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(総合診療専門研修モデルプログラム;地方センター病院基幹型パターン)
S病院総合診療専門研修プログラム(160217 改訂案)
目次
1.
2.
3.
S病院総合診療専門研修プログラムについて
総合診療専門研修はどのようにおこなわれるのか
専攻医の到達目標(修得すべき知識・技能・態度など)
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得
学問的姿勢について
医師に必要なコアコンピテンシー、倫理性、社会性などについて
施設群による研修プログラムおよび地域医療についての考え方
研修プログラムの施設群
専攻医の受け入れ数について
施設群における専門研修コースについて
研修施設の概要
専門研修の評価について
13.
14.
15.
16.
17.
18.
19.
20.
21.
専攻医の就業環境について
専門研修プログラムの改善方法とサイトビジットについて
修了判定について
専攻医が研修プログラムの修了に向けて行うべきこと
Subspecialty 領域との連続性について
総合診療研修の休止・中断、プログラム移動、プログラム外研修の条件
専門研修プログラム管理委員会
総合診療専門研修指導医
専門研修実績記録システム、マニュアル等について
22. 専攻医の採用
1
1.S病院総合診療専門研修プログラムについて
現在、地域の病院や診療所の医師が、かかりつけ医として地域医療を支えています。今後の日
本社会の急速な高齢化等を踏まえると、健康にかかわる問題について適切な初期対応等を行う
医師が必要となることから、総合的な診療能力を有する医師の専門性を評価するために、新たな
基本診療領域の専門医として総合診療専門医が位置づけられました。
総合診療専門医の養成は以下の3つの理念に基づいて構築されています。
(1) 総合診療専門医の質の向上を図り、以て、国民の健康・福祉に貢献することを第一の目
的とする。
(2) 地域で活躍する総合診療専門医が、誇りをもって診療等に従事できる専門医資格とする。
特に、これから、総合診療専門医資格の取得を目指す若手医師にとって、夢と希望を与える制
度となることを目指す。
(3) 我が国の今後の医療提供体制の構築に資する制度とする。
こうした制度の理念に則って、S病院総合診療専門研修プログラム(以下、本研修PG)は
病院、診療所などで活躍する高い診断・治療能力を持つ総合診療専門医を養成するために、
ER型救急や急性期専門各科を有する地域拠点病院のなかで、専門各科と協働し全人的医療
を展開しつつ、自らのキャリアパスの形成や地域医療に携わる実力を身につけていくことを
目的として創設されました。その際、「医療のまち」を提唱するS市、そこに居住する地域
住民、各種団体、ボランティアや当院の全職員などの理解と協力のもとで研修できる環境を
整えています。
専攻医は、日常遭遇する疾病と傷害等に対して適切な初期対応と必要に応じた継続的な診療
を全人的に提供するとともに、地域のニーズを踏まえた疾病の予防、介護、看とりなど保健・医療・
介護・福祉活動に取り組み、絶えざる自己研鑽を重ねながら人々の命と健康に関わる幅広い問題
について適切に対応する総合診療専門医になることで、以下の機能を果たすことを目指します。
1)地域を支える診療所や病院においては、他の領域別専門医、一般の医師、歯科医師、医
療や健康に関わるその他職種等と連携して、地域の保健・医療・介護・福祉等の様々な分
野におけるリーダーシップを発揮しつつ、多様な医療サービス(在宅医療、緩和ケア、高齢
者ケア、等を含む)を包括的かつ柔軟に提供
2)総合診療部門を有する病院においては、臓器別でない病棟診療(高齢入院患者や心理・
社会・倫理的問題を含む複数の健康問題を抱える患者の包括ケア、癌・非癌患者の緩和
ケア等)と臓器別でない外来診療(救急や複数の健康問題をもつ患者への包括的ケア)を
提供
本研修 PG においては指導医が皆さんの教育・指導にあたりますが、皆さんも主体的に学
ぶ姿勢をもつことが大切です。総合診療専門医は医師としての倫理観や説明責任はもちろん
のこと、プライマリ・ケアの専門家である総合診療医としての専門性を自覚しながら日々の
診療にあたると同時に、ワークライフバランスを保ちつつも自己研鑽を欠かさず、日本の医
2
療や総合診療領域の発展に資するべく教育や学術活動に積極的に携わることが求められま
す。本研修 PG での研修後に皆さんは標準的な医療を安全に提供し、疾病の予防に努めると
ともに将来の医療の発展に貢献できる総合診療専門医となります。
本研修 PG では、①総合診療専門研修Ⅰ(外来診療・在宅医療中心)、②総合診療専門研修
Ⅱ(病棟診療、救急診療中心)、③内科、④小児科、⑤救急科の 5 つの必須診療科と選択診
療科で3年間の研修を行います。このことにより、1.人間中心の医療・ケア、2.包括的統合
アプローチ、3.連携重視のマネジメント、4.地域志向アプローチ、5.公益に資する職業規範、6.
診療の場の多様性という総合診療専門医に欠かせない6つのコアコンピテンシーを効果的に修得
することが可能になります。
本研修 PG は専門研修基幹施設(以下、基幹施設)と専門研修連携施設(以下、連携施設)
の施設群で行われ、それぞれの特徴を生かした症例や技能を広く、専門的に学ぶことができ
ます。
2.総合診療専門研修はどのようにおこなわれるのか
1)研修の流れ:総合診療専門研修は、卒後3年目からの専門研修(後期研修)3年間で構成
されます。
 1年次修了時には、患者の情報を過不足なく明確に指導医や関連職種に報告し、健康問題
を迅速かつ正確に同定することを目標とします。




2年次修了時には、診断や治療プロセスも標準的で患者を取り巻く背景も安定しているような
比較的単純な健康問題に対して的確なマネジメントを提供することを目標とします。
3年次修了時には、多疾患合併で診断や治療プロセスに困難さがあったり、患者を取り巻く
背景も疾患に影響したりしているような複雑な健康問題に対しても的確なマネジメントを提供
することができ、かつ指導できることを目標とします。
また、総合診療専門医は日常遭遇する疾病と傷害等に対する適切な初期対応と必要に応じ
た継続的な診療を提供するだけでなく、地域のニーズを踏まえた疾病の予防、介護、看とりな
ど保健・医療・介護・福祉活動に取り組むことが求められますので、18ヶ月以上の総合診療専
門研修Ⅰ及びⅡにおいては、後に示す地域ケアの学びを重点的に展開することとなります。
3年間の研修の修了判定には以下の3つの要件が審査されます。
1) 定められたローテート研修を全て履修していること
2) 専攻医自身による自己評価と省察の記録、作成した最良作品型ポートフォリオを通じて、
到達目標がカリキュラムに定められた基準に到達していること
3) 研修手帳に記録された経験目標が全てカリキュラムに定められた基準に到達しているこ
と
様々な研修の場において、定められた到達目標と経験目標を常に意識しながら、同じ症候
や疾患、更には検査・治療手技を経験する中で、徐々にそのレベルを高めていき、一般的な
ケースで、自ら判断して対応あるいは実施できることを目指していくこととなります。
3
2)専門研修における学び方
専攻医の研修は臨床現場での学習、臨床現場を離れた学習、自己学習の大きく3つに分か
れます。それぞれの学び方に習熟し、生涯に渡って学習していく基盤とすることが求められ
ます。
① 臨床現場での学習
職務を通じた学習(On-the-job training)を基盤とし、診療経験から生じる疑問に対して EBM
の方法論に則って文献等を通じた知識の収集と批判的吟味を行うプロセスと、総合診療の
様々な理論やモデルを踏まえながら経験そのものを省察して能力向上を図るプロセスを両輪
とします。その際、学習履歴の記録と自己省察の記録をポートフォリオ(経験と省察のファイリ
ング)作成という形で全研修課程において実施します。場に応じた教育方略は下記の通りで
す。
(ア) 外来医療
経験目標を参考に幅広い経験症例を確保します。外来診察中に指導医への症例提示と
教育的フィードバックを受ける外来教育法(プリセプティング)、更には診療場面をビデオ等
で直接観察してフィードバックを提供するビデオレビューを実施します。また、指導医による
定期的な診療録レビューによる評価、更には、症例カンファレンスを通じた臨床推論や総合
診療の専門的アプローチに関する議論などを通じて、総合診療への理解を深めていきます。
また、技能領域については、習熟度に応じた指導を提供します。
(イ) 在宅医療
経験目標を参考に幅広い経験症例を確保します。初期は経験ある指導医の診療に同行し
て診療の枠組みを理解するためのシャドウイングを実施します。外来医療と同じく、症例カン
ファレンスを通じて学びを深め、多職種と連携して提供される在宅医療に特徴的な多職種カ
ンファレンスについても積極的に参加し、連携の方法を学びます。
(ウ) 病棟医療
経験目標を参考に幅広い経験症例を確保します。入院担当患者の症例提示と教育的フィ
ードバックを受ける回診及び多職種を含む病棟カンファレンスを通じて診断・検査・治療・退
院支援・地域連携のプロセスに関する理解を深めます。指導医による診療録レビューや手
技の学習法は外来と同様です。
(エ) 救急医療
経験目標を参考に救急外来や救命救急室等で幅広い経験症例を確保します。外来診療
に準じた教育方略となりますが、特に救急においては迅速な判断が求められるため救急特
有の意思決定プロセスを重視します。また、救急処置全般については技能領域の教育方略
(シミュレーションや直接観察指導等)が必要となり、特に、指導医と共に処置にあたる中か
ら経験を積みます。
(オ) 地域ケア
地域医師会の活動を通じて、地域の実地医家と交流することで、地域包括ケアへ参画し、
自らの診療を支えるネットワークの形成を図り、日々の診療の基盤とします。さらには産業
4
保健活動、学校保健活動等を学び、それらの活動に参画します。参画した経験を指導医と
共に振り返り、その意義や改善点を理解します。
② 臨床現場を離れた学習
・ 総合診療の様々な理論やモデル、組織運営マネジメント、総合診療領域の研究と教育に
ついては、日本プライマリ・ケア連合学会や日本病院総合診療医学会等の関連する学会
の学術集会やセミナー、研修会へ参加し、研修カリキュラムの基本的事項を履修します。
・ 医療倫理、医療安全、感染対策、保健活動、地域医療活動等については、日本医師会の
生涯教育制度や関連する学会の学術集会等を通じて学習を進めます。地域医師会におけ
る生涯教育の講演会は、診療に関わる情報を学ぶ場としてのほか、診療上の意見交換等
を通じて人格を陶冶する場として活用します。
③ 自己学習
研修カリキュラムにおける経験目標は原則的に自プログラムでの経験を必要としますが、や
むを得ず経験を十分に得られない項目については、総合診療領域の各種テキストやWeb教材、
更には日本医師会生涯教育制度及び日本プライマリ・ケア連合学会等におけるe-learning教
材、医療専門雑誌、各学会が作成するガイドライン等を適宜活用しながら、幅広く学習します。
3)専門研修における研究
専門研修プログラムでは、最先端の医学・医療を理解すること及び科学的思考法を体得する
ことが、医師としての幅を広げるため重要です。また、専攻医は原則として学術活動に携わる必
要があり、学術大会等での発表(筆頭に限る)及び論文発表(共同著者を含む)を行うこととしま
す。
本研修PGでは、〇〇県立医科大学総合診療・地域医療学講座と連携しながら、臨床研究に
携わる機会を提供する予定です。研究発表についても経験ある指導医からの支援を提供しま
す。
4)研修の週間計画および年間計画
基幹施設(S病院)
総合診療科(総合診療専門研修Ⅱ)
月
火
8:00-9:00 朝カンファレンス
9:00-12:00 病棟業務
13:00-16:00 午後総合診療外来
13:00-17:00 救急外来
16:00-17:00 症例カンファレンス
5
水
木
金
土
日
平日宿直(1〜2回/週)
、土日の日直・宿
直(1回/月)
内科
月
火
水
木
金
土
日
月
火
水
木
金
土
日
月
火
水
木
金
土
日
8:00-9:00 朝カンファレンス
9:00-10:00 病棟業務
10:00-12:00 午前外来
10:00-12:00 午前検査
13:00-16:00 午後外来
13:00-16:00 午後検査
16:00-17:00 総回診
16:00-17:00 症例カンファレンス
平日宿直(1〜2回/週)
、土日の日直・宿
直(1回/月)
小児科
8:00-9:00 朝カンファレンス
9:00-12:00 病棟業務
13:00-16:00 午後小児科外来
13:00-17:00 小児救急外来
16:00-17:00 症例カンファレンス
平日宿直(1〜2回/週)、土日の日直・宿
直(1回/月)
救急科
8:00-9:00 朝カンファレンス
9:00-12:00 午前救急外来
9:00-12:00 午前救急搬送対応
13:00-16:00 午後救急外来
13:00-16:00 午後救急搬送対応
16:00-17:00 症例カンファレンス
平日宿直(1〜2回/週)、土日の日直・宿
直(1回/月)
6
連携施設(A病院)
産婦人科を一例として示す
月
火
水
木
金
土
日
金
土
日
8:00-9:00 朝カンファレンス
9:00-12:00 病棟業務
13:00-16:00 午後外来
13:00-16:00 午後検査
16:00-17:00 総回診
16:00-17:00 症例カンファレンス
平日宿直(1〜2回/週)
、土日の日直・宿
直(1回/月)
連携施設(Bクリニック)
(Cクリニックの場合も同様)
総合診療専門研修Ⅰ
月
7:30-8:30 総合診療勉強会
火
レクチ
水
木
抄読会
ャー
9:00-12:00 外来
13:00-17:00 外来
13:00-17:00 訪問診療
13:00-17:00 健診、乳幼児健診
予防接種(週替わり)
17:00-18:00 症例カンファ
17:00-18:00 多職種カンファ
平日待機(1〜2回/週)
、土日の待機(1
回/月)
本研修PGに関連した全体行事の年度スケジュール
SR1:1年次専攻医、SR2:2年次専攻医、SR3:3年次専攻医
月
4
全体行事予定
・ SR1: 研修開始。専攻医および指導医に提出用資料の配布(S病院ホーム
ページ)
・ SR2、SR3、研修修了予定者: 前年度分の研修記録が記載された研修手帳
7
5
6
7
8
を月末まで提出
・ 指導医・PG 統括責任者:前年度の指導実績報告の提出
・ 第1回研修管理委員会:研修実施状況評価、修了判定
・
・
・
・
・
研修修了者: 専門医認定審査書類を日本専門医機構へ提出
日本プライマリ・ケア連合学会参加(発表)(開催時期は要確認)
研修修了者:専門医認定審査(筆記試験、実技試験)
次年度専攻医の公募および説明会開催
日本プライマリ・ケア連合学会ブロック支部地方会演題公募(詳細は要
確認)
第2回研修管理委員会:研修実施状況評価
公募締切(9月末)
日本プライマリ・ケア連合学会ブロック支部地方会参加(発表)
(開催時
期は要確認)
SR1、SR2、SR3:研修手帳の記載整理(中間報告)
次年度専攻医採用審査(書類及び面接)
SR1、SR2、SR3: 研修手帳の提出(中間報告)
10
・
・
・
11
・
・
・
12
・ 第3回研修PG管理委員会:研修実施状況評価、採用予定者の承認
1
・ ブロック支部ポートフォリオ発表会
3
・
・
・
・
9
その年度の研修終了
SR1、SR2、SR3: 研修手帳の作成(年次報告)(書類は翌月に提出)
SR1、SR2、SR3: 研修PG評価報告の作成(書類は翌月に提出)
指導医・PG統括責任者:指導実績報告の作成(書類は翌月に提出)
3.専攻医の到達目標(修得すべき知識・技能・態度など)
1)専門知識
総合診療の専門知識は以下の5領域で構成されます。
1. 地域住民が抱える健康問題には単に生物医学的問題のみではなく、患者自身の健康
観や病いの経験が絡み合い、患者を取り巻く家族、地域社会、文化などのコンテクスト
(※)が関与していることを全人的に理解し、患者、家族が豊かな人生を送れるように、
家族志向でコミュニケーションを重視した診療・ケアを提供する。(※コンテクスト:患者を
取り巻く背景・脈絡を意味し、家族、家計、教育、職業、余暇、社会サポートのような身近
なものから、地域社会、文化、経済情勢、ヘルスケアシステム、社会的歴史的経緯など
遠景にあるものまで幅広い位置づけを持つ概念)
2. プライマリ・ケアの現場では、疾患のごく初期の未分化で多様な訴えに対する適切な臨
床推論に基づく診断・治療から、複数の慢性疾患の管理や複雑な健康問題に対する対
処、更には健康増進や予防医療まで、多様な健康問題に対する包括的なアプローチが
求められる。そうした包括的なアプローチは断片的に提供されるのではなく、地域に対す
る医療機関としての継続性、更には診療の継続性に基づく医師・患者の信頼関係を通じ
て、一貫性をもった統合的な形で提供される。
8
3. 多様な健康問題に的確に対応するためには、地域の多職種との良好な連携体制の中
での適切なリーダーシップの発揮に加えて、医療機関同士あるいは医療・介護サービス
間での円滑な切れ目ない連携も欠かせない。更に、所属する医療機関内の良好な連携
のとれた運営体制は質の高い診療の基盤となり、そのマネジメントは不断に行う必要が
ある。
4. 医療機関を受診していない方も含む全住民を対象とした保健・医療・介護・福祉事業へ
の積極的な参画と同時に、地域ニーズに応じた優先度の高い健康関連問題の積極的な
把握と体系的なアプローチを通じて、地域全体の健康向上に寄与する。
5. 総合診療専門医は日本のプライマリ・ケアの現場が外来・救急・病棟・在宅と多様である
ことを踏まえて、その能力を場に応じて柔軟に適用することが求められ、その際には各
現場に応じた多様な対応能力が求められる。
※各項目の詳細は、総合診療専門医 専門研修研修カリキュラムの到達目標 1〜4及び6
を参照
2)専門技能(診察、検査、診断、処置、手術など)
総合診療の専門技能は以下の5領域で構成されます。
1. 外来・救急・病棟・在宅という多様な総合診療の現場で遭遇する一般的な症候及び疾患へ
の評価及び治療に必要な身体診察及び検査・治療手技
2. 患者との円滑な対話と医師・患者の信頼関係の構築を土台として、患者中心の医療面接
を行い、複雑な家族や環境の問題に対応するためのコミュニケーション技法
3. 診療情報の継続性を保ち、自己省察や学術的利用に耐えうるように、過不足なく適切な診
療記録を記載し、他の医療・介護・福祉関連施設に紹介するときには、患者の診療情報を
適切に診療情報提供書へ記載して速やかに情報提供することができる能力
4. 生涯学習のために、情報技術(information technology; IT)を適切に用いたり、地域ニーズ
に応じた技能の修練を行ったり、人的ネットワークを構築することができる能力
5. 診療所・中小病院において基本的な医療機器や人材などの管理ができ、スタッフとの協働
において適切なリーダーシップの提供を通じてチームの力を最大限に発揮させる能力
3) 経験すべき疾患・病態
以下の経験目標については一律に症例数で規定しておらず、各項目に応じた到達段階
を満たすことが求められます。(研修手帳 p.20-29 参照)
なお、この項目以降での経験の要求水準としては、
「一般的なケースで、自ら判断して
対応あるいは実施できたこと」とします。
1. 以下に示す一般的な症候に対し、臨床推論に基づく鑑別診断および、他の専門医
へのコンサルテーションを含む初期対応を適切に実施し、問題解決に結びつける
経験をする。(全て必須)
ショック
急性中毒
意識障害
疲労・全身倦怠感
心肺停止
呼吸困難
身体機能の低下
不眠
食欲不振
体重減少・るいそう
9
体重増加・肥満
浮腫
リンパ節腫脹
発疹
黄疸
発熱
認知脳の障害
頭痛
めまい
失神
言語障害
けいれん発作
視力障害・視野狭窄
目の充血
聴力障害・耳痛
鼻漏・鼻閉
鼻出血
嗄声
胸痛
動悸
咳・痰
咽頭痛
誤嚥
誤飲
嚥下困難
吐血・下血
嘔気・嘔吐
胸やけ
腹痛
便通異常
肛門・会陰部痛
熱傷
外傷
褥瘡
背部痛
腰痛
関節痛
歩行障害
四肢のしびれ
肉眼的血尿
排尿障害(尿失禁・排尿困難)
乏尿・尿閉
多尿
不安
気分の障害(うつ)
精神科領域の救急
流・早産および満期産
女性特有の訴え・症状
成長・発達の障害
2. 以下に示す一般的な疾患・病態について、必要に応じて他の専門医・医療職と連
携をとりながら、適切なマネジメントを経験する。 (必須項目のカテゴリーの
み掲載)
貧血
脳・脊髄血管障害
脳・脊髄外傷
変性疾患
脳炎・脊髄炎
一次性頭痛
湿疹・皮膚炎群
蕁麻疹
薬疹
皮膚感染症
骨折
脊柱障害
心不全
狭心症・心筋梗塞
不整脈
動脈疾患
静脈・リンパ管疾患
高血圧症
呼吸不全
呼吸器感染症
閉塞性・拘束性肺疾患
異常呼吸
胸膜・縦隔・横隔膜疾患
食道・胃・十二指腸疾患
小腸・大腸疾患
胆嚢・胆管疾患
膵臓疾患
腎不全
全身疾患による腎障害
腹壁・腹膜疾患
泌尿器科的腎・尿路疾患
妊婦・授乳婦・褥婦のケア
女性生殖器およびその関連疾患
男性生殖器疾患
脂質異常症
蛋白および核酸代謝異常
肝疾患
甲状腺疾患
糖代謝異常
角結膜炎
中耳炎
認知症
依存症
急性・慢性副鼻腔炎
アレルギー性鼻炎
気分障害
身体表現性障害
ストレス関連障害・心身症
不眠症
ウイルス感染症
細菌感染症
膠原病とその合併症
中毒
アナフィラキシー
熱傷
小児ウイルス感染
小児細菌感染症
小児虐待の評価
高齢者総合機能評価
老年症候群
維持治療機の悪性腫瘍
小児喘息
緩和ケア
※ 詳細は総合診療専門医
専門研修研修カリキュラムの経験目標3を参照
4) 経験すべき診察・検査等
以下に示す、総合診療の現場で遭遇する一般的な症候及び疾患への評価及び治療に必
要な身体診察及び検査を経験します。なお、下記の経験目標については一律に症例数
や経験数で規定しておらず、各項目に応じた到達段階を満たすことが求められます。
(研修手帳 p.16-18 参照)
10
(ア) 身体診察
① 小児の一般的身体診察及び乳幼児の発達スクリーニング診察
② 成人患者への身体診察(直腸、前立腺、陰茎、精巣、鼠径、乳房、筋骨格系、
神経系、皮膚を含む)
③ 高齢患者への高齢者機能評価を目的とした身体診察(歩行機能、転倒・骨折リ
スク評価など)や認知機能検査(HDS-R、MMSE など)
④ 耳鏡・鼻鏡・眼底鏡による診察を実施できる。
⑤ 婦人科的診察(腟鏡診による内診や外陰部の視診など)を実施できる。
(イ) 検査
① 各種の採血法(静脈血・動脈血)
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
簡易機器による血液検査・簡易血糖測定・簡易凝固能検査、採尿法(導尿法を
含む)
注射法(皮内・皮下・筋肉・静脈注射・点滴・成人及び小児の静脈確保法、中
心静脈確保法を含む)
穿刺法(腰椎・膝関節・肩関節・胸腔・腹腔・骨髄を含む)
単純X線検査(胸部・腹部・KUB・骨格系を中心に)
心電図検査・ホルター心電図検査・負荷心電図検査
超音波検査(腹部・表在・心臓)
生体標本(喀痰、尿、腟分泌物、皮膚等)に対する顕微鏡的診断
⑨ 呼吸機能検査
⑩ オージオメトリーによる聴力評価及び視力検査表による視力評価
⑪ 子宮頸部細胞診
⑫ 消化管内視鏡(上部、下部)
⑬ 造影検査(胃透視、注腸透視、DIP)
※ 詳細は総合診療専門医 専門研修研修カリキュラムの経験目標1を参照
5) 経験すべき手術・処置等
以下に示す、総合診療の現場で遭遇する一般的な症候及び疾患への評価及び治療に必
要な治療手技を経験します。なお、下記については一律に経験数で規定しておらず、
各項目に応じた到達段階を満たすことが求められます。(研修手帳 p.18-19 参照)
(ア) 救急処置
① 新生児、幼児、小児の心肺蘇生法(PALS)
② 成人心肺蘇生法(ICLS または ACLS)
③ 病院前外傷救護法(PTLS)
(イ) 薬物治療
① 使用頻度の多い薬剤の副作用・相互作用・形状・薬価・保険適応を理解して処
方することができる。
②
適切な処方箋を記載し発行できる。
11
③ 処方、調剤方法の工夫ができる。
④ 調剤薬局との連携ができる。
⑤ 麻薬管理ができる。
(ウ) 治療手技・小手術
簡単な切開・異物摘出・ドレナージ
止血・縫合法及び閉鎖療法
簡単な脱臼の整復、包帯・副木・ギプス法
局所麻酔(手指のブロック注射を含む)
トリガーポイント注射
関節注射(膝関節・肩関節等)
静脈ルート確保および輸液管理(IVH を含む)
経鼻胃管及び胃瘻カテーテルの挿入と管理
導尿及び尿道留置カテーテル・膀胱瘻カテーテルの留置及び交換
褥瘡に対する被覆治療及びデブリードマン
在宅酸素療法の導入と管理
人工呼吸器の導入と管理
輸血法(血液型・交差適合試験の判定を含む)
各種ブロック注射(仙骨硬膜外ブロック・正中神経ブロック等)
小手術(局所麻酔下での簡単な切開・摘出・止血・縫合法滅菌・消毒法)
包帯・テーピング・副木・ギプス等による固定法
穿刺法(胸腔穿刺・腹腔穿刺・骨髄穿刺等)
鼻出血の一時的止血
耳垢除去、外耳道異物除去
咽喉頭異物の除去(間接喉頭鏡、上部消化管内視鏡などを使用)
睫毛抜去
※ 詳細は総合診療専門医
専門研修カリキュラムの経験目標1を参照
4.各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得
職務を通じた学習(On-the-job training)をにおいて、総合診療の様々な理論やモデルを踏ま
えながら経験そのものを省察して能力向上を図るプロセスにおいて各種カンファレンスを活用
した学習は非常に重要です。主として、外来・在宅・病棟の3つの場面でカンファレンスを活発
に開催します。
(ア) 外来医療
幅広い症例を経験し、症例カンファレンスを通じた臨床推論や総合診療の専門的アプロ
ーチに関する議論などを通じて、総合診療への理解を深めていきます。
(イ) 在宅医療
症例カンファレンスを通じて学びを深め、多職種と連携して提供される在宅医療に特徴的
な多職種カンファレンスについても積極的に参加し、連携の方法を学びます。
(ウ) 病棟医療
入院担当患者の症例提示と教育的フィードバックを受ける回診及び多職種を含む病棟カ
ンファレンスを通じて診断・検査・治療・退院支援・地域連携のプロセスに関する理解を深め
ます。
5.学問的姿勢について
12
専攻医には、以下の2つの学問的姿勢が求められます。
 常に標準以上の診療能力を維持し、さらに向上させるために、ワークライフバランスを
保ちつつも、生涯にわたり自己研鑽を積む習慣を身につける。
 総合診療の発展に貢献するために、教育者あるいは研究者として啓発活動や学術活
動を継続する習慣を身につける。
この実現のために、具体的には下記の研修目標の達成を目指します。
1. 教育
1) 学生・研修医に対して1対1の教育をおこなうことができる。
2) 学生・研修医向けにテーマ別の教育目的のセッションを企画・実施・評価・改善するこ
とができる。
3) 専門職連携教育(総合診療を実施する上で連携する多職種に対する教育)を提供す
ることができる。
2. 研究
1) 日々の臨床の中から研究課題を見つけ出すという、プライマリ・ケアや地域医療にお
ける研究の意義を理解し、症例報告や臨床研究を様々な形で実践できる。
2) 量的研究(疫学研究など)、質的研究双方の方法と特長について理解し、批判的に吟
味でき、各種研究成果を自らの診療に活かすことができる。
この項目の詳細は 、総合診療専門医 専門研修カリキュラムの到達目標5に記載されていま
す。
また、専攻医は原則として学術活動に携わる必要があり、学術大会等での発表(筆頭に限る)及
び論文発表(共同著者を含む)を行うことが求められます。
6.医師に必要なコアコンピテンシー、倫理性、社会性などについて
総合診療専攻医は以下4項目の実践を目指して研修をおこないます。
1. 医師としての倫理観や説明責任はもちろんのこと、プライマリ・ケアの専門家である総合診
療医としての専門性を自覚しながら日々の診療にあたることができる。
2. 安全管理(医療事故、感染症、廃棄物、放射線など)を行うことができる。
3. 地域の現状から見出される優先度の高い健康関連問題を把握し、その解決に対して各種
会議への参加や住民組織との協働、あるいは地域ニーズに応じた自らの診療の継続や変
容を通じて貢献できる。
4. へき地・離島、被災地、都市部にあっても医療資源に乏しい地域、あるいは医療アクセス
が困難な地域でも、可能な限りの医療・ケアを率先して提供できる。
7.施設群による研修 PG および地域医療についての考え方
13
本研修 PG ではS病院総合診療科を基幹施設とし、地域の連携施設とともに施設群を構成
しています。専攻医はこれらの施設群をローテートすることにより、多彩で偏りのない充実
した研修を行うことが可能となります。ローテート研修にあたっては下記の構成となります。
(1) 総合診療専門研修は診療所・中小病院における総合診療専門研修Ⅰと病院総合診療
部門における総合診療専門研修Ⅱで構成されます。当 PG ではS病院において総合診療
専門研修Ⅱを 12 ヶ月、B 診療所もしくは C 診療所にて総合診療専門研修Ⅰを6ヶ月、合
計で 18 ヶ月の研修を行います。
(2) 必須領域別研修として、S病院にて内科 6ヶ月、小児科 3ヶ月、救急科 3ヶ月の研修を
行います。
(3) その他の領域別研修として、A 病院にて整形外科・産婦人科・精神科・放射線科・耳鼻咽
喉科・皮膚科・形成外科の研修を行うことが可能です。合計6ヶ月の範囲で専攻医の意
向を踏まえて決定します。
施設群における研修の順序、期間等については、専攻医を中心に考え、個々の総合診療専
攻医の希望と研修進捗状況、各病院の状況、地域の医療体制を勘案して、本研修 PG 管理委
員会が決定します。
8.専門研修 PG の施設群について
本研修プログラムは基幹施設1,連携施設3の合計4施設の施設群で構成されます。施設
は D 及び E の2つの二次医療圏に位置しています。各施設の診療実績や医師の配属状況は1
1.研修施設の概要を参照して下さい。
専門研修基幹施設
S病院総合診療科が専門研修基幹施設となります。
専門研修連携施設
本研修 PG の施設群を構成する専門研修連携施設は以下の通りです。全て、診療実績基準
と所定の施設基準を満たしています。
・ A 病院(D 二次医療圏の各種専門診療を提供する急性期病院である。)
・ B 診療所(D 二次医療圏の在宅療養支援診療所である。総合診療専門研修指導医が常勤している。在宅
医療の症例が豊富である。)
・
C 診療所(E 二次医療圏の公立診療所である。総合診療専門研修指導医が常勤している。自治体と提携
した健康増進や予防医学活動が盛んである。)
専門研修施設群
基幹施設と連携施設により専門研修施設群を構成します。体制は図1のような形になりま
す。
14
図1:研修体制
S市医師会
研修施設群
A病院:連携施設
B診療所:連携施設
S病院:基幹施設
C診療所:連携施設
〇〇大学総合診療
地域医療学講座
市町村・保健所
専門研修施設群の地理的範囲
本研修 PG の専門研修施設群はH県にあります。施設群の中には、地域中核病院や地域中
小病院、診療所が入っています。
9.専攻医の受け入れ数について
各専門研修施設における年度毎の専攻医数の上限は、当該年度の総合診療専門研修Ⅰ及び
Ⅱを提供する施設で指導にあたる総合診療専門研修指導医×2です。3学年の総数は総合診
療専門研修指導医×6です。本研修 PG における専攻医受け入れ可能人数は、基幹施設およ
び連携施設の受け入れ可能人数を合算したものです。
また、総合診療専門研修において、同時期に受け入れできる専攻医の数は、指導を担当す
る総合診療専門研修指導医1名に対して3名までとします。受入専攻医数は施設群が専攻医
の必要経験数を十分に提供でき、質の高い研修を保証するためのものです。
内科研修については、1人の内科指導医が同時に受け持つことができる専攻医は、原則、
内科領域と総合診療を合わせて3名までとします。ただし、地域の事情やプログラム構築上
の制約によって、これを超える人数を指導する必要がある場合は、専攻医の受け持ちを1名
分まで追加を許容し、4名までは認められます。
小児科領域と救急科領域を含むその他の診療科のローテート研修においては、各科の研修
を行う総合診療専攻医については各科の指導医の指導可能専攻医数(同時に最大3名まで)
15
には含めません。しかし、総合診療専攻医が各科専攻医と同時に各科のローテート研修を受
ける場合には、臨床経験と指導の質を確保するために、実態として適切に指導できる人数ま
でに(合計の人数が過剰にならないよう)調整することが必要です。これについては、総合
診療専門研修プログラムのプログラム統括責任者と各科の指導医の間で事前に調整を行い
ます。
現在、本プログラム内には総合診療専門研修指導医が3名在籍しており、この基準に基づ
くと毎年 6 名が最大受入数ですが、当プログラムでは毎年4名を定員と定めております。
10.施設群における専門研修コースについて
図2に本研修 PG の施設群による研修コース例を示します。後期研修 1 年目は基幹施設で
あるS病院での総合診療専門研修Ⅱ、後期研修2年目はS病院での内科・小児科・救急科の
領域別必修研修、後期研修3年目の前半は近隣にある A 病院において整形外科・産婦人科・
精神科・放射線科・耳鼻咽喉科・皮膚科・形成外科等の研修を行い、総合診療専門医に必要な知
識や技能を補います。後半は近隣にある都市部の在宅療養支援診療所である B 診療所あるい
は郡部の有床診療所である C 診療所における総合診療専門研修Ⅰを行います。
図 3 に本研修 PG での 3 年間の施設群ローテーションにおける研修目標と研修の場を示し
ました。ローテーションの際には特に主たる研修の場では目標を達成できるように意識して
修練を積むことが求められます。
16
本研修PGの研修期間は3年間としていますが、修得が不十分な場合は修得できるまでの期
間を延長することになります。
図3:本プログラムにおける研修目標と研修の場
S病院総合診療専門研修プログラムにおける研修の場(黄色欄に記載)
◎:主たる研修の場 ○:従たる研修の場
S病院総合診療科専門研修プログラム 研修目標及び研修の場
日本専門医機構が推奨する研修の場
◎:主たる研修の場、○:研修可能な場
総合診療
総合診療
専門研修
専門研修
Ⅰ
他の領域
Ⅱ(病院
内科
小児科
救急科
(診療所/
別研修
総合診療
中小病
部門)
院)
Ⅰ.一般的な症候及び疾患へのへの評価及び治療に必要な診察及び検査・治療手技
設
推
設
推
設
推
設
推
設
推
設
推
定
奨
定
奨
定
奨
定
奨
定
奨
定
奨
〇
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
〇
◎
〇
〇
◎
◎
◎
◎
※④耳鏡・鼻鏡・眼底鏡による診察を実施できる。
◎
◎
〇
◎
〇
〇
⑤婦人科的診察(腟鏡診による内診や外陰部の視診など)を実施できる。
〇
〇
〇
〇
◎
※⑥死亡診断を実施し、死亡診断書を作成できる。
◎
◎
◎
◎
⑦死体検案を警察担当者とともに実施し、死体検案書を作成できる。
◎
◎
〇
〇
※①各種採血法(静脈血・動脈血)簡易機器による血液検査・簡易血糖測定・簡易凝固能検査
〇
〇
◎
◎
◎
◎
※②採尿法(導尿法を含む)
〇
〇
◎
◎
◎
※③注射法(皮内・皮下・筋肉・静脈注射・点滴・成人及び小児静脈確保法、中心静脈確保法)
〇
◎
〇
◎
〇
※④穿刺法(腰椎・膝関節・肩関節・胸腔・腹腔・骨髄を含む)
◎
〇
〇
◎
◎
◎
※①単純X線検査(胸部・腹部・KUB・骨格系を中心に)
◎
◎
〇
◎
〇
〇
※②心電図検査・ホルター心電図検査・負荷心電図検査
◎
◎
◎
◎
〇
※③超音波検査(腹部・表在・心臓)
◎
◎
◎
◎
〇
以下に示す検査・治療手技のうち、※印の項目は 90%以上の経験が必須だが、それ以外についてもできる
限り経験することが望ましい。
身体診察
※①小児の一般的身体診察及び乳幼児の発達スクリーニング診察を実施できる。
※②成人患者への身体診察(直腸、前立腺、陰茎、精巣、鼠径、乳房、筋骨格系、神経系、皮膚を
〇
◎
含む)を実施できる
※③高齢患者への高齢者機能評価を目的とした身体診察(歩行機能、転倒・骨折リスク評価など)
〇
や認知機能検査(HDS-R、MMSE など)を実施できる。
〇
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
〇
◎
◎
◎
◎
◎
◎
〇
◎
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
(ア)実施すべき手技
(イ)検査の適応の判断と結果の解釈が必要な検査
17
〇
※④生体標本(喀痰、尿、腟分泌物、皮膚等)に対する顕微鏡的診断
◎
◎
◎
◎
〇
〇
※⑤呼吸機能検査
◎
◎
◎
◎
〇
〇
※⑥オージオメトリーによる聴力評価及び視力検査表による視力評価
◎
◎
〇
〇
⑦子宮頸部細胞診
〇
〇
〇
◎
⑧消化管内視鏡(上部)
〇
〇
〇
〇
◎
◎
⑨消化管内視鏡(下部)
〇
〇
◎
◎
⑩造影検査(胃透視、注腸透視、DIP)
〇
〇
◎
◎
※①新生児、幼児、小児の心肺蘇生法(PALS)
〇
〇
※②成人心肺蘇生法(ICLS または ACLS)
〇
〇
〇
〇
(ウ)救急処置
〇
〇
〇
〇
◎
◎
〇
※③病院前外傷救護法(PTLS)
◎
◎
◎
◎
◎
◎
(エ)薬物治療
①使用頻度の多い薬剤の副作用・相互作用・形状・薬価・保険適応を理解して処方することができる。
◎
◎
◎
◎
〇
〇
〇
〇
〇
〇
②適切な処方箋を記載し発行できる。
◎
◎
〇
◎
③処方、調剤方法の工夫ができる。
◎
◎
〇
〇
〇
◎
◎
〇
〇
④調剤薬局との連携ができる。
◎
◎
〇
⑤麻薬管理ができる。
◎
◎
◎
◎
〇
〇
※①簡単な切開・異物摘出・ドレナージ
〇
◎
〇
〇
◎
◎
〇
〇
※②止血・縫合法及び閉鎖療法
〇
◎
〇
〇
◎
◎
〇
〇
※③簡単な脱臼の整復、包帯・副木・ギプス法
〇
◎
〇
〇
◎
◎
〇
〇
※④局所麻酔(手指のブロック注射を含む)
〇
◎
〇
〇
◎
◎
〇
〇
※⑤トリガーポイント注射
◎
◎
〇
〇
〇
※⑥関節注射(膝関節・肩関節等)
◎
◎
〇
〇
〇
〇
※⑦静脈ルート確保および輸液管理(IVH を含む)
〇
◎
◎
◎
〇
〇
※⑧経鼻胃管及び胃瘻カテーテルの挿入と管理
◎
◎
◎
◎
〇
〇
※⑨導尿及び尿道留置カテーテル・膀胱瘻カテーテルの留置及び交換
◎
◎
◎
◎
〇
〇
※⑩褥瘡に対する被覆治療及びデブリードマン
◎
◎
◎
◎
〇
〇
※⑪在宅酸素療法の導入と管理
◎
◎
〇
〇
※⑫人工呼吸器の導入と管理
◎
◎
〇
〇
〇
〇
(オ)治療法
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
⑭各種ブロック注射(仙骨硬膜外ブロック・正中神経ブロック等)
〇
〇
〇
〇
◎
◎
〇
〇
〇
〇
⑬輸血法(血液型・交差適合試験の判定を含む)
〇
〇
⑮小手術(局所麻酔下での簡単な切開・摘出・止血・縫合法滅菌・消毒法)
〇
〇
〇
〇
◎
◎
※⑯包帯・テーピング・副木・ギプス等による固定法
◎
◎
〇
〇
◎
◎
⑰穿刺法(胸腔穿刺・腹腔穿刺・骨髄穿刺等)
〇
〇
◎
◎
◎
◎
(カ)耳鼻咽喉科・眼科・皮膚科の治療手技
18
◎
◎
◎
◎
※①鼻出血の一時的止血
◎
◎
◎
※②耳垢除去、外耳道異物除去
◎
◎
〇
〇
〇
〇
③咽喉頭異物の除去(間接喉頭鏡、上部消化管内視鏡などを使用)
〇
〇
〇
◎
④睫毛抜去
◎
◎
〇
◎
設
推
設
推
設
推
設
推
設
推
設
推
定
奨
定
奨
定
奨
定
奨
定
奨
定
奨
ショック
〇
○
○
○
○
○
◎
◎
急性中毒
○
○
○
○
○
○
◎
◎
意識障害
○
○
○
○
○
○
◎
◎
全身倦怠感
◎
◎
◎
◎
○
○
心肺停止
○
○
○
○
○
○
◎
◎
呼吸困難
○
○
○
○
○
○
◎
◎
身体機能の低下
◎
◎
○
○
不眠
◎
◎
○
○
食欲不振
◎
◎
○
○
○
○
体重減少・るいそう
◎
◎
○
○
○
○
体重増加・肥満
◎
◎
◎
◎
浮腫
◎
◎
○
○
○
○
リンパ節腫脹
◎
◎
○
○
○
○
発疹
◎
◎
○
○
○
○
黄疸
○
○
○
○
◎
◎
発熱
◎
◎
◎
◎
◎
◎
認知能の障害
◎
◎
◎
◎
○
○
頭痛
○
○
○
○
○
○
めまい
◎
◎
◎
◎
○
失神
○
○
○
○
言語障害
○
○
◎
◎
けいれん発作
○
○
○
○
視力障害・視野狭窄
◎
◎
○
○
目の充血
◎
◎
○
○
○
○
聴力障害・耳痛
◎
◎
○
○
○
○
鼻漏・鼻閉
◎
◎
○
○
○
○
鼻出血
◎
◎
○
○
さ声
◎
◎
○
○
胸痛
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
動悸
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
Ⅱ.一般的な症候への適切な対応と問題解決
以下に示す症候すべてにおいて、臨床推論に基づく鑑別診断および、初期対応(他の専門医へのコンサル
テーションを含む)を適切に実施できる。
19
○
○
○
○
○
○
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
○
◎
◎
○
○
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◎
○
○
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○
○
◎
◎
咳・痰
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
◎
◎
咽頭痛
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
◎
◎
誤嚥
◎
◎
○
○
○
○
○
○
誤飲
◎
◎
○
○
○
○
○
○
嚥下困難
◎
◎
◎
◎
○
○
○
○
吐血・下血
○
○
○
○
○
○
◎
◎
嘔気・嘔吐
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
胸やけ
◎
◎
◎
◎
○
○
○
○
腹痛
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
◎
◎
便通異常
◎
◎
○
○
○
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○
○
肛門・会陰部痛
◎
◎
○
○
○
○
熱傷
◎
◎
○
○
外傷
◎
◎
褥瘡
◎
◎
○
背部痛
◎
◎
腰痛
◎
関節痛
○
○
○
○
○
○
◎
◎
○
○
○
○
○
○
○
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○
○
○
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○
○
○
○
歩行障害
◎
◎
○
○
○
○
四肢のしびれ
◎
◎
○
○
○
○
肉眼的血尿
◎
◎
○
○
○
○
排尿障害(尿失禁・排尿困難)
◎
◎
○
○
○
○
乏尿・尿閉
◎
◎
○
○
○
○
多尿
◎
◎
○
○
○
○
精神科領域の救急
○
○
○
○
◎
◎
不安
◎
◎
○
○
○
○
気分の障害(うつ)
◎
◎
○
○
○
○
流・早産及び満期産
○
○
◎
◎
女性特有の訴え・症状
◎
◎
○
○
成長・発達の障害
○
○
設
推
設
推
設
定
奨
定
奨
◎
◎
◎
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○
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○
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推
設
推
設
推
設
推
定
奨
定
奨
定
奨
定
奨
◎
◎
○
○
○
○
◎
◎
Ⅲ 一般的な疾患・病態に対する適切なマネジメント
以下に示す一般的な疾患・病態について、必要に応じて他の専門医・医療職と連携をとりながら、適切なマ
ネジメントができる。また、 ( )内は主たる疾患であるが、例示である。
※印の疾患・病態群は90%以上の経験が必須だが、それ以外についてもできる限り経験することが望まし
い。
(1)血液・造血器・リンパ網内系疾患
※[1]貧血(鉄欠乏貧血、二次性貧血)
[2]白血病
20
[3]悪性リンパ腫
[4]出血傾向・紫斑病
◎
◎
○
○
◎
◎
○
○
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
(2)神経系疾患
※[1]脳・脊髄血管障害(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)
○
○
※[2]脳・脊髄外傷(頭部外傷、急性硬膜外・硬膜下血腫)
○
○
※[3]変性疾患(パーキンソン病)
○
○
※[4]脳炎・髄膜炎
※[5]一次性頭痛(偏頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛)
○
○
◎
◎
○
○
◎
◎
○
○
○
○
◯
◯
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
○
○
○
○
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
※[1]湿疹・皮膚炎群(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮脂欠乏性皮膚炎)
◎
◎
○
○
※[2]蕁麻疹
◎
◎
※[3]薬疹
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
○
※[1]骨折(脊椎圧迫骨折、大腿骨頸部骨折、橈骨骨折)
○
○
◎
◎
◎
◎
※[2]関節・靱帯の損傷及び障害(変形性関節症、捻挫、肘内障、腱板炎)
○
○
◎
◎
◎
◎
※[3]骨粗鬆症
◎
◎
◎
◎
※[4]脊柱障害(腰痛症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症)
◎
◎
◎
◎
※[1]心不全
◎
◎
◎
◎
◎
※[2]狭心症、心筋梗塞
○
○
○
○
(3)皮膚系疾患
◎
◎
※[4]皮膚感染症(伝染性膿痂疹、蜂窩織炎、白癬症、カンジダ症、尋常性ざ瘡、感染性粉瘤、
伝染性軟属腫、疥癬)
(4)運動器(筋骨格)系疾患
○
○
○
○
○
○
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
○
○
○
◎
◎
(5)循環器系疾患
[3]心筋症
※[4]不整脈(心房細動、房室ブロック)
○
○
○
○
◎
◎
○
○
○
○
◎
◎
※[6]動脈疾患(動脈硬化症、大動脈瘤)
○
○
○
○
◎
◎
※[7]静脈・リンパ管疾患(深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫)
◎
◎
◎
◎
◎
◎
※[8]高血圧症(本態性、二次性高血圧症)
◎
◎
◎
◎
◎
◎
※[1]呼吸不全(在宅酸素療法含む)
◎
◎
◎
◎
◎
※[2]呼吸器感染症(急性上気道炎、気管支炎、肺炎)
◎
◎
◎
◎
※[3]閉塞性・拘束性肺疾患(気管支喘息、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患、塵肺)
◎
◎
◎
[5]弁膜症(僧帽弁膜症、大動脈弁膜症)
○
○
○
○
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
(6)呼吸器系疾患
[4]肺循環障害(肺塞栓・肺梗塞)
※[5]異常呼吸(過換気症候群、睡眠時無呼吸症候群)
◎
◎
◎
◎
◎
◎
※[6]胸膜、縦隔、横隔膜疾患(自然気胸、胸膜炎)
○
○
◎
◎
◎
◎
○
○
○
○
◎
◎
[7]肺癌
(7)消化器系疾患
21
○
○
※[1]食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎、逆流性食道
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
○
※[2]小腸・大腸疾患(イレウス、急性虫垂炎、痔核・痔瘻、過敏性腸症候群、憩室炎)
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
○
※[3]胆嚢・胆管疾患(胆石、胆嚢炎、胆管炎)
○
○
○
○
◎
◎
○
○
○
○
◎
◎
○
○
※[5]膵臓疾患(急性・慢性膵炎)
○
○
○
○
◎
◎
○
○
※[6]横隔膜・腹壁・腹膜(腹膜炎、急性腹症、ヘルニア)
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
○
○
○
◎
◎
○
○
○
○
◎
◎
○
○
◎
◎
炎)
○
○
※[4]肝疾患(ウイルス性肝炎、急性・ 慢性肝炎、肝硬変、肝癌、アルコール性肝障害、薬物性
肝障害)
◎
◎
(8)腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)疾患
※[1]腎不全(急性・慢性腎不全、透析)
[2]原発性糸球体疾患(急性・慢性糸球体腎炎症候群、ネフローゼ症候群)
※[3]全身性疾患による腎障害(糖尿病性腎症)
◎
◎
◎
◎
◎
◎
※[4]泌尿器科的腎・尿路疾患(尿路結石、尿路感染症、過活動膀胱)
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
◎
◎
(9)妊娠分娩と生殖器疾患
[1]妊娠分娩(正常妊娠、流産、早産、正常分娩、産科出血、産褥)
※[2]妊婦・授乳婦・褥婦のケア(妊婦・授乳婦への投薬、乳腺炎)
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
※[3]女性生殖器及びその関連疾患(月経異常《無月経を含む》、不正性器出血、更年期障害、
外陰・腟・骨盤内感染症、骨盤内腫瘍、乳腺腫瘍)
※[4]男性生殖器疾患(前立腺疾患、勃起障害、精巣腫瘍)
◎
◎
(10)内分泌・栄養・代謝系疾患
[1]視床下部・下垂体疾患(下垂体機能障害)
※[2]甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症)
◎
◎
◎
◎
[3]副腎不全
◎
◎
◎
◎
◎
◎
※[4]糖代謝異常(糖尿病、糖尿病の合併症、低血糖)
◎
◎
◎
◎
◎
◎
※[5]脂質異常症
◎
◎
◎
◎
◎
◎
※[6]蛋白及び核酸代謝異常(高尿酸血症)
◎
◎
◎
◎
◎
◎
[1]屈折異常(近視、遠視、乱視)
○
○
◎
◎
※[2]角結膜炎(アレルギー性結膜炎)
◎
◎
◎
◎
[3]白内障
◎
◎
◎
◎
[4]緑内障
○
○
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
(11)眼・視覚系疾患
◎
[5]糖尿病、高血圧・動脈硬化による眼底変化
◎
(12)耳鼻・咽喉・口腔系疾患
※[1]中耳炎
◎
◎
※[2]急性・慢性副鼻腔炎
◎
◎
○
○
※[3]アレルギー性鼻炎
◎
◎
○
○
○
○
[4]扁桃の急性・慢性炎症性疾患
22
◎
○
◎
○
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
[5]外耳道・鼻腔・咽頭・喉頭・食道の代表的な異物
○
○
○
○
○
○
○
※[2]認知症(アルツハイマー型、血管型)
◎
◎
○
○
※[3]依存症(アルコール依存、ニコチン依存)
◎
※[4]気分障害(うつ病、躁うつ病)
○
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
※[6]不安障害(パニック症候群)
◎
◎
◎
◎
※[7]身体表現性障害、ストレス関連障害
◎
◎
◎
◎
※[8]不眠症
◎
◎
○
○
◎
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
(13)精神・神経系疾患
[1]症状精神病
[5]統合失調症
(14)感染症
※[1]ウイルス感染症(インフルエンザ、麻疹、風疹、水痘、ヘルペス、流行性耳下腺炎、HI
○
○
◎
◎
○
○
○
○
V)
※[2]細菌感染症(ブドウ球菌、MRSA、A群レンサ球菌、クラミジア)
[3]結核
◎
[4]真菌感染症
◎
◎
[5]性感染症
○
○
[6]寄生虫疾患
◎
◎
◎
○
○
◎
◎
(15)免疫・アレルギー疾患
※[1]膠原病とその合併症(関節リウマチ、SLE、リウマチ性多発筋痛症、シェーグレン症候
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
○
○
○
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
群)
[2]アレルギー疾患
(16)物理・化学的因子による疾患
※[1]中毒(アルコール、薬物)
※[2]アナフィラキシー
○
○
[3]環境要因による疾患(熱中症、寒冷による障害)
◎
※[4]熱傷
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
(17)小児疾患
[1]小児けいれん性疾患
◎
◎
※[2]小児ウイルス感染症(麻疹、流行性耳下腺炎、水痘、突発性発疹、インフルエンザ、RS、
◎
◎
◎
◎
※[3]小児細菌感染症
◎
◎
◎
◎
※[4]小児喘息
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
ロタ)
[5]先天性心疾患
[6]発達障害(自閉症スペクトラム、学習障害、ダウン症、精神遅滞)
○
○
◎
◎
(18)加齢と老化
※[1]高齢者総合機能評価
23
◎
◎
※[2]老年症候群(誤嚥、転倒、失禁、褥瘡)
◎
◎
◎
◎
※[1]維持治療期の悪性腫瘍
◎
◎
◎
◎
◎
◎
※[2]緩和ケア
◎
◎
◎
◎
◎
◎
設
推
設
推
設
推
設
推
設
定
奨
定
奨
定
奨
定
奨
◎
◎
◎
◎
◎
◎
〇
〇
◎
◎
◯
◯
(4)グループホーム、老健施設、特別養護老人ホームなどの施設入居者の日常的な健康管理を実施
◎
◎
◯
(5)施設入居者の急性期の対応と入院適応の判断を、医療機関と連携して実施
◎
◎
◯
保健事業・予防医療
設
推
設
推
設
推
設
定
奨
定
奨
定
奨
定
(1)特定健康診査の事後指導
◎
◎
◎
◎
(2)特定保健指導への協力
〇
◎
◎
◎
(3)各種がん検診での要精査者に対する説明と指導
◎
◎
◎
◎
(4)保育所、幼稚園、小学校、中学校において、健診や教育などの保健活動に協力
◎
◎
◯
(5)産業保健活動に協力
◎
◎
◯
(6)健康教室(高血圧教室・糖尿病教室など)の企画・運営に協力
◎
◎
(19)悪性腫瘍
Ⅳ 医療・介護の連携活動
以下に示す診療を適切に実施することができる。
(1)介護認定審査に必要な主治医意見書の作成
◎
◎
推
設
推
定
奨
定
奨
推
設
推
設
推
奨
定
奨
定
奨
(2)各種の居宅介護サービスおよび施設介護サービスについて、患者・家族に説明し、その適応を
判断
(3)ケアカンファレンスにおいて、必要な場合には進行役を担い、医師の立場から適切にアドバイ
スを提供
V
以下に示すケアや活動を適切に提供・実践することができる。
◯
◯
11.研修施設の概要
S病院
専門医・指導医数
・ 総合診療専門研修指導医1名(初期臨床研修病院にて総合診療部門に所
属し総合診療を行う医師)
・ 内科専門医
10 名
・ 小児科専門医
3名
・ 救急科専門医
1名
・総合診療科
診療科・患者数
のべ外来患者数 300 名/月、入院患者総数 20 名/月
・内科
: 入院患者総数 200 名/月
・小児科 : のべ外来患者数 450 名/月
・救急科 : 救急による搬送等の件数 2500 件/年
病院の特徴
・
D 地区のセンター病院、地域救命救急センター、へき地拠点病院、地
域がん診療連携拠点病院等の指定を受け、広汎な初期から三次までの
救急医療や高度医療を提供している。また、2010 年よりH県の総合診
療医養成研修センターの指定を受け、H県と連携し、総合診療医の養
24
成に努めている。
・
総合診療科においては、幅広い疾患に対する初診を中心とした外来診
療、専門各科にまたがる問題を持つ患者に対する病棟診療、救急科と
連携した初期救急などを提供している。
・
内科においては、循環器科、消化器科、呼吸器科、神経内科、糖尿病
科を持ち、地域への専門医療を提供している。
・
小児科においては、乳幼児健診、予防接種、幅広い外来診療、病棟診
療を提供している。
・
救急科においては、重度外傷への救急医療から ER 救急まで幅広い救急
医療を提供している。
A 病院
専門医・指導医数
・ 産婦人科専門医
・ 精神科専門医
病床数・患者数
5名
2名
・ 整形外科専門医
3名
・ 放射線科専門医
2名
・ 婦人科 29 床、産科 30 床、MFICU
6床
・ 婦人科手術数およそ 200 件/年、分娩数およそ 500 件/年
・ 精神科 40 床、のべ外来患者数
600 名/月
・ 整形外科 50 床、整形外科手術数およそ 500 件/年
・ 放射線科
病院の特徴
年間 CT 読影数 3000 件
放射線治療患者数 100 名/年
・ 日本産科婦人科学会専門医制度の指定研修施設であり、S病院と協力
して地域の周産期医療を支えている。
・ 地域で唯一の精神病床を持ち、重度精神疾患患者への入院治療も含め
た幅広い精神医療を提供している。
・ 日本整形外科科学会の研修施設であり、関節及び脊椎疾患への先進的
手術療法も含めた幅広い整形外科医療を提供している。
・ 地域で唯一の放射線治療実施施設として他院の癌患者に対する診療も
提供するなど、各種読影も含めた包括的な放射線科診療を提供してい
る。
B 診療所
専門医・指導医数
・ 総合診療専門研修指導医1名(D 医師会より推薦)
病床数・患者数
・ 病床
なし
・ のべ外来患者数
診療所の特徴
600 名/月、のべ訪問診療件数 100 件/月
・ 小児から高齢者まで幅広い患者層を持ち、生活習慣病のケアについて
は看護師、栄養士とも協力した生活習慣病外来を展開。また、禁煙外
来や認知症外来にも近年力を入れている。
・ D 医療圏で積極的に在宅医療にも取り組む在宅療養支援診療所として
認定されており、S病院、A 病院と連携して積極的に在宅看取りも含
めた包括的な診療を提供している。
・ S医師会において乳幼児健診や産業医、学校医活動にも積極的に取り
組む。
25
C 診療所
専門医・指導医数
・ 総合診療専門研修指導医1名(プライマリ・ケア認定医)
病床数・患者数
・ 病床
19 床
・ のべ外来患者数
診療所の特徴
1000 名/月、のべ訪問診療件数 20 件/月
・ S診療所の隣の二次医療圏となる C 町に位置し、町における公的診療
所として外来・救急・病棟診療を中心に、多くの町民にとって唯一の
かかりつけ医療機関としての機能を果たしている。
・ 小児から高齢者までの幅広い患者層を持ち、特に筋骨格系疾患を持つ
患者への外来リハビリテーションを近年強化。町の保健師と連携した
地域リハビリプロジェクトは一定の成果を収めている。
・ 病棟診療は他市町からの回復期リハ目的の入院を中心に、一部、急性
期入院医療も提供している。
・ 町に位置する特別養護老人ホームの嘱託医の職責も果たす。
12.専門研修の評価について
専門研修中の専攻医と指導医の相互評価は施設群による研修とともに専門研修 PG の根幹
となるものです。
以下に、「振り返り」、「ポートフォリオ作成」、「研修目標と自己評価」の三点を説明します。
1) 振り返り
多科ローテーションが必要な総合診療専門研修においては3年間を通じて専攻医の研修状
況の進捗を切れ目なく継続的に把握するシステムが重要です。具体的には、研修手帳(資料1)
の記録及び定期的な指導医との振り返りセッションを 1〜数ヶ月おきに定期的に実施します。
その際に、日時と振り返りの主要な内容について記録を残します。また、年次の最後に
は、1 年の振り返りを行い、指導医からの形成的な評価を研修手帳に記録します。
2) 最良作品型ポートフォリオ作成
常に到達目標を見据えた研修を促すため、最良作品型ポートフォリオ(学習者がある領域に
関して最良の学びを得たり、最高の能力を発揮できた症例・事例に関する経験と省察の記録)
(資料 2.1〜2.3)作成の支援を通じた指導を行います。専攻医には詳細 20 事例、簡易 20 事例
のポートフォリオを作成することが求められますので、指導医は定期的な研修の振り返
りの際に、ポートフォリオ作成状況を確認し適切な指導を提供します。また、施設内外に
て作成した最良作品型ポートフォリオの発表会を行います。
なお、最良作品型ポートフォリオの該当領域については研修目標にある6つのコアコンピテ
ンシーに基づいて設定しており、詳細は研修手帳にあります。
3) 研修目標と自己評価
専攻医には研修目標の各項目の達成段階について、研修手帳を用いて自己評価を行う
ことが求められます。指導医は、定期的な研修の振り返りの際に、研修目標の達成段階
を確認し適切な指導を提供します。また、年次の最後には、進捗状況に関する総括的な
確認を行い、現状と課題に関するコメントを記録します。
26
また、上記の三点以外にも、実際の業務に基づいた評価(Workplace-based assessment)として、
短縮版臨床評価テスト(Mini-CEX)等を利用した診療場面の直接観察やケースに基づくディスカッ
ション(Case-based discussion)を定期的に実施します。また、多職種による 360 度評価を各ローテ
ーション終了時等、適宜実施します。
更に、年に複数回、他の専攻医との間で相互評価セッションを実施します。
最後に、ローテート研修における生活面も含めた各種サポートや学習の一貫性を担保するため
に専攻医にメンターを配置し定期的に支援するメンタリングシステムを構築します。メンタリングセ
ッションは数ヶ月に一度程度を保証しています。
【内科ローテート研修中の評価】
内科ローテート研修においては、症例登録・評価のため、内科領域で運用する専攻
医登録評価システム(Web 版研修手帳)による登録と評価を行います。これは期間は
短くとも研修の質をできる限り内科専攻医と同じようにすることが総合診療専攻医と
内科指導医双方にとって運用しやすいからです。システムを利用するにあたり、内科
学会に入会する必要はありません。
6ヶ月間の内科研修の中で、最低 20 例を目安として入院症例を受け持ち、その入院
症例(主病名、主担当医)のうち、提出病歴要約として5件を登録します。分野別(消
化器、循環器、呼吸器など)の登録数に所定の制約はありませんが、可能な限り幅広
い異なる分野からの症例登録を推奨します。病歴要約については、同一症例、同一疾
患の登録は避けてください。
提出された病歴要約の評価は、所定の評価方法により内科の担当指導医が行います
が、内科領域のようにプログラム外の査読者による病歴評価は行いません。
6ヶ月の内科研修終了時には、病歴要約評価を含め、技術・技能評価、専攻医の全
体評価(多職種評価含む)の評価結果が専攻医登録・評価システムによりまとめられ
ます。その評価結果を内科指導医が確認し、総合診療プログラムの統括責任者に報告
されることとなります。
専攻医とプログラム統括責任者がその報告に基づいて、研修手帳の研修目標の達成
段階を確認した上で、プログラム統括責任者がプログラム全体の評価制度に統合しま
す。
【小児科及び救急科ローテート研修中の評価】
小児科及び救急科のローテート研修においては、基本的に総合診療専門研修の研修
手帳を活用しながら各診療科で遭遇する common disease をできるかぎり多く経験し、
各診療科の指導医からの指導を受けます。
3ヶ月の小児科及び救急科の研修終了時には、各科の研修内容に関連した評価を各
科の指導医が実施し、総合診療プログラムの統括責任者に報告することとなります。
専攻医とプログラム統括責任者がその報告に基づいて、研修手帳の研修目標の達成
27
段階を確認した上で、プログラム統括責任者がプログラム全体の評価制度に統合しま
す。
◎指導医のフィードバック法の学習(FD)
指導医は、最良作品型ポートフォリオ、短縮版臨床評価テスト、ケースに基づくディスカ
ッション及び 360 度評価などの各種評価法を用いたフィードバック方法について、指導医資
格を取得時に受講を義務づけている1泊2日の日程で開催される指導医講習会や医学教育
のテキストを用いて学習を深めていきます。
13.専攻医の就業環境について
基幹施設および連携施設の研修責任者とプログラム統括責任者は専攻医の労働環境改善
と安全の保持に努めます。
専攻医の勤務時間、休日、当直、給与などの勤務条件については、労働基準法を遵守し、
各施設の労使協定に従います。さらに、専攻医の心身の健康維持への配慮、当直業務と夜間
診療業務の区別とそれぞれに対応した適切な対価を支払うこと、バックアップ体制、適切な
休養などについて、勤務開始の時点で説明を行います。
研修年次毎に専攻医および指導医は専攻医指導施設に対する評価も行い、その内容はS病
院総合診療専門研修管理委員会に報告されますが、そこには労働時間、当直回数、給与など、
労働条件についての内容が含まれます。
14.専門研修 PG の改善方法とサイトビジット(訪問調査)について
本研修 PG では専攻医からのフィードバックを重視して PG の改善を行うこととしています。
1)専攻医による指導医および本研修 PG に対する評価
専攻医は、年次毎に指導医、専攻医指導施設、本研修 PG に対する評価を行います。また、
指導医も専攻医指導施設、本研修 PG に対する評価を行います。専攻医や指導医等からの評
価は、専門研修 PG 管理委員会に提出され、専門研修 PG 管理委員会は本研修 PG の改善に役
立てます。このようなフィードバックによって本研修 PG をより良いものに改善していきま
す。
なお、こうした評価内容は記録され、その内容によって専攻医に対する不利益が生じるこ
とはありません。
専門研修 PG 管理委員会は必要と判断した場合、専攻医指導施設の実地調査および指導を
行います。評価にもとづいて何をどのように改善したかを記録し、毎年 3 月 31 日までに日
本専門医機構の総合診療研修委員会に報告します。
28
また、専攻医が日本専門医機構に対して直接、指導医やプログラムの問題について報告し
改善を促すこともできます。
2)研修に対する監査(サイトビジット等)・調査への対応
本研修 PG に対して日本専門医機構からサイトビジット(現地調査)が行われます。その
評価にもとづいて専門研修 PG 管理委員会で本研修 PG の改良を行います。本研修 PG 更新の
際には、サイトビジットによる評価の結果と改良の方策について日本専門医機構の総合診療
研修委員会に報告します。
また、同時に、総合診療専門研修プログラムの継続的改良を目的としたピアレビューとし
て、総合診療領域の複数のプログラム統括責任者が他の研修プログラムを訪問し観察・評価
するサイトビジットを実施します。該当する学術団体等によるサイトビジットが企画されま
すが、その際には専攻医に対する聞き取り調査なども行われる予定です。
15.修了判定について
3 年間の研修期間における研修記録にもとづいて、知識・技能・態度が専門医試験を受け
るのにふさわしいものであるかどうか、症例経験数が日本専門医機構の総合診療研修委員会
が要求する内容を満たしているものであるかどうかを、専門医認定申請年の 5 月末までに専
門研修 PG 統括責任者または専門研修連携施設担当者が専門研修 PG 管理委員会において評価
し、専門研修 PG 統括責任者が修了の判定をします。
その際、具体的には以下の4つの基準が評価されます。
1)研修期間を満了し、かつ認定された研修施設で総合診療専門研修ⅠおよびⅡ各 6
ヶ月以上・合計 18 ヶ月以上、内科研修 6 ヶ月以上、小児科研修 3 ヶ月以上、救
急科研修 3 ヶ月以上を行っていること。
2)専攻医自身による自己評価と省察の記録、作成した最良作品型ポートフォリオを
通じて、到達目標がカリキュラムに定められた基準に到達していること
3)研修手帳に記録された経験目標が全てカリキュラムに定められた基準に到達し
ていること
4)研修期間中複数回実施される、医師・看護師・事務員等の多職種による 360 度評
価(コミュニケーション、チームワーク、公益に資する職業規範)の結果も重視
する。
16.専攻医が専門研修 PG の修了に向けて行うべきこと
専攻医は研修手帳及び最良作品型ポートフォリオを専門医認定申請年の 4 月末までに専
門研修 PG 管理委員会に送付してください。専門研修 PG 管理委員会は 5 月末までに修了判定
を行い、6月初めに研修修了証明書を専攻医に送付します。専攻医は日本専門医機構の総合
診療専門医委員会に専門医認定試験受験の申請を行ってください。
29
17.Subspecialty 領域との連続性について
様々な関連する Subspecialty 領域については、連続性を持った制度設計を今後検討していくこ
ととなりますので、その議論を参考に当研修 PG でも計画していきます。
18.総合診療研修の休止・中断、PG 移動、PG 外研修の条件
(1) 専攻医が次の 1 つに該当するときは、研修の休止が認められます。研修期間を延長せず
に休止できる日数は、所属プログラムで定める研修期間のうち通算 120 日(平日換算)ま
でとします。
(ア) 病気の療養
(イ) 産前・産後休業
(ウ) 育児休業
(エ) 介護休業
(オ) その他、やむを得ない理由
(2) 専攻医は原則として 1 つの専門研修プログラムで一貫した研修を受けなければなりま
せん。ただし、次の 1 つに該当するときは、専門研修プログラムを移籍することができま
す。その場合には、プログラム統括責任者間の協議だけでなく、日本専門医機構・領域研
修委員会への相談等が必要となります。
(ア) 所属プログラムが廃止され、または認定を取消されたとき
(イ) 専攻医にやむを得ない理由があるとき
(3) 大学院進学など専攻医が研修を中断する場合は専門研修中断証を発行します。再開の
場合は再開届を提出することで対応します。
(4)妊娠、出産後など短時間雇用の形態での研修が必要な場合は研修期間を延長する必要
がありますので、研修延長申請書を提出することで対応します。
19専門研修 PG 管理委員会
基幹施設であるS病院総合診療科には、専門研修 PG 管理委員会と、専門研修 PG 統括責任
者(委員長)を置きます。専門研修 PG 管理委員会は、委員長、副委員長、事務局代表者、
および専門研修連携施設の研修責任者で構成されます。研修 PG の改善へ向けての会議には
専門医取得直後の若手医師代表が加わります。専門研修 PG 管理委員会は、専攻医および専
門研修 PG 全般の管理と、専門研修 PG の継続的改良を行います。専門研修 PG 統括責任者は
一定の基準を満たしています。
基幹施設の役割
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基幹施設は連携施設とともに施設群を形成します。基幹施設に置かれた専門研修 PG 統括
責任者は、総括的評価を行い、修了判定を行います。また、専門研修 PG の改善を行います。
専門研修 PG 管理委員会の役割と権限
・ 専門研修を開始した専攻医の把握と日本専門医機構の総合診療研修委員会への専攻医
の登録
・ 専攻医ごとの、研修手帳及び最良作品型ポートフォリオの内容確認と、今後の専門研修
の進め方についての検討
・ 研修手帳及び最良作品型ポートフォリオに記載された研修記録、総括的評価に基づく、
専門医認定申請のための修了判定
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各専門研修施設の前年度診療実績、施設状況、指導医数、現在の専攻医数に基づく、次
年度の専攻医受け入れ数の決定
専門研修施設の評価に基づく状況把握、指導の必要性の決定
専門研修 PG に対する評価に基づく、専門研修 PG 改良に向けた検討
サイトビジットの結果報告と専門研修 PG 改良に向けた検討
専門研修 PG 更新に向けた審議
翌年度の専門研修 PG 応募者の採否決定
各専門研修施設の指導報告
専門研修 PG 自体に関する評価と改良について日本専門医機構への報告内容についての
・
審議
専門研修 PG 連絡協議会の結果報告
副専門研修 PG 統括責任者
PG で受け入れる専攻医が専門研修施設群全体で 20 名をこえる場合、副専門研修 PG 統括
責任者を置き、副専門研修 PG 統括責任者は専門研修 PG 統括責任者を補佐しますが、当プロ
グラムではその見込みがないため設置しておりません。
連携施設での委員会組織
総合診療専門研修においては、連携施設における各科で個別に委員会を設置するのではな
く、専門研修基幹施設で開催されるプログラム管理委員会に専門研修連携施設の各科の指導
責任者も出席する形で、連携施設における研修の管理を行います。
20.総合診療専門研修指導医
本プログラムには、総合診療専門研修指導医が総計3名、具体的にはS病院総合診療科に
1名、B 診療所に1名、C 診療所に1名在籍しております。
指導医には臨床能力、教育能力について、6つのコアコンピテンシーを具体的に実践して
いることなどが求められており、本 PG の指導医についてもレポートの提出などによりそれ
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らを確認し、総合診療専門研修指導医講習会(1泊2日程度)の受講を経て、理解度などにつ
いての試験を行うことでその能力が担保されています。
なお、指導医は、以下の 1)~6)のいずれかの立場の方より選任されており、本 PG におい
ては1)のプライマリ・ケア認定医1名、4)の初期臨床研修病院にて総合診療部門に所属
し総合診療を行う医師1名、6)の郡市区医師会から推薦された医師1名が参画しています。
1) 日本プライマリ・ケア連合学会認定のプライマリ・ケア認定医、及び家庭医療専門医
2) 全自病協・国診協認定の地域包括医療・ケア認定医
3) 日本病院総合診療医学会認定医
4) 大学病院または初期臨床研修病院にて総合診療部門に所属し総合診療を行う医師(卒後
の臨床経験 7 年以上)
5) 4)の病院に協力して地域において総合診療を実践している医師(同上)
6) 都道府県医師会ないし郡市区医師会から≪総合診療専門医専門研修カリキュラムに示さ
れる「到達目標:総合診療専門医の 6 つのコアコンピテンシー」について地域で実践して
きた医師≫として推薦された医師(同上)
21.専門研修実績記録システム、マニュアル等について
研修実績および評価の記録
PG 運用マニュアル・フォーマットにある実地経験目録様式に研修実績を記載し、指導医
による形成的評価、フィードバックを受けます。総括的評価は総合診療専門研修カリキュラ
ムに則り、少なくとも年 1 回行います。
S病院総合診療科にて、専攻医の研修内容、目標に対する到達度、専攻医の自己評価、360
度評価と振り返り等の研修記録、研修ブロック毎の総括的評価、修了判定等の記録を保管す
るシステムを構築し、専攻医の研修修了または研修中断から5年間以上保管します。
PG 運用マニュアルは以下の研修手帳(専攻医研修マニュアルを兼ねる)と指導医マニュ
アルを用います。
◉研修手帳(専攻医研修マニュアル)
所定の研修手帳(資料1)参照。
◉指導医マニュアル
別紙「指導医マニュアル」参照。
◉専攻医研修実績記録フォーマット
所定の研修手帳(資料1)参照
◉指導医による指導とフィードバックの記録
所定の研修手帳(資料1)参照
22.専攻医の採用
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採用方法
S病院総合診療専門研修 PG 管理委員会は、毎年7月から説明会等を行い、総合診療専攻
医を募集します。PG への応募者は、9 月 30 日までに研修 PG 責任者宛に所定の形式の『S病
院総合診療専門研修 PG 応募申請書』および履歴書を提出してください。申請書は(1) S病
院総合診療科の website (http://www.xxxxxxxxx)よりダウンロード、(2)電話で問い合わせ
(xxx-xxx-xxxx)、(3) e-mail で問い合わせ(xxxxx@xxxxxxx)、のいずれの方法でも入手可
能です。原則として 10 月中に書類選考および面接を行い、採否を決定して本人に文書で通
知します。応募者および選考結果については〇月のS病院総合診療科専門研修 PG 管理委員
会において報告します。
研修開始届け
研修を開始した専攻医は、各年度の 5 月 31 日までに以下の専攻医氏名報告書を、S病院
総合診療専門研修 PG 管理委員会(####@xxxxxxxxx)に提出します。
・ 専攻医の氏名と医籍登録番号、専攻医の卒業年度、専攻医の研修開始年度(様式###)
・ 専攻医の履歴書(様式###)
・ 専攻医の初期研修修了証
以上
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