横浜市の地震防災対策

横 浜 市 記 者 発 表 資 料
平 成
総 務
2 8 年 3 月 2 日
局 危 機 管 理 室
~東日本大震災から 5 年を振り返って~
東日本大震災を契機に、横浜市では「総合的な震災対策の考え方」を、震災から 2 か
月後の平成 23 年 5 月に取りまとめ、この考え方を踏まえ、各種取組を進めてきました。
防災対策としては、条例や憲章を制定・改正して、地震対策の意義を市民の皆様と広
く共有し、横浜市に最大の被害を及ぼす地震を想定して防災計画を修正しました。
また、そのアクションプランである地震防災戦略を策定するなど、市民の皆様の生命・
財産を守るための取組を着実に進めています。
防災対策に終わりはないため、今後も弛みなく取組を進めていきます。
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基本となる事項
横浜市震災対策条例
全部改正(平成25年2月)
東日本大震災の教訓等を踏まえ、本市における震災対策の基本理念等を新たに規定す
るなど、
「横浜市震災対策条例」を全部改正
横浜市災害時における自助及び共助の推進に関する条例
制定(平成25年6月)
災害時における市民等の自助・共助の理念、役割を明らかにし、災害を軽減する減災
社会を実現するため「横浜市災害時における自助及び共助の推進に関する条例」を制定
よこはま地震防災市民憲章
策定(平成25年3月)
東日本大震災により明らかになった、減災に向けた自助・共助の大切さを共通認識と
して市民の皆様に持ってもらうため、また、それが世代を超えて引き継がれていくこと
を願い、「よこはま地震防災市民憲章」を策定
横浜市防災計画「震災対策編」
修正(平成23・24・26年度)
東日本大震災の教訓や課題などを踏まえ、減災と人命最優先の対策の強化を基本的な
考え方として、横浜市防災計画「震災対策編」を修正
横浜市地震防災戦略
策定(平成25年3月)
策定(平成25年4月)
横浜市防災計画「震災対策編」で定めた「減災目標」を達成するために、具体的
対策を取りまとめた「横浜市地震防災戦略」を策定
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あ
り
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地震防災対策の主な取組事項(庁内で進めている各種取組の一例)
市民及び地域の防災力向上
自助・共助の取組を最大限に活かし、市民の皆様や地域における防災力の強化を図るため、地域の
防災活動への支援など様々な取組を進めています。
〇感震ブレーカーの設置補助
平成 25 年度より、火災対策を早急に進める必要がある延焼危険度が高い木造住宅密集市街地等に
おいて、自助の取組の支援として、感震ブレーカーの設置費用を補助
〇減災パンフレット「わが家の地震対策」の作成・配布
市民の皆様の自助・共助の取組の参考にしていただくため、ご家庭や地域で日頃から備えていただ
くべきことや被害予測地図などをまとめた減災パンフレットを全戸に配布
〇防災・減災推進研修
平成 26 年度より、自助・共助の意識啓発や、地域の防災の担い手の育成のため、町の防災組織の
メンバーを対象に防災・減災推進研修を実施(平成 28 年度研修資料として、災害時の情報収集・
伝達に関する基本的事項をまとめた「防災情報ガイド」(平成 28 年3月発行・配布予定)も活用)
〇市民防災センターのリニューアルオープン
自助・共助の中核施設である市民防災センターを平成 28 年4月にリニューアルオープンし、体験
型防災学習施設として楽しみながら防災・減災を学んでいただくとともに、防災リーダー育成プロ
グラムや一般市民を対象とした専門的な研修・学習プログラムを実施
火災による被害の軽減
「横浜市地震防災戦略における地震火災対策方針」を策定(平成 26 年3月)し、木造住宅密集市
街地など地震による火災の延焼被害が大きい地域を中心に、ハード対策とソフト対策の両輪で火災対
策を推進しています。
・不燃化推進地域における「新たな防火規制」による建築物の耐火性能強化の義務付け
・老朽建築物等の除去及び耐火性の高い建築物の新築への補助
・延焼遮断帯の形成の推進
・感震ブレーカーの設置補助(再掲)
建物倒壊による被害防止
市内の建物の耐震化を推進し、建物倒壊等による被害を軽減しています。
・民間の特定建築物、木造住宅、分譲マンションについて、耐震改修費用の一部を補助
・区庁舎(消防署)等を対象として、耐震改修・建替・移転等を推進
・補強対策が必要とされた校舎について、耐震補強工事が概ね完了
・横浜市営住宅で耐震化が必要な施設について、耐震補強工事が完了
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あ
り
津波による被害防止
津波避難情報板
発生頻度は極めて低いものの、発生すれば甚大な被害をもたらす
最大クラスの津波を想定し、住民避難を軸とした総合的な津波対策を
進めています。
・津波からの避難ガイドライン策定(平成 23 年8月)
・津波避難情報板(16 か所)、海抜表示(約 8,600 か所)の設置
・津波避難施設の指定(174 か所)
・津波警報伝達システムの整備(89 か所)
帰宅困難者発生抑制と支援
東日本大震災時の経験を踏まえ、帰宅困難者の抑制や一時滞在施設の拡充を進めています。
〇帰宅困難者の発生抑制
従業員等の留め置きや飲料水、食料等の物資備蓄等に関する事業者等への啓発
〇帰宅困難者一時滞在施設の拡充
〇災害時帰宅支援ステーション(徒歩帰宅者に対し、水道水やトイレ、災害関連情報の提供等の
支援ができる施設)の協定締結推進(災害時帰宅支援ステーション:2,078 箇所)
災害時医療体制等の強化
東日本大震災に伴う医療活動で得られた教訓等を踏まえ、災害時医療体制等を強化しています。
〇総合調整・指揮機能の強化
・市医療調整チームの設置
重症
・市及び区に災害医療アドバイザーを配置
災害拠点病院
医療機関
による診療
・市及び区に災害医療連絡会議を設置
〇緊急度・重症度に応じた医療提供体制
中等症
DMAT・
他都市
医療救
援隊等
災害時救急病院
・被災を免れ診療可能な医療機関は緊急度・重症度に
診療所
応じて医療提供
軽症
医療救護隊
による診療
・地域防災拠点にいる負傷者等は
医療救護隊(121 隊)が巡回診療
地域防
災拠点
地域防
災拠点
医療
救護隊
〇医薬品等の備蓄及び供給体制
・医薬品の確保は、地域の薬局での流通備蓄等や
地域防
災拠点
【巡回診療等】
緊急度・重症度に応じた医療提供体制
※DMAT : 災害医療派遣チーム
市内医薬品卸会社からの供給
・他都市の医薬品救援物資は物流拠点として横浜薬科大学で一元化
地域防災拠点の充実・強化
被災者の方の避難場所や救助等の活動拠点となる地域防災拠点の充実・強化を図っています。
〇地域防災拠点の追加指定、特設公衆電話回線の整備などの情報受伝達手段の確保
〇地域防災拠点の開設基準、閉鎖等の実施者及び手順等の明確化
〇女性及び要援護者等に対して配慮すべき事項・専用スペースの確保等について明確化
お問合せ先
(資料全般に関すること)
総務局危機管理課長
森
正人
Tel 045-671-2062
(地震防災戦略に関すること)総務局危機管理課企画調整担当課長 佐藤 匡広
Tel 045-671-2019
(防災計画に関すること)
Tel 045-671-4095
総務局危機対処計画課長
和知
治