利回り逆転現象が示唆する 利回り逆転現象 示唆する 米国株式の割安感

楽読
(ラクヨミ)
2016年3月3日
Vol.
1,073
利回り逆転現象 示唆する
利回り逆転現象が示唆する
米国株式の割安感と今後の上昇期待
今年の米国株式市場は、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策や中国をはじめとする世界景気の不透
明感、原油安に加え、欧州で信用不安が浮上したことなどを背景に軟調となりました。
このような環境下で、足元の米国株式の配当利回りを見ると、通常とは異なり、10年国債利回りを上回る状況
このような環境下で
足元の米国株式の配当利回りを見ると 通常とは異なり 10年国債利回りを上回る状況
となっています。この「利回り逆転現象」は、直近10年間では、リーマン・ショック後と欧州債務危機が深刻化し
た時期に見られ、その後、債券から株式への資金シフトが起こり、数年にわたる中期的な株価上昇局面につ
ながりました。現在の米国債の利回りと株式配当利回りの水準は、世界的な経済の先行き不透明感を受けて、
債券へリスク回避的な資金が流れ、過度に株式が売られたことで株価が割安な状態にあることを示唆してい
ると考えられます。
米国市場ではめずらしい足元の「利回り逆転現象」が、過去に見られたような、その後の株式市場の上昇につ
ながるとは限りませんが EPS( 株当たり純利益)の推移が示すように 2016年以降の米国企業の業績は
ながるとは限りませんが、EPS(一株当たり純利益)の推移が示すように、2016年以降の米国企業の業績は
堅調な伸びが予想されており、過度な悲観は必要ないと考えられます。また、米国株式市場は、2月中旬以降、
原油価格に底打ちの兆候が見え始めてきたことや、米国の個人消費の底堅さを示す経済指標が相次いで発
表されたことなどで、持ち直しつつあります。
この先も中国経済の減速懸念など不透明な外部環境はしばらく続くとみられるものの、FRBは海外情勢を考
慮して3月の利上げを見送るとの観測が高まっており、見送りが確実なものとなれば、現状の米国株式の割安
感が強く意識され、米国株式市場への資金流入が拡大する可能性が考えられます。
米国の株価指数とEPSの推移
米国の主要利回りと株価指数の推移
(2006年1月末~2016年2月末、月次ベース)
10
(%)
(ポイント)
米国10年国債利回り(左軸)
9
S&P500種指数の配当利回り(左軸)
8
(株価指数:2006年1月末~2016年2月末)
(EPS:2006年~2017年予想*)
2,200
180
2,000
160
※グラフ起点を100として指数化
1,800
S&P500種指数(右軸)
140
7
1,600
6
1,400
120
5
1,200
100
4
1,000
3
800
2
600
1
06/1
08/1
10/1
12/1
400
16/1(年/月)
14/1
S&P500種指数
80
EPS
( 株当たり
(一株当たり
純利益)
60
予想値*
40
※塗りつぶし部分:逆転現象が2ヵ月以上連続して起こった期間。
(一時的に逆転とならなかった2012年3月末の値は除く)。
06
06
08
10
12
14
16 (年)
※S&P500種指数のEPSを使用
*EPSの2016年、2017年は
2016年2月29日時点の市場予想値
(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
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