EUのIoTサービスプラットフォーム(FIWARE)

⾃由⺠主党IT戦略特命委員会
欧州スマートシティプラットフォーム
(FIWARE)の概要・事例について
2016年3⽉4⽇
⽇本電気株式会社
1.欧州スマートシティ・プロジェクトとFIWARE
海外でのスマートシティ・プロジェクトの動向
※⽇経BP社『IoTプロジェクト総覧 スマートシティ編』、及び、NEC調べ
主な事業例
スウェーデン (1件)
イギリス (3件)
•
•
•
• QuickNetFree
• オスロ市スマートライティング
デンマーク (3件)
アイルランド (1件)
Smart Beehive Project
•
•
•
Connected Boulevar
ニースエコバレー
パリ・スマートライティング
•
•
EエナジーVPP実証
シュタットベルクVPP実証
•
ウィーンクラウドダイナミクス実証
•
•
•
•
•
•
•
スマートサンタンデール
バルセロナ・スマートシティ
スマートシティ・バレンシア
バレンシアスマートウォーター
ボズエロ市スマートシティ
Garrotxa スマートシティ
RERUM
•
PlanIT バレー
ドイツ (2件)
3
© NEC Corporation 2016
Sfpark
Smart Forest
Lake Nona メディカルシ
ティ
ハワイ EV群管理VPP実証
Blue CRUSH
MyMagic+, MagicBand
SenseA
EU
(23件)
オーストリア (1件)
ポルトガル (1件)
•
•
•
•
• コペンハーゲン・スマートストリー
トライティング
• DOLL ストリートライティング
• ヴィボーしスマートごみ収集
フランス (3件)
スペイン (7件)
•
•
•
ノルウェー (1件)
Future City Glasgow
マンチェスター ヒートポンプVPP実証
デジタル・グリニッチ
•
⽶国 (7件)
イスラエル (1件)
•
Alcohol Analytics
シンガポール (1件)
•
CityNIND Test プロジェクト
•
MIMON スマートパーキング
マレーシア (1件)
アルゼンチン (1件)
•
ティグレ 防犯プロジェクト
欧州におけるスマートシティ・プロジェクト⽀援
▌EUプログラムによる⽀援
第7次研究枠組み計画(FP7)におけるICT研究開発プログラムとして、
2011年から5年計画のFuture Internet Public-Private Partnership (FIPPP) を、 3億ユーロ(約390億円)の予算の下で実施。
次世代インターネット技術における欧州の競争⼒強化と、社会・公共分
野のアプリケーション開発⽀援することが⽬的
本プログラムの中核となる基盤ソフトウェアとして、”FIWARE” を先⾏
開発し、各種ユースケース実証を実施。
現在は後継プログラムであるHorizon 2020に引き継がれ、各都市のス
マートシティ・プロジェクトが⽀援されている。
※1ユーロ=130円で換算
4
© NEC Corporation 2016
FIWAREとは?
3つの意味づけ
①官⺠連携プログラムであるFI-PPPの象徴
(FI-PPP: 3億ユーロ(390億円))
• FIWAREが基盤として各種スマートシティ実証を
⽀える
②基盤ソフトウェアの研究開発プロジェクト
(開発費: 6,400万ユーロ(83億円))
• データ管理、IoTデバイス管理、ビッグデータ分析
機能、など
③基盤ソフトウェア成果と利⽤・検証環境
• オープンソースソフトウェアとして世界中の誰で
もが利⽤可能
• FIWAREを⽤いた開発・検証を容易にする環境を
EUとして整備(例: FIWARE Lab(後述))
※1ユーロ=130円で換算
5
© NEC Corporation 2016
スマートシティでイノベーションを起こすための投資の構造
EUと⾃治体/⺠間等のマッチングファンドによる開発/実証
スタートアップ、
⾃治体、企業、⼤学…
⾃⼰投資
⾃治体主導のプロジェクト
⾃⼰投資
約69億円
FI-PPP
ブリストル
⾃治体が主体的にプロ
ジェクト提案し、EU
から⼀部の資⾦を獲得
グリニッチ
EU
サンタンデール
EU出資
約268億円
スマートシティ系ユースケース実証プロジェクト
※事業化⽀援等も含む
交通
物流
農業
⾃⼰投資
約65億円
モビリ
ティ
情報
通信
ソフトウェア・
モジュールの開発
エネル
ギー
都市
環境
基盤ソフトウェアの
研究開発プロジェクト
© NEC Corporation 2016
健康
医療
EU出資
約118億円
※動作環境の提供等を含む
過去のEU研究開発資産も活⽤
6
製造
※1ユーロ=130円で換算
※※⾦額は、2016/3⽉時点
スマートシティでイノベーションを起こすための投資の構造
EUと⺠間/各国政府/⾃治体のマッチングファンドによる開発/実証/事業推進
スタートアップ、
企業、⼤学…
⾃⼰投資
⾃治体
ブリストル
⾃⼰投資
約69億円
⾃治体が主体的にプロ
ジェクト提案し、EU
から⼀部の資⾦を獲得
グリニッチ
EU
サンタンデール
FI-PPP
スマートシティ系ユースケース実証プロジェクト
EU出資
約268億円
※事業化⽀援等も含む
交通
物流
農業
⾃⼰投資
約65億円
モビリ
ティ
情報
通信
ソフトウェア・
モジュールの開発
エネル
ギー
都市
環境
基盤ソフトウェアの
研究開発プロジェクト
© NEC Corporation 2016
健康
医療
EU出資
約118億円
※動作環境の提供等を含む
過去のEU研究開発資産も活⽤
7
製造
⾦額は、2016/3⽉時点
為替レート 130円/ユーロ
FIWAREの主要スポンサー
•
•
FIWAREで主要欧州企業がパートナーとなってエコシステムを形成
NEC欧州研究所は、IoTブローカーの開発で貢献
FIWARE, “Open APIs for Open Minds”, 2015.より
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© NEC Corporation 2016
基盤ソフトウェアとしてのFIWARE
▌FIWARE:次世代インターネット技術のアプリケーション開発/
普及を⽀えるソフトウェアモジュールの集合体
オープンソース・ライセンスフリーで各モジュールを⾃由に組み合わせて利⽤可能
• FIWARE外のパーツを組み合わせて利⽤することも可能(オープンイノベーションを促進)
各モジュールが従うべき共通インターフェース(NGSI)が定められている
• NGSI: Open Mobile Alliance(モバイル事業者/ベンダ中⼼の標準化団体)で標準化
FIWAREのモジュール群
データ
管理
ビッグデータ
解析
イベント
検出
デバイス
管理
認証
オープン
データ連携
:::
⽤途に合わせて
⾃由に組合せて利⽤可能
スマートシティアプリ
ビッグデータ
解析
:::
:::
オープン
データ
連携
「FIWARE準拠の
スマートシティ基盤」
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データ管理
デバイス管理
認
証
FIWAREを普及のための環境・仕組み
< 施策例 >
▌FIWARE Lab
誰もが⾃由にFIWAREを⽤いたサービスの検証
を実⾏できるクラウド環境を提供
▌FIWARE Acceleration Programme
FIWAREを普及を促進させるため、FIWAREを
活⽤したアプリケーションを開発したい中⼩企
業やスタートアップ等に対して資⾦を援助
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FIWAREによるスマート・インフラの実現
FIWAREを共通の基盤ソフトウェアとし、多様なユースケース
(農業、都市、⼯場…)を実現
スマート農業
スマート農業
分野に応じたアプリを
つくるのに必要な機能
特定分野向け
モジュール
基本モジュール
セット
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© NEC Corporation 2016
スマート・シティ
スマート・シティ
スマート⼯場
スマート⼯場
FIWAREの実証プロジェクト: OUTSMART
▌FIWARE実証の1つとしてFI-PPPにより実施。
⾰新的エコシステムの開発を⽬的として、都市におけるサービスや資源に関する
最適な供給・アクセスに資するパイロットサービスや技術の創出を促進。
• 期間:2011年4⽉から2カ年
• 予算:500万ユーロ(約6.5億円*)
• 参加団体:
–Alcatel-LucentやOrange Lab. 等の15の⺠間企業
–サンタンデール市等の6公的機関
–ルクセンブルグ⼤学 等の6研究機関
結果、より持続可能な公益事業の提供や、効率性の向上を通じた資源や環境への
負荷軽減に貢献
廃棄物処理
ベルリン(ドイツ)
上下⽔道
オーフス
(デンマーク)
交通と環境
バーミンガム
(イギリス)
スマートメータ
と街灯
サンタンデール
(スペイン)
⽔と環境
トレント
(イタリア)
*: 1ユーロ=130円(2016年2⽉時点)で換算
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© NEC Corporation 2016
欧州各国スマートシティ・プロジェクトへの展開
EU主導以外にも、各国/⾃治体主導のスマートシティ・プロ
ジェクトが多数存在
▌各国/⾃治体が⾃前の予算でスマートシティ・プロジェクト
を推進
FIWAREが活⽤されているプロジェクト
[都市の例] サンタンデール(スペイン)、ブリストル(イギリス)
▌⾃治体特有の魅⼒づくり、⾃治体固有の課題解決に重きが置
かれている
都市ランキング向上
税収減少対策(運⽤の効率化)
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2.欧州スマートシティ事例
海外でのスマートシティ・プロジェクトの動向
※⽇経BP社『IoTプロジェクト総覧 スマートシティ編』、及び、NEC調べ
主な事業例
スウェーデン (1件)
イギリス (3件)
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• QuickNetFree
• オスロ市スマートライティング
デンマーク (3件)
アイルランド (1件)
Smart Beehive Project
•
•
•
Connected Boulevar
ニースエコバレー
パリ・スマートライティング
•
•
EエナジーVPP実証
シュタットベルクVPP実証
•
ウィーンクラウドダイナミクス実証
•
•
•
•
•
•
•
スマートサンタンデール
バルセロナ・スマートシティ
スマートシティ・バレンシア
バレンシアスマートウォーター
ボズエロ市スマートシティ
Garrotxa スマートシティ
RERUM
•
PlanIT バレー
ドイツ (2件)
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© NEC Corporation 2016
Sfpark
Smart Forest
Lake Nona メディカルシ
ティ
ハワイ EV群管理VPP実証
Blue CRUSH
MyMagic+, MagicBand
SenseA
EU
(23件)
オーストリア (1件)
ポルトガル (1件)
•
•
•
•
• コペンハーゲン・スマートストリー
トライティング
• DOLL ストリートライティング
• ヴィボーしスマートごみ収集
フランス (3件)
スペイン (7件)
•
•
•
ノルウェー (1件)
Future City Glasgow
マンチェスター ヒートポンプVPP実証
デジタル・グリニッチ
•
⽶国 (7件)
イスラエル (1件)
•
Alcohol Analytics
シンガポール (1件)
•
CityNIND Test プロジェクト
•
MIMON スマートパーキング
マレーシア (1件)
アルゼンチン (1件)
•
ティグレ 防犯プロジェクト
EU各国の事例 – スペイン
▌RECI
2012年6⽉、環境・エネルギー・交通公共・ICT・観光等の分野での連携を⽬的
に、スペイン国内47都市が、Spanish Network of Smart City (RECI)を設⽴。
▌スマート・サンタンデール
FP7によるICTの研究・技術開発の⼀環として、EUからの600万ユーロの出資に
より、2010年9⽉から36ヶ⽉間、EU8カ国、15団体のコンソーシアムにて実施。
スマート・ソリューションを確⽴して、交通量の削減、エネルギー消費量の削
減、環境の品質改善、市⺠の参加促進等の都市⽣活の様々な側⾯を改善すること
を⽬的とする。また、環境に関する情報を共有して他の有⽤なアプリケーション
を開発する⽬的もある。
主にスペイン サンタンデール市において実施された実証プロジェクトであり、
電⼒・⽔、ガス、廃棄物処理・道路・鉄道等の市全体に数千台のセンサーを設
置。携帯電話網、ワイヤレス・ブロードバンド等の通信インフラを介してデータ
収集を⾏った。
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© NEC Corporation 2016
スマート・サンタンデール
街中に設置されたセンサ―情報をIoTプラットフォームで解析するこ
とにより、過去、現在の測定値、ならびに、それに基づく市政のKPI
をレポートするだけではなく、未来の予測値も提⽰する。
Ayuntamiento de Malaga, “Administracion inteligente para una Ciudad Inteligente – Plataformas de Ciudad”, 2014.より⼀部修正
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© NEC Corporation 2016
スマート・サンタンデール – ごみ収集
•
•
•
ごみ収集容器をセンサでご
みの溜まり具合をモニタリ
ングし、収集経路とタイミ
ングを最適化
ごみ収集⾞をセンサでモニ
タリングして運⾏を管理
現在も商⽤サービスを実施
2016年3⽉時点
市⺠
ごみ収集管理サービス
都市の各指標をモニタ
運行管理
オペレータへの
情報提供
Database
【効果】
• 街中に設置されたごみ箱を
把握・管理
• ごみ収集コストの15%削減
に成功
Cloud City Operation Center (CCOC)
センサ/モバイルネットワーク
ごみ箱センサ
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ごみ収集車
各国の事例 – イギリス
▌イギリスにおけるスマートシティ推進の背景
地⽅⾃治体の予算削減、中央から地⽅への権限委譲
都市⼈⼝増加・⾼齢化による都市問題の深刻化(EUによる⾼い⽬標設定)
欧州全体で技術を活⽤したスマート化への投資の動き(Horizon2020)
イギリス政府が主導するスマートシティ構想を海外に広げてビジネス化しようと
する動き
▌各都市に共通する課題
環境対策
• ⼤気汚染
• ごみ収集・リサイクル
• 公共の場の安全
⾼齢化対策
• ⾼齢者・障害者ケア
• 在宅介護対策
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交通
• 道路メンテナンス
• 交通渋滞
デジタル・グリニッジ
2015年9⽉、グリニッジ・ロンドン特別区政府が、スマートシティ戦略を⽴上げ
▌4つの領域で改⾰プログラムを打ち出す
地域社会の改⾰
•
•
•
公的サービスへアクセスするためのITスキ
ルの促進
住⺠や地元企業に対する世界⽔準の通信イ
ンフラの提供
市⺠に対する効率的な⾏政サービスの提供
公共サービスの改⾰
•
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蓄積データから知⾒を得るためのソフト
ウェアの開発と実証
© NEC Corporation 2016
インフラの改⾰
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•
周辺地域への接続を向上するための交通機
関の整備
エネルギー効率と持続可能社会を実現する
センシング・インフラの整備
地元経済の改⾰
•
地元の中⼩IT企業に対する教育を⽀援