印刷用 PDF - 一般社団法人 海外電力調査会(JEPIC)

【フィリピン】
国
名
主 要 指 標
フィリピン
首
都
マニラ
面
積
29万9,404km2
人
口
P
G
D
電力需給動向
業
形
態
民営(MERALCOな
ど)
・国営(NPC)
発 電 設 備 容 量
1,845万kW
(2015年6月)
9,834万人
(2013年)
発
電
電
力
量
753億kWh
(2013年末)
2,849億ドル
(2014年)
販
売
電
力
量
616億kWh
(2013年末)
率
84%
(2015年8月)
石油,石炭,
エネルギー資源 天然ガス,
地熱,水力
電気事業の
企 業 形 態
企
電
化
o発電:独立発電事業者(IPP)が中心。電力産業改革法(EPIRA)の施行
によりフィリピン電力公社(NPC)は発電資産をIPPに売却中で、年々規
模を縮小。
o送電:比・中合弁のNGCP社が事業を運営。
o配電:マニラ電力会社(MERALCO)、ビサヤス配電会社(VECO)、ダバ
オ配電会社(DLPC)など 20 の民間電力会社と 119 の地方電化協同組合
(EC)、及び 8 つの自治体が配電事業を実施。なお、最大の配電会社であ
る MERALCO の販売電力量は全国の約 5 割を占めている。
o卸電力取引:ルソン地域では、2006 年 6 月より卸電力スポット市場
(WESM)を開設。2010 年 12 月からはビサヤス地域でも運用開始。2013
年 1 月エネルギー省(DOE)は、ミンダナオにおける市場開放を進めるた
め仮の検証電力市場(IMEM)を開始させ、フィリピン電力市場会社
(PEMC)がその法令の完成と管理を任されている。
o2013年6月よりオープンアクセスの導入。
1.発電設備
o総発電設備量(2015年6月)
:1,845万kW。電源種別構成は、水力19.3%、
石炭火力31.7%、石油火力19.6%、ガス火力15.5%、地熱10.4%、再生可能
エネルギー3.6%。近年における電源構成比としては、石油火力の比率が減
少してきており、再生可能エネルギーの推進が図られている。
<発電設備容量の推移>
2011年
349
水力
492
石炭火力
299
石油火力
286
ガス火力
178
地熱
12
再生可能エネルギー
1,616
合 計
2012 年
352
557
307
286
185
15
1,703
2013 年
352
557
335
286
187
15
1,733
単位:万kW
2014年
2015年
354
356
571
584
348
361
286
286
192
192
44
67
1,794
1,845
※ 四捨五入の都合上、合計が合わない場合もある。
[引用]Department of Energyウェブサイト
2.発電電力量
o発電電力量(2013年末)
:753億kWh。電源別発電電力量:水力13.3%、石
【フィリピン】
炭火力42.6%、ガス火力25.0%、石油火力(ディーゼル含む)6.0%、地熱
12.8%、再生可能エネルギー0.4%。またNPCは遠隔地の小規模発電事業に
特化しており、発電量は僅かである。
o地域別構成:ルソン地域72.8%、ビサヤス地域14.8%、ミンダナオ地域
12.4%。
3.販売電力量
o販売電力量(2013年):616億kWh。用途別構成は工業用33.6%、家庭用
33.5%、商業用29.7%、その他3.0%。
o電化率(2015年8月):84%。
oフィリピン送電会社(National Grid Corporation of the Philippines、
NGCP)の「送変電開発計画(TDP)2013年」
:全国の最大需要電力は2013
年の1,131万kW(実績値)から10年後の2023年には約1.5倍の1,714万kW
に増加する見込み。
o発電設備は2013年現在1,703万kW(供給可能出力:1,537万kW)
。2020年
までの7年間に建設中の工事含め241万kWの発電設備の新規増設が確定し
ている。地域別の発電設備建設計画および主なプロジェクトは以下のとお
り。
<地域別電源建設設備容量>
2008年
地区
実績
667
最大電力
ルソン系統
設備容量
ビサヤス系統
ミンダナオ系統
電源開発動向
2013年
実績
831
1,279
単位:万kW
2023年想定
設備量2020年想定
1,226
1,426(+147)
最大電力
118
157
257
設備容量
最大電力
設備容量
120
245
143
209
288(+43)
231
261(+52)
[引用]NGCP, Transmission Development Plan 2013
<地域別電源建設プロジェクト>
地区
具体的な件名
Energy World C/C(Quezon地区)
SLPGC 石炭(Batangas地区)
他11件
ルソン系統
AG&P C/C (Bataan地区)
Atimonan Meralco LNG(Quezon地区) 他28件
Concepcion 石炭(Iloilo地区)
TPC 石炭(Cebu地区) 他5件
ビサヤス系統
Therma Visayas 石炭(Cebu地区)
PEDC 石炭(Iloilo地区) 他10件
Southern Mindanao 石炭(Sarangani地区)
Therma South 石炭(Davao地区) 他1件
ミンダナオ系統
FDC Misamis 石炭(Misamis地区)
GN Power 石炭(Lanao地区) 他25件
[引用]NGCP, Transmission Development Plan 2013
【フィリピン】
環境問題への
取り組み等
o「気候変動委員会」(CCC)は具体的指針として、2010年に「気候変動国
家枠組み戦略2010~2022年」(NFSCC2010-2022)を策定。また「国家
気候変動行動計画2011~2028年」(NCCAP)の中で行動計画を提示。
o同行動計画によると、フィリピンの温室効果ガス(GHG)排出量は、2000
年実績で126,879千トン(CO2換算)。このうち、GHG排出量から森林な
どの吸収分(LULUCF)を差し引くと、21,767千トン。
oCCCは、エネルギーの効率向上や省エネルギーの推進、再生可能エネルギ
ーの開発、輸送部門におけるバイオ燃料の利用などを推進。CDMを活用し
た温室効果ガスの排出削減、新技術の導入なども進めている。
再生可能エネ
ルギー開発
動
向
o2008年:
「再生可能エネルギー法(Renewable Energy Act)
」が成立。同
法の目的は、再生可能エネルギーの調査・開発および利用を通してエネル
ギー自給を達成するために再生可能エネルギーの開発を促進すること、財
政的・非財政的な優遇措置の実施による効果的な利用および広範囲な商業
的利用を促進することにより、再生可能エネルギーを増大させることなど
である。
o2010年:
「エネルギー規制委員会」
(ERC)は、再生可能エネルギー事業に
おける固定価格買取制度(FIT)の運用に必要な骨格を公布。
o2012年7月:買取価格を発表。
o2013年:電力供給において一定割合を再生可能エネルギー起源の電力に義
務付ける制度(RPS)を導入
oエネルギー省策定のエネルギー計画(PEP):再生可能エネルギーを2030
年までに、2010年時点の3倍にあたる15.2GWにすることを目標に挙げてい
る。
海外電力調査会作成