日時:12 月 4 日(金)17:40‐18:40 場所: 第 1 会場 東京国際フォーラム C ブロック 1‐6F ホール C 座長 大路 正人 先生 (滋賀医科大学) 演 者1 演 者2 一山 悠介 先生 大越 貴志子 先生 (滋賀医科大学) (聖路加国際病院) 座長の言葉 近年の網膜疾患診療は、診断における OCT の進歩と普及および治療に おける抗 VEGF 療法は、病態の理解と治療マネジメントに大きな変化を もたらしています。 特に OCT は、治療方針の決定、効果判定において無くてはならないツー ルとなり広く普及しております。高侵達の Swept Source OCT により、 画像化が困難であった症例に関しても観察が可能になってきており、ま た、最 近 で は、造 影 剤 を 使 わ ず に 血 管 構 築 を 描 出 す る OCT Angiography も開発されてきています。今回、一山先生には OCT Angiography で得られた最新の知見とそれを研究や臨床にどう役立て るのかを自験の症例と共に解説して頂きます。 また、黄斑疾患の治療においては、世界的に抗 VEGF 療法中心の新しい 時代に移行してきていますが、レーザー治療においても閾値下凝固に代 表 さ れ る 低 侵 襲 レ ー ザ ー 治 療 の 時 代 に 入 っ て き て い ま す。今 日、 PASCAL エンドポイントマネジメントの登場により、マイクロパルス を用いることなく閾値下凝固が可能になり、より低侵襲かつ組織選択性 の高い治療になりつつあります。そこで、大越先生には実験データ、自 験例含め、最新の治療マネジメントについて解説して頂きます。 本セミナーが先生方の日々の診療にお役に立てれば幸いです。多くの先 生方のご来場をお待ちしております。 第 54 回日本網膜硝子体学会総会・株式会社トプコン・株式会社トプコンメディカルジャパン 第 54 回 日本網膜硝子体学会総会 イブニングセミナー 演 者1 一山 悠介 先生 (滋賀医科大学) OCT Angiography の有効利用:より安全な診療を目指して 網膜や視神経の詳細な 3 次元構造を非侵襲に観察可能な光干渉断層計(OCT)は広く普及し、現在の一 般眼科診療において必須の検査器機のひとつとなっている。近年OCTはさらに改良され、 網膜内の動き (血 流)がある部位と動き(血流)がない部位を判別することで、網膜血管の血流を画像再構築する技術 (OCT Angiography)が開発され注目されている。これまで、網脈絡膜の血流評価のためには蛍光眼底造 影検査が必須であり、造影剤使用によるリスクは不可避であった。しかし、この OCT Angiography では 造影剤を用いることなく非侵襲に血流評価が可能であり、今後の臨床における有用性が強く期待される。 また、網膜から脈絡膜にかけて層別の血流解析が可能であり、これまで分からなかった病態が明らかにな ることも期待されている。 本講演では、自験の症例を提示しながら OCT Angiography の臨床における有用性を解説し、また OCT Angiography 撮影により新たに明らかになってきた網脈絡膜疾患の病態についても紹介する。 演 者2 大越 貴志子 先生 (聖路加国際病院) エンドポイントマネジメント網膜レーザー治療革新への期待 これまで黄斑疾患のレーザー治療は、侵襲が大きいという理由で敬遠されてきた。しかし、近年、パター ンスキャンレーザーや閾値下凝固といった侵襲を軽減させたレーザーが開発され、黄斑レーザー治療が様 変わりしつつある。これまでのレーザーは少なくとも凝固斑が確認できるレベルで行うことが原則であっ た。レーザーのエネルギーを下げてゆくと、閾値、すなわち凝固斑が確認できる最低レベルに到達する。 さらに下げると閾値下凝固、すなわち凝固斑が見えないレベルとなる。これまでの常識ではレーザー治療 は閾値上で行うことが原則であった。しかし、近年閾値下凝固、すなわち凝固斑が見えないレベルで行う レーザーの有効性が確認され、閾値下凝固が安全に黄斑疾患を治療できる方法として期待が高まっている。 本講演では糖尿病黄斑浮腫や中心性漿液性脈絡網膜症などの黄斑疾患に対する閾値下凝固について、パス カルエンドポイントマネージメントを中心に解説し、閾値下凝固の基礎と臨床を少しでも理解していただ けたら幸いである。 第 54 回日本網膜硝子体学会総会・株式会社トプコン・株式会社トプコンメディカルジャパン
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