2016年2月29日 平成28年度大阪市市政運営方針 政策転換の議論を 平成28年度予算案を大阪市のホームページで閲覧した。 予算編成方針に、 「本格的な少子高齢・人口減少社会が到来し、飛躍的な経済成長が見込めない中、多様 化する市民ニーズに速やかに応えていくためには、安定した財政基盤を構築していく必 要がある。予算編成にあたっては、市民感覚を持って行財政改革を徹底的に行い、補填 財源に依存することなく収入の範囲で予算を組むことを原則とするなど、将来世代に負 担を先送りすることのないよう、財政の健全化に着実かつ積極的に取組むとともに、限 られた財源の中で一層の選択と集中を全市的にすすめる事としている。 ・・・・ (中略) ・・・ 一方、サービスの向上や事務処理の効率化、経費の削減や収入の確保など質の高い行財 政運営や、官民の最適な役割のもと官民連携を推進するなど、新たな市政改革に取組む とともに、区長・局長マネジメントの下、PDCAサイクルを徹底し、歳出・歳入両面 に渡っての更なる自律的な改革を行うことにより、行財政改革を強力に推進してい く。 ・・・(後略)。」 、 とあるが、大いに賛同し実行を求めたい。 ところが、2月22日~24日の市都市経済委員会においては市立産業技術研究所と 府類似研究所の統合について、市民生保健委員会においては市立環境科学研究所と府類 似研究所の統合に、維新の会を除く委員等から否定的意見が続出する。また交通水道委 員会では、バス事業民営化や水道事業運営権制度の民間委託化の質疑においても、市民 の利便性や安全性を損なうのではないか等々の懐疑的な意見が目立った。 確かにこれらの施策は不足すれば税をつぎ込むなどして、これまで税で運営されてき た。今年度は僅かに税収増となったが、先日の新聞報道にもあるように、大阪府下は人 口減少となっており税収も減少傾向となることが予測される。冒頭予算編成方針にもあ るように、今後学校や体育館、水道管路の更新等々の市有公共施設物は老朽化対策や耐 震化に伴う維持管理費用に巨額な費用の発生が見込まれ、税収入で賄いきれない恐れが ある。加えて平成28年度生活保護費等扶助費予算額は約5,400億円にもなり、歳 出予算総額の約33%も占め、今後においても独居高齢者の増加に伴い扶助費等の社会 保障費用は更に増加する可能性があると市会で答弁があった。 行政サービスを維持しながら持続可能な収入の範囲での健全な財政運営を行うとす れば、其々の施策・事業を府市或いは官民連携を諮るなど、より効率性を考えた施策運 営の転換が求められるのではないのか。 1 又2月26日の市政改革特別委員会で、橋下前市長の市政運営は破壊行為で悪政だっ たという意見に、吉村市長は「橋下前市長がこれまで誰もがやらなかった改革を実行し たことを評価している、無名の自分が市長に選任されたのは橋下前市長の評価が市民に 伝わったからだ。」と答弁したが、10年以上も前から市政改革が唱えられ、遅々とし て進捗しなかった改革を、橋下前市長は就任4年間の中で徹底して大阪市改革に取組み、 可能な限りの改革に道筋を付けた、と大阪市民は評価したと言える。市民の評価を抜き にして誤った批判をするべきではないと思う。 維新の会を除く議員諸氏はこれまでの施策運営に固執することなく、持続可能な将来 世代に負担を先送りしない行財政運営を行うことを根幹に据え、府市共同・官民連携等 を視野に入れた施策について議論を尽くして欲しい。 以上 2
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