2015 年 9 月号 2015 年 9 月 1 日発行 第 157 号 司祭 ディミトリイ 田中 仁一 〒250-0011 神奈川県小田原市栄町四丁目 4-1 TEL/FAX : 0465-22-2792 携帯 070-5079-3408 E-mail: [email protected] 日本ハリストス正教会教団 HP: http://www.orthodoxjapan.jp/ 郵便振替口座: 00270-6-15226 聖体礼儀解説(5)~大連祷その4~ 聖堂はただの建物ではありません。それは地上にある天の宮です。 そこは静けさと荘厳さに満たされ、言葉では言い表すことのできな い「奥密」が全てを支配しています。神の国の奥義は、まさにこの 神の宮で行われるのです。 【2 ページに続く】 ●五旬祭後第 14 主日聖体礼儀・月例パニヒダ 9 月 6 日 (日) 10:00~ (9:30 痛悔) 月例パニヒダの時間から、キッズタイムがあるよ! 第 5 調 コリンフ後 1:21-2:4 福音経マトフェイ 22:1-14 ●聖十字架挙栄祭代式祈祷 9 月 27 日 (日) 10:00~ (9:30 痛悔) 祭日調 使徒経:コリ前 1:18-24 福音経:イオ 19:6-11, 13-20, 25-28, 30-35 2015 年 9 月 27 日(日)~28 日(月) 場所: 御殿場ユースホステル 秩父宮記念公園 聖体礼儀解説(5) ~神の宮、地上の天~ 祭日調 使徒経:フィリッピ 2:5-11 福音経:ルカ 10:38-42、11:27-28 の降誕によって改めて人に与えられました。『神の 教会という神の家では、聖体礼儀のとき、全てがハ たも 言が人体をとったいま、自らの中にハリストスを有 リストスの光によって照らされます。ハリストスはまさに つ信徒一人ひとりは神の宮であり堂なのだ』と、アレ きら 東から西に燦めき渡る稲妻のようなものです(マトフェ クサンドリアの聖キリルは言います。ゆえに、私たち イ伝 24:27)。それは『ハリストスの光は衆人を照す』 の生活は、主ご自身が私たちの中に住まうようなも という言葉の通りです。 のとならねばならないのです。 大連祷の第四の祈願文によって、私たちが主ハリ せい こ う えい おだ 神の聖なる宮において、信徒は至聖神の聖なる ひかり ストスに求めるものは「聖なる光栄の穏やかなる 光 」 たまもの 賜物を受け、教会を形づくる祝福さ たましい です。この光は聖堂を 霊 の穏や れた材料となるのです。聖金口イオ かな港に変えます。 アンは、『教会は私たちの心によっ 「平穏な港が荒波に揉まれた船 て造られた宮である』と言い、聖イグ に大きな安心を与えるように、神の ナティオスは、私たちは『父なる神 家もまた人に大いなる安らぎを与え がご自分の宮を建てるためにご用 る」と聖金口イオアンは言います。 意された石である』と言います。 教会に来る人々は世間の荒波に揉 表信者聖マキシモスは、人は『神秘 まれている人々です。教会は彼ら なる教会』であると言います。つまり、 に、大いなる平安と隠静とを以て、 身体が聖所であり、心が至聖所で 神の言葉を聴く時間と場所を与え あり、霊が宝座です。『人は宝座で ある霊によって、静寂という荘厳な たましい るのです。教会は 霊 の礎です。 讃美をもって神を呼び、神秘の言 せい しん 教会の中に入ると、聖神の爽や 葉によって、可能なかぎり人として かな風が私たちの心を包みます。 神と一体となる。そのときこそ、神は 聖堂を満たす静寂は荘厳さを醸し 人のもとを訪れることを嘉し、輝かし 出し、私たちを霊的生活に、地上から天に導きます。 き光照の印を受ける』のです。 たとえ、祈祷が行われていなくとも、聖堂の中にいる 聖堂が東を向いているのは、私たちの眼差を天 だけで得るものは大きいはずです。ならば、使徒経 国に向かわせるためです。私たちは人生という海を や福音経が読まれ、ハリストスが私たちの中に立ち、 渡りながら、沈まぬ太陽をめざして歩き続けている せい しん のです。ハリストスは、まさに地上において潔く歩む 父なる神が私たちの感謝の祭を受け、聖神がその 喜びをもたらしてくれるときは尚更です。聖なる父が、 聖なる子によって、聖神のうちに成聖した聖堂は、ま 人を照らす光です。 私たちは天上のエルサレムをめざして歩み続け ます。いつか私たちは、この光に照らされながら永 さに至聖三者の宮であります。 遠の生命に至るでしょう。そこには夜がありません。 主なる神から特別の祝福として人に与えられたの ランプの灯も太陽の光も必要ありません。なぜなら、 は、人が神の宮となる力です。この力は、ハリストス 主なる神が万物を照らしているからです。 2 最 近 の出 来 事 ・消 息 小田原 v 聖体礼儀 8 月 2 日(日)、猛暑が 続く中、五旬祭後第 9 主日聖体礼儀が行われまし た。夏休みという期間でもあり、旅行中の正教信徒 の方が来会され、共に祈ることができました。中でも 遠方からお越しになったのがギリシャのカツァンド ーニスご夫妻とその娘夫婦である荒井さんご夫妻で、 観光のため来日されました。日曜日は教会に行くこ とも旅程に込めいていたとのことで、カツァンドーニ ス夫人は予め教会に献じるプロスフォラ(聖パン)を 作ってスーツケースに 3 つ入れて来られました。私 ギリシャ型のプロスフォラについて説明する神父 たちは通常、「五餅」といって聖体礼儀のために5つのパンを用いていますが、ギリシャではその5つのパンの役目 を大きな1つのパンで行っています。逆に私たちが普段使っている記憶用聖パンを初めて味わったご家族は、皆 口を揃えて「美味しい」と喜んでおられました。戴いた3つのプロスフォラは小田原と、翌週の修善寺の聖体礼儀で 使いました。 顕栄祭 8 月 16 日(日)、十二大祭の一つである顕栄祭が行われました。暦上 8 月 19 日が祭日です が、直近の主日に合わせて行われました。福音経の記録にある通り、ユダヤ世界では仮庵の祭の時期 に主ハリストスが、2 人の弟子を連れてファボル山(Mt. Thabor)に登った時、その姿が光のように輝きだ して律法を立てたモイセイと預言者イリヤとで会話したことを記憶します。仮庵の祭の頃は作物の収穫 を感謝することから、教会でも実りのものを聖堂に集め、聖水を撒いて祝福しました。またこの日は月例 パニヒダも行われました。パニヒダの時間に合わせて子供プログラムも行われました。その日は顕栄祭 の簡単な内容の話がされ、その後ボタン付き糸電話を作りました。子供プログラムには 1 名が参加しま した。今後も月例パニヒダの時間に合わせて子供プログラムがあるので、保育園、幼稚園、小学生のお 子さんは是非教会に来てご参加ください。昼食では成聖された果物を皆で頂きました。 柏久保 晩課・信徒総会 8 月8日(土)、五旬祭 後第 10 主日晩課が行われました。それに引き続き、 2015 年度柏久保ハリストス正教会信徒総会が行われ ました。出席者は 4 名でした。信徒総会では過 年度の活動 報 告・決算 報告 そして新年 度の 活動予定が報告され、出席者が承認致しまし た。また神父からは、出来る範囲で無理せず やっていこう、という話がありました。来られた 方の持ち寄りで軽食を頂いて解散しました。 静岡 聖体礼儀 柏久保教会 信徒総会の様子 8 月 23 日(日)、五旬祭後第 12 主日聖体礼儀および月例パニヒダを行いました。昼食の間に連絡事項が話された後、定例の執事会兼役員委員会 が行われました。現在は、設計図、特に納骨堂と鐘楼の位置関係に基づいて意見交換が中心に行われ、より教会 が教会として機能的になる方向に向かって議論されました。また玉川大学より、静岡教会のイコンで修復されたもの の展覧会を 10 月中に行うという知らせが来たことから、展覧期間中に大学を訪問する企画を計画しました。 修善寺 聖体礼儀・信徒総会 8 月 9 日(日)、五旬祭後第10 主日晩課が行われました。この日は、毎回横浜 から修善寺教会に通う、堂役のワルナワ野田幹太兄が何とかご祈祷に間に合うというほど行楽渋滞がひどい時でし た。それでも堂役の務めに間に合い、神様の守りに感 謝。ご祈祷後、昼食に続いて2015年度修善寺ハリストス 正教会信徒総会が行われ、過年度の活動報告・決 算報告そして新年度の活動予定が報告されま した。修善寺教会では、この半年間で 5 名もの信徒を 天に送ることになり、未だその衝撃を拭いきれない中で の信徒総会となりました。その中でイオアン山田亨執事 長は、今後の修善寺教会を支えていくための助言を求 めるため、各執事にアンケートを行いました。まだ全て アンケートが集まっていないため、信徒総会でその報 大きな聖パンを持って山田執事長と野田元執事長 告をするまでには至りませんでしたが、今後も皆様のご 協力を賜ってまいります。宜しくお願い致します。 平塚 感謝祈祷・信徒総会 9 月 5 日(土)の集会は重田仁兄・博兄宅にて行う予定でしたが、中止 となりました。次回は 11 月 14 日、澁谷姉宅にて行います。 永遠の記憶 長司祭ペトル及川淳師(85 歳)が 7 月 31 日に永眠されました。8 月 4 日(火)、盛岡 教会にてセラフィム大主教座下の司祷により埋葬式が執り行われました。ペトル及川師は長司祭パ ウェル及川信師(京都)のご尊父様で、京都教会に隣接した西日本教区センターの竣工・成聖を見 届けての永眠でありました。長司祭ペトル及川淳師の長年のお働きを偲び、永遠の記憶をお祈り申 し上げます。 洗礼おめでとう 8 月15 日(土)、シマダ マリヤちゃ ん(8 か月)が洗礼を受けました。シマダさんはこの洗礼 後間もなく故郷のロシアへ帰られるとのことでした。代父 母になられた川田夫妻、バレンティン兄・ミレラ姉は平塚 にお住まいとのことで、この友人の娘さんの洗礼を期に、 大きなお祭りには娘さんのマリーナちゃん(小5)と一緒 に教会に来たいと言っています。マリヤちゃんとそのご 家族に神様の恩寵が豊かにありますことをお祈り申し上 げます。 あれ?ちょっと洗礼盤が小さいカナ?! 4 東京大主教教区主催 講演会 日本の府主教セルギイとその時代 ~セルギイ府主教永眠 70 年記憶特別講演会~ 日時: 2015 年 9 月 19 日(土) 13:00-15:00 場所: 東京 ニコライ会館 講演者: 長縄 光男 先生(横浜国立大学名誉教授) 申込: 各教会管轄司祭まで。申し込み多数の場合先着順。 ※詳しくは同封のチラシをご覧ください。 人生のあらゆる節目に祝福を! 1. お子様の成長に祝福がありますように 2. 入学、新学期、就職、成人式、人生の大きな門出に 3. 銀婚式、金婚式…お二人の生活への感謝と更なる祝福がありますように 4. 病床で過ごす時に神様の豊かな恩寵が賜りますように 5. 産前・産後のための祈祷 6. 新たに購入した家屋や乗り物等の成聖 また洗礼、記念祭など、教会はいつでもご質問をお待ちしています。管轄司 祭、または各教会執事に遠慮なくご連絡ください。 携帯電話:070-5079-3408 メールアドレス:[email protected] 献金報告 日付 8/16 氏 名 日比野 俊二様 廣石 真太郎兄 小口 真一兄 8/20 現在 日付は会計処理日です。ありがとうございました。 摘 要 感謝献金 感謝献金 感謝献金 婦人会献金:今月はありません。 5 聖預言者ザハリヤ 記憶日9 月18 日/9 月5 日(新暦) 聖預言者ザハ リヤはアーロン モ ー セ (モイセイの兄)の子孫で代々ィエル サリムの祭司を務める家系である。ま た、聖ザハリヤはイイススに洗礼を授 けた前駆授洗イオアンの父である。 彼の妻エリザベタは生神女マリヤを 産んだ聖アンナの姉である。ユダヤ ヘ ロ デ がイロド王時代(紀元前 37 年~紀元 前 4 年)のある日、聖ザハリヤがィエ ルサリム神殿に務めていると、神の 使いが祭壇にいる彼の前に顕れた。 「恐れることはない、ザハリヤ。」こうし て伝えられたのは、彼の妻が念願の赤子を授かるだろう、ということだった。聖ザハリヤとその妻聖エ リザベタは高齢であったが、子供を授かれるようずっと祈っていたのだった。しかしザハリヤは直ちに その天使の言葉を信じることはできなかった。天使は続けてこう言った。「私は神の臨在の所に立つ ガヴリイル。」その瞬間ザハリヤは言葉を話すことができなくなってしまった。彼は子供が産まれるま で話せなかった。子供が産まれた時、それが男の子だったので、彼は板にこう書いた。「この子の名 前はイオアン。」その時、彼は再び声を発することができるようになって、真っ先に神を讃美した。間 もなくイイススハリストスも生神女マリヤより降誕した。イロド王が東方の三博士によって「この国の王が 生まれた」と知らされると、怒り狂い、その地方の男の赤子を皆殺しにするよう命令を出した。聖ザハリ ヤと聖エリザベタもこのことを知り、生後 18 カ月のイオアンと妻エリザベタを荒野に逃れさせた。聖ザ ハリヤのところに産まれた男の子を見つけられなかった兵士たちは、聖ザハリヤをイロド王のもとに差 し出した。怒り狂うイロド王はその子の代わりに聖ザハリヤの首を祭壇で落とした。聖ザハリヤの血は 大理石の祭壇に流れた。その血は石のように硬くなり、イロド王の残虐さを後世に伝えるものとなった。 また聖エリザベタと前駆授洗イオアンが身を隠した荒野の岩からは岩清水が流れ出るようになり、良 い実をつけるヤシが茂るようになった。聖エリザベタも聖ザハリヤの致命後 40 日に永眠した。残され た子、前駆授洗イオアンは荒野に一人残されたが、神の使いが彼を育て、神の護りの中で成長した。 そして後、福音経に記されている通り、ヨルダン川で人々に洗礼を授けるようになるのであった。 6 9 月の永眠者一覧(敬省略) 永眠日 聖名 氏名 永眠年 縁故者 1日 ニフォント 神谷 孝一 1943年 神谷 忠明 1日 アンナ 川﨑トシ子 2006年 川﨑 2日 ソフィヤ 阿久津 節子 1932年 阿久津 八重子 3日 ダリヤ 山本 ソメ 1966年 山本 やす江 4日 ペトル 日比野 徳蔵 1963年 日比野 正男 1921年 中島 八千代 6日 中島 7日 アレキサンドル 7日 ウエラ 8日 ソフィヤ 10日 昇 百瀬 1984年 1974年 紺野 雅章 日比野 トシ 1982年 日比野 馨 ソフィヤ 澁谷 雪江 2014年 澁谷 道子 13日 ステファン 廣石 太一郎 1977年 廣石 和子 13日 リディヤ 石川 常子 2007年 石田 浩一 15日 パウエル 長澤 米次郎 1952年 14日 シメオン 廣石 豊 2014年 廣石家 16日 ティモン 假野 貞文 1912年 假野 美枝 16日 ニキタ 青柳 1985年 横田 祥子 16日 アキラ 神谷 忠 2014年 神谷 淳一 18日 ニコライ 神谷 忠三郎 1917年 神谷 淳一 20日 ワシリイ 荒井 友一 1995年 荒井 譲 百瀬 ツル 1969年 百瀬 久 22日 紺野 晃 信 寛 22日 アキリナ 石井 モト 1978年 石井 愛子 22日 マリナ 渡辺 房子 1888年 渡辺 23日 マリヤ 廣石 ソノ 1948年 廣石 利恵 23日 マルファ 小島 満寿 1971年 山口 24日 ニコライ 松下 1986年 中島 八千代 26日 ダヴィド 石川 亀雄 1929年 石田 浩一 27日 ソフィヤ 日比野 サダ 1905年 日比野 勇 27日 澁谷 芳雄 1922年 澁谷 道子 30日 窪田 一郎 1902年 窪田 幸夫 宏 晃 30日 コノン 竹内 義吉 1935年 樋口 邦夫 30日 シメオン 廣石 頼房 1977年 廣石 利恵 9月の月例パニヒダは第一日曜日です。 7 ギリシャからの旅行者ご家族、出発を前に残っている会館に信徒たちと記念撮影 夏の花で飾られた顕栄祭のイコン。 中央に主ハリストスが立ち、右には聖イ リヤ、左には聖モイセイが立っている。 弟子たちはその下で目を覆っている。 ↑ 顕栄祭聖体礼儀の様子 顕栄祭聖体礼儀の中での果物成聖 → ← 8月15日洗礼。喜びの膏(あぶら)を塗られるマリヤちゃん。 夏だから肌着がなくても大丈夫だね。幾年も! 8
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