する表情も見られた。 「たなわたし」のわらべうたには、礼儀作法があり、待つ、座る、お辞儀、言葉 (どうぞ、ありがとう)などがあることがわかる。 9月 園庭で男児が、砂の型抜きを砂場用のトレーにのせて保育士に持ってきた。 男児は、わらべうたを歌ってもらいたい様子だったので保育者が歌うと、嬉しそ うな表情で何度も運んでいた。 11月 異年齢児には、実際に急須にお茶を入れて「たなわたし」をしてみる。 給食時、トレーにおかずのお皿1つを載せて運ぶ事に慣れていくことを目標に 平成 26 年 取り組む。ざわついていた部屋も、給食時になると静かに待てるようになりわら べ歌が聞こえる間は、一緒に歌う子がいた。 トレーにご飯茶碗とおかずの2つを載せて運ぶ事に慣れていく事を目標に取 1月 り組む。こぼれないおかずから始めたので溢さないように運ぶ気持ちになれたの だと思われる。 4月 (3歳児クラスに進級する) トレーにご飯茶碗とおかずとデザートの3品を載せて運ぶ事に慣れていくことを 目標に取り組む。 5月 3品とお汁のお椀を載せて運ぶ事に取り組む。 テーブルに置くときに、斜めに傾くことに意識がない子は、お汁を溢してしまう。 8月 給食時間には、しっかりと両手でトレーを持ち、席まで運べるようになる。 溢すことが見られず、 「たなわたし」のおかげだと嬉しく思う。配膳で子どもが取 りに来た際、保育士が歌っているときは、「どうぞ」と言われたら「ありがとう」 と自然と言えるようになった。 【取り組みを通して】 わらべうたを通して待つ・座る・物を丁寧に扱うなどの生活一般の礼儀作法を無理なく 楽しく身につけた。 <「たなわたし」を通した年齢別の取り組み> *2歳児 床での正座がうまく出来ない。椅子に座り待つことが出来るようになる。 言葉は、「どうぞ」と言う子がいる。相手の返答は聞かれない。 *3歳児 床に正座が出来る子が見られる。椅子に座り待つことが出来る。 言葉「どうぞ」と言う子がいる。相手に頭を下げる子がいた。 急須と湯呑を準備し実際に急須を使ってお茶を入れるという体験をする。 *4歳児 床に正座し自分の番に近づいて来たら我慢して待つ。椅子に座り待つことは出来る。 言葉は「はい、どうぞ」「どうもありがとう」の返答が聞かれる。 動作では片手で相手に渡していた。 *5歳児 床に正座して待ったり、椅子に座り待つことが出来る。 「どうぞ」「ありがとう」など言葉も自然に出てきて、おぼんから湯呑(コップ) を両手で取り相手に渡していた。体験を通して、こぼさずに静かに渡すことが身に ついてきている。 <「たなわたし」以外のわらべ歌の活動> *未満児 「おうちの女中さん」1歳児と毎朝 「せっせっせ~のよいよいよい」と手遊びをする。保 育士の姿を見ると近寄ってきて手をつないで座る姿が見られる。 1対1の特別感を味わい落ち着きが見られる。ほかの子も「先生としたい」と近づく。 「おやゆびねむれ」「おちょず」なども人気であった。 お片付けの時には、「なかなかほい」を歌いながら取り組む。 *以上児 「なかなかほい」を身体を使って遊ぶ。 3歳児は、歌に合わせてフープの中に入って楽しむ。 4歳児は、2本線を床にビニールテープで貼った所で遊ぶ。「そとそとほい」も出来るよう になる。 12月のお遊戯会では、フープや竹を使ってわらべ歌遊びを披露する。 5歳児はゴムとびの要領で遊んでみる。 「ひとまねこまね」の集団遊びも、4,5歳の異年齢で遊ぶ姿が見られた。 <終わりに・・・> わらべ歌は保育者と子どもが 1 対 1 で向き合う特別な時と生の声と肌の触れ合いを通して 子どもの情緒の安定にも効用が見られる。わらべうたをこれからも続けていきたいと思う。
© Copyright 2025 ExpyDoc