平成27年度事業計画 - 一般財団法人アジア太平洋観光交流センター

平成27年度事業計画
基本計画
国連世界観光機関(UNWTO)によれば、2014年の世界全体の国際観光
客到着数の速報値は、前年比5,100万人増の11億3,800万人であり、
アジア太平洋地域の国際観光客到着数は2億6,300万人となり、伸び率が
5%と米州に次いで最も高い伸び率を示している。なかでも、南アジア及び北
東アジアは7%の伸びを示しており、観光におけるアジア太平洋地域の重要性
は高まっている。我が国においても、訪日外国人旅行者数は堅調に伸びており、
2014年の訪日外国人旅行者数が1,341万3,600人を達成するなど、観
光をめぐる動きは引続き力強いものとなっている。
このような観光を取り巻く現状を踏まえ、UNWTO においては、成長著しい
アジア太平洋地域の加盟国・加盟団体等のニーズに応え、同地域におけるより
一層の観光振興及び持続可能な観光の実現を図るために、UNWTO アジア太平
洋センターが地域事務所としての役割を着実に果たすことが期待されている。
UNWTO アジア太平洋センターをめぐる動きとしては、UNWTO の2014
年決算から国際公会計基準が適用されることとなり、UNWTO アジア太平洋セ
ンターにおいても国際公会計基準に則った業務手続を踏まえた財務報告を実施
している。2014年9月には、UNWTO の世界観光倫理憲章への日本の観光
関連団体・旅行会社、4団体8社による署名が行われ、日本の観光産業による
持続可能で責任のある観光の発展に対する決意が示された。2014年11月
には、
「奈良観光統計ウィーク」として、観光庁・OECD・EU 統計局共催の「第
13回観光統計グローバルフォーラム」、観光庁・UNWTO 共催の「UNWTO
観光統計スペシャルワークショップ」が奈良で開催され、観光統計の専門家や
政府関係者等による先進的な知見に基づいた議論が行われるとともに、観光統
計技術の向上に大きな成果が見られた。
このような環境のなかで、UNWTO アジア太平洋センターへの支援を主たる
目的とする当財団の本年度計画では、昨年度に引続き、一般財団法人としての
組織運営の透明性・健全性に留意しつつ、UNWTO アジア太平洋センターによ
る UNWTO の地域事務所としての活動に対する支援を行い、観光交流促進のた
めの会議開催や MICE 振興のための支援、地方公共団体等が行う観光交流促進
や持続可能な観光の実現に資する活動を行うこととする。具体的な基本方針は
以下の通り。
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1.国連世界観光機関(UNWTO)アジア太平洋センターが、UNWTO 地域事
務所として役割を果たすための更なる業務改善や地域事務所としての活動
を支援。
UNWTO アジア太平洋センターが UNWTO の地域事務所として機能強化
を図ることで、観光統計や観光に関する研究成果の適時適切な共有化、政府
関係者、観光業界、研究者が、観光に関して国内外の関係者と意見交換や交
流する機会の創出や情報提供、及び世界の観光をめぐる動向を踏まえた施策
立案や観光に関する基礎研究の深化に貢献する。
また、観光倫理憲章普及・促進に向けた取組みやアジア太平洋地域のニー
ズに応える教育研修事業の企画・立案、実施の支援を通して、同地域への観
光振興への貢献を図る。
2.アジア太平洋地域における観光交流促進のための会議の開催や MICE
振興のための支援。
2015年は、2014年から開催が延期されている「太平洋島嶼国観光
大臣会合」
(開催時期及び開催地未定)や12月には「UNWTO 文化とシル
クロード観光に関する国際会議」(奈良県奈良市)が予定されている。これ
らの会議は、研究者や観光専門家、国・自治体が情報交換や意見交換を行う
良い機会であり、このような観光交流促進に向けた会議開催の着実な実施を
図るとともに、更なる機会の創出を図り、当財団の賛助会員を始め、アジア
太平洋地域の観光関係者に対して UNWTO 関係の知見の共有化やネットワ
ーク強化に努める。
3.地方公共団体等が行う観光交流促進に資する活動の支援
UNWTO の地域事務所である UNWTO アジア太平洋センターが関西圏で
ある奈良県奈良市に所在している意義としては、UNWTO のネットワーク
を介して観光目的地としての情報発信ができることとともに、地元に対して、
UNWTO の観光に関する知見や国際会議に参加する機会を提供できる点が
ある。従い、当財団も UNWTO アジア太平洋センターのネットワークを活
用し、ビジット・ジャパン地方連携事業に参加することで観光目的地として
の広報宣伝を行うとともに、地元の住民の皆様、観光関係者、行政関係者等
が自由に参加することができ、観光に関する情報交換や意見交換ができるイ
ベントの企画立案を行うなど、UNWTO アジア太平洋センターが地元に開
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かれた事務所運営を行う取組みを支援する。また、国際交流人材育成のため
に、高校生、大学生、大学院生、研究者等が UNWTO 関連イベントに参加でき
る機会を創出し、実際に国際会議の雰囲気を体験してもらうことで、観光や
MICE の重要性や国際交流への関心向上を図る。
以上の基本方針に基づき、今年度は、1)国連世界観光機関(UNWTO)ア
ジア太平洋センターが実施するアジア太平洋地域(日本国内を含む)における
観光振興のための活動に対する支援、2)アジア太平洋地域(日本国内を含む)
における観光交流促進のための会議の開催及び調査・研究、並びにコンベンシ
ョン振興のための支援、及び3)地方公共団体等が行う観光交流促進に関する
宣伝活動等に対する支援、の3本柱を軸に積極的に事業を展開していく。
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事業計画
第1:国連世界観光機関(UNWTO)アジア太平洋センターが実施するアジア
太平洋地域(日本国内を含む)における観光振興のための活動に対する支
援
【当財団定款第4条(1)、(4)、(5)、(6)】
1.学術的調査・研究支援事業
UNWTO アジア太平洋センターの活動に資するため、テーマを選定して学術的
調査・研究を実施する事業。
(1)「持続可能な観光開発」、「観光と地域開発」、「観光と文化・自然遺産保
護」等の UNWTO が重視している課題に対する観光学術研究支援
[公益目的支出計画 継続事業1(イ)]
UNWTO が行っている観光に関する基礎研究の底上げを図るために、
UNWTO 加盟国・加盟団体等の施策形成に資する調査の企画・立案、実施に
対して支援を行う。具体的には、平成 26 年度に引続き、UNWTO、国土交
通省海事局、観光庁と連携し、2015 年〜2019 年に実施予定の「日 ASEAN
クルーズ振興戦略」に資する調査研究を始め、研究内容や企画内容につ
いては、ASEAN ツーリズムフォーラムや UNWTO 関連会議での議論、UNWTO
に対する加盟国・加盟団体等による要請等に基づき、効果が高いと考え
られる調査対象を精査したうえで、質の高い調査報告を求めることとす
る。
(2)UNWTO Knowledge Network、国連大学、大学等の研究機関や観光産業関
係者とのネットワーク形成、研究者データベースの構築や連絡協議会の
企画・立案、実施に対する支援
[公益目的支出計画 公益目的事業]
UNWTO 加盟国・加盟団体等の施策立案能力を深化させるためには、理論
的な基礎研究と実践の連携が欠かせない。各国の研究者・政府関係者・
観光産業関係者によるネットワークの場として設置されている UNWTO
Knowledge Network において、学際的・業際的に観光関係者の間で連携強
化が図られることを支援するとともに、UNWTO が、国連の研究機関であ
る国連大学や他の大学等の研究機関との連携を図りながら、観光に対す
る新たな視点を提供する取組みを支援する。また、この取組みにおいて、
UNWTO が観光の発展に資する研究を行っている研究者データベースの作
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成、研究者間の連絡協議会の設置の企画・立案、実施を行うことを支援
する。
(3)国際相互理解促進に資する調査・研究事業
[公益目的支出計画 継続事業1(イ)]
UNWTO 憲章第3条に記載されている観光による経済発展と国際理解促
進の理念の下、アジア太平洋地域において、新たな観光需要と観光によ
る国際相互理解の促進を図ることを目的とする調査・研究事業に対して
支援を行う。具体的には、アジア太平洋地域を含むユーラシア大陸との
歴史的文化交流路である「シルクロード」に因む都市、文化・自然遺産
等を活用した観光促進を図ることを目指す「シルクロード」関連の調査・
研究事業及び国際相互理解を促進するための観光を通じた青少年の異文
化に対する理解を深める「ユースツーリズム」等の国際相互理解増進に
資する調査・研究に対して支援を行う。
(4)UNWTO 出版物の翻訳刊行、UNWTO が取りまとめた観光統計データや UNWTO
における研究成果などの情報周知
[公益目的支出計画 継続事業1(イ)]
UNWTO が公表している観光統計に関する情報及び観光全般に関する研
究成果を、UNWTO アジア太平洋センターが適時適切に情報を公表する取組
みを支援する。具体的には、観光統計に関して、UNWTO アジア太平洋セン
ターが、UNWTO Tourism Highlight の翻訳公表、World Tourism Barometer
の抄訳を国、自治体、観光産業関係者に対して適時適切に提供する取組
み等を支援する。UNWTO が実施している研究成果については、年間20冊
程度の出版物が出版されており、UNWTO アジア太平洋センターが、出版物
の概要について情報周知を図り、特にニーズの高い出版物については、
研究機関等とも連携を取りつつ、翻訳刊行を行う取組みを支援する。
2. 観光交流促進支援事業
UNWTO アジア太平洋センターが国内外で実施する観光交流促進のための
観光開発・普及等を支援する事業。
※ここで言う支援とは UNWTO 及び共催団体等が実施する観光交流促進事業
の準備・調整等に要する人的・財政的支援。
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UNWTO アジア太平洋センターが、平成27年(2015年)に UNWTO の
計画している国際会議の運営支援を行うことは、UNWTO アジア太平洋セン
ターの主要な業務であり、同センターが UNWTO の地域事務所として積極的
に UNWTO 関連の国際会議の企画・立案、実施に関わることを支援する。こ
れらの国際会議を通して、UNWTO 加盟国・加盟団体等に対して、施策立案
に資する観光に関する様々な研究や取組みに接する機会や議論の場を提供
することで、日本を含めた観光関係者の施策検討に資する効果を期待。
(1)UNWTO 地域合同委員会及び総会への参加・運営支援
①第27回アジア太平洋地域及び南アジア地域合同委員会への参加・運営
開 催 日:2015年6月3日〜6月4日
場
所:モルディブ
活動概要:・UNWTO 地域合同委員会の運営業務。
・UNWTO の加盟国、加盟団体等の活動報告・意見交換や個別
会談の設定支援。
・UNWTO アジア太平洋部及びアジア太平洋センターの活動報
告。
②第21回 UNWTO 総会への参加・運営
開 催 日:2015年9月12日〜9月17日
場
所:コロンビア・メデリン
活動概要:・UNWTO の最高意思決定機関である総会の運営。
・UNWTO の加盟国、加盟団体等の活動報告・意見交換や個別
会談の設定支援。
(2)UNWTO 関連国際会議への参加・運営支援
[公益目的支出計画 継続事業1(ロ)]
以下は、UNWTO 本部においても現在予定されている国際会議やセミナー
等である。UNWTO がアジア太平洋地域で重視しているイベントに関して、
UNWTO アジア太平洋センターによる企画・運営に関する活動に対する支援
を行う。但し、事業計画は UNWTO 本部においても随時見直されるため、会
議・イベントの追加やキャンセル等も発生する可能性がある。当財団が支
援する UNWTO 関連会議・イベントについては事務局に判断を一任する。
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① UNWTO シルクロード・タスクフォース会議
(UNWTO Silk Road Task Force Meeting and Conference)
開催期間:2015年4月23日〜24日
場
所:韓国・ソウル
② 2015 UNWTO アジア太平洋 エクゼクティブトレー ニングプログラム
(2015 UNWTO Asia-Pacific Executive Training Program)
開催期間:2015年4月28日〜5月1日
場
所:フィリピン・ボホール
活動概要:UNWTO アジア太平洋部が毎年開催しているアジア太平洋地域
における観光関係者に対するトレーニングプログラム。UNWTO
アジア太平洋センターがアジア太平洋部とともに当プログラ
ムの運営にあたる。
③ メコン観光フォーラム
(Mekong Tourism Forum)
開催期間:2015年6月15日〜19日
場
所:べトナム・ダナン
④ UNWTO シルクロード国際会議
(UNWTO Silk Road International Conference)
開催期間:2015年6月18日〜20日
場
所:中国・西安
⑤ ツーリズム EXPO ジャパン
(JATA Tourism EXPO Japan 2015)
開催期間:2015年9月24日〜27日
場
所:東京
⑥ 山岳と雪に関する観光会議
(Mountain and Snow Tourism)
開催期間:2015年10月14日〜16日
場
所:韓国・ウルサン
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⑦ UNWTO 文化とシルクロード観光に関する国際会議
(UNWTO International Conference on Culture and Silk Road Tourism)
開催期間:2015年12月16日〜18日
場
所:奈良県奈良市
(3)観光倫理憲章普及・促進事業
[公益目的支出計画 継続事業1(ロ)]
「世界観光倫理憲章」は2001年12月に国連総会において採択された
観光産業における主要な関係者が、責任ある持続可能な観光を実現するた
めに参照すべき規範として採択され、各国で普及の取組みが行われている。
2011年から UNWTO は世界観光倫理憲章の普及促進のために、「民間
部門による世界倫理憲章への誓約(Private Sector Commitment to the
Global Code of Ethics for Tourism)」を民間企業・団体が署名すること
により、世界倫理憲章の理念が実現できるように取り組んでいる。
日本においても、2014年9月25日に4団体8社が上記誓約に署名
を行い、日本の観光業界の持続可能な観光への取組みへの決意を表明した
ところである。2015年のツーリズム EXPO ジャパンでは、観光倫理憲
章の理念に則った優秀な取組みを行っている会社・団体・個人に対して、
『ジャパン・ツーリズム・アワード UNWTO 部門賞』を創設する計画もあ
り、これらの観光倫理憲章の理念を普及・促進する取組みを支援する。
(4)UNWTO 及び UNWTO アジア太平洋センターに関する情報発信の強化
[公益目的支出計画 継続事業1(ロ)]
①UNWTO 本部や国連情報センターのウェブサイト、ソーシャルメディアを
通した情報発信の強化
UNWTO 本部や国連情報センターにおいては、ウェブサイトやソーシャ
ルメディアを活用した情報発信を活発に行っており、これらの既存の情
報発信スキームを活用した UNWTO 及び UNWTO アジア太平洋センターに関
する情報発信の強化を引続き支援する。
②UNWTO 本部、UNWTO アジア太平洋センターにおける報道発表、UNWTO アジ
ア太平洋ニュースレターを通じた情報発信の強化
アジア太平洋地域の UNWTO の活動を周知するために、韓国の Kyung Hee
大学が編集を行っている「UNWTO アジア太平洋ニュースレター」がある。
この情報誌は、アジア太平洋地域に留まらず、観光関係者に UNWTO の活
動を周知するために広く活用されており、UNWTO アジア太平洋センターが、
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このニュースレターとの更なる連携強化を図り、UNWTO のアジア太平洋地
域における活動に関する情報発信を強化することを支援する。
(5)UNWTO アジア太平洋センターにおけるボランティア、インターンの受入
事業
[公益目的支出計画 継続事業1(ロ)]
UNWTO アジア太平洋センターが、UNWTO 関連業務を遂行するにあたり、
英語による発信力の確保や観光に関する調査研究、最新の動きについて
の情報収拾力を確保するとともに、UNWTO の活動へ参加する機会を提供す
ることにより観光人材の育成に貢献するために、ボランティアやインター
ンの積極的な受入を図り、観光振興の裾野を広げる取組みを行うことを支
援する。また、UNWTO ボランティアプログラム及び UNWTO ボランティア資
格との有資格者との連携を引続き強化することについても支援する。
(参考)UNWTO ボランティア資格
米国ジョージワシントン大学、UNWTO 本部と Themis Foundation の共同
事業として実施されている事業。ジョージワシントン大学で提供される
UNWTO 関連講座を受講することにより、UNWTO ボランティア資格が付与さ
れる。政府関係者、観光産業関係者、大学院生、博士課程の方などが、
毎年30名程度、同資格を取得している。
(6)UNWTO 加盟国・加盟団体等のニーズに応える教育研修事業やセミナー
開催等の企画・立案、実施に対する支援
[公益目的支出計画 継続事業1(ロ)]
UNWTO 関係国際会議、
「太平洋島嶼国観光大臣会合」での情報収集や UNWTO
に対する加盟国・団体等の要望や要請を踏まえ、UNWTO アジア太平洋セン
ターが UNWTO アジア太平洋部や持続可能な観光開発(Sustainable Tourism
Development)等 UNWTO 本部の関係部署と連携し、UNWTO 加盟国・団体等の
ニーズに応える教育研修事業やセミナー開催を企画・立案、実施すること
に対して支援する。
(7)UNWTO アジア太平洋センター・APTEC20周年記念フォーラム等
20周年記念事業の企画・立案、実施に対する支援
[公益目的支出計画 継続事業1(ロ)]
2015年は、1995年に設立された UNWTO アジア太平洋センター及
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び APTEC 設立20周年の節目の年にあたる。アジア太平洋地域の観光にお
ける現在の課題や2020年の東京オリンピックを見据えた日本の観光振
興の在り方等に関する「UNWTO アジア太平洋センター・APTEC20周年記念
フォーラム」等の記念事業を企画・立案、実施することを支援する。
第2:アジア太平洋地域(日本国内を含む)における観光交流促進のための会
議の開催及び調査・研究、並びにコンベンション振興のための支援
【当財団定款第4条(2)、
(5)】
1. アジア太平洋諸国観光国際協力事業(日本財団助成事業)
〔公益目的支出計画 公益目的事業]
「太平洋・島サミット第2回中間閣僚会合議長総括」(東京、平成25年
10月26日)において、関係閣僚が UNWTO、太平洋諸島センター(PIC)及
び南太平洋観光機関(SPTO)を通じて太平洋諸島フォーラム(PIF)事務局
と協力をして、「太平洋島嶼国観光大臣会合」を日本で開催することに合意
している。同会議に開催に向けて、UNWTO アジア太平洋センターが観光庁、
外務省とともに開催の中心的な役割を果たすことになる。当財団としては、
日本財団からの助成金を基に UNWTO アジア太平洋センターに対して、財政面
での支援を行うとともに、開催にあたって人的な面でも積極的な支援を行う
予定である。
名称
:太平洋島嶼国観光大臣会合
開催時期:未定
場
所:東京(未定)
2.東アジア地方政府会合
[公益目的支出計画 継続事業1(ロ)]
奈良県が、平成22年に平城遷都1300年記念事業として設立した「東
アジア地方政府会合」は、地方政府の直面する行政課題に関する意見交換や
地方政府間の相互理解の促進を目的としている国際会議である。同会議にお
いて、奈良に所在する UNWTO アジア太平洋センターが UNWTO の取組みや知見
を共有するとともに、参加地方政府と UNWTO のネットワーク形成に向けた取
組みを行うことを支援する。
名称
:東アジア地方政府会合
East Asia Local and Regional Government Congress
開催時期:2015年10月
場
所:奈良県奈良市
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3.国際会議等開催事業
[公益目的支出計画 継続事業1(ロ)]
(1)UNWTO 文化とシルクロード観光に関する国際会議(再掲)
2015年は4月に UNWTO シルクロード・タスクフォース会議が韓国・
ソウルで、6月に UNWTO 国際会議が中国・西安で開催予定である。シルク
ロードを通して伝播した文化や文物が多く残る奈良で開催される「UNWTO
文化とシルクロード観光に関する国際会議」では、中央アジアを含めたユ
ーラシア大陸とアジア太平洋における歴史的文化的な繋がりを念頭にお
き、「シルクロード」をキーワードに、研究者や観光専門家、国・自治体
等の政府機関等による議論の場を創出する取組みに対して支援を行う。
開催期間:12月16日〜18日
場
所:奈良県奈良市
(2)
「世界観光の日」関連イベント、フォーラムの支援
世界観光機関憲章が1970年9月27日に採択されたことを記念して、
1980年 (昭和55年)に世界観光機関が9月27日を「世界観光の日」
と定め、毎年、UNWTO 理事会の推薦に基づき、UNWTO 総会で承認を受けたテ
ーマに基づき、
「世界観光の日」にちなんだ様々なイベントが世界中で開催
さ れ て い る 。 今 年 の テ ー マ は 「 One billion tourists, one billion
opportunities」であり、ブルキナファソで中心となるイベントが開催され
る予定である。日本を含むアジア太平洋地域においても、各団体が実施す
る観光振興や観光に関する理解を深めることに資する「世界観光の日」関
連事業を支援する。
4. UNWTO アジア太平洋地域委員会誘致・開催事業
[公益目的支出計画 継続事業2(ロ)]
第27回アジア太平洋及び南アジア共同地域委員会は、6月3日〜6月
4日にモルディブで開催される予定である。第28回アジア太平洋及び南
アジア共同地域委員会の日本開催に向けて、平成27年度にも情報収拾や
誘致に向けた活動を行う。
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第3:地方公共団体等が行う観光交流促進に関する宣伝活動等に対する支援
【当財団定款第4条(3)、(7)】
1. ビジット・ジャパン地方連携事業への参加
当財団に支援を頂いている自治体と連携し、ビジット・ジャパン地方連
携事業に参加する。
2. 国際交流サロンの運営
UNWTO アジア太平洋センター及び当財団の事務所に隣接している国際交
流サロンにおいて、奈良県外国人支援センターの協力を得て、毎週定例会
やイベントを開催し、奈良県下の留学生を中心に国際交流が図られている。
平成27年度においても、引続き国際交流イベントの実施の支援や国内及
び国外の観光情報を提供に努める。
3. 国際人材育成支援事業
国内外の高校、大学、研究機関、観光関連団体と連携し、観光に関心を
持っている高校生・大学生・大学院生・研究者等が UNWTO の活動に関して
理解を深めることができるような講義や UNWTO 関連イベントへの参加の機
会を創出する。
4. 当財団の広報宣伝活動
当財団の現在のウェブサイトは経年劣化をしており、再構築の時期を迎え
ている。当財団の活動をより広く周知するためにも、ウェブサイトを改善
し、誰にでも分かりやすく、観光振興の重要性に関する理解を深められる
ような情報発信を実現する。また、賛助会員の更なる拡大を図るべく、積
極的な働きかけを行う。
(以上)
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