ふるさと村の 地下から現れた古代

須恵器とは? 須恵器窯とは?
秋田県埋蔵文化財センター平成27年度第2回出張展示 パンフレット
日 本古代の 硬質な土 器です 。多く は灰色~灰白色を 呈しています。製作に あ たり ロクロ(回転台)を利 用
し、専用の窖窯(あながま、穴窯)を用いて1,200度位の高温で焼成します。朝鮮半島から到来した技術により
古墳時代の5世紀に誕生し、平安時代の10世紀頃まで生産が続きました。
秋田ふるさと村の須恵器窯は、主に9世紀の初頭から中頃にかけての操業です。焼成された須恵器は、
官衙(かんが、役所のこと)や寺院など公的な施設に納入されたと想定されます。
ふるさと村の
地下から現れた古代
それでは「秋田ふるさと村」産須恵器はどこに運ばれたのでしょうか。確実なところでは、払田柵跡(大仙
市・美郷町)や秋田城跡(秋田市)、遠方では青森県八戸市内の殿見遺跡から出土例があります。また、明確
ではありませんが、北海道石狩地方(札幌市周辺)出土の須恵器の一部は、「秋田ふるさと村」産の可能性が
ちようけいつぼ
極めて高いとされます。殿見遺跡では首の長い壺である 長 頸 壺 が古墳(円墳、9世紀代)の副葬品として
「秋田ふるさと村」の地下に古代の遺跡があった!ことをご存じでしたか?
秋田ふるさと村は平成6年4月の開村ですが、それを遡る平成2年の5月から 11 月にかけて「秋田ふる
さと村(仮称)建設事業」に伴う発掘調査が行われていたのです。本年は調査から 25 周年となりました。
納められていました。八戸など北方にまで運ばれた須恵器は、どのルートを通り、どのような人々がその役
発掘調査を担当した秋田県埋蔵文化財センター(本部:大仙市払田)は、節目の年を記念して調査当時の
割を担っていたのでしょうか。その解明が東北古代史や北方史に与える影響は大きく、今後の大きな研究課
写真や出土遺物を見ていただくため、出張展示『ふるさと村の地下から現れた古代』を開催することにいたし
題でもあります。
ブロックで楕円形に囲まれた
内部にあるものは?
ました。
近代美術館
平成2年には仮称であった
「秋田ふるさと村」内から4つ
の遺跡が発掘調査されまし
た。 ここ から 、古代の 須恵器
(す えき )と 呼ばれる 焼き 物を
焼 成 し た 窯 跡や 古 墳 時代 の
お墓なども発見されていま
す。
発掘と並行してふるさと村
↓ふるさと村
体験工房↓
の造成工事も進められ、調
査当時の面影を 遺す場所は
ないと思われがちですが、
実は、近代美術館からふる
さと村の体験工房に下る斜
面に須恵器窯跡1基が地下
で保存されているのです。
ふるさと村の地下から現れ
た遺物を通して、古代に思
いを馳せてみてはいかがで
発掘調査と並行して工事が進む「秋田ふるさと村」 (平成2年10月、東側上空より撮影)
しょうか。ごゆっくりとご覧く
ださい。
秋田県埋蔵文化財センター平成27年度第2回出張展示 パンフレット
ふるさと村の地下から現れた古代
会期:平成27年8月29日(土)~10月12日(月・祝)
会場:秋田県立近代美術館5階 ふれんどりーギャラリー
古代の須恵器窯跡
が土中にそのまま
埋まっています
須恵器、須恵器窯跡って
何ですか?
裏ページでご確認を。