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の む ら た け
し
K 株 基礎材料研究所 ・部長)
野 村 武 史 氏 ( T D 式会社
高性能 フ ェライ ト電子部 品 の 材料及 び
"
製 造 プ ロセ スの研究開発業 績
1935年に世 界 で 最初 にフ ェライ トの工 業化 を 目的 に設立 され、以来多 くの フ ェライ ト
へ
電子部品 の 開発並 びに商品化 を進 めて きた。 この間、電子機器 の軽薄 短小化、高性能化 の対応や
TDKは
フェライ ト電子部品 の用途拡大 を図 るべ く、 フ ェライ ト材料 の特性制御技術 、製造 プ ロセス技術 の
一
蓄積や フ ェライ ト電子部品 の 小形、高性能化 の為 の研究開発及 び製品拡大 に 貫 して努 めて きた。
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その中で野村氏を代表 とす る研究開発 グル プは、原料 のキ ャラクタ リゼ シ ョンお よび焼結体
の 微細構造 の 設計、制御技術 を基盤 に して、 フ ェライ トの電力損失 の低減 に取 り組み、特 に高周波
帯域 で の顕著 な低減 を達成 した。 さ らに フ ェライ ト材料 の新 しい製造方法 の研究開発 に取 り組み、
噴霧ば い焼法 によ る高性能 フ ェライ トの製造 プ ロセス技術を完成 した。 これ らの成果 は フ ェライ ト
電子部品 の 小形化、高性能化 、複合化、低 コス ト化を可能 と し、製品拡大 に大 き く貢献 した。以下
にその業績 の概要 を示す。
(1)パ ワー トラ ンス用 フ ェライ ト:フ ェライ トの焼成 時 の微細構造形成 に影響 を及ぼす各種因子 を
解明 した事で、微細構造 の設計、制御 を可能 に し、 100∼1000kHzの電力損失 の大幅 な低減 を可能
に した。 これ によ って 、 スイ ッチ ング電源 の小形、高性能化 が大 いに促進 され た。
(2)偏 向 ヨー ク用 フ ェライ トiCRTの
ー
高精細度化 、大画面化、横長画面化 に伴 い、偏 向 ヨ クの
水平偏 向周波数 の 高周波化 による発熱 の増大、飽和磁束密度 の低下等 の課題 が生 じた。 そ こで、
高周波 で損失が低 く飽和磁束密度 の 高 いMnMgZnフェライ ト材料を開発 し、 これ らの 問題 を解決 し
た。 この偏向 ヨー クはデ ィスプ レイの 高精細度化 、テ レビの大画面化実現 に大 き く貢献 し、今 日
まで広 く使用 されて いる。
(3)通 信用 フ ェライ ト :通 信機器 のデ ィ ジタル化、小形化 、広帯域化 に必要 な高透磁率材料 と して
MnZnフェライ ト初透 磁率が 20,000を越え る材料 を世界 に先駆 けて開発 した。
(0 回 路用小形 フ ェライ ト :イ ング クタや ノイズサプ レ ッサの 小形化、表面実装化 の 動向 を先取 り
一
した積層形 フ ェライ ト電子部品用材料、 さ らには異材質 体焼成技術 を確立 し、複合 チ ップ部品
群 の基盤 技術 を確立 した。
一
(5)高 性能 フ ェライ トの新製造 プ ロセ ス :フ ェライ トの主 成分 の均 化を図 る為に、Fe及びMnを塩
化物水溶液 に して噴霧熱分解す るとい う新 しいフ ェライ ト製造方法を世界 で は じめて開発、実用
化 し、 フェライ トの高性能化 、低 コス ト化 に大 き く貢献 した。
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以上要す るに、野村氏を代表 とす る フ ェライ ト材料及 びその応用部品 の研究開発 グル プは、 こ
れ らの材料 や部品 の特性 向上 に関 し、長年 に亘 り新組成 の探索や添加物 の研究、微細結 晶構造 の 制
御技術 の蓄積や新 しい材料製造 プ ロセスの 開発 に携わ り、幾多 の成果を挙げて きた。 その結果、 フ
ェライ ト電子部品 の性能 は一段 と向上 し、それ らの用途拡大 も図 ることが 出来 た。 これ らの成果 は
一 企業 の業績寄与 に止 ま らず、今後 とも電子工業 の成長 に も大 き く貢献す もの と期待 され る。
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