1. はじめに 今日の就労支援における現状 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 自立支援法の施行後、福祉から労働へという大きな流れがつくられ、障がいのある人にとって も「あたりまえの権利」として「働く」ことが位置づけられ、その結びつきの重要性が高まる 中、就業・生活支援センターやハローワーク等を中心にした様々な連携がはかられるようにな ってきた。 就労支援の強化に伴い、様々な「支援者」が登場してきたが、それぞれの支援者のスキル等に ついては曖昧であり、一般就労を支える人材育成は大きな課題となっている。 自立支援法以前から労働サイドを中心にした自治体独自の「現場支援者(ジョブコーチ等) 」 の導入をしているところでも、自立支援法の施行と共に、制度の見直しを行い、制度・役割の 変更を行ってきた自治体もみられる。 支援法後、新たに自治体独自の「現場支援者」の制度を導入したところもある。これは、地域 職業センターによるジョブコーチ支援の不十分さを補う形で導入されているが、職業センター との連携は、必ずしも十分であるとは言えない状況にある。 受け入れ先の企業においては、雇用促進法の改正に伴い、雇用納付金の範囲の拡大、短時間労 働者の参入等、今まで以上に障害者雇用への取り組みが進められる方向にあり、事業所にはに 様々な「現場支援者」が登場している。 就労継続のためには、事業所内の支援体制等が一番重要であるが、受け入れ先の事業所内には 十分なノウハウがなく、 「外部」の支援者に頼らざるを得ない傾向にある。 様々な「支援者」が錯綜する中、 「現場支援者」を総合的にコントロールする機関が不十分で あるか、または十分に機能を果たしていない。 障害者総合職業センターでの就労支援ノウハウが地域で十分に還元されていない。 地域障害者職業センターにおけるジョブコーチ支援も、手続き上の時間や、地域の認定法人の 活動の弱さなどから、センターと地域とが十分に連携を取り切れていない 2. 現場支援者の現状について ① 「ジョブコーチ」について イ) 自治体独自の「ジョブコーチ」制度導入当初 「仕事を教える」ことが役割(狭義のジョブコーチ) ロ) 自立支援法後 就労支援と雇用継続とをどう結びつけるか? 福祉サイドの役割と労働サイドの役割と連携 就業現場での「環境構築」 「ナチュラルサポートの形成」 ハ) 企業内支援者の重要性(第2号ジョブコーチ) ニ) 支援者に求められるスキル・専門性の高まり 現場支援は「一部分」へ 広義のジョブコーチ、本格的ジョブコーチへ ② 全国 イ) 自立支援法施行後、自治体独自の「就労支援者」 (ジョブコーチ、サポーター等)の登場 ・ 「使い勝手の良さ」 、早急な対応 ・東京、山梨、京都、三重、愛知 等々 ・ジョブコーチ養成に職業センターの協力 ・支援者は県で一括登録、委託は各福祉県域 ロ) 自立支援法前からの制度の見直しの実施 ・ 「県版ジョブコーチ」→「ボランティアジョブコーチ」 ・委託先の変更 (一ヶ所から福祉県域毎への分散委託) ハ) 支援期間は、1ヶ月~3ヶ月、回数等により規定 ニ) 支援要請のあったときのみ活動(個人への謝金) ③ 静岡県の状況 イ) 委託元である県が実態を掌握していない ・支援状況、実働「ジョブコーチ」 ・ジョブコーチの養成 ロ) 委託先が一ヶ所 ・県内全域を視野にいれた活動が不十分 ・各地域拠点が任意団体、個人が主 ・ 「個人契約」による活動 ハ) 職業センター等、国の職業リハビリテーションのノウハウが伝わらない ニ) 成果等の客観的評価がなされていない(第三者、県等による評価) 3. 今後の方向性についての基本的考え ① 「現場支援者」位置づけの明確化 「支援計画策定者」の元での活動 ② サービス管理責任者の就労分野の役割の強化 ③ 職務内容の明確 (名称の変更も検討) 4. 具体案として(私案) ① 従来のジョブコーチは「福祉行政」サイドへ 委託先を各福祉県域内の社会福祉法人・NPO 法人等へ 福祉県域を中心にした就労支援に特化した「サービス管理責任者」の設置 静岡県独自? 「サービス管理責任者」に独自の役割を付与 総合的な地域への就労支援計画の策定 管理者の支援計画に基づいた「現場支援」の実施 「ジョブコーチ」はいずれかの法人に「雇用」 個人への「謝金」から「法人」との契約 ② 産業部は雇用促進、継続等の事業主支援へ 業務遂行援助者、職業コンサルタント、職業生活相談員、2号ジョブコーチの配置等への 補助、育成 企業が主体となり、外部への委託制度の拡充 ③ 支援者の養成、育成 職業センターのノウハウを活用した「支援者養成研修」の実施 「基礎研修」 「サービス管理責任者(就労支援版)研修」 ④ トータルのコントロールセンターの設置 支援者の育成、フォローアップ、職業センターとの連携
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