ブルームバーグが舛添都知事、石破大臣、平副大臣、ほか各界の有識者

ブルームバーグが舛添都知事、石破大臣、平副大臣、ほか各界の有識者の皆様の参加
による「日本 2020 年への挑戦」特別セミナーを開催
ブルームバーグ東京オフィスでは 7 月 14 日に「日本経済の再生と成長戦略」を主なテ
ーマとするグローバル規模イベントの 4 回目となる特別セミナーを開催しました。
舛添要一東京都知事、そして石破茂地方創生担当大臣による基調講演。続いて、平将明
内閣府副大臣と幅広い世代の日本を代表するリーダーの皆様によるパネルディスカッシ
ョンで構成された本セミナーでは、5 年後に控えるオリンピックとパラリンピックを起
爆剤に、東京、そして日本経済のグランドデザインをどう描いていくのか、また長期的
な成長をどう実現していくのか、といったテーマにつき熱い議論が交わされました。
舛添東京都知事は、東京が約 50 年前、最初のオリンピックを開催した際のインフラ整
備により、その後の経済発展に大きく貢献することとなる新幹線が完成したと指摘。そ
して今回、成熟国家として迎えるオリンピックでは何を後世にレガシーとして残してい
けるのかをテーマに聴衆として集まった企業幹部、市場関係者、そして学生の皆様に語
りかけました。
また世界の都市間で激しい競争はあるが、2020 年までに東京をアジアの金融拠点にす
る、というビジョンについて説明し、2020 年のオリンピック・パラリンピックは日本
経済復活の「ベストでありラストチャンス」と発言。水素社会の実現などについて言及
しました。
石破地方創生担当大臣は未曾有の超高齢化社会が訪れるが、地方には高齢者を受け入れ
る余裕があるとして、高齢者の地方移住の促進、そして地方での魅力ある雇用機会の創
出の必要性を示しました。また必要なデータ、資金、人材面は政府が支援すると同時に、
自治体には危機感と責任感を持って行動を起こすことが求められているとした。
続けて、石破大臣は今、日本に起こっている人口減少などは海外の国も経験しているこ
とであり、日本は国際社会に対してもこれらの問題を解決する責任持っていると強調。
国家の存続をかけて、地方と共に全力で取り組むと述べました。
パネルディスカッションでは経済協力開発機構(OECD)東京センター所長の村上由美
子氏が東京を介さずに自立的な成長を遂げている都市として福岡の事例を紹介。2015
年ミス・ユニバース日本代表の宮本エリアナさんは、自身が長崎県出身であることから、
福岡を含む同地域に、近隣アジア各国からの観光客が増えていて地元経済活性化などに
つながり嬉しいと述べました。福岡は英国発のグローバル情報誌"Monocle(モノクル)
"に、世界で最も住みやすい都市 10 位に選ばれるなど、その認知度は海外でも高まっ
ています。
地域経済活性化という側面からは平副大臣と社会起業家の牧浦土雅氏は共に、地方創生
特区や近未来技術集中特区が戦略的な主な政策として有効であり、ロボット、小型無人
機ドローン、自動運転などの活用につながると話しました。
日本証券業協会会長であり「東京国際金融センターの推進に関する懇談会」の委員でも
ある稲野和利氏は東京国際金融センターについて、東京には十分な魅力があり、金融拠
点として機能するのに必要な法制度、会計制度、取引所システム、業者、監督機関など
の基本的な条件は満たしているとしました。また東京はシンガポール、香港とは違う独
自の発展の仕方を追求していくと同時に、金融人材の育成や国内外の機関投資家にとっ
て魅力的な環境を整え、集積度を高める必要性を指摘しました。
果たして日本は 2020 年に向けて、好機を最大限に活用し、更なる発展を遂げることが
できるのか。そのためには、今後の 5 年間が非常に大切な時期になると、登壇者の皆
様と参加者の皆様が認識を改めて共有し、特別セミナーは幕を閉じました。
ブルームバーグとしては今後も日本経済の長期的な成長に貢献すべく、日本の将来を左
右する重要なテーマについて引き続き理解促進と議論の場を提供していきます。
参考記事:
舛添都知事:「アジアの拠点」奪還目指す-日本橋に国際金融センター
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRH5Q76JTSE901.html
石破地方創生相:高齢者受入れ、地方に「余裕」-移住政策を後押し
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRH8TR6JTSE801.html