どうぶつ 賠償責任事故通信 ペットに関する法律特集 「どうぶつ 賠償責任事故通信」は、ペット賠償責任特約を付帯されている方にお送りしております。 愛するワンちゃんとの暮らしは、毎日の生活をより豊かなものにしてくれます。 しかし万が一、賠償責任事故を起こしてしまった場合、飼い主さまには発生した損害を賠償する義務が生じます。 本号では賠償責任事故の例を参考に、飼い主さまが負うべき責任と、ポイントとなる法律についてお知らせします。 なお本文中の事故例はあくまでも参考です。実際に発生した事故では、状況によって補償項目や金額が変わる 場合があります。 事故例 1 こんなに高額になります ! !賠償責任事故 お散歩中、すれ違いざまにワンちゃんが他人の 事故詳細 手に咬みついてしまった !! ・全治 30 日間のケガで、15 回通院をした。 被害 ・事故から 5 日間、仕事を休んだ。 ・ズボンが破れた。 ・結局、手には大きな傷跡が残った。 ■ 賠償項目と賠償金額例 *下記の事故例では、自動車損害賠償責任保険(自賠責)基準を用いて算出しています。 賠償金額 治 療 費 通院交通費 休 業 損 害 15 回で 内容 40,000 円 ケガの治療にかかった費用です。 自家用車の場合はガソリン代、公共交通機関の場合は運賃 です。 2,000 円(バス利用) 10,000 円 ×5 日間=50,000 円 ケガのために欠勤した場合、減った分の賃金を補償します。 本件は被害者の日給が 1 万円だったとして計算しました。 慰 謝 料 126,000 円 精神的苦痛に対する補償です。 後遺症慰謝料 320,000 円 後遺障害診断書による証明が必要です。 物 損 ズボンの時価額として 今回の事故に対する賠償総額は… 2,000 円 538,000 円 !! 修理費もしくは損害品の時価額(全損の場合)です。 (ここから免責金 3,000 円を差し引いての支払いとなります。) ■ 関連する法律 民法 718 条 1 項 動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に 従い相当の注意を持ってその管理をした時は、この限りではない。 ワンちゃんは人や物に咬みつく可能性があるどうぶつですから、 飼い主さまとして他の人や物に咬みつかないような管理をしなければ いけません。万が一事故が発生した場合、 「相当の注意を持って」管理を していたと証明することはとても大変です。 事故例 2 お互いさま!?“過失相殺“とは? 近所の方がワンちゃんを撫でようと手を 事故詳細 出した際、咬みつかれてしまった。 病院で傷口の縫合が必要となり、かかった治療費 総額 30,000 円を請求された。 ■ 賠償項目と賠償金額例 賠償金額 治 療 費 30,000 円 内容 ケガの治療にかかった費用です。 ■ 関連する法律 民法 722 条 2 項 被害者に過失があるときは、裁判所はこれを考慮して損害賠償の額を定めることができる。 飼い主さまにはワンちゃんが他人に咬みつかないよう管理する責任が ありますが、ワンちゃんを撫でていた被害者にも「咬まれるおそれが あるにもかかわらず、自ら手を出して触っていた」過失があると考え られます。 お互いの責任を公平に分担するために今回の事故では 3 割を被害者の責任として 残りの 7 割、21,000 円を認め、免責金 3,000 円を引いた 18,000 円を補償しました。 *過失の割合は事故の状況によって変わります。 ワンちゃんの特性を理解し、適切な管理をすることで 賠償責任事故は防ぐことができます。 ワンちゃんを飼っている人も飼っていない人も、 お互いが気持ちよく生活できるよう、ルールを守って 愛するワンちゃんとの暮らしをお送りください。 法律監修:八重洲総合法律事務所 栗原正晴弁護士 繰り返し事故を発生させてしまった場合、ペット損害賠償責任特約の継続契約をお引受できない場合がありますのでご了承ください。 w y.higuchi c miho.kuriyama LK439-1507-04
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