指導を徹底すると

学校配信用
平成27年1月29日
発行元
あすなろ会
指導を徹底するということ
私たちは、子どもたちが健全に成長をするためにいろいろな指導をします。その指導は、十人十色です。
その人らしさの指導によって子どもたちは、鍛えられていきます。
指導力があれば、あるほど、その成果は鮮明に現れます。教師の指導の成果は、子どもの学習の成果とし
て、子どもの姿に現れます。また、指導していなければ、それも指導していない成果として現れます。
これは、動物の調教に似ています。ペットを飼い馴らす時には、「飴と鞭」を使います。脳は、安全・安
心のために働くので、
「飴と鞭」がペットには刺激となります。繰り返すことにより反応が次第に一定になり
ます。私たちが行っている指導は、子どもたちの刺激になります。そして、徹底すれば、その反応が一定に
なります。
あいさつでも挙手、整理整頓など教師が指導することは、すべて子どもにとってみれば学習です。
指導力のある先生とそうでない先生の違いは、この徹底できるかどうかの違いだけになります。
この時、役に立つのが、「ニューロロジカルレベルの統一」です。
例
「話を聞く」
※すべてのレベルで「話を聞くこと」について明らかにする(統一)
話を聞く人は、どんな人なのか?
話を聞く人は、どんな役割を果たす人なのか?
等
話を聞く人は、どんな考えをもっているのか?
何故、話を聞くのか?話を聞かねばならないのか?
等
話を聞く人は、どんな能力をもっているのか?
話を聞く人は、何ができるのか?
等
話を聞く人は、どんなふるまいをするのか?
話を聞く人は、何をするのか?
等
話を聞きやすい環境が整っているか。
話を聞く時間は?話を聞く場所は?話を聞く人は?等
「話を聞くときは、おなかを話し手に向けて聞きなさい。」と指導することは、行動レベルの指導になりま
す。行動レベルだけでなく、5つのレベルすべての指導をすることで、話を聞く指導が徹底します。
もし、行動レベルの指導をしたとしても、子どもが「先生が叱るから話を聞こう」という価値観をもった
としたら、叱られなければ聞かない子どもになります。子どもが自分勝手に価値判断しないように、例えば、
「話を聞く人は、思いやりがある。」等と教師がそのねうちを伝える必要があります。また、「人の話を聞く
あなたは、優しい人だ。」とアイデンティティレベルを伝えることもできます。
この5つのレベルが統一的に子どもに伝わるように指導できる教師が、指導が徹底できる教師になります。
すべてのレベルで指導がなされているか、指導を見直し、ニューロロジカルレベルを統一し、子どもへの
指導を徹底するとかなり効果を上げることができます。