第36回 昇降モーターのブレーキは磨耗します

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印刷機械のワンポイントメンテナンス
第36回 昇降モーターのブレーキは磨耗します
昇降モーターのブレーキは、自動車のブレーキと同じように磨耗していきます。ブレーキの隙間が広が
り過ぎると電磁ブレーキが開放されない,モーターの損傷等、重大事故に繋がる可能性があります。
Ⅰ.ブレーキ動作の仕組み
無励磁(むれいじ)式ブレーキ、いわゆるスプリングクローズタイプのブレーキです。電気が入っていない時は、
スプリングの力によって可動鉄心がパットに押し付けられてブレーキが効いた状態になっています。モーター
動作と同時に固定鉄心(マグネット)に電気が入り、可動鉄心をパットから引き離すことによって、ブレーキが
解除します。昔は、励磁(れいじ)式ブレーキという通電することによってブレーキが掛かるタイプでしたが、
ブレーキシューの磨耗によってブレーキの効きが悪かったり遅くなったりして、人身事故に繋がる恐れがあり
ました。しかし、現在では人身の安全確保を最優先にした機械停止時や電源オフ時でもブレーキが効いた状
態を維持するスプリングクローズタイプを採用しています。国際的にも人身事故防止を最優先する考え方から、
ほとんどの産業機械メーカーはこのスプリングクローズタイプを採用するようになってきています。
フィーダー昇降部フレーム ブレーキカバー
モーター取り付け穴
モーター回転軸
(全3ヶ所)
駆動チェーン
モーター本体
モーター取り付けボルト
(全3ヶ所)
スプロケット
ブレーキカバー止めネジ
(全3~4ヶ所)
モーター駆動軸側図
Ⅱ.ブレーキのスキマの見方
1.主電源を切り、フィーダー昇降モーターのブレーキカバー止めネジを外してカバーを開きます。
2.ブレーキの隙間に隙間ゲージを差込み距離を測ります。必ずA・B・Cの3方向から入れて傾きを見ながら
スプリングワッシャ
測ります。
六角ナット(3ヶ所)
リード線
六角ナット
6mmネジ
ブレーキ
隙間調整用
シム
A
C
可動鉄心
固定鉄心(マグネット)
モーター軸と繋がり
回転する
隙間初期値0.3mm
ブレーキ正面図
B
ブレーキ本体
取り付け穴
(4ヶ所)
3.上図は隙間調整方法がシム調整タイプのものですが、ロックナットの締め込み量で調整するタイプもあり
ます。隙間初期値は0.3~0.4mmですが、調整目安の隙間値は、シム調整式が0.6~0.8mm,
ロックナット締め込み調整式が1.2mmです。(ブレーキメーカーと型式によって多少異なりますので、
「取扱説明書」を確認してください)
4.調整目安値以上であれば「取扱説明書」に従って調整するか、KOMORIサービスへ連絡してください。
5.調整のやり方は、KOMORIサービスマンの指導を受ければ誰でもできますので、お客様で調整すること
をお勧めします。
★調整する時は、昇降のパイルを下降限まで降ろし、主電源を切って安全を確保した上で作業を行ってください。
※ 詳細または不明な点がございましたら、下記まで問い合せ願います。
株式会社小森コーポレーション
テクノサービスセンター
東京:本社 03-3624-7166
部品販売 03-3624-7154
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