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BUSINESS INTELLIGENCE
連邦巡回区控訴裁判所、当事者系レビュー(Inter Partes Review)の
不服申立てについて最初の見解を発表
2012 年、米国では、改正米国特許法(AIA)
が施行された。AIA は、他者が特許の有効
所に対し不服申立てをすることが可能で
ある。
性を争う 3 つの新しい手段 – 当事者系レ
法律により、米国特許商標庁は、審理が
ビュー(Inter Partes Review: IPR)
、ビジネ
開始されてから 12ヶ月以内に審決を下さ
ス方法特許に関する暫定措置(Covered
なければならない。訴訟に比べ審理が迅
Business Method Review: CBM)
、および付
速であることは、相対的な費用の低廉性
与後レビュー(Post-Grant Review: PGR)を
と相まって、米国特許商標庁における特
Masuda, Funai, Eifert & Mitchell, Ltd.
弁護士 含む多くの変更を、米国特許法に加えた。
許無効化の申立てを増加させている。AIA
これらの各手段は、他者が米国特許商標庁
の制定以降、約 3,000 件の申立てがされて
ジョセフ・サルティール
に対し発行済み特許の有効性について再
おり、最も利用されている手段である当
審査の申立てをすることを認めるもので
事者系レビューは、申立件数の 88%を占
ジョセフ・サルティール
イリノイ州弁護士および、米国特許商
標庁の弁理士資格を有す。イリノイ大
学アーバナ・シャンペーン校ロー・ス
クールを首席で卒業(J.D.取得)
。イリ
ノイ大学シカゴ校大学院卒業(電気工
学コンピュータ科学専攻、M.S.取得)
。
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン
校工学部卒業(コンピュータ科学専攻、
B.S.取得)
。
シカゴ事務所
Tel: 312 -245 -7500
Fax: 312 -245 -7467
[email protected]
Masuda, Funai, Eifert & Mitchell, Ltd.
増田・舟井法律事務所は、主に米国で
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タッフが常勤しており、安心して日本
語でご相談頂けます。
ある。付与後レビューの申立ては、特許発
めている。ビジネス方法特許に関する暫
行後 9ヶ月以内に制限される。9ヶ月経過後
定措置は、申立件数の 11%を占める一方、
は、当事者は、ビジネス方法特許に関する
付与後レビューの申立ては、4 件のみ(1%
暫定措置または当事者系レビューのいず
以下)となっている。これら申立ての約
れかを申し立てることが可能である。ビジ
65%は電気製品ないし電子機器の特許に
ネス方法特許に関する暫定措置は、金融業
関するものであり、約 11%はバイオ、医
界に関するビジネス方法特許に関しての
薬、化学技術に関するものである。
み、かつ申立人が特定のビジネス方法特許
の侵害を問われている場合にのみ申立て
ら申立ての取り扱いに関する独自のルー
が可能とされる。これに対し、当事者系レ
ルおよびガイドラインを確立する審決を
ビューは、全ての者(特許権者を除く)が、
下した。申立て件数に鑑み、これらのルー
発行済み特許の無効を申し立てることが
ルは米国特許商標庁における申立ての対
できる。
処方法を早急に方向付けた。しかし、上記
米国特許商標庁への申立ては、無効の
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JCCC News Chicago
各手段は比較的新しいものであるため、
根拠を特定しなければならない。付与後
連邦巡回区控訴裁判所は、これまでにか
レビューおよびビジネス方法特許に関す
かるルールや法解釈について検討する機
る暫定措置では、申立人は、無効理由の大
会を有しなかった。もっとも、連邦巡回区
半について特許の有効性を争うことが可
控訴裁判所は、2015 年 2 月 4 日、米国特許
能である。これに対し、当事者系レビュー
商標庁が In re Cuozzo Speed Technologies,
では、申立人は、刊行物または特許に基
LLC(
「Cuozzo 社」
)事件(Fed. Cir. 2015)
づく米国特許法 102 条(新規性)または
において判断した 当事者系レビュー(Inter
103 条 (非自明性)を理由としてのみ特許
Partes Review)の本案(実体的側面)に対
の有効性を争うことができる。米国特許
する不服申立てにおいて、最初の見解を
商標庁が審理を開始した場合、特許権者
発表した。
は応答書を提出することが認められる。
お問合わせはクライアント・サービス
部門の江口 香または徳吉 史子まで。
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米国特許商標庁は、AIA を解釈し、これ
米国特許番号 6 , 778 , 074 の特許権者で
両当事者は、限られた範囲でディスカバ
ある Cuozzo 社は、車両の実際の速度と進
リーを行うこともでき、米国特許商標庁
行中の道路の制限速度を表示する表示器
の一部門である審判部が審理を行い、特
を公開している。同社に対して、Garmin
許の有効性につき審決を下す。当事者は、
International 社は、米国特許商標庁に先行
当該審決について、連邦巡回区控訴裁判
技術を基礎としたクレームの自明性を理
Japanese Chamber of Commerce & Industry of Chicago
理する可能性がある。 また、仮に最高裁
において本件が翻されなくても、米国特
許商標庁が「最も広く合理的な解釈」基準
の使用を止めることはあり得ることであ
る。米国議会は、現在、新たな特許訴訟を
検討している。この新しい特許訴訟では、
上記レビューにおいて特許クレームを解
釈する際、米国特許商標庁に、
「最も広く
合理的な解釈」ではなく「一般的かつ通常
由に、特許を無効とするよう当事者系レ
張した。連邦巡回区控訴裁判所は、米国特
の意味」基準を適用することを義務付け
ビューの申立てを行った。米国特許商標
許商標庁は、特許の審査および再審査に
る条項が含まれている。もっとも、この新
庁は、申立てを認め、特許の無効を決定
おいて、
「最も広く合理的な解釈」基準を
しい特許訴訟には、当事者系レビューの
し、連邦巡回区控訴裁判所もこれを支持
用いるのだから、当事者系レビューにお
審理開始決定に対する不服申立てに関す
した。この結果を受けた Cuozzo 社は、複
いても「最も広く合理的な解釈」基準を用
る条項は含まれていない。したがって、米
数の理由に基づき不服申立てを行った。
いるべきであると説示し、この点にも反
国最高裁判所が本件を審理し、ニューマ
不服申立ての根拠の大半は、本件当事者
対した。
ン判事を支持しない限り、当事者は、当事
系レビューに関するものであり、他の当
一方でニューマン判事は、当事者系レ
事者系レビューの不服申立てに対する影
ビューは特許審査よりは訴訟手続きに類
響はないと思われる。しかし、本件不服
似しており、米国特許商標庁は特許審査
者系レビューの審理開始決定に対する不
服申立てはできないこととなる。
米国特許商標庁に米国特許の有効性の
申立ての根拠のうち 2 つについては、他
で用いられる「最も広く合理的な解釈」
再審査を求める申立ては数千件ある。米
の当事者系レビューに影響するであろう
基準ではなく、訴訟において用いられる
国特許商標庁は、独自のルールとガイド
手続き上の問題に関するものであった。
のに類似した狭義のクレーム解釈基準を
ラインを示していたが、連邦巡回区控訴
採用すべきだという反対意見を述べた。
裁判所による再審理で通用するかは不明
申立てを受理し当事者系レビューの審理
ニューマン判事はまた、米国特許商標庁
であった。本件は、連邦巡回区控訴裁判所
を開始したのは誤りであると主張した。米
の決定には見落としがあるはずだという
が米国特許商標庁が行っている実務の一
国発明法は、米国特許権商標庁による当事
理由から、当事者系レビューの審理開始
部を認めたという意味で、有用な判断で
者系レビューの審理開始決定は最終的な
にかかる決定に対する不服申し立ては可
ある。より多くの事件が不服申立てされ、
第一に、Cuozzo 社は、米国特許商標庁が
ものであり上訴不可である旨規定してい
能であるべきであると述べた。したがっ
連邦巡回区控訴裁判所によって多くの判
るが、Cuozzo 社は、当該規定は単に中間控
て、ニューマン判事は、当事者系レビュー
断が示されるにつれ、米国特許商標庁に
訴を禁じているに過ぎないと主張した。し
の審理開始にかかる決定が終局的なもの
おける申立ての運用過程がより予測可能
かし、連邦巡回区控訴裁判所は、米国特許
とする米国発明法の規定は、単に中間控
になるであろう。そして、この予測可能性
商標庁による当事者系レビューの審理開
訴を排除するものであると解釈するのが
により、申立てを行う過程ついては改善
始決定については再審理する管轄権を有
理にかなっている旨述べた。ニューマン
されると思われる。当該申立てが、引き続
しない旨判示し、これに反対した。
判事の反対意見により、連邦巡回区控訴
き、米国特許の有効性を問うための最も
裁判所が本件を大法廷(en banc)で再検
よく利用される手段の 1 つとされるであ
第二に、Cuozzo 社は、米国特許商標庁
が、訴訟において用いられるより狭義の
討するか、あるいは米国最高裁判所が本
ろうことからすれば、これは望ましいこ
基準である「一般的かつ通常の意味(plain
件のこうした手続き上の問題につき再審
とであるといえる。
and ordinary meaning)」の代わりに、
「最
も広く合理的な解釈(broadest reasonable
interpretation)」という基準を用いて特許
本書に関するご質問は、知的財産テクノロジー部門副主席のジョセフ・サルティール弁護士
(Tel: 312 .245 .7500、
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のクレームを解釈する過ちを犯したと主
April 2015
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