コラム:祝 JR 発足 20 周年

顔写真
コラム:
コラム:祝 JR 発足 20 周年
(3cm×3.5cm)
第12代目研究員
浅見 雅之(あさみ まさゆき)
数年前の交通新聞に、遂に JR 発足後に生まれた方の入社を紹介する記事が載っていまし
た。JR 発足から現在まで、人が生まれ、社会人になる、成人するほどの時間が流れたことに
なります。それを思うと、20年という時間の長さを改めて感じます。
以前、図書館で過去の新聞の縮刷版を興味本位にパラパラ読んだことがあります。その中
で特に印象的だったのが、昭和62年3月31日~4月1日の新聞記事でした。内容は国鉄の
分割民営化一色でした。「日本国有鉄道」の看板が取外されるのを前に涙する当時の国鉄
幹部の方々の写真が今でも鮮明に記憶に残っています。
テレビ欄を見ても、やはり分割民営化一色で、討論番組やら列島各地生中継やら、各局と
も様々な特別番組を放映したようです。JR 発足の瞬間を伝えようと、大晦日の「ゆく年くる年」
さながら、4月1日午前0時をまたいだ生中継までありました。
これらを見るに、改めて国鉄分割民営化~JR 発足ほど社会に多大な影響を与えた変革も
無いように思います。郵政民営化してもテレビ生中継など無かったのですし。
当時の国鉄内部やマスコミでは分割民営化不要論、悲観論が根強かったと聞きます。その
逆境ぶりは、NHK「プロジェクト X」でも採り上げられた、国鉄時代の新幹線開発とも重なって
見えます。最近で言えば青色 LED の開発など、大きなブレイクスルーを与えたものほど、逆
境の中で難産の末生まれたものが多いのではないでしょうか。
話題は変わりますが、今年度、社内で鉄道の20~30年後について考え、議論する機会が
ありました。当初は、過去20年以上も仕組みに大差無いのだから、20年後も大差無いとい
う悲観論もありました。が、その後若手有志で集まった際、各々の問題意識やアイデアが議
論を生み、結果的に具体的な変革の提言にまとまりました。
そこで改めて思ったのは、誰もが遠慮、しりごみし、無理だ困難だと思い込むと、何も変わ
らない、生まれないということです。結局、先の話と同じなんですね。
そういえば、以前読んだ心理学だか催眠の本にも、無理だ、上手くいかないなぁと思ってし
まうと、それが負の暗示になって、本当に上手く行かなくなってしまう、と書いてありました。今
改めて思い返すと、今の自分にとって非常に耳の痛い話です。。。
以上、つまらない話にお付き合いいただき、ありがとうございました。(END)