社会・文化 性同一性障害者の自意識 ー 闘J I 適合判貯前の Male t o f e m a l eおよび F e m a l e t o m a l eを対象とした質問既周査一 0長坂底。伊藤武彦 a ( 1 )明治明樹立学大朝是心理学研矧ヰ a 和光大学現代人間学部) Keywords:性同ー性障害, MTF ,FIM ,公的自意識,私的自意識 盟畳二E血 genderidentitydisorderの略語である GIDは 考察 GIDは Non-GIDよりも自意識が高いとし、う結果は s e x ) と性の自己意識・ 医学的疾患であり,生物学的性別 ( 日常生活における周囲からの無理解,同性愛との混同などが 自己認知(g e n d e r ) が一致しない状態である .GIDの特徴 原因と考えられる.牛島 ( 1 9 9 9 ) によれば性同一性障害者 として,手術前の外見や戸籍の性別と本人の性自認が合致 同司固からの偏見や誤解されることにより外働本験をして不 しないため,カミングアウトやパッ、ンング(外見や態度, 安を増強させている.このような外傷体験をしないよう,自 振る舞し、がし、かに反対の↑生別のものに見えるか,塚田, 分が周囲に与える印象や周囲からの評価を考えながら行動す 2 0 0 4 ) ができず,他者からの見られ方に対する過敏性,自 るため,高い公的自意識得点となったのであろう.また,当 分自身について考えることが多いことが挙げられる.菅原 事者は性同~性障害であるか否か考えることが多く,答えを ( 1 9 8 4 ) は,対人不安静哉の強し、者及び自己顕示性の著し 得ょうと来院するケースも多い(阿1 5 日 ら ,2 0 0 3 ) . このように い者は,他者からのまなざしに対する正反対の反応鞘教を 当事者は Non-GIDに比べ生活の中で自己に目を向ける傾 持つこと,つまり他者の目に映る自分を強く意識しやすい 向が強く私的自意識が Non-GIDより高くなったのであろう. 人は,積極的自己呈示行動か,逆に防衛的・迎壁的行動を そして,公的自意識は MTFより FIMが高かったが,一つ 取りやすし、と指摘している.以上のことから,本研究では の原因として年齢が考えられる.オs:='WllI査における FIMは低 性同一性障害当事者群(以下, GID群とする)と非当事者 年齢が多く,M'四、は高年齢が多かった.周囲を気にし始める 群(以下, Non-GID群とする)に分け,心醐句な問題とし 思春期頃は,周りからの評価に最も敏感になる時期であり公 て自意識を取り上げ,心理的鞘数を明らかにし Non-GID 的自意識は上がる.つまり,高年齢の MTFより低年齢の FTM 群と比較検討を行い,相違点を見出すこととする. の公的自意識得点が上がったといえる.さらに,治療段階に ついても言及できる.MTFは身1 柏句加療を行っており,女性 主輩 GID当事者である FIM34名 , MTF37名の計 7 1名と, Non-GID女性 42名,男性 30名の計 72名に対して 2004 的併観を獲得し性自認に近づきつつあるが, FIMは身榊句加 年 6月下旬から 1 0月中旬に質問慨を行った.倫離酒己慮の 療に至っているケースが少ないことからも,身榊句外観が性 もと当事者には直接依頼して記入,回収し,非当事者にも 自認と合致しておらず,人からの見られ方に過敏になってい 同様に直接依頼,記入されたものを回収した自意識につ るのであろう.また, MTFに比べて FIMは幼少期から性別 いては,菅原(198 4 ) の2 1項目 7件法から成る自意識尺度を に違和感を抱いている,いわゆる中核群であるケースが多い 用し、公的自意識と私的自意識を測定した.当事者のみ,性 0 0 3 ),MTFに比べ早期より周囲 との報告もあり(中塚ら, 2 同一性障害と治療に関する項目をたずねた の目や言刊簡を気にし始めると考えられる.一方で,支持され 益基 自意識 21項目について GID当事者と Non-GID143人 なかった私的自意識は,自己内省することであり,個人差が におい因子分析(主因子法・パリマックス回転)を行った 影響しやすいものと考えられる.また, FIM.MTFともに, ところ, 2因子に分かれ,項目を検討すると,菅原 ( 1 9 8 4 ) 今の自分や今後の治療方針など, GIDに関する朝丙を常に考 の因子構造と同ーの結果が得られた.F1は公的自意識, F2 えており,両者に差がみられない結果となったと推察できる. は私的自意識であった .GID群 (FIM,MTF),Non-GID 主要引用参考文献 群 ( F e m a l e,M a l e ) における自意識の平均値および標準 菅原健介 偏差について, T a b 1 e . 1に示す. 1 9 8 4 自意識尺度 ( s e l f ∞nsciousnessscale)日 本語版作成の試み心理学研究, 55 ,1 8 4 1 8 8 . (ながさかのぼる・いとう たけひこ) T a b , l e . 1 GID 伺'M.MTF),Non-GID ( 民male・陥1 e ) における自意識の平均値と標準偏差 FTM MTF ( 3 4名) ( 3 7名) 公的自意識 私的自意識 Female 地 1 e 多重比較@也晶) 4 . 8 0 4 . 7 0 4 . 0 4 ( 1 .3 4 ) ( 1 . 14 ) ( . 7 3 ) ( 1 . 17 ) 5 . 7 5 5 . 3 0 4 . 8 3 4 . 2 5 ( 0 . 6 9 ) ( . 0 8 ) ( . 6 2 ) ( 1 . 17 ) Non-GID(72名) emale+刷 e ) 伺'M+阻明(F ( 4 2名) ( 3 0名) 5 . 7 1 GID(71名) FIM>M T F , Female, Male 5 . 2 3 (1 .3 2 ) . F ( 3 , 1 3 百戸1 2 . 6 3 4 a 1 41 F 4. 1 5 9 FIM>Female , Mal e 5 . 5 2 ( . 7 8 ) , M T F , Female>Mal e FIM a l 4 l F6.442 明 > 4. 43 ( . 9 9 ) 叩 > 4 . 5 9 ( . 9 4 ) 出 R主1 3 9 F 1 9 . 6 5 9 出 安 -32ー **p<. 0 0 1
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