数学を楽しもう (25) 100 人のクラスで試験を行う。教官は鬼のような人で出来るだけ合 格者を出したくないと考えており以下のような無茶苦茶な試験を行 うことを宣言した。 1)一つの部屋に 100 個の箱を一列に並べ、1枚に1名ずつの氏 名を書いた紙をこのクラスの 100 名分用意して,一つの箱に一枚ず つでたらめに入れておく。 2)名簿順で一人ずつ部屋に呼ばれる。呼ばれた学生は 50 個以下 の箱を適当に選んで開けてよい。もし箱の中に自分の名前が見つか れば、部屋を完全に元通りにして部屋をでる。そして次の人の順番 になる。当然だが試験当日は他の人と一切の情報交換は出来ない。 3)全員めでたく自分の名前を見つけることに成功すれば全員合 格とする。しかしもし一人でも、自分の名前を見つけられない人が 出たら、その瞬間にテストは終了し全員不合格とする。 幸いなことに、学生には試験の前日までに戦略を練る時間がある。 30%以上の確率で合格したいのだがどうしたらよいだろうか。100 人の名前は全員異なるし、いかなる不正もしてはいけない。 でたらめに 50 個の箱を選んだときに自分の名前が見つかる確率は 1/2 である。これを 100 回繰り返して単位が取得できる確率は ( )100 1 = 0.00000000000000000000000000000078886 . . . 2 だから問題を聞いた瞬間に結構多くの数学者が「明らかにこれは不 可能だ」という反応をする。これが、この問題に対する最高のほめ 言葉である。 掲載する数学の問題を随時募集しています。数学科教員までご連絡 ください。 学内であれば数学科の HP から問題を見ることができるようにしま した。 担当:山田、秋山、印南
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