国際シンポジウム 〜詩作における異文化との接触〜 Dichterische Berührung mit anderen Kulturen 日時:2015/7/25(土) 13:0 0〜 会場:岩手大学学生センター B 棟 2 階 GB21 教室 (Iwate Uni. / GB21) 主催:岩手大学人文社会科学部 ◎入場無料、参加申し込み不要 第1部 司会:竹内拓史(Takushi Takeuchi:麗澤大学) 基調講演 13:00〜13:20 表題:東欧の歴史的・文化的背景 講演者:フェレンツ・ヴィンツェ博士(Ferenc Vincze:ブダペスト大学) 翻訳:川村和宏 フェレンツ・ヴィンツェ博士(Ferenc Vincze:ブダペスト大学) 13:25〜14:10 表題:Der Umzug/Das Ausziehen als Kultur- und Sozialisierungsmuster (Melinda Nadj Abonji: Tauben fliegen auf ) 転移/文化および社会化モデルとしての抜粋 翻訳:川村和宏 ペーター・ファンクハウザー(Peter Fankhauser:ヴィーン大学)14:15〜14:45 表題:詩を通してみる異国の描写―マンフレート・ハウスマンの「翻訳」詩集『解かれ た髪』(Gelöstes Haar , 1964)の構造 第2部 司会:川村和宏(Kazuhiro Kawamura:岩手大学) 松崎裕人(Hiroto Matsuzaki:東北大学非常勤講師) 15:00〜15:30 表題:「ヨー ロッパ人」シュテファン・ツヴァイクの一様相 ―アメリカによる「世界 の単一化」とヨーロッパの「技術的精神」を手がかりに 野田茂恵(Moe Noda:東京外国語大学大学院修了) 15:35〜16:05 表題:虚像への眼差し―サヴィーニオとは何者か― 真野宏子(Hiroko Mano:早稲田大学非常勤講師) 16:10〜16:40 表題:マルク・シャガールの「磔刑像」:意味と 戦略 竹内拓史(Takushi Takeuchi:麗澤大学) 16:45〜17:15 表題:革命・鑑定・解剖―ゲオルク・ビューヒナーは父から何を学んだか― (18:30〜20:30 発表者・司会者のための懇親会) お問い合わせ先:岩手大学人文社会科学部 川村 和宏 kawakazu(アットマーク)iwate-u.ac.jp 国際シンポジウム 〜詩作における異文化との接触〜 いわゆる「グローバル化」が進展するとき、異文化と接触する機会もまた劇的に増加する。ただ、 その「グローバル化」においては、「文化」といった漠然とした主体が他者に触れている訳ではなく、 実際には常にある文化的背景を持つ個人が異なる文化に触れているのであり、その際個別に体験され る共感や感化、ストレスや反感が引き起こす出来事の総体が「グローバル化」として立ち現れてくる。 本シンポジウムでは、ヨーロッパにおける異文化接触の痕跡を個別の創作活動の内に読み取り、 「グローバル化」時代を再考する手掛かりとしたい。第一部基調講演では、東欧の歴史的・文化的背 景について紹介し、これを端緒としてユーゴスラビアのハンガリー系住民であったにも関わらず異文 化としてのドイツ語で教育を受けスイス市民権を得た現代の作家による詩的創作活動の具体例を跡づ ける。その後、日本文化をドイツ語で紹介した作家や以下のオーストリア、イタリア、フランス、ドイ ツにおける 19〜20 世紀にかけての創作活動と、その背景としての異文化接触について議論する。 第 2 部要旨 ・「ヨー ロッパ人」シュテファン・ツヴァイクの一様相 ―アメリカによる「世界の単一化」 とヨーロッパの「技術的精神」を手がかりに 内容紹介:シュテファン・ツヴァイク(1882-1942)は、アメリカによる「世界の単一化」を逆手に とるヨーロッパの「技術的精神」によって、ナチズムの「狂気、狂信」に 抵抗しようとする。しかし ツヴァイクが直面したのは、かれが思い描いた人文主義的な「寛容」による戦いではなく、力には力 を、毒には毒をもって制する状況であった。 ・虚像への眼差し―サヴィーニオとは何者か― 内容紹介:文学、絵画と多元的な表現方法を通して 20 世紀初頭のアヴァンギャルドを通り抜けた一人 の表現者、アルベルト・サヴィーニオ(Alberto Savinio: 1891-1952)の軌跡を振り返りながら、幻想 的テキストとその背後にある美学について考える。 ・マルク・シャガールの「磔刑像」:意味と戦略 内容紹介:「愛と夢の画家」などと称され世界的に人気のあるシャガール(1887-1985)は、1938 年 に《白い磔刑》を描いて以来「キリストの磔刑像」を繰り返し作品に登場させてきた。そもそもロシ ア系ユダヤ人である彼がキリストを扱うのも不自然だが、先行研究ではユダヤ人としてのキリストを 描く意味を、ユダヤ人排斥運動、第二次大戦など当時の社会情勢から論じている。本発表ではそうし た彼の政治的メッセージを確認するとともに、個人的メッセージも紐解き、フランスのユダヤ人対策、 それに呼応したシャガールの対応を解明する。 ・革命・鑑定・解剖―ゲオルク・ビューヒナーは父から何を学んだか― 内容紹介:ゲオルク・ビューヒナー(1813-1837)が„Woyzeck“を書く際に,クラールスによる精神鑑 定書を参考にしたのはよく知られているところである。今発表では,ゲオルク・ビューヒナーの父エ ルンスト・ビューヒナーの手による精神鑑定書クラールスとエルンストの鑑定書の中身を紹介すると 共に,ゲオルク・ビューヒナーがそれぞれの鑑定書から受けた影響を考察する。その後,ビューヒ ナー親子の患者に対する態度の違いがフランス革命に対する見解の違いに起因することを示し,ゲオ ルク・ビューヒナーが父と同じ医者ではなく解剖学の道に進んだ理由を明らかにしたい。 会場: 国立大学法人岩手大学 学生センター B 棟2階 GB21 教室 岩手大学正門
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