第48号 3月 1日 平成27年度第114回卒業式 式辞

平成 27 年度 卒業証書授与式
式 辞
暖かい日が春の訪れを感じさせてくれると思っていましたら、卒業生との別れを惜しむかのように冬
の寒さが戻ってきました。
本日はここに、島根県教育委員会から加藤健二様、松農会会長 浅野俊雄様、PTA会長 野々村卓
也様をはじめ 24 名のご来賓の皆様にご臨席を賜り、卒業証書授与式をこのように盛大に挙行できます
ことに、高いところからではありますが心よりお礼申し上げます。
ただいま卒業証書を授与しました、第 114 期生 157 名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうござい
ます。これまでの皆さんの努力と研鑽を心から讃えたいと思います。本日のこの喜びは、卒業生の皆さ
んのたゆまぬ努力の結果であることは言うまでもありませんが、皆さんのことを絶えず気遣いながら、
支えてくださったご家族と周囲の方々の励ましの賜物であることを決して忘れてはいけません。この人
生の節目に当たり、お世話なった方々へ素直に感謝の気持ちを伝えてもらいたいと思います。
皆さんは、
「質実剛健」
「自主創造」
「奉仕協同」の校訓のもと、入学以来それぞれの学科の教育課程
を修了し、今日を迎えました。この間皆さんは旺盛な向上心と探究心をもち、本校の特徴の一つである
実習や様々な研究活動、資格取得のなどの学びをとおして、自らの知識や経験値をたかめていこうとす
るすばらしい生徒でした。また、部活動や学校行事、校外の人たちと連携するなどして、学んだことを
応用し活用する中で、考える力、判断する力、表現する力などを身につけ多くの成果を収めました。そ
して、様々な場面をとおして心と体を鍛え、一生の宝となる仲間との友情を育んできました。皆さんの
学業のみならず、部活動や学校行事など学校生活におけるすべてのことに全力で取り組み、社会に貢献
できるよう自らを高めようとする姿は、私たち教職員にとって誇りであり、皆さんと一緒にともに学び
を深めることができたことに多きな喜びを感じ、心から感謝したいと思います。ありがとう。
さて、これから社会人として活躍される皆さんに私からの最後の話です。本校第 14 期、大正 5 年卒
業生の方から後輩に贈られた言葉としてとして、本校には「すべての蕾よ花と咲け」という応援メッセ
ージがあります。今日皆さんは、入学したときにまいた種が、今日こうやって花を咲かせました。皆さ
んがステキな花となるために、皆さん自身も努力を重ねてきましたが、教職員・友達・家族・地域の人々
など多くの人の支えがあったと思います。今度は、それぞれの違う進路や夢に向かって新しい生活が始
まります。そこで、新たに種をまき、大輪の花を咲かせてください。皆さんのこれから進む道はまっす
ぐな道もあるでしょうが、多くの人は曲がりくねった険しい道なのかもしれません。まっすぐな道でも
曲がりくねった道でも諦めずに歩き続ければ美しい花を見ることができます。そして、大きな花を咲か
せるためには「夢はでっかく、根は深く」です。皆さんの夢に向かって大輪の美しい花を咲かせようと
思えば、見えない根の部分が大事だということです。見える部分が外見や仕事の善し悪し、成績だとす
ると、それを支える心の部分や生き様から現される考え方などのその人の本質をあらわすものが根の部
分になるのでしょう。ここを磨いてこれからそれぞれの夢の実現を目指してください。私たち教職員の
役割は終わりました。皆さんが社会に出て立派に活躍できるよう全力で皆さんに関わってきました。こ
れからは皆さんが皆さんの力でこれから進む道を切り開くことになります。
現在、島根県は産業を支える人材不足や高齢化に悩んでいます。農業の担い手や 6 次産業化を推進す
る人材不足、建設・土木関係の担い手の不足、看護師・介護職員・保育士の人材不足、そして一番の問
題は地域を支える若者が足りないということです。本校で学んできた皆さんの力がこれからの島根に必
要なわけです。私たちはいつまでも応援しています。根を深く広く張り、皆さんの夢の実現に邁進し、
地域や社会で必要とされる人材としてこれからも力をつけてください。
最後になりましたが、保護者の皆様には、この三年間、ときには厳しくときには優しくお子様を励ま
し支えていただくとともに、本校の教育活動に絶大なるご理解とご協力を賜りましたことに心から感謝
申し上げますとともに、深く敬意を表します。
私たち教職員一同は、卒業生の皆さんそして保護者の皆様と三年間ここで過ごせたことに感謝しつつ、
卒業生の皆さんの洋々たる前途が健やかで、幸多きことを心から祈念して式辞といたします。
平成 28 年 3 月 1 日
島根県立松江農林高等学校
校長 吉川 靖