戦前日本の少年少女雑誌における投稿文化 今田絵里香 Imada Erika Department of Sociology, Seikei University, Tokyo 本報告は、少年雑誌『日本少年』と少女雑誌『少女の友』の投稿欄を比較し、少年少女 たちの投稿文化を明らかにする。近代日本においては少年少女雑誌の投稿欄が少年少女た ちの人気を得ていた。少年少女たちにとって、また編集者にとって、文芸作品を投稿する ことはどのような意味を持っていたのだろうか。投稿欄を分析した結果、少年は「名誉」、 少女「交際」を得るために投稿をしていたことが明らかになった。また、編集者は、少年 少女の投稿を「少年らしさ」「少女らしさ」と関連させながら把握していたことが、明らか になった。 2004 年 3 月 京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程人間・環境学専攻単位取得 退学 2004 年 4 月~2008 年 3 月 日本学術振興会特別研究員(PD) 2008 年 10 月~2012 年 3 月 京都大学大学院文学研究科特定助教 2012 年 4 月~ 成蹊大学文学部講師 【著書】 1. 今田絵里香、『「少女」の社会史』、勁草書房、1-256 頁、2007 年。 【共編著】 1. 今田絵里香、 「京都大学の女性ポストドクター」、京都大学女性研究者支援センター(落 合恵美子・登谷美穂子・今田絵里香)編集、『京都大学 男女共同参画への挑戦』、明 石書店、75-103 頁、2008 年。 【共著】 1. 今田絵里香、「女子高校における女性性利用型成功志向」、木村涼子・古久保さくら編 集、 『ジェンダーで考える教育の現在(いま)――フェミニズム教育学をめざして――』、 解放出版社、78-95 頁、2008 年。 【論文】 1. 今田絵里香、「「少女」になる――少女雑誌における読むこと/見ること/書くことを めぐって――」、『ユリイカ』、青土社、第 45 巻 16 号、178-186 頁、2013 年。 2. 今田絵里香、「戦後日本の『少女の友』『女学生の友』における異性愛文化の導入とそ の論理――小説と読者通信欄の分析――」、『大阪国際児童文学館紀要』、大阪国際児童 文学館、第 24 号、1-14 頁、2011 年。 3. 今田絵里香、「「少年」から少年・少女へ――明治の子ども投稿雑誌『頴才新誌』にお けるジェンダーの変容――」、『教育学研究』、日本教育学会、第 71 巻 2 号、214-227 頁、2004 年。 4. 今田絵里香、「少年雑誌におけるセンチメンタリズムの排除――1930 年代の『日本少 年』・『少女の友』投稿欄の比較から――」、『女性学』、日本女性学会、第 11 号、86- 106 頁、2004 年。 5. 今田絵里香、 「ジェンダー化される「子ども」――1895~1945 年の少年少女雑誌表紙絵 分析から――」、『ソシオロジ』、社会学研究会、第 48 巻、57-74 頁、2003 年。 6. 今田絵里香、 「少女雑誌における「少女ネットワーク」の成立と解体――1931~1945 年 の少女雑誌投稿欄分析を中心に――」、『教育社会学研究』、日本教育社会学会、第 70 集、185-202 頁、2002 年。 7. 今田絵里香、「近代家族と少女の「国民化」――少女雑誌『少女の友』分析から――」、 『教育社会学研究』、日本教育社会学会、第 68 集、225-242 頁、2001 年、査読有。
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