第3分科会 「生徒指導とPTA」 発表者 埼玉県 所属校 埼玉県立大宮

第3分科会 「生徒指導とPTA」
発表者
埼玉県
所属校
埼玉県立大宮武蔵野高等学校
役職
PTA会長
フリガナ
ヒロモト
ヒデオ
氏名
弘本
秀夫
発表テーマ「教育環境の向上を目指したPTA活動」
1 はじめに -本校の概要-
本校は、昭和 51 年旧大宮市西部(現さいたま市西
区)に全日制・普通科・男女共学として開校し、今
2 本校の現状と課題
ここ数年は生徒募集も安定し、地域からも信頼さ
れる学校となってきました。
年創立 40 周年を迎えます。JR川越線指扇駅から徒
現在生徒数は 703 名で、男子 232 名、女子 471 名
歩 13 分と交通の便も良く、荒川の河川敷に近く自然
です。女子が全体の7割近くを占めています。進学
にも恵まれ、勉強や部活動を行うのに最適な環境で
率は約 78%で、そのうち大学・短大への進学者は約
す。
40%にのぼります。また、少人数学級編制、習熟度
「生徒が何事にも前向きに取り組める学校」を目
指す学校像に掲げ、以下の三点を重点目標として取
り組んでいます。本校PTAもこの目標実現に向け
別学習の実施や3年生を中心とした進学補習を行う
などきめ細かい指導を展開しています。
部活動は、チアダンス部全国大会優勝、陸上部(棒
全力で支援しています。
高跳び)全国大会出場、弓道部関東大会出場等、多く
(1) 学 習:生徒が学ぶことの楽しさを知り、
の部活動が実績を残しています。男女の在籍数に差
希望の進路に進める学校
があるため、男子の部活動の活性化と女子の部活動
(2)
部活動:生徒が部活動に全員加入し、積
極的に活動する学校
(3)
加入率をどう上げていくかが、本校の課題の一つと
なっています。
特別活動:生徒が体育祭や文化祭などの
諸行事に積極的に取り組む学校
チアダンス部
女子サッカー部
グランドデザイン
弓道部
野球部
4 生徒指導の現状と取組
3 特色ある取組
本校には、平成 20 年より大宮北特別支援学校さい
昔は遅刻者も多く、特別な生徒指導が必要な生徒
たま西分校が併設されています。学校行事等を通し
も多数いましたが、最近は、指導の成果が現れ落ち
て共生社会を形成する一員である意識向上に向けた
着いた学校となってきました。通学は、電車通学者
教育を推進しています。分校の生徒とは、日常的な
が殆どで自転車通学は全体の約3割です。本校の生
ふれあいをはじめ、職業授業体験、体育祭、文化祭
徒指導部は、
「規律ある態度の育成」と「規範意識の
等で積極的な交流を図っています。
醸成」を目指し徹底した指導を行っています。
〔本校生徒指導部の具体的取組〕
(1) 遅刻指導
遅刻指導マニュアルを作成し、段階的指導を行っ
ています。
職業授業体験(食品交流)
職業授業体験(手芸交流)
地域行事にも積極的に参加しています。毎年 11 月
年間遅刻回数
ア 6回、10 回、15 回・・・担任、学年指導
の「さいたま市西区ふれあい祭り」では、チアダン
イ 20 回以上・・・生徒指導部主任指導
ス部や有志団体(三宅太鼓・ソーラン)が参加して
ウ 30 回以上・・・校長指導
練習の成果を発表しています。
(2) 服装、頭髪指導(年5回)
その場で改善できない生徒は、帰宅・再登校指導
等を行っています。
(3) 正門指導(年5回:各回1週間程度)
有志団体(三宅太鼓)
規範意識の向上と挨拶習慣の定着を目的に実施し
ています。
(4) 歩道橋指導(通年)
毎朝 8:30~8:45 の時間帯に、交通量の多い歩道橋
有志団体(ソーラン)
付近の安全指導を行っています。
また、
「地域のつながりを深め、地域の子どもたち
を地域で育む」を目的に、地元青少年馬宮地区会が
5 PTAの組織と各専門部の活動概要
中心となり「馬宮地区ふれあいコンサート」を本校
(1) 組織
の体育館を会場として開催しています。小・中・高
が連携した行事は、地域からの評価も高く、毎年 600
名以上の方が参加しており、私達PTA役員もボラ
ンティアとして参加しています。
ふれあいコンサート(合同演奏)
(2) 各専門部の活動概要
本校のPTA活動は、教育環境の向上を目的とし
て取り組んでいます。
全体委員会(PTA・後援会本部、各専門部正副
会長)を年6回開催し、年間計画の作成や各事業の
見直し等を検討しています。各専門部会も定期的に
活動しています。
立哨指導
全体委員会
(2) マナーアップ指導4校連絡会(本部)
各専門部の活動内容は以下のとおりです。
ア 総務部
・ 会員相互の研修・親睦を図るための事項
(研修会・親睦会の企画運営)
イ 広報部
・ 学校と家庭との連絡に関する事項
(PTA広報誌の企画発行)
ウ 厚生部
・ 生徒・教員の福利厚生に関する事項
近隣4校(本校、大宮西高、大宮南高、大宮光陵
高)による「生徒の安全確保とマナーアップ指導を
進める連絡会」にPTAも出席し意見交換を行って
います。会議では、大宮西警察署員や交通指導員(シ
ルバー人材センター)も参加しています。最近の交通
事故の傾向や危険箇所における生徒の登校状況等の
報告もあり、PTAとして参加できることは貴重な
情報を伺える良い機会となっています。会議内容は、
全体委員会で報告しています。
(スポーツ大会等の親睦行事の企画運営)
エ 進路保導部
・ 教育力向上のための調査研究及び学校行事へ
の協力に関する事項
(立哨指導、大学見学会等の企画運営)
オ 学年部
・ 学年に関する事項
(学年PTA、卒業を祝う会の企画運営)
(3) 緑化作業(厚生部)
生徒が気持ちよく学校生活を送れるよう厚生部で
は、校内の美化活動を年5回(4月、5月、8月、
11 月、3月)行っています。
入学式・卒業式の前に校門前、事務室前玄関、中
庭等に季節の花を植えたり、学校行事(体育祭・マ
ラソン大会)の時に校内・校外のゴミ拾いを行ってい
ます。
6 PTAの具体的活動
(1) 立哨指導(進路保導部)
学校での正門指導(年5回)に合わせて、進路保
導部が中心となり登校時の声かけ運動を行っていま
緑化作業(ゴミ拾い)
す。ほとんどの生徒は、こちらからの挨拶に気持ち
良く挨拶を返してくれますが、ヘッドフォンをした
まま通り過ぎてしまう生徒もいます。立哨指導終了
後は、校長先生と意見交換を行っています。
校門・事務室前
(4) 学校行事(本部、専門部)
(6) 野草を摘む会(本部、後援会)
本校の重点目標の一つである「生徒が体育祭や文
学校敷地内の植物観察(理科教諭が説明)や調理
化祭などの諸行事に積極的に取り組む学校」の実現
室で年度毎にテーマを決めて料理教室を開催し、会
に向け、PTAも学校行事に積極的に関わっていま
員の親睦を深めています。
す。
ア 体育祭(5月)
役員が受付と応援席への案内を行っています。
今年は、約 180 名の保護者が来校しました。生徒
が力一杯競技する姿は感動的で、閉会式では生徒
達が肩を組み大きな声で校歌を歌っていたのには
涙が出ました。
野草を摘む会(料理教室)
イ 文化祭(9月)
毎年、食品販売(おやき、チョコバナナ、餃子
無料試食等)とバザーで参加しています。
餃子の無料試食は、文化祭の名物になっています。
7 学校支援ボランティア
数年前の本校PTA活動は、行事に協力してくれ
る保護者も少なく役員のみの活動が中心でした。5
年前にできるだけ多くの保護者に学校行事やPTA
活動に参加してもらおうと、年度初めに「学校支援
ボランティア」を応募しPTA活動の活性化を図り
ました。年々参加する保護者も増え、今ではPTA
活動も活発になり、PTAの様々な活動や学校の取
組、生徒の様子を知ってもらう良い機会となってい
文化祭(バザー)
ウ マラソン大会(11月)
ます。
しかし、未だPTA役員の献身的な活動に依存し
学校に隣接した西遊馬公園周辺で行われる
ているところもあります。
「学校支援ボランティア」
マラソン大会(男子 14km、女子 10km)に
は定着し一定の成果を上げてきましたが、今後は、
おいて、折り返し地点での応援とゴールした
更に発展させる手立てを考えていければと現在検討
生徒一人ひとりへの飲料水配布を行っていま
を重ねているところです。
す。ゴール後に生徒が笑顔で声を返してくれ
る瞬間は感動します。
8 おわりに
本校のPTA会長となって、校長先生をはじめ先
生方と接する機会が増え、学校が生徒に関してどの
様な課題をかかえ、どのように取り組んでいるかが
よく分かるようになりました。
本校に入学した子ども達が伸び伸びと健やかに育
つよう、引き続き保護者同士、そして、先生方との
マラソン大会(ゴールでの飲料水配付)
絆を深めてまいりたいと思います。
(5) ふれあいコンサート(本部、後援会)
毎年1月に本校で開催される地域主催行事にボラ
ンティアとして参加しています。学校周辺の駐車禁
止の表示と参加者の誘導・案内等を行っています。
校舎全景