―― 景況感 回復傾向にあるも先行きに懸念 ――

【 概況 】
―― 景況感
回復傾向にあるも先行きに懸念
――
~卸小売(飲食含)は悪化~
◎景 況 感
全業種を合わせた景況感は、「良
い・やや良い」の数値は 17.5%(前
回 10.3%)で 7.2 ポイント上昇した。ま
た、
「悪い・やや悪い」の数値は 52.1%
(前回 56.3%)と 4.2 ポイント改善を示
し、2期連続で回復の動きが見られ
る結果となった。
しかし、業種別で見てみると、
『製
造業』
『建設業』
『サービス業その他』
では回復の動きを見せたが、
『卸小売
(飲食含)
』では、
「悪い・やや悪い」が 65.7%(前回 57.4%)と 8.3 ポイント悪化しており、他業種の「悪
い・やや悪い」と比べても 15 ポイント以上の差があった。
1
◎売 上 高
売上高を見てみると、対前年売上で“上昇”
と回答した事業所は、ほぼ横ばい
(今回 26.9%、
前回 26.6%)だった。また、
“下落”と回答し
た事業所も若干の改善がみられるものの、ほ
ぼ横ばい(今回 41.2%、前回 43.3%)であり、
売上高は前年並みの事業所が多い結果となっ
た。
業種別でみると、
『建設業』
『サービス業その
他』の2業種で“売上高上昇”と回答した事業
所の割合が増加した。特に『建設業』において
は、6.3 ポイントと大幅な増加(今回 31.7%、前
回 25.4%)となった。一方、
『卸小売(飲食含)』
は“上昇”が 17.9%にとどまり、4.4 ポイント減
少(前回 22.3%)した。
◎景気・売上高見通し
この先1年間における景況感の予測では、
「も
っと良くなる・少し良くなる」については、
30.0%で 5.3 ポイント減少(前回 35.3%)し、「少
し悪くなる・最悪になる」については 26.6%で
5.1 ポイント増加(前回 21.5%)した。前回に続き
「もっと良くなる・少し良くなる」が「少し悪
くなる・最悪になる」上回る結果となったもの
の、先行きに懸念を残す結果となった。
また、この先1年間の売上高の予測において
も、“上昇”と回答した事業所は 30.3%(前回
31.0%)
、
“下落”と回答した事業所は 28.3%(前
回 25.0%)となった。
2
◎消費税増税時の影響
消費税増税時における影響については、全業種において過半数で「影響がある」と回答し、
『卸小売(飲
食含)
』では 86.6%にも上った。また、
「影響がある」とする理由では、
『卸小売(飲食含)』
『建設業』
『サ
ービス業その他』の3業種で「買控え・顧客の減少を」一番に挙げ、『製造業』では、「価格転嫁ができ
ない」が最も多い指摘となった。
3
◎経営上の意見要望
経営上の意見要望は、
『製造業』
『建設業』で指摘が多かった「人材確保・人材不足解消に対する支
援」が 16.0%で第1位。特に『建設業』では 60.0%となっており、早急に対応策が求められる結果と
なった。そして、
『卸小売(飲食含)
』
『サービス業その他』で指摘が多かった「情報化支援への充実」
が 11.6%で第2位となった。
【調査対象業種】
製造業
繊維工業、金属工業、食品工業、印刷業、窯業、プラスチック工業、電気機器製造業
卸・小売業
卸売業、食料品販売、陶器販売、文具販売、カメラ用品販売、衣料品販売、
(飲食店含む)
自動車・自転車販売、荒物・雑貨販売、スポーツ用品販売、花・植木販売、
その他の小売、飲食業
建設業
建築・土木、鉄工、製材、木工、電気工事、左官、管・サッシ工事、塗装業、
屋根工事、装飾
サービス業その他
理・美容、運送業、写真業、ホテル・旅館、クリーニング、金融・保険、税理士
社労士等、不動産業、教室・塾・練習場など
【サンプル】
今回の調査集計の業種別サンプルは次の通り
業
種
サンプル数
製造業
86
卸・小売業(飲食店含む)
67
建設業
60
サービス業その他
73
合
計
286
4