より厳しい品質管理のもと、安定的に製品を供給します。

生 産
より厳しい品質管理のもと、安定的に製品を供給します。
グローバル展開を支える製品供給体制
事業環境の変化に機動的に対応するために
安定供給に向け、グローバルサプライチェーンを強化
後発医薬品の使用促進や長期収載品の薬価引き下げなどの
当社は現在、グローバル対応の主力工場として、原薬の製造
医療費抑制策が強化されるなど、医薬品産業を取り巻く環境は
から包装工程まで医薬品の製造を一貫して行う鈴鹿工場、技術
厳しさを増しています。
研究本部の主力拠点でもあり、商業生産、品質管理まで柔軟に
当社は、このような事業環境の変化に対応すべく、生産量の
対応できる開発機動型の茨木工場、バイオ医薬品の製造拠点と
変化に柔軟に対応することができる、安定的かつ効率的な生産
しての愛媛工場、原薬製造の基幹工場である大分工場の 4 つの
体制を構築し、コスト競争力を維持・強化するために、生産拠点
拠点を有しています。
を再編することとしました。これによって当社の生産拠点は、鈴鹿
安定供給体制のさらなる強化に向けて、海外からの原料・医薬
工場と原薬製造の基幹工場である大分工場の2カ所に集約さ
中間体の調達や海外工場での製造など、グローバル化の進展を
れます。
踏まえたグローバルサプライチェーンの強化に継続的に取り
今後は安全、安心な製品を安定的に生産・供給しながら、生産
組んでいます。
拠点統合に向けた活動を効率的に実行し、製造コストを低減し
2014 年度は特にグローバル戦略品である
「ラツーダ」
の生産
ていきます。
体制を整備しました。原薬を大分工場で製造し、製剤化は自社
工場をはじめ日本と米国の委託先での製造体制を整えました。
現在
さらなる生産性の向上を目指して
鈴鹿工場
最適な製品供給体制の維持のため、
国内4工場での製造を基盤
茨木工場
さらに競争力強化に向け、経費の見直しなどコスト効率の向上
に取り組むとともに、リードタイム短縮といった工場における生産
性向上にも積極的に取り組んでいます。
25
大日本住友製薬株式会社 アニュアルレポート2015
鈴鹿工場
2020 年度を目処に
生産機能を移管。
一部外部へ
としながら、当社グループ内工場での製造のほか、技術提携に
よる外部委託製造も進めています。
再編計画
愛媛工場
大分工場
4 拠点
外部
製造委託
2018 年度を目処に
閉鎖し、外部へ。
大分工場
2 拠点
愛媛工場(愛媛県新居浜市)
大分工場(大分県大分市)
鈴鹿工場(三重県鈴鹿市)
主な生産品目
スミフェロン/カルセド
住友制葯(蘇州)
主な生産品目
主な生産品目
ラツーダ/メロペン/
アムロジン/ドプスなど
ラツーダ/ロナセン/
プロレナール/ガスモチン/
エバステルなど
主な生産品目
現地販売製品の包装
茨木工場(大阪府茨木市)
信頼される製薬企業として
製品の安全・安心を支える品質保証体制
主な生産品目
医薬品の製造にあたっては、高度な品質を確保するため各国で
アイミクス/アバプロ/
アムロジン/治験薬など
GMP(医薬品の製造管理および品質管理規則)が厳格に定めら
れています。FDA(米国食品医薬品局)
や EMA(欧州医薬品庁)
、
TGA(豪州医薬品管理庁)
など輸出国政府機関の承認を得て、
また公平・公正で透明性のある取引を行うため、取引基本契約
世界各国に輸出しており、欧米のGMPを当社グループの運用標準
の締結、下請法をはじめとする関係法規の遵守、取引先の評価
としています。さらに、海外提携企業の監査、ICH
(日米EU 医薬品
などを継続的に実施しています。
規制調和国際会議)のガイドラインをはじめとした、グローバル
海外調達についても、
トラブルへの迅速対応はもちろんのこと、
レベルの厳しい品質基準もクリアする高い設備設計水準や品質
海外取引先との円滑なコミュニケーションや誠実な調達活動を
保証体制を整えています。
通じて、より深い信頼関係を構築することにより、
トラブル未然
これら品質保証水準は、今後ますます厳格化していくと予想
防止と供給不安の解消を図っています。
されます。そのため当社の工場では、新固形製剤棟や無菌保証
レベルを向上させるRABS
(アクセス制限バリアシステム)
をはじめ
製品供給責任と環境保全への取り組み
積極的に設備投資を行い、より高品質の医薬品を提供し続ける
国内4工場では、環境マネジメントシステムに関する国際規格
体制の強化を図っています。
であるISO14001 認証を取得し、製造設備の自動化などによる
省力化の推進、生産サイトの最適化、在庫の削減、コジェネレー
グローバルなサプライチェーン・マネジメントの推進
ションシステムの導入などにより、生産コストの削減と環境に配慮
医薬品に使用する原材料などを安定・安全に調達するため、
した生産活動を継続しています。
調達先の複数化、
代替品検討、
備蓄対応など
「原材料供給途絶対策」
また、コンプライアンス遵守のもと、無事故、無災害で操業して
を継続的かつ計画的に推進しています。現在は、製品単位での対策
いくための労働安全衛生マネジメントを推進しているほか、災害
について取り組んでおり、
2014 年度は当社主力品のグローバル
発生などの緊急時においても安定供給を維持するために東西の
展開や生産拠点の再編に伴う生産戦略の見直しを行いました。
物流センターの補完機能強化に取り組んでいます。
大日本住友製薬株式会社 アニュアルレポート2015
26