看取り研修会 講演抄録1(あいさつ・情報提供)

平成 26 年度
第2回
多職種連携研修会
看取り研修会
講演抄録1(あいさつ・情報提供)
<概要>
日時 平成 27 年 2 月 7 日(土)午後 1 時 30 分~4 時
会場 魚沼市地域振興センター コンベンションホール
内容
1
開会あいさつ
魚沼地域在宅医療多職種連携推進協議会 会長 金子一郎
2
情報提供「魚沼地域の看取りの状況について」
魚沼地域振興局健康福祉部地域保健課 課長代理 青木真由美
3
実践発表
「施設の看取りについて」
特別養護老人ホーム美雪園 主任看護師
星 佳子
「在宅での看取りについて」
美雪園訪問看護ステーション 管理者 酒井真由美
4
グループワーク 発表
魚沼市新病陰萎対策室 柏木涼子
魚沼市社会福祉協議会 介護福祉課 課長
横山京子
ほんだ病院 ソーシャルワーカー 高野佑樹
上村医院介護支援室 管理者 新保 努
5
まとめ
中島脳外科内科医院 院長 中島 拓
1
開会あいさつ
魚沼地域在宅医療多職種連携推進協議会
会長 金子一郎
本日は土曜の午後というお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。
「魚沼地域在宅医療多職種連携推進協議会」は、この地域の在宅医療を担っている医療・
介護・福祉
各関係機関の皆様にお集まりいただき、この地域の在宅医療の問題点や現
状を整理・検討して、より連携を深めていこうという目的で、年に数回、会議や研修会
を実施しています。
基幹病院の開院、小出病院の機能変換などこの地域のビッグイベントである医療再編
の目前に迫っています。国の方針も一つの病院で、医療を完結するのではなく、地域全
体で連携して患者様の医療介護をやっていくという地域包括ケアシステムという考え方
の中で、在宅医療やそれに続く看取りの問題共有や体制を構築するように求めています。
この地域は、医師・看護師不足で介護の施設も決して多いわけではありませんので、
現在よりも在宅医療や看取りの件数を増やしていくのは、なかなか課題が多くて少し工
夫をしていく必要があると考えております。
いわゆる団塊の世代の方たちが、高齢者の仲間入りをしました。この人たちは 10 年後
の 2025 年に後期高齢者となります。人口で言いますと、現在 1,645 万人の後期高齢者が
10 年後には 2,167 万人と 500 万人以上増えると言われています。このときの年間死亡者
数は 160 万人、病院施設で亡くなる方は 120 万人、すなわち 40 万人の方の看取りの場が
確保されていないということになります。
別のアンケートを見ますと、ご自分の看取りの場を「自宅でと希望している方」は「病
院施設を希望している方」よりも多いという結果が出ています。ただ実際には、病院施
設で亡くなる方が断然多いというのが現実であります。本日の研修会では、医療・介護・
福祉関係以外のいわゆる一般の住民の皆様に多数ご参加をいただいています。ぜひご自
分の考えや経験をお話しいただいて、私どもの今後の参考にさせていただければと思い
ます。
本日はよろしくお願いいたします。
2
情報提供「魚沼地域の看取りの状況について」
魚沼地域振興局健康福祉部地域保健課 課長代理
青木真由美
魚沼地域の看取りの状況、主に看取りの場所、死亡の場所について情報提供させてい
ただきます。
まず全国の死亡状況についてですが、昭和 25 年頃は自宅で亡くなる方が8割くらい、
病院で亡くなる方が1割くらいでした。ところが、自宅で亡くなる方が減り、病院で亡
くなる方が増えてきて、1976 年(昭和 51 年)に逆転しています。以降、どんどん病院で
亡くなる方の割合が増え、現在8割くらいの方が病院で亡くなり、1.5 割くらいの方がご
自宅で亡くなるという状況です。
将来のことを考えた場合、2010 年死亡者数が 1,192 千人、高齢化が進みますので亡く
なる方も増え、2030 年には 1,597 千人と 405 千人増と言われています。
これまでは、先ほどのような割合で自宅が1割という状況では、なかなか現在の病院
ではなかなか対応が難しくなってくるのではないかと言われています。
魚沼保健所管内の死亡状況はどうなっているのかというと昭和57年からのデータに
なっていますが、病院の死亡が増えていますし、自宅で亡くなる方が減ってきている状
況です。
死亡の数としては、統計を取り始めた昭和 57 年は 700 人ちょっとの死亡者数だったで
すが、平成 24 年は 1,000 人近くの方が亡くなられているという状況で、死亡者数として
も増えてきております。伸びが止まってきてはいると思いますが、病院で亡くなる方が
圧倒的に多いです。全国では 8 割ですが、新潟県魚沼管内では7割くらいの方が病院で
亡くなっております。一方、ご自宅で亡くなる方は、2 割という状況になっております。
市民の方の意識はどうか、紹介していきたいと思います。
平成 25 年度に魚沼市が行った「在宅医療に関する住民の意識調査」によると、40 才以
上の市民の方 3,000 人にアンケートを行いました。そのまとめが魚沼市のホームページ
に載っています。
まず、
「あなたは人生の最後をどこで迎えたいと思いますか。
」とう問いは、自宅が 45%、
医療機関は 26%、入所の介護施設が8%となっております。
次に「家族や親戚などから看取り経験について聴いたことがありますか。
」という問い
は、
「ある」と答えた方が 59%、
「ない」と答えた方が 34%という結果になっております。
聴いたことだけではなく、「ご自宅でご家族の人生の最後を迎えた経験がありますか」
という問いは、
「ある」と答えた方が 54%、
「ない」と答えた方は43%となっておりま
す。
本日は、看取りについて関心高い方がお集まりいただいていると思います。皆さんが
どのようにお考えになっているか、次に続きます実践発表、グループワークの話し合い
で、意見を多く聴かせていただきたいと思います。